看護師の残業を比べてみました。多い?少ない?体験談9ケース

あなたは定時で帰宅できていますか?

「残業が多くてツライ…」
「先輩が残っているのに帰れない…」
「無駄な仕事が多すぎる…」

残業って本当に嫌になりますよね。

けどその一方。
定時にキッチリ帰宅できる職場もあったりします。

その違いは何なのか!?

みんなの体験談を調べると、ある傾向が見えてきました。
その結果をご覧ください。

残業が多い看護師

新人看護師に残業はつきもの

B.Rさん(20代)
看護歴:新人
転職先:消化器内科

社会人経験者の新人看護師です。

17時定時ですが、早くて20時に退勤しています。
業務が先輩よりも時間がかかる上、就業時間後にカルテ等の記録をつけることにいつも手間取ってしまうので、どうしても遅くまで残業することになってしまいます。

看護師長には「自分の能力を考えて残業はつけるように」と言われています。
自分の仕事が遅いせいなので、急患等でない限り残業代をつけることはできません。

更には新人が残業をしなくてはいけない暗黙の了解があるらしく、定時で帰る先輩がいても同じように定時で上がることはできません。
一般企業で言えばブラック企業じゃないの?と始めは驚きました。
しかし、看護業界ではどうやらこれが当然のようですね。

まだまだ残業代を貰うほどの仕事はしていないことは確かです。
看護師の仕事をやるからには勉強代だと思って、積極的に取り組むようにしています。
なるべく就業時間内に業務を終えられるよう意識してスキルは磨いていこうと思います。
今のうちにしんどい思いをしておけば、中堅になったときにきっと楽になると信じて今は頑張って夜まで働きます。

訪問看護の事務処理は定時外で

H.Nさん(40代)
看護歴:15年
転職先:訪問看護ステーション

看護師5年目で病棟勤務に疲れ、転職しました。
その後、ブランクを除いて10年ほど訪問看護をしていました。

しかし、訪問看護はサービス残業があまりにも多く、嫌になって辞めました。
訪問件数は1日に7件ほど、休憩時間や移動時間を踏まえず、時間いっぱい組まれています。
ステーションに帰ってくると定時近くで、その後に報告書や計画書等の事務処理があるのでとても定時では帰れません。
残業代もつかないので、サービス残業です。
朝も1時間早く出勤して事務処理を片付けています。

さらに、24時間のオンコール体制で全く休まらない上に手当も付きませんでした。
私は10年近く耐えましたが、私以外は短期間で辞める人が多く、入れ替わりの激しい職場でした。
結果人手も足らず、一人あたりの負担が増えるという悪循環が起こっていました。

正直、働きやすさは上司によるところが大きいと思います。
休憩時間や事務処理の時間も考えてスケジュールを組んでくれるかどうかです。
私は別の訪問ステーションに転職しましたが、やはり面接時言われた時間や件数とのギャップがあったので結局退職するつもりでいます。
スタッフ同士の人間関係で悩むことは少ないですが、残業については入ってみないとわからないことが多いのが訪問看護の難しいところですね。
近々病棟にパート勤務で転職する予定です。

残業+深夜勤の日がツライ

M.Mさん(20代)
看護歴:5年
転職先:急性期病棟

急性期病棟勤務です。
私の職場では、オーダリングと紙カルテの2つを業務時間後に書かなくてはなりません。
なので、定時で帰れる日はほとんどありません。
1時間早出して、帰りは2時間ほど残業します。

特に、パソコンでオーダリングの入力を行うので、医師がパソコンを使っているときは終わるまで待たなくてはいけません。
これは本当に非効率だと思うので改善してほしいところです…。

電子カルテのように業務時間の合間に少しだけ打ち込んでその都度保存できたらいいのですが、紙カルテとなると時間もかかってしまい、どうしても業務時間後にまとめて記入することになってしまいます。
そもそも業務時間内にもまとまった時間は取れませんし、忙しい業務中に事務作業なんてできない雰囲気です。

三交代なので、深夜勤の日は本当にしんどいです。
せっかく家から近い病院に勤めているのに、少ししか仮眠できずにすぐ出勤です。
プライベートな時間が全く取れず、ストレスが溜まっています。

遠くの病院に勤めていた時の方が断然早く帰宅できていました。
今の仕事にもやりがいは感じますが、あまりに息が詰まるので正直転職を考えることもあります。
せめて二交代の病院がいいと思っていますが、どこの病院に勤めても定時で帰れるということはないだろうなと諦めています。

ダラダラ残業する雰囲気の職場

R.Aさん(30代)
看護歴:7年
転職先:内科

転職して3年目です。
この病院では新人もベテランも毎日残業が当たり前な雰囲気です。
前の病院はなるべく早く帰ろうという雰囲気があったので、このギャップに戸惑っています。

定時になると私は急いで仕事を片付けようとするのですが、他の人たちは誰も早く帰ろうとはしません。
それどころか、ほっと一息ついてからのんびりと事務処理を始めます。
だらだらと雑談交じりに残っていて、とても非効率に感じます。
緊急手術でもない限り残業代もつかないのだから、少しでも早く帰って自分の時間にした方がいいと思うのですが…。

それを見ている新人も同じように、だらだらと残業しています。
「先輩が残っているのに帰りづらい」というよりは、同じように新人同士でおしゃべりしながら丁寧にやらなくてもいい仕事を丁寧にやっているだけのようです。
このままでは来年も再来年も同じように新人が育ってしまうという危機感を覚えます。

本当に仕事ができる人というのは、数多く業務の中で丁寧にすべき仕事とそうでない仕事を見極めて、上手く手を抜きながら手早く済ませられる人だと私は思っています。
なので、私は後輩には事務処理はさっさと終わらせて早く帰るように声をかけていますし、私自身も勤務中からすきま時間に少しでも記録を取って、早く仕事を終わらせることに集中しています。
とはいえ、ベテランさんたちはすでに残業が習慣になってしまっているようで、この職場の雰囲気は私一人では変えられそうにありません。

残業が当たり前の大学病院

N.Iさん(30代)
看護歴:16年
転職先:大学病院

大学病院で働いている看護師16年目です。
新卒から大学病院で働いていましたが、体力的に大変だったので一度転職したことがあります。
しかし、結局物足らなくなってまた別の大学病院に転職して今に至ります。
今は毎日1時間ほどの早出、業務時間後には2時間前後のサービス残業をしています。
やはり大変ですが、やりがいを感じて働いています。

大学病院は研究機関ということもあり、慌ただしい現場ゆえ残業は当たり前だという風潮があります。
患者の回転が速く、重症度も高いです。
日中も座る暇なく忙しいので、カルテ記入などの記録作業はできません。
残業してもほとんど残業代は出ませんし、勉強会で休日に出勤することもあります。
おそらくどこの大学病院でも、同じような環境だと思います。

始めはこの慌ただしさに目が回る思いでした。
しかし、身につく知識や技術もその分多いのだと公立病院に転職した時に初めて気が付きました。
今では不満よりも様々な仕事を覚えたい、スキルアップしたいという気持ちの方が大きいです。
多少の残業があっても、看護師としての力をつけたいハングリー精神のある人には大学病院は良い環境だと思います。

単純に忙しいだけでなく、職場の雰囲気や上司によっても残業の多さは決まってくるようです。
残業が理不尽に多いのか、やりがいがある分多いのかも職場によってまちまちですね。

また、新人看護師には特に残業はつきものだという話もありました。
始めのうちは、スキルアップのための先行投資だと思って取り組む姿勢も必要なようです。

残業が少ない看護師

定時上がりに力を入れる職場

N.Hさん(30代)
看護歴:12年
転職先:クリニック

現在12年目の看護師です。
私は何度か転職していますが、今の病院の前に働いていた総合病院だけは、基本的に定時で帰ることができました。
業務改善委員会が時間外労働をいかに減らせるか熱心に取り組んでいたからです。

早出も禁止され、時間内で業務を終わらせることを徹底していました。
なので、定時1時間前からは慌ただしく、先輩たちと声を掛け合って残った業務を分担していました。
研修も業務時間内にあることが多く、残業になっても残業代が出ました。

もちろん急患があれば定時を過ぎることもありますが、普段がこのような労働環境なので誰も文句を言いません。
ここまで熱心に委員会が力を入れているのも珍しいと思いますし、新人もおらず、病床数も人員に対して多くなかったのでできたのだと思います。
残業の有無は入職してみなければわからないし、急性期病棟ではよほど運が良くなければ残業のない職場には当たらないです。

現在はクリニックで働いています。
時給で働いているので、今も無駄な残業なく早く帰るように言われています。
確実に残業を避けたいのであれば、少なくともパートで探すしかないと思います。
パートでもサービス残業をさせられるところもあるようですが…。

働いた分だけの残業代はもらえました

I.Rさん(20代)
看護歴:7年
転職先:外科病棟

病棟勤務7年目です。
新人時代は残業1時間くらいしていました。
やることといったら記録くらいで、必要最低限でした。
他と比べると少ない方だと思いますよ。

新人は残業代をつけない暗黙の了解がありました。
その代わり、即入などイレギュラーで忙しかった時は「今日はみんな残業つけていいよ」と師長に言われました。
働きの分だけつけさせてもらえると思えば、まだ仕事に不慣れな分は残業がつかないことも納得できましたし、新人は誰も不満を言いませんでした。

二年目以降も、「今日は忙しかったよね頑張ったよ」ねって日はみんなで残業をつけてました。
逆に自分の力が及ばず仕事が手間取っただけのときには、残業はつけませんでした。
師長も「残業が多いと能力が低いチームって思われるからね~早く帰りなさいよ~」とよく言ってました。
その通りだと思いますし、その分やはり連携の取れた雰囲気の良い職場でした。

しかも働いた分だけきっちり手当をもらえる職場なんて、なかなかありません。
師長や先輩たちに恵まれていたのだと思います。
他の病院ではなかなかこうはいかないでしょうね。

勤務時間優先で転職しました

U.Bさん(30代)
看護歴:15年
転職先:急性期病棟

急性期病棟ばかりいくつか転職しています。
最初の職場では前後残業合わせて月に120時間くらい残業していて、心身ともに限界がきたので転職しました。
それからは転職するときは労働時間を一番に選んできたので、今の職場では残業がほとんどありません。

最初の職場では何故残業が多かったのかというと、新卒が一気に入ってきたからだと思います。
先輩たちも慌ただしく、何もわからない新人を教えるストレスでピリピリしていました。

なので、大量に新卒を採用するような看板の大きな病院は避けて転職活動をしました。。
大学病院の近くにあって患者があまり多くないような病院で、さらに新卒にはあまり人気のなさそうな地味な分野を選んで病院見学をしました。

おかげで今の職場は経験のあるナースが多く、ピリピリした雰囲気もありません。
夕方になると、受け持つ患者さんの重症度に合わせて、お互い仕事を割り振ります。
即入があれば手の空いている人全員が関わるし、切り替わりの時間なら遅番の人が対応してくれます。
定時で帰れるよう協力し合う雰囲気があって、とても良い職場だと思います。

定時上がりできるような病院の方が少ないのが現状です。
しかし病院見学をしっかりして探せば、少なくとも理不尽なサービス残業からは抜け出せると思います。

残業はないけど…

K.Kさん(30代)
看護歴:8年
転職先:精神科

精神科で働き始めて2年が経ちました。
以前は急性期病棟に勤めておりましたが、出産を機に残業のない精神科で復職しました。
スタッフ同士の人間関係も良好で、子どもの熱で急遽休んでもお互い様という雰囲気です。

しかし、仕事内容にはやりがいを感じられないこともあります。
今勤務している精神科では処置をすることが少なく、独特なゆったりとした雰囲気で緊張感がありません。
看護技術が落ちているような気がして、将来的に他の科に転職した時についていけるのか不安になります。
こんなことを考えるなんて、よっぽどバリバリ忙しく働いているほうが自分の性に合っていたんだなと気が付きました。

精神科は患者さんとの関わり方も特殊であり、決して楽な職場というわけではありません。
しかし、精神科に限らない看護師としてのスキルアップを考えるとこのままでいいのかという気持ちにもなります。
私は、残業も当たり前にあった急性期で忙しく働いていたときの方が技術面や体力、精神面でも鍛えられていたように思います。
しかし、今は家庭と仕事の両立が一番だと考えているので、しばらくは残業のない精神科で頑張っていくつもりです。

こちらも、「協力して終わらせよう」という雰囲気の職場がある一方で、忙しさが少ない分やりがいを感じにくいところもあるようです。

まとめ

残業が多い看護師と少ない看護師の体験談をそれぞれ紹介しましたが、いかがでしたか。

残業の多い・少ないを決める要因として、一つは「職場の雰囲気」が挙げられます。
実際に働いてみないとわからないところですが、これから働く病院を決める人は、病院見学をする際にぜひ注目してみてください。

残業があってもスキルアップの見込める職場で働きたいか。
それとも定時で帰れる職場で自分の時間も十分に確保して働きたいか。
自分の理想とする働き方を考えた上で、自分の求める看護師の仕事よりもオーバーワークだな、対価が支払われていないな、と感じたら、次の職場を探すことを考えてみてもいいかもしれませんね。

こんな記事も参考にどうぞ。

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