看護師不足と求人の現状

2017年現在、看護師不足は悪化し続けています。
人手不足による、病院倒産も相次ぎ、日本医療の存続を左右する深刻な問題になりました。

どのくらい不足しているのか?

最新のデータによると、全国の看護師の求人数は17万件。
対して、仕事を探している看護師数はわずかに6万人です。

つまり看護師1人を3つの病院で取り合っている状態です。
一般職の求人倍率と比べても異常に高くなっており、今後も改善される見込みは立っていません。

実際にほとんどの病院で看護師が不足しており「休みが取れない」「残業が多すぎる」「夜勤回数が限界を超えている」など、長時間労働が大きな問題になっています。

なぜ看護師が不足するのか?

原因は諸説ありますが、もっとも大きい要因は労働環境の悪化です。
労働環境が悪化すると、退職をする看護師が増えて人手不足が進んだ結果、さらに労働環境が悪化するという悪循環に陥っています。

転職や退職したい看護師の数はどのくらい?

労働局のアンケートによると約半数の看護師が今の病院を辞め、転職や退職を考えているそうです。
その理由は「仕事疲れ」「収入面」「休みが無い」といった労働環境面がほとんどでした。
看護師は激務なうえに、患者の命を預かる責任の重い仕事ゆえに、肉体的にも精神的にも摩耗します。
それにもかかわらず、環境面が整っている病院が少ないため、多くの看護師が不満を持ってしまいます。

国からの支援は無いのか?

国も看護師不足による医療体制の崩壊を危惧しています。
しかし2006年の診療報酬改定に伴う看護師の配置基準見直しによって、さらに看護師不足が加速しました。
看護師不足に逆行するとも思われるこの制度ですが、医療には医師不足や診療報酬不足など多くの問題が山積しているため、問題を解決したら別の問題が出てくるという状況になっています。

看護師不足の原因

根本的な問題は、複雑怪奇な医療制度にあると言えるでしょう。
医療制度は戦後に基礎が作られ、社会情勢に合わせて、少しづつ継ぎ足して存続してきました。
そのため今では出来の悪い違法建築物のような不安定な制度になっています。
しかし国民の生活に根付いている医療制度を抜本的に変えるのは難しく、その場しのぎの対策で延命を続けています。

今後の看護師求人

今後も看護師不足が続くため、就職や転職には困らないでしょう。
しかし裏を返せばそれだけ看護師の労働環境が悪化しているともいえ、喜んでばかりはいられません。
看護師として就職や転職をする際には、自分の妥協できる点、絶対に譲れない点をシッカリと認識して、ベストな病院を選べるよう準備しておく必要があります。

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