保育園で働く看護師のまとめ。給料、求人、働き方

五十嵐さん(40代・女性)
大学病院からキャリアスタートし、正社員や派遣などで18の職場を経験。今は転職アドバイザーとしても活躍。

「保育園で働いてみたい…」

保育園の仕事は、看護師なら一度は憧れますよね。
小さな子供に囲まれての一日は、病棟とは比べられないほど楽しいものです。
また夜勤なし、土日休み、残業も少ないため、環境的にも理想的です。

今回はそんな保育園ナースの特集です。

保育園の仕事

仕事は、子供たちの健康管理がメインです。
熱やケガの処置、服薬管理、健康診断、感染症対策、予防接種、年間保健計画の作成、保健だより、保健相談などなど。
手が空けば、保育士としての仕事も期待されます。

看護スキルはそこまで必要ありません。
臨床経験が少ない方、ブランクがある方などにもオススメできます。

保育園の看護配置基準

保育園の看護師配置は、法的な義務がありません。
そのため看護師付きの保育園は、2割ほどにとどまっています。
またその数は保育園に1名だけというケースがほとんどです。

看護師としての働き方は大きく2種類あります。
看護師専業
保育士としてクラスを担当しつつ、看護師を兼務

看護師専業であれば、子供たちの健康管理に専念できるでしょう。

大変なのは、兼業時です。
クラスを持つのは予想以上に大変なため、本来の看護業務にまで手が回らなくなります。
保護者からも「えっ看護師さんだったんですか?」と言われることも。

保育園の求人事情

保育園の仕事はデメリットもあります。

まず求人の少なさです。
保育士の募集は多いのですが、看護師の募集はかなり希少です。
地域によっては「幻の求人」とまで言われています。

というのも保育園は「看護師は必須ではない」からです。
あくまでも保育園が自主的に雇うだけ

ハロワや転職サイトに登録して求人を待ちつつ、新規開園のオープニングを狙うのが確率高いでしょう。

しかしもし転職が決まっても、入職は4月まで待たされたりします。
保育園はその性質上、4月の新学期に合わせてスタッフが「退職・入職」で入れ替わりますからね。
これが結構不便です。
例えば9月に内定をもらっても、4月まで待たなきゃいけない。
じゃあその間、何をするのってなりますよね。
アルバイトをするには短すぎるし、ただ待つには長すぎるし・・・。

さらに退職時も、4月に合わせなければいけません。
保育の世界は、暗黙のルールとして「4月入社、退職」が結構徹底していますからね。
これも結構厳しい制約です。

保育園の待遇

保育園に給料を期待してはいけません。

フルタイムで15万円~20万円ほどです。
税金や厚生年金を引かれると、手取り12万円くらいになることも。
病院の約半分くらいと覚悟しておきましょう。
都心の私立保育園だと25万~26万という高給取りも稀にありますが・・・(これは例外中の例外です)

また家族手当や退職金も期待できません。
保育園は慈善事業に近いものがあり、儲からない職種です。
お金よりも、やりがいを求める人に向いているでしょう。

土日は休めますが、保育兼業であれば交代での出勤となります。

保育士との関係

保育園は、保育士の世界です。
その中で、看護師として孤独を感じることもあるでしょう。

看護師1人が「衛生面を良くするために・・・、感染症対策を・・・、検温の正しいやり方は・・・」と言っても、なかなか聞き入れてもらえないことあります。
保育中心であり、看護への温度差を埋めるのはかなり難しいです。

また看護師は「若干給料が良い」ため、妬みにあうケースも聞きます。

親との関係

保育園勤務で一番の大変なのは親対応だと言われています。

子供がケガをしたら、親への説明を看護師がすることもあります。
親からのクレームにも対応しなくてはいけません。

それが嫌であえてパートを選ぶ人も多いのです。

看護スキルの低下

保育園の看護師は、看護よりも、保健業務が中心です。
そのため看護スキルは、向上しないでしょう。

保育園の勤務が長くなれば、病院に戻れなくなります。
保育園でずっとやっていく覚悟なのか、それとも短期間だけなのかは最初に考えておいたほうがいいでしょう。

保育園看護師のまとめ

保育園は意外とデメリットが多くあります。
求人が少なく、低賃金で、看護師としてのやりがいも感じにくく、親からのクレームもあります。
それでも子供の笑顔の中で仕事できるのは、精神的にかなり良いものです。

そこに価値を見つけられる人にはオススメの職場です。

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