産婦人科に転職した看護師だけど質問ある?


看護師の皆さんこんにちわ。
産婦人科に転職して3年目のハマチューです。

産婦人科は最近ひそかに人気の職場です。
赤ちゃんはかわいいし、命が産まれる瞬間に立ち会えるし、難産だけど無事に産まれたときは感動してウルっとすることもあります。

しかし!
産婦人科は、病棟の臨床現場とはガラッと変わるため、そのギャップに苦しむ看護師が多いです。
新しくお母さんになる方々はかなりナーバスですし、産後不安も対応を間違えると大事になりますし、まだ生命力が弱い赤ちゃんへの医療行為は毎回ヒヤヒヤします。
それに患者さんもスタッフも女性ばっかりの「THE女の職場」という、かなり特殊な環境でもあります。

「産婦人科に転職したいけど不安・・・」

わかりますわかります。
そこで今回は産婦人科の内情について、赤裸々に答えてみたいと思います!
よくある「産婦人科はすごい良い!」などの絶賛とは違い、「産婦人科はここが嫌・・」と悪い面もバシバシ答えていきます!

産婦人科ってどんなところですか?

患者さんは女性と赤ちゃんが対象なので入りやすい雰囲気は他の科とくらべてもダントツあります。
さらに、病気でかかる患者さんばかりの科と比べて、産婦人科は新しい命と出会う奇跡の瞬間に立ち会えるところなんです。

勤務時間はどれぐらいですか?

出産は24時間体制で不定期なこともあり3交代制、まれに2交代制をとっている病院が多いです。

3交代制の例)

08:30~17:30
16:00~01:00
00:00~09:00

夜勤はあるんですか?

あります。計画的な出産を予定していても、いつやってくるかわからないのが出産です。
24時間体制でのぞむため夜勤もあります。
看護師の人数にもよりますが、平均月5回多くて10回ある人もいます。

給料はどれぐらいですか?

平均は25万~30万で他の科とそれほど変わりません。
女性は出産を「人生の一大イベント!」としてとらえています。
せっかく苦しい思いをして産むんだからちょっと贅沢したいな~と思っています。
そのニーズに応えるホテル並みのサービスを提供する個人病院も増えてきました。
当然ながらそのような個人病院は給料も多い傾向にあります。

文字通り産婦人科ですが、産科と婦人科と分けるとしたらそれぞれどんな仕事がありますか?

ほとんどの病院は産科と婦人科と2つの科を兼ね備えています。
産科は妊婦や新生児に対して出産前から産褥までの診察や処置、指導全般を行います。
母親学級もそれにあたりますね。
一方婦人科は女性特有の子宮や卵巣疾患に対する検査や治療をするため内診時の補助や立ち会いがあります。

内診の立ち会いもあるんですね。ちょっとドキドキしますが。

あります。患者さんはもっとドキドキですよ。特に男性医師の場合女性看護師の立ち合いが義務付けられています。
女性の膣の中や陰部の状態を診察するので女性看護師の立ち合いが必須なんですね。
看護師はそんな患者さんの羞恥心に対する配慮がとても重要になります。

それでも患者さんはナーバスにならないですか?

もちろんなります。症状のある場所が女性特有の場所ということもあり「あ~見せたくないな~」という思いで皆さんやってきます。
相手が男性医師の場合はかなりぎこちない感じで接してこられます。当然ですよね。
内診前にコミュニケーションをとって患者さんの不安を取り除きやわらいだ雰囲気にすることも看護師の腕の見せ所です。

では妊婦さんとはどのような関わりがありますか?

大きく分けて3つあります。

1.外来

医師の診察補助や検査、血液採取です。必要な処置や薬の準備も含まれます。
産婦人科特有の検査としてNSTがあります。

2.病棟

一般の科と同様で、入院患者の体調管理や点滴、薬の管理がメインになります。手術後の患者さんには排泄の介助も伴う場合があります。
帝王切開した患者さんがいる場合は点滴の交換や痛み止めの座薬や注射、悪露の交換、尿量チェックをします。

3.分娩

分娩室でのサポート業務があります。お産に直接かかわることができないため一言でいえば妊婦さんと胎児の観察ですね。

以前から気になっていました、NSTとはどんな検査ですか?

妊娠34週~36週以降に胎児が健康かどうか妊婦さんのお腹にセンサーをはって胎児の心拍数を調べる検査です。胎児は直接
触れることができないので母体を通じての検査となる点も産婦人科独特ですよね。
赤ちゃんがいる~と感じられる瞬間ですね。

分娩のサポートは産婦人科特有ですよね。詳しく教えてください。

大きく3つの行程があります。

1.分娩前

主に心電図やモニターを見ながら母子ともに観察することが仕事になります。
陣痛の痛みや不安で苦しむ妊婦さんやご家族に寄り添って励ますことも大切な仕事です。

2.分娩中

自然分娩の場合、子宮口の診察補助や、分娩の解除作業補助、促進剤の管理です。
実際の取り上げ作業は医師や助産師が行うので看護師はその介助となります。

3.分娩後

お母さんには詰め所に来てもらって血圧、体重、採血したり子宮の収縮具合を確認したり悪露の状態をチェックしたりします。

他にもありますか?

あります。
分娩後母子同室の場合、母乳の吸わせ方やミルクの作り方、おむつの替え方、沐浴や検温の仕方を指導します。
生後まもなくの赤ちゃんは看護師が授乳、検温、おむつ交換します。
夜間はお母さんにぐっすり眠ってもらうために新生児を預かって時間ごとに授乳とおむつ交換をします。
翌朝検温し、排泄の回数や睡眠時間のチェックを行います。
退院する母子への退院指導を行います。出生届の出し方や一か月検診の案内ですね。

自然分娩ではなく、帝王切開時はどのような仕事がありますか?

主に準備業務があります。外科と同様手術が必要になるため、使用する機器や器具出し、医師の施術までの補助業務が
あります。
緊急度が増すため、医師や助産師だけではなく時には他の科と連携を取って素早く行うことも重要になります。

つながりは頻繁にありますか?

はい、あります。帝王切開時や子宮筋腫、卵巣腫瘍などの手術を伴う場合は外科とも連携することもあります。
他には、未熟児で産まれた赤ちゃんや、出産後疾患がわかった場合は、小児科やNICUとも連携することになりなります。

参考記事:看護師が小児科に転職するなら知っておきたいポイント
参考記事:看護師がNICUに転職するための全知識

スキルアップできますか?

はい、できます。産婦人科は他の科との連携をする機会が日常的にあるので、その分他の科の医師や看護師ともかかわることが
とても多いです。自然と他の科の看護師の仕事を垣間見ることもあるため身についていきます。

さらには?

産婦人科では他の科と違って助産師と共に仕事を行います。助産師の補助を担うため助産師を目指す看護師が
多いのも特徴です。

スキルアップの仕方が明確でいいですね!助産師を目指すメリットはありますか?

あります。分娩に直接たずさわることで感動は人一倍です。お母さんより先に赤ちゃんに触れる存在なんですよ。
他にも、出産は明るいニュースばかりではなく、リスクもつきものです。
患者さんや病院としても出産のエキスパートの助産師は多いほうが喜ばれるため助産師は求人もひくてあまたです。

看護師の給料よりも助産師の給料は高いですか?

高いです。
その点も助産師の資格をとる看護師も多い理由になります。

看護師の給料平均25万~30万円(地域差はあります。)
助産師の給料平均27万~35万円(基本給が高くなる傾向があります。)
ブラックな残業代のつかない病院勤務の看護師の給料より、残業代なしの助産師の給料の方が高いことだってあります。

ブラックな病院は嫌です!良い病院と悪い病院の見分け方ってありますか?

助産師が何人いるかが重要です。出産はいつ始まるかわかりません。そして何人同時に産まれるかわかりません。
いわば予想外のオンパレードです。
助産師が少ないと看護師が役割を担うこともあります。当然ながら患者さんにとって質が下がってしまい
看護師にとってもハードワークとなります。

予想外の出来事について具体的に教えてください。

産婦人科は言ってしまえば救急病院と同じです。いつどこで出産があるか予想できません。
車の中での出産や、予定外の出産にも臨機応変に対応しなければなりません。
ここだけの話ですが、ドラマよりもドラマな現場に右往左往な分マンネリがありません。

他に予想外のできごとはありますか?

あります。時間に関係なく陣痛はやってきます。分娩室待ちの列ができることもあります。
ぶっちゃけ頭が出てきた赤ちゃんは医師を呼ぶまでもなくなんてこともあります。
その分産まれてきたときの感動は他では味わえません。一つ一つの出産が感動の嵐です。

産婦人科で一番嫌だったことって何ですか?

夜勤で医師不在の場合です。夜勤時医師は出産ぎりぎりまで出勤していないので看護師が分娩の進行状況を判断します。
早すぎず遅すぎない絶妙のタイミングで呼び出すという業務が至難の業です。
慣れてくると絶妙加減はわかるので心配はいりません。

逆に産婦人科の看護師になって良かったことはありますか?

これは沢山あります。自分が出産するときにすでに新生児の扱いのエキスパートだったことです。
泣き方で「おむつだ」「おっぱいだ」とすぐにわかりました。
沐浴も経験していたので楽勝だし、育児に不安を感じずにできました。
婦人特有の疾病にかかったときもいち早く気づくことが多いので事なきを得ます。

産婦人科に興味がわいてきました。強いていうなら何か覚悟しておくことはありますか?

あります。
出産は常にハッピーエンドではありません。
堕胎や、流産、死産に直面することも残念ながらあります。その点は他の科とも同じですね。
精神的に相当なショックを受けることもあります。
その分、産まれてきてくれた命と対面したとき充実感でいっぱいになります。
何十時間もかかってようやく産まれてきた赤ちゃんを見た瞬間、お母さんと共に涙を流して喜びあえるそんな現場です。

良い病院を選んで産婦人科の看護師になりたいです。どうしたらよいですか?

質の高い求人を選ぶポイントは3つあります。

  • ポイント1.出産は不定期なため徹底した勤務時間の管理をしているか?
  • ポイント2.経験に基づく信頼性の基準として分娩数は多いか?
  • ポイント3.オーバーワークにならないために看護師、助産師は何人いるか?

これらは同時にすべて患者さんへの質にもつながりますよね。

質の高い求人なんて一人で探す自信がありません。どうしたらよいですか?

質の高い求人を選ぶためには転職エージェントを利用してきちんと病院をチェックしておくことが先決です。
希望を言えば沢山の情報を集めてくれるのでその中から自分にあった求人を選べます。

それでは頑張ってください!

こんな記事も参考にどうぞ。

看護師が転職で失敗しないための準備マニュアル
大損してた!看護師が知っておきたい残業代のこと
看護師を辞めるのはちょっと待ってください!