患者から看護師へのクレーム。事例と対処法のまとめ

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どうも、メディカル調査員の前田です!
看護師の皆さん、患者さんやその家族からクレームを受けたことありますか?
看護師なら、一度は経験があると思います。

クレームがあると、ヘコみますよね。
直接怒鳴られたりすれば、精神的ダメージは大きいです。
辞めたい・・・と悩んだこともあるのでは!?

そこで今回、「クレームとその対処法」をテーマにお話しします。
まずはみんなのクレーム体験談を見ていきましょう。

看護師の技術に対するクレーム

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クレーム事例

・メモを見ながらの処置はやめてくれと言われた (1年目: 整形外科)
・透析通院中の患者から、穿刺が下手だと怒られた (2年目:透析)
・採血がうまくいかず、焦って何回か刺してしまい、相手を怒らせてしまった (2年目:クリニック)
・新人が翼針を押さえながら針を抜いてしまったらしく、痛いと患者が相当怒っていた (5年目:内科)
・特に何かミスをしたわけでは無いが、注射が痛いと言われた (3年目:内科)
・クレンメを勝手にいじるのを注意したら、看護師が頼りにならないからだよ!と怒られた (4年目:クリニック)

このクレームが発生する原因は、看護師が提供する看護に苦痛や恐怖を感じたり、技術が未熟で不満を感じることにあります。

患者さんにとって、看護師はプロの医療従事者です。
だから、一方的に高いレベルの技術を要求してくることもあれば、スムーズにできないだけでもクレームになったりします。
クレーム対応の前に、その点は理解しておきましょう。

看護師の態度に対するクレーム

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クレーム事例

・事情を把握せずに患者さんにとりあえず謝罪した結果。
患者さんががそれを察して「適当に謝ってるんじゃない!」とヒートアップした(1年目:救急科)
・丁寧にしゃべっているのに、患者さんから言葉がきついと言われた(3年目・外来)
・新人に対する苛立ちをなぜか私にぶつけてきた(10年目・皮膚科)
・医者からの説明を聞いてないとキレて、看護師に当たった(7年目・呼吸器科)
・あのベテランは対応してくれたのに、新人の君は対応してくれないといわれた(2年目・急性)
・夜間診療をしていないので来院を断ったら「たらい回しか!」とクレームになった(4年目:外来)
・笑顔が冷たいと怒られた(5年目:訪問看護)
・「看護師はプライドが高い」と一方的に言いがかりをつけられた(10年目:リハビリ科)
・ナースコールが鳴ったらすぐ行かないと「遅い!」と怒られる(3年目:呼吸器科)

ここでのクレームの原因は、看護師や医療関係者の言動が冷たい、気にかけてくれないといった、不満から発生することが多いです。

病棟が忙しいと、つい患者さんのことがおろそかになったりします。
しかし、患者さんも入院中心細く、身近にいる看護師さんは頼りであって欲しいと思うものです。
その違いが、クレームとして現れています。

また、かまってほしさで、あえてクレームにしている人もいるようです。
どういう場合にせよ、根底にどういった不満を抱えているかを考えて対応するのがよいでしょう。

入院環境に対するクレーム

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クレーム事例

・輸血ポンプのランプの点滅が気持ち悪いから寝れないと言われた(2年目:外科)
・「窓が開いているから閉めろ!」など些細なことでナースコールを鳴らされた(5年目:内科)
・病院食を「まずい! 作り直せ!」と訴えてられた(3年目:内科)
・フルネーム確認に対して、名前を言ってくれない「見りゃ分かるだろう!」と怒られた(4年目:眼科)
・食事の時の米が柔らかいというクレームを受けた(4年目:外科)
・3次救急のある病院だけど、「夜中の救急車の音がうるさい!」と言われた(3年目:救急)

ここれでのクレーム原因は、入院時にストレスや苦痛から気に入らない、早く家に帰りたいという不満から発生することが多いです。

1回不満が爆発すると、ストレス、苦痛、気に入らないという不満を遠慮無くたたきつけてきます。
例えば、入院1つ見てみても、「俺の金を払ってやってるんだから!」と言い始めて看護師に暴言や暴力を振るう人もいます。
けど、そういった人たちもまたストレスを抱えているのでしょう。

先入観を持たずに、1度彼らの不満を聞いてみるとよいかもしれません。

治療に対するクレーム

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クレーム事例

・処方を無視して、院内で扱ってないジェネリック医薬品に変えろと騒がれた(6年目:内科)
・ネットで変な情報を見たのか、やたら自分は重病だと主張された(3年目:放射線治療科)
・自宅療養になった患者さんが「治らなかったから金返せ」と怒鳴り込んできた(8年目: 整形外科)
・大部屋の病室で、医師が肺ガンを患者さんに告知。患者本人からも周囲からもクレームが来た(4年目:呼吸器科)
・看護師が処置をしようとしても、納得がいかないからドクターを呼べと暴れていた(8年目:内科)
・軽傷なのにも関わらず、重病だと騒いでいた(5年目:外科)
・診断された病気と、その治療方法の説明をしたにもかかわらず、説明されてないと怒る(5年目:呼吸器科)
・胃潰瘍の診断に納得がいかず、「がんのはずだ!」とご立腹していた(9年目:消化器内科)

ここでのクレーム原因は、先生になかなか会えない不安であり、治療に対して不信感から発生することが多いです。

また、入院時や治療前に説明を聞いて無くて怒る人もいます。
中には、医療費を未払いのまま診療を受けて帰る患者もいます。
再度、きちんと説明すれば引き下がってくれうこともあるもしれません。

なので、相手の不満点を早期に見つけ出し、別のプランを提示するのが大事です。

【番外編】仰天クレーム

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クレーム事例

・いちゃもんつけて、診察料を無料にさせようとしてた(4年目:クリニック)
・看護師はスカートを履けと言われた(5年:リハビリ)
・看護師、医者、院内スタッフに対してマスクをするなとクレームが入った(3年目:呼吸器科)
・院内で扱っている止血用ゴムベルト(安いの)を看護師が自腹で買って配れという患者がいた(7年目:透析)
・病室のテレビが壊れたと呼び出され、業者を呼ぶと伝えたが「なぜ看護師なのにテレビを直せないの?」とクレームになった(4年目:内科)
・大部屋にいるのが気に喰わず、ベット柵を突然看護師に投げつけた(2年目:循環器内科)
・子供が入院しているのに、子供より先に精神的負担を抱えた親をケアすべきだとその親がクレームを入れてきた(5年目:小児科)

ここでのクレームの原因は、何から来ているか不明です。
ものによっては、入院のストレスや病気への不安を別の形で紛らわせているようにも見えます。

万が一こういったクレームが出た場合、個人では無く病院で対応するのが良いと思われます。
そして、もっとも行き過ぎた人はモンスタークレーマーとも言われます。

クレームは初期対応が重要

クレーム対応に割く時間は大きく、出す方も出された方も非常に労力を使います。
クレームを出したとき相手は大きな怒りのエネルギーを持っています。
初期対応を間違えた場合、相手の怒りを大きくし、さらに話をこじらせることが多いです。

クレームというのは、すべてが怒りの感情だけではありません。
そのために、初期対応がすべてとなってきます。相手をクールダウンさせることができれば対処成功です。

初期対応は、次の項目にある共感と傾聴にあたります。

クレーム対応対処法

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4つの行程が必要です。

  • 共感:起こっている状況に対して理解を示す。
  • 傾聴:時折相づちを打ちながら、相手の状況やクレーム発生の経緯を把握する。
  • 確認:相手の訴えている状況を理解し、クレーム発生の経緯を相手と相互確認する。
  • 提案:相互確認の結果、解決案を提示し、相手の様子をうかがう。

共感は、初期対応の最初の段階です。
原因に関わらず患者さんの思いに共感を示すことが大切です。
話の内容が要領を得なかったり、整理されていないケースも発生すると思います。

ですが、大事なのは患者さんが不満や不快を感じ、クレームになっているという事実です。
その事実に対して、訴えてきたという行動に感謝し、また同時にその思いをさせてしまったことを謝罪しましょう。
「ご不快な思いをさせて申し訳ありません」といった謝罪方法になります。

その際の注意点は、相手の感情に対して謝罪するのであって、全面的に非を認めるということではないです。
その上で、座ったり場所を変えたりして、相手が落ち着いて話せる状況に誘導し、話の先を促していきます。

傾聴は、初期対応の最後の段階です。
話を聞くときの姿勢に関わり、クレーム対処において大事な点です。

この傾聴のコツは時々相づちを打ちながら、患者さんの話を遮らずに最後まで聴きましょう。
患者さんの話を遮らないことは、相手の感情をはき出させることにつながります。

そうして徐々にクールダウンをしていくので、一通りの話を聴きます。
こうして、クレームに至った背景を把握していきましょう。

確認は、患者さんが感じたことや思ったことを確認していきます。
自分の主観を入れること無く、相手の主張に共感しつつオウム返しを使い事実を相互確認しましょう。
「申し訳ありません。●●という理解でよろしいですか?」ときちんと向き合えば、相手にも「あ、この人は聴いてくれる」と伝わります。

こうして聴いてくれると分かったら、解決している場合もあります。
おおよそは、聴いてくれるとか、共感してくれると思えば相手の不満も軽減されます。

解決できないクレーム

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クレームにもタイプがあります。
その中には、答えられない要求や解決できない問題が提示されることもあるでしょう。
そういった場合、相手の不満や要求そのものを否定せずに、相手の要求に応えられないことを伝える必要があります。

この場合必要なのは断固とした姿勢です。
相手の要求に応えられないことをきちんと伝え、その上で相手に理解してもらうしかありません。
曖昧な態度を取れば、相手がさらにエスカレートする可能性が高いです。

そういった場合は対応する職員を変えると良いでしょう。10分くらいが目安です。
もしくは、場所を変えたり、複数人で話を聞いた方が良いです。

相手の挑発に乗ってはいけません。
記録、録音の用意をしつつ、相手の話を聞いてゆきましょう。
そういう情報を伝えた上で、相手が冷静さを欠いて暴力沙汰になったら警察を呼びましょう。

まとめ

いかがでしたか?
看護師は人とかかわる仕事なので、クレームは避けて通れません。

入院中の患者さんは、慣れない入院生活でストレスがたまり、病気であることに不安を抱いています。
看護師の何気ない一言や、態度で不満を抱きやすい状態にあります。

そんな患者さんの心情を理解した上で、クレームに対応しましょう。

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