外国人看護師の受け入れに詳しいけど質問ある?

医療関係者の皆様こんにちわ。
メディカル調査員の川田です。

「そう言えば外国人看護師ってどうなったの?」

私は仕事柄、よくこんな質問を受けます。
結論から言えば「予想以上に酷い状況」です。

え?どんな風に酷いの?
なんでそんなことに?

今回は外国人看護師の「酷い現状」と「その原因」「今後の受け入れ予測」の3点を書いてみました。
「外国人看護師の今」「そして未来」をご理解いただけるかと思います。

一時期話題になってたね。その後どうなったの?

結果から言えば大失敗。
東南アジアを中心に看護師と介護士を受入れたけど、結局働いたのは2000人程度。
しかも定着率が悪くて、すでに2割くらいは帰国してしまった。

そもそも看護師は不足してるの?

不足しまくってる。
どこの病院も看護師不足で、1人の転職したい看護師に10以上の病院が群がって奪い合うこともある。
介護士に至っては10年以内に100万人不足するって言われてる。
だから海外から労働力を受入れて、その穴を埋めようとしたんだけど、6年でたったの2000人という現実。

なんでそんなに少ないの?

言葉の問題が大きかった。
海外の看護師を受入れると言っても、日本の資格を取得する必要がある。
だから日本語を勉強して試験を受けるんだけど、看護師の資格の合格率が10%くらいだった。
日本人の合格率が90%だからその差は歴然。
看護師は専門用語が多いから、日本人でも用語を覚えるのが大変なのに、日本語を知らない外国人が合格するのはとてつもなく大変だったんだ。
しかも1発で合格しないと強制帰国というおまけまでついてたから、あと1年頑張れば受かりそうな人まで帰国させられた。

けど看護師試験に合格した人も帰国してるんだよね?

その通り。
理由は様々だけど、一番大きいと言われてるのがホームシック問題。
国の家族と暮らしたいって人が多かったみたい。まだ若い女性ばっかりだったしね。
あと帰国すると結構いい仕事がもらえるみたい。
インドネシアやフィリピンって日本企業が進出しているから、日本語ができる看護師って引っ張りだこらしく、結構な高給になるそうだ。
だから無理して日本で働くよりも、国に帰って家族と割のいい仕事をもらって暮らしたほうが良いってこと。
しかも向こうだと看護師ってだけで結構なステータスになるらしい。

劣悪な環境で働かされたんじゃね?患者からもイジメられそうだし

意外と職場に不満をもつ人は少なかったみたい。
インドネシアやフィリピンの人達って人当たりがやさしいから、看護師向きなんだよ。
最初メディアは「外国人なんて・・・」っていう否定的な意見が多かったけど、意外にも患者さんウケはよかったんだ。

今後、外国人看護師は増える予定なの?

増えない。
政府はいろいろ試行錯誤してるけど、根本的な問題が解決できないから。

根本的な問題ってなに?

言葉の問題。
日本語の試験は、彼女たちにとっては難しすぎるから、このままの難易度だとまったく状況は変わらない。
かといって試験を簡単にもできないんだよ。
「看護は命を預かる仕事」って言い出す人たちがいるから。
それはそうなんだけど、受け入れている看護師の人達って、母国で看護師の資格を取った人達だからね。
看護の知識はもっているわけよ。
にもかかわらず難しい試験で、さらに人材を厳選しようとしている現状。

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