看護師が循環器内科に転職する6つのポイント。仕事内容とメリット、デメリット

看護師のK美
K美 45歳(女性)
看護師
総合病院急性期外科勤務
職歴:腎臓内科3年、消化器内科5年、呼吸器内科6年、循環器内科5年

こんにちは!
ベテラン看護師のK美です。
今回は、循環器内科で働いてみないとわからない細かい内情についてお話しします。
循環器内科ってどんなとこ?といった素朴な疑問から、そこで働く看護師にとってのメリットデメリットまで。
循環器内科に転職したいあなたに知っていただければ幸いです!

では、さっそく。
循環器内科疾患から。
じっくり見てみましょう!

循環器内科で必要な知識

循環器内科は、血液を送っている心臓と血管を扱う科です。
よって、以下のような疾患の知識が必要になってきます。

循環器内科の疾患

疾患は主に以下の通りです。

  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 重症心不全
  • 心筋症
  • 不整脈
  • 弁膜症
  • 先天性心疾患
  • 高血圧症
  • 大動脈疾患
  • 末梢血管疾患
  • 肺高血圧症
  • など

うーん。
やはり心臓を扱うだけに、症状の重い疾患が多く、しっかりと覚えておきたいものばかりです。
さらに、急変も多そうだし、スピード勝負なにおいがプンプンとしてきます。
実際はどうなっているのか。
気になりますよね。
次で押さえておきましょう。

循環器内科の特徴

特徴はズバリ4つ!

1.カテーテルを使う

循環器内科では、血管の中を通すカテーテルを使います。
カテーテル自体は医師が扱うので、看護師はその医師の介助をします。
当然ながら、カテーテル全般の知識は必要になってきます。
具体的には、カテーテルで投薬、検査、そして治療を行います。
例えば、カテーテルを血管が狭くなったところに通してバルーンで拡張したり、ステントを入れます。
カテーテルを使うと、いちいち開胸せずに治療できるし、さらに患者さんへの負担も少ないんです!
だから、循環器内科ではカテーテルが主流です。

2.心電図や心エコーを使った検査がある

検査方法にも特徴があります。
心臓の中の状態は心エコー(超音波)で、心拍のリズムは心電図で検査します。
もっと詳しく検査する場合、さきほども言ったように、カテーテルを使って心室内心電図をとったりします。
なので、心エコーや心電図の知識も必要です。

3.中高年の患者さんが多い

患者さんは中高年の方が多いですね。
もともと高血圧や糖尿病を患っている患者さんが、長い時間をかけて動脈硬化が進み、やがて狭心症になり、最終的に心筋梗塞にいたるパターンが多いです。
このように長期間で症状が進行していくので、患者さんも自然と高齢になっていくわけです。
進行をくいとめるためには、看護師が患者さんに生活習慣の改善を指導しなければなりません。

4.急変が多い

心臓はカラダの要となる臓器。
だからその分、(ご想像通り)悪化しやすくて急変が多いです。
さらに、カテーテル治療が1日に数件連チャンで入ることがあるので、医師が忙しい科でもあります。
食事もとらずに緊急カテ治療をする医師のそばで、看護師はテキパキと的確に判断して動かなければなりません。
急変や緊急カテが多い分、内科でありながら、外科の空気を感じさせる科です。

ここまでで、循環器内科の特徴をザックリつかんでいただければOKです。
次はいよいよ、循環器内科で働く看護師の仕事について!
じっくり、みてみましょう。

仕事内容

循環器内科の通常業務は、一般的な診療科と違いはありません。
バイタルチェック、内服薬の与薬、点滴、食事や排せつの介助、清潔ケア。
これに、診察補助と検査の介助が入ってきます。

患者さんは高齢のため、寝たきりやADLが自立していないかたが多いです。
よって、食事、排泄、体位交換といった日常の支援業務もあります。

ただし!
循環器内科特有の仕事も3つあります。

1.生活指導(禁煙指導)

看護師は患者さんに日々自己管理をしてもらうように指導します。
患者さんは、塩分や脂肪控えめに!適量のカロリーの範囲で!といった食事療法を自分で管理することで、心臓への負担を減らさなければなりません。
塩分や脂肪分のほか、内服薬、コレステロール摂取量、水分量、アルコール量も管理していただきます。

とくに喫煙習慣のある患者さんは、禁煙をしなければなりません。
看護師は、禁煙に挑む患者さんのメンタル面をケアし、禁煙成功の陰の立役者となることが求められます。
喫煙は「吸いたい欲望が抑えられない」といった精神的な依存だけでなく、体がニコチンを求めるといった肉体的な依存を伴います。
だから患者さんの意思だけでタバコを辞めるのはとても厳しいですね。
禁煙は治療の一環として認められているので保険適用内でできることもあって、患者さん自ら禁煙をしに病院にやってきます。
病院にくると、患者さんはニコチンパッチやバレニクリンといった禁煙補助薬も使いながら禁煙を目指します。

このように、心臓を悪化させる要因をつぶしていくために、患者さんに自己管理をしてもらうように指導するのが看護師の仕事です。

2.心電図と心エコー読み

心電図や心エコーは日常的に使います。
だから看護師は、使い方や読み方を熟知しておかなければなりません。

例えば心電図について。
まず、看護師は、患者さんの体に電極を貼ります。電極はシール型、吸盤型があります。
電極を設置する部分を清潔にしてからシールを貼ります。
あとは貼った箇所の皮膚状態を確認し1日に1回シールを交換します。

次に、患者さんの心臓の状態を心電図モニターを使って観察します。
病室にいる患者さんの測定内容は、離れたナースステーションにある大型モニターに常時とばされています。
看護師はナースステーションで、1度に数台~数十台分のモニターをチェック!
心電図の正常波形を理解し、不整脈や異常を確認しなければなりません。

もし異常を発見したらどうなる?
そのときは、心電図検査(12誘導心電図)を行います。
患者さんに貼る電極の数もさらに増え、心電図の読み方もとうぜん複雑化します。
でも、看護師はすべて理解しておかなければなりません。

わたしも、12誘導心電図が覚えられなくて、先輩に助けてもらってました(汗)
覚えるにも、学生バリの暗記でもうぐったり・・
結局、先輩から教えてもらったごろ合わせでなんとか完璧にマスターしました。

ゴロ合わせで覚える電極の設置場所

心電図モニターや12誘導心電図は、それぞれ電極を貼る場所が異なります。
「どの電極をどの部位に貼ればいい?」
覚えるのが苦手な看護師は多いです。
3点誘導法→「あ(赤)、き(黄)み(緑)」(あ、君!)
12誘導心電図→「あ(赤)き(黄)み(緑)ちゃんブラ(黒)むらさき(紫)」(あきみちゃんブラむらさき)
といったゴロ合わせを組み合わせて覚える方法があります。

検査では具体的に何をするか?
チョット触れておきますね。

12誘導心電図検査は、3つの行程があります。

  1. 患者さんへの検査の説明(痛みは感じないこと、かかる時間、会話と体動や深呼吸はNGなど)
  2. 環境整備(検査前の排尿の促し、室温調整、プライバシー配慮)
  3. 不整脈がないか記録中の観察や報告

その他に、心拍数、リズム、波形を確認し、異常波形や胸部の違和感があれば、12誘導を記録します。

とにかく心電図は、小さな変化に気づくことが重要!
心電図の波形の微妙な変化、患者さんの発汗量の変化を見逃してはなりません。
でも、大丈夫!
慣れてくると、こういった変化にも看護師は素早く気づけるようになります。
循環器の疾患は、異変の早期発見が命を左右するということを忘れないでください。

3.カテーテル治療の介助

看護師はカテーテル検査や治療をする医師を介助します。
カテーテルは、前にも言ったように、投薬や冠動脈形成術などの治療から検査まで幅広く使われる技術です。
そのうえ、カテーテルを得意とする医師がいると、その分介助する回数も増えます(汗)

治療当日は、治療中、治療後の2ステップに分かれます。

    カテーテル治療中(※主な仕事のみ抜粋)
  1. 撮影台や検査キットの準備を行います。
  2. バイタルチェック
  3. 消毒の介助
  4. 医師に局所麻酔薬や他の薬品、カテーテル類を清潔に渡す
  5. 患者さんに声掛けをし、不安や副作用の有無を確認する
  6. カテーテル抜去後の止血確認、圧迫固定する
  7. 患者さんに検査後の注意事項の説明をする
    カテーテル治療後(※主な仕事のみ抜粋)
  1. バイタルチェック、腹痛、頭痛の有無、圧迫固定の状態チェック
  2. 食事、排泄介助
  3. 包帯交換の介助
  4. 排尿確認

カテーテルの挿入は一瞬で心臓部に到達します。
医師のスピードに合わせ、看護師も素早く清潔にサポートしなければなりません。

いかがでしたか?
循環器内科は、患者さんに自己管理の指導をしながらも、カテーテルや心電図といった専門性の高い知識も身につけられる場所。
そして患者さんの異変にいちはやく気づく力が必要だということがわかりましたね。
では続いて、どんな看護師たちが働いているのか?
みてみましょう。

どんな看護師が働いているの?

循環器内科は、忙しい科にもかかわらず転職希望者の多い科です。
なぜでしょう・・・
それは、カテーテル治療や心電図の専門的な知識が身につくからです。
急変が起きるたびにとっさの判断力を養えるため、スキルアップしたくて学習意欲の高い20代~30代の若い看護師が多いです。
中には、循環器内科で一通りのスキルを身につけて外科に異動するケースもあります。

確かに!
わたし自身も、循環器内科の経験があったからこそ、今働ている循環器外科でもやっていけそう!って思えました。
同じように外科に異動するケースがあるのもうなずけます。
では次に、働く前に必ずおさえておきたいポイントにも触れておきましょう。

循環器内科のメリット

  • カテーテルの知識が身につきます。治療の介助ができるので、患者さんを治療している!達成感が得られます。
  • 心電図の読み方や、記録のスキルが身につきます。
  • 心不全の対応はスピードが命のため、何が原因で心不全になっているのか?アセスメント力がつきます。
  • 生活習慣の指導で患者さんと接することも多く、関わり方も学べます。
  • どこでも通用する点滴のスキルが身につく。

循環器内科で扱う点滴薬

循環器内科は点滴に使う薬剤が微量のため、シリンジポンプを使って機械的に点滴に薬剤を注入します。
シリンジポンプに注入する薬剤の量は単位が細かくすぐに算出できません。万が一適当に算出すると、患者さんの命に関わります。
よって、看護師はガンマ計算で算出します。
例えば、心不全では、血管拡張と利尿をかねたカルペリチド点滴を行うことがあります。
薬剤を混合すると配合変化によってはルートが詰まることもあるため、シリンジポンプを使って1時間=1ml単位で生理食塩水やソリタ-T1をw時間=10mlキープで流します。
さらに、抗凝固薬も良く使われるのですが、さきほどのカルペリチドと混ざってしまうと薬の効果がなくなります。
このように1ml単位で薬剤の量を算出し、さらに薬の特徴も熟知しておかなければなりません。
循環器内科で微量の薬剤を調整するスキルがあれば、どこの科の点滴も不安なくこなせるようになります。

循環器内科のデメリット

  • 急変時の緊迫した空気がストレスになる場合もあります。
  • カテーテル治療で医師との関わりが多い分、性格の合わない医師と人間関係のトラブルをかかえがちです。
  • 扱う点滴薬が微量のため、ミスへの不安を感じる場合もあります。

いよいよ、これで最後になります。
わたしからのメッセージ。
聞いてください!(笑)

循環器内科に転職したいあなたへ

循環器内科は、デリケートな臓器を扱うところ。
だから点滴薬のガンマ計算方法や、心電図の波形の読み取り方など細かい知識を得られる職場でしたね。
それに急変が多く、判断力も身につきます。

一方、生活習慣(食事、喫煙)の指導を通じて、患者さんとの関わりが深いことがわかりました。
こんな感じで、循環器内科はスキルアップもしつつ患者さんと関わることもできるため人気があるのも納得ですね。
転職したいと悩むなら、1度やってみてはいかがでしょうか。
わたしも、循環器内科の経験がいままさに役に立っていると実感しています。

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