奨学金のお礼奉公中に転職するには?

お礼奉公の4コマ漫画
お礼奉公中だから辞められない・・?

いえいえ。
ぶっちゃけ奨学金を借りていても辞めれます。
実際に私は、お礼奉公中に転職しました。

だって辛すぎるくらい嫌だったので!
とにかく辞めたかったんです!
(クズですみません!)
/(^O^)\

ということで今回は、お礼奉公中に転職できた方法を書いてみます。

私は奨学金300万円借りていました

私は、看護学校の学費約300万円を借りていました。
3年働けば全額免除というお礼奉公です。
そのため学校卒業後は、その病院の付属の介護施設に入職しました。

1年2か月で退職

私は1年2ヵ月で辞めました。
退職理由は、スキルが身に付かないからです。
お礼奉公していた病院は、介護施設と精神科がメインでした。普通の看護スキルが身に付かないのは、分かってはいました。でも実際に働いてみて、予想以上に「看護師の知識いらないなこれ…」と気が付き焦るのです。
同年代の看護師は、バイタル、アセスメント、電カル、夜勤、担当、病棟ラウンド、チームカンファ、委員会と確実にステップアップしていますからね…。対して私はというと介護補助のような仕事ばかりで何の成長もない…。

お礼奉公は3年です。
でもこれ以上スキル差が開くのは耐えられず「退職させてください!」と伝えました。

・・・

でもこれは建前です。
本音を言うと「師長と一部の先輩方のいじめ」です…(泣)
(いじめというかマジな暴言暴力です… 生き地獄です… 1年も耐えたのはやっぱりお金です… お礼奉公は現代の奴隷システムですよ…)

300万円の返済方法

私は奨学金300万円を借りていました。
辞めるとなると、問題になるがこの返済です。

かなり多いです・・。
そんな貯金とてもありません。

そこでまず1年2か月働いたということで、その分を減額してもらいました。
1年チョット働いたんだからその分を削ってよ、という感じです。

それで120万削ってもらいました。

残金180万円。

さらに転職先から150万円を立て替えてもらい、残りの30万円を貯金から出しました。
これで完済でき、無事に退職となったのです。

300万なんて不可能だと思ってはいましたが、何とかなるものです。

でも転職先にまた借金したんじゃ?

確かにその通りです。
借金は転職先に移っただけです。
転職先からは「3年勤めたら免除」でもいいよとも言われましたが断りました(汗)
万が一辞めたくなった時に、また問題になりますから。

月4万円を給料からの天引きという形にしてもらっています。
正直月4万円は痛いですが、こっちのほうが気楽です。
給料が月平均3万円くらい上がりましたし、病院寮にも入れたので、トータルで見れば月2万円ほどプラスになっているので結果オーライです。

奨学金はなんとかなる

私は転職エージェントを利用して求人を探しました。
その時に聞いたのは「お礼奉公中に転職する人は結構いる」ということです。
逆に「お礼奉公中だから辞められない」と悩む人も多いそうです。

そうですよね…。

お礼奉公中の退職は、タブー的なところがありますから。

3年間は絶対辞めちゃダメ!
辞めたら即日全額返済!
恩知らず!

けど、奨学金はなんとかなります。
奨学金って言ってもただの借金ですからね。
お金を返す計画さえできれば、全然問題ありません。

その辺りが解決しそうな方は、スパッと新しい人生を進んだ方が、将来のためにきっといいですよ!

奨学金の返済計画

奨学金は何とかなるとは言っても、それなりに手間はかかりました。
金額が大きいですから。

そこで、当時調べた返済方法をまとめてみました。

・一括返済
・分割返済
・減額
・カードローン
・奨学金立替

順番に説明していきます。

一括返済

一括返済は一番よい方法かもしれません。
キレイさっぱり転職できますので。

けど実際問題、100万単位のお金を用意するのはとても難しいです。

ということで一括返済は即却下となりました。

分割返済

病院によっては、分割返済に応じてくれることもあるそうです(転職エージェントさんの話)

返済期間は、平均して1年~3年ほどのようです。
例えば100万を2年返済なら、月々4万円くらいですね。

ただ分割返済には、大きな問題があります。
そもそも病院が分割に応じてくれません。
実際「退職するなら、全額即日で返済しろ!」の一点張りです。
病院からの「辞めさせないぞ!」という強い意志を感じます・・。

なんで分割はダメなんだろう?

病院側は「お礼奉公中の退職」という前例を作りたくないそうです。「礼奉公中でも辞められるんだ」と他の看護師の思われれば、退職者が相次ぐからだそうで(転職エージェントさんの話)

もし仮に分割OKだとしても、退職した病院と付き合いが続くのは、ちょっと抵抗もありますし。
分割返済は意外と難しいです。

カードローン

これ絶対だめです。
人生終わる可能性がかなり高くなります。

たまに奨学金をカードローンで返済する方もいますよね・・。
私の友達もこれに手を出して、自己破産していますので・・。

カードローンは金利がヤバいです。
年18%です。
100万円借りたら18万円も損する!
200万円借りたら36万円も損する!

1ヵ月、2ヵ月ただ働きのようなものです。
しかも毎年です・・。

でもカードローンって金利3%くらいじゃ?

そうなんですよね。
カードローンのパンフレットには3%~18%とかって書いてあります。
けどこの3%って条件がものすごく厳しいです。
公務員かつ役職が付いていて、収入が多くて、転職経験が無くて、持ち家で、借金が無くて・・・。
といった「お金をシッカリ返してくれそうな人」だけが3%なのです。

それに対して奨学金という名の借金があって、仕事を辞めようとしている私たちは・・。
間違いなく18%です。

カードローンだけはやめておきましょう!

教育ローンなら良いんじゃない?

ダメです!
「奨学金の返済にピッタリ!」と思われるかもしれませんが、その中身はカードローンと変わりません。
ただの借金です。
金利もかなり高いです。
緩い名前を付けてその危険性をぼやかす、カードローン業者の罠ですのでご注意ください。

減額

働いた分を減額してもらう方法です。
3年で全額免除なら、1年働いたから3割引にしてよってやつです。

けどこれは意外と難しいです。
病院側は「契約書通りに全額返済しろ!」と減額をなかなか認めません。

私は何とか減額できましたが、病院側とケンカ腰のやり取りを色々としました。

でも契約書の書かれ方によっては、強制労働とみなされ違法行為になります(病院側が)
だから裁判もチョロチョロ起こるようですが、看護師側に有利な判決が出ているようです。
裁判の判例は「働いた分を減額」だったり、場合によっては「返済しなくてもいい」という例もあるくらいです。

そのため病院側が強硬なスタンスを取るなら、労働基準監督署に相談してみましょう。
私は労基に相談したら、すんなり減額となりました。

労基から病院に電話をかけてもらっただけなんですけどね。
病院側にとっては怖い存在のようです。

奨学金立替

転職先の病院に奨学金を立て替えてもらう方法です。

そんなことできるの?

確かに難しそうですが、意外と立て替えてくれる病院がありました。
人手不足でどうしても看護師が欲しいようです。

訳アリの看護師を積極的に採用する、お礼奉公キラーと呼ばれる病院もあるくらいです。
病院側にとっては、お金を立て替えるだけで、看護師が確保できるメリットが大きいそうです

でもどうやって立て替えてくれる病院を探すの?

これ実は、求人票に書いてあります。
「奨学金支援制度」って書かれていたら、可能性がかなり高いです。

でも問題なのは、こういった求人はかなり少ない点です。

さっき「意外とあった」って書いてなかった?

立て替えてくれる病院は、意外とあるのですが、表には出てこないという意味です。
表に出すと、殺到して対応しきれなかったり、相手の病院に恨まれたりするため、なるべくひっそりと募集しているそうです。

ひっそりってどこ?

こういった求人は、転職エージェントが扱っているそうです。
転職エージェントは、求人を直接紹介するため、ネット求人のように、人の目に付きづらいからです。
彼らに頼めば、立替OKの病院もすぐにわかります。
立替OKの病院をリストアップしてもらい、その中から自分に合った病院を見つければいいのです。

組み合わせが最強だった

お礼奉公中でも辞める方法をご紹介してきました。

でも結局どの方法がいいの?

一番良いのは、組み合わせることです。
私がやった「減額+立替」が一番ベストだと思います。

働いた分をシッカリ減額してもらいつつ、転職先の病院に立て替えてもらう。
これでお礼奉公中でも、胸を張って退職できます。

ただし減額は病院によっては難しいかもしれません。
その時は「立替」だけに絞っていきましょう。

私の場合「さすがに300万は立て替えられない。せめて150万くらいなら」と、転職先から言われたため、減額を強行した感じです。

立替は病院にもよりますが200万円くらいが限界とのことです(転職エージェントさんの話)
金額が少なければ少ないほど、立替の話もスムーズに進むのだとか。

200万円を超えている場合は、減額してもらうか、自分で貯金を出して減らしましょう。

立替には条件も?

転職先が立替OKの病院でも注意が必要です。
誰でも立て替えてくれるわけじゃないからです。

先ほどの残金の大小もありますが、「夜勤には入れる」っていうのが重要になってくるようです。
夜勤スタッフの確保は大変ですからね。
そういった病院側がほしい人材であれば、多少金額が大きくても立て替えてくれるようです。

つまり夜勤ができて、奨学金が200万以内なら立て替えてもらえる可能性があるということです。

若い人ほど転職エージェントが有効

私は転職するとき、転職エージェントを利用しています。

新人なのに利用していいの?

確かにそうですよね。私も最初はそう思っていました。
でも新人だからこそ、利用すべきなのです。彼らは転職のイロハをしっかり教えてくれますので、転職未経験者にはとてもありがたい存在です。
転職エージェントさんも「夜勤できる若い人を探している」と言っていて、新人でも大歓迎とのことでした。
(新卒はダメらしいですが、多少経験があればOKとのこと)

けど人に探してもらうのは気が引ける…

確かに「なんだか悪いな」と思うことはありました。
けど彼らにしてみればそれが仕事ですしお互い様です。

それに看護師は専門職です。
専門職の場合、企業調査、内情調査、自分が知らない病院をピックアップ、表に出ていない非公開求人の紹介などが重要になってきます。
さらにお礼奉公中の場合は、奨学金を立て替えてくれる病院か調査してくれ、交渉まで代行してくれます。
しかもこれが無料ですから使わない手はないです(料金は病院側が求人費として支払っている)

でも転職エージェントって色々と面倒臭そう。

確かにそんなイメージがあります。
求人誌やハロワ、スマホで一人で気軽に探すのもいいかもしれません。

でも実際はかなり気楽でした。

スマホで登録したら、あとは電話がかかってきて「奨学金が・・」と事情を話せば、察してくれて色々進めてくれます。

お礼奉公中の転職は、転職エージェントが必須に近いと感じました。

皆さん、プロを頼りましょう。
今の時代、みんな利用しています。
頼らなきゃ損です。

まとめ

お礼奉公中でも退職できます。
私も辞めたし、他にも辞めている人も多いです。

辛い環境で3年耐え続けるよりも、自分に合った環境で働いた方が成長できます。
未来の自分のためにもまずは行動をしてみましょう!

でも転職は何かと不安・・。

たしかにそうですよね。初めてのことは何でも怖いものです。

でもそれなら「まずは少しだけ」やってみればいいのです。

↑こちらの記事がとても参考になりました。

まずは情報集めから始め、それから転職するしないを決めるという話です。
情報集めをキッチリやることで、転職失敗が大幅に減らせる効果もありますので、一読の価値ありです。

奨学金を残したままの退職は、普通の人に比べて不利になることもあるでしょう。
シッカリ調べて、うまく行きそうなら転職したらいいのです。
そのために転職エージェントを使い倒す!

私もガッツリ使い倒しました。

皆、頑張れ!\(^o^)/
それじゃ!
転職準備マニュアル


お礼奉公の退職事例

看護学校の奨学金を借りて、お礼奉公で返済する看護師が増えています。
お礼奉公とは、奨学金を借りた病院に就職して一定年数働くと、返済義務が無くなるというシステムです。
看護師不足に悩んでいる病院がこのシステムを取り入れています。

このお礼奉公は、看護師から見ると学生の内から内定をもらえたようなものであり、さらに奨学金の返済が無くなるという夢のようなシステムです。
ただそこには落とし穴があるのを忘れてはいけません。
お礼奉公中にその病院を辞めてしまうと、返済の義務が生じてしまいます。
看護師は1年目と2年目の離職率が3割を超えると言われていますが、お礼奉公で辞めたくても辞められないケースが後を絶ちません。

今回はお礼奉公中にもかかわらず、転職した看護師の事例を見てみましょう。

お礼奉公中に転職した看護師 その2

わたしは准看護師として働いていました。
病院で2年働きましたが、正看護師の資格を取るために学校に通うことになります。
そのとき奨学金を借りて、学費や生活費を払いました。

奨学金はいくら借りた?

約300万円です。
正看護学校を卒業するまでの期間(3年間)、学校で仕事に来ていない日数をカウントして日当として7000円支給されていました。
看護学校の3年目は実習ばかりでほとんど仕事には来ていませんでしたのでかなりの金額は支給してもらっていたと思います。

どこで奨学金を借りた?

准看護師のときに勤めていた病院の奨学金制度を利用しました。
お礼奉公すると返済無しというシステムです。

お礼奉公はどんなシステムでしたか?

奨学金を受けていた期間によってお礼奉公の期間が決まるということでした。
自分は奨学金を3年間支給さてもらったので、お礼奉公の期間は5年間でした。
お礼奉公の期間を過ぎれば、奨学金の返済義務が無くなります。
ただお礼奉公中に病院を辞めれば、全額を返金するシステムになっています。

お礼奉公は完了しましたか?

いいえ。
お礼奉公中に転職しました。
本来ならお礼奉公中に転職をすると全額返済になるのですが、話し合いによりお礼奉公期間を差し引いての支払いになりました。
3年目で転職したので、6割免除で4割返済(120万)になった感じです。

返済が少なくなって良かったですね

はい。
最初は全額返済を迫られていたのですが、転職サイトのエージェントさんに間に入ってもらって何とかという感じです。
お礼奉公中の転職でトラブルになるケースが結構あるようで、エージェントさんは慣れているようでした。

120万円の返済はどうしましたか?

転職先の病院に支払ってもらいました。
エージェントさんの提案で、120万円を肩代わりしてくれる病院を探したからです。
また1年半という転職縛りができましたけど(笑)
第二のお礼奉公と言った感じです。

奨学金のメリットは?

働きながら資格を取れるように配慮されたシステムでお金を持っていない学生にとってはかなり有益なシステムです。

奨学金のデメリットは?

受けとる奨学金の規定にもよりますが、借りたお金は返さなくてはならないと考えればごく自然な流れだと思います。

奨学金を借りる学生さんへ

奨学金を出してまで看護師を育成しようとする体制に感謝し、一生懸命勉学に励みましょう。

こんな記事も参考にどうぞ。

看護師が転職で失敗しないための準備マニュアル
大損してた!看護師が知っておきたい残業代のこと
看護師を辞めるのはちょっと待ってください!