看護師が腎臓内科に転職する4つのポイント。内情暴露まとめ

転職を考えている看護師のみなさん、こんにちは!
腎臓内科といえば、透析ですよね。

透析と言えば……
・残業が少ない、夜勤がない
・身体が楽
・給料が高い
・転職・復職しやすい
と言ったメリットが思い浮かびます。

将来の事を考えて、腎臓内科で透析ができるようになっておくと良さそうです。

でも、腎臓内科ならではのデメリットもあります。
やりがいが見つけにくかったり、クセのある患者さんが多かったり、スキルが偏ってしまったり。
「勤務待遇が良いから」と入職しても、すぐに辞めていく看護師もいるんです。

では、腎臓内科への転職に失敗しないためには、どうしたら良いのでしょうか。

腎臓内科の仕事内容について、詳しく知りましょう。

ここでは、腎臓内科の看護師が語る生々しい話をもとに、やりがいや仕事内容だけではなく、特殊すぎる患者さんの実情やトラブルの異常な多さ、腎臓内科のヤバい人間関係まで、しっかりご紹介します!

この記事を読めば、腎臓内科の実情がバッチリわかりますよ。

腎臓内科の仕事とは?

まずは、腎臓内科での看護師の仕事について詳しく見ていきましょう。

腎臓内科の疾患はイロイロあります

G.Yさん(28)
看護歴:2年
転職先:腎臓内科

私は、腎臓内科に転職して2年目の看護師です。
勤めている病院は450床と、地域の中核となる総合病院です。

入った当初は、どんな仕事をするのかわかりませんでした
でも1~2年も経つと、だいたいわかってきます。
先日看護師の友人に聞かれた内容と、ほぼほぼ同じ内容にはなりますが。
ここで語ってみたいと思います。

まず、腎臓内科ってどんな科という話から。
文字通り腎臓を扱うのが腎臓内科です。
外科だと腎臓以外の臓器も総合的に見たりしますが、腎臓内科では基本、腎臓のみですね。
腎臓一つで科があるって!
それぐらい奥深いってことです。

腎臓内科で扱う疾患について。
検尿の異常、ネフローゼ、慢性/急性腎炎、慢性腎臓病(CKD)、透析療法の必要な慢性腎不全、IgA腎症までと幅広いですね。

特に、患者数が多いのが「慢性腎臓病(CKD)」です。
かんたんに言うと「腎臓に何らかの障害がある」ってこと。
慢性腎臓病は、一度悪くなるとどんどん進行します。
その割には自覚症状があまりないので、気がつくとかなり進行している場合もあります。
進行すると、心臓血管障害や脳卒中といった合併症があるのも特徴ですね。

さらに重度の疾患でいうなら「末期腎不全」の患者さんもいらっしゃいます。
薬物療法や生活習慣の改善だけでは対処できず、一言でいうと「腎不全」の状態です。
つまり腎臓が機能していないということ。
だから腎臓の代わりとなる治療が必要になってきます。
治療の選択肢としては主に3つ。
いわゆる透析といわれる「腹膜透析」「血液透析」そして「腎移植」です。
医師は、患者さんの状態をみつつ、患者さんやご家族と相談し、どの選択肢を選ぶか?
といった流れで進めていきます。

次に、患者さんの年齢層について。
これも幅広い世代の人がかかっています。
検尿で異常が出たらまず受診することになる科でもあるため、4~5歳の子供もいれば、会社の検診でひっかかる30~50代の方もいます。
前にも言ったように、腎臓の異変は気付きにくく、一見健康そうに見えるけど実は腎臓の値が悪いなんてこともよくある話です。高齢者に限らず、健康そうな若い世代の方も多いですね。

男女比も同じぐらいですね。
そもそも腎臓は、糖尿病や高血圧といった生活習慣病が引き金で悪くなることが多いので、男性女性は問わずです。
それと、意外と多いのが妊婦さん。
妊娠中に血圧が高くなる「妊娠高血圧」は、腎臓にも影響があります。なので腎臓内科にかかってもらいます。

そういういこともあり、老若男女イロイロな科です。

腎臓一つで一つの科ができるように、腎臓内科は疾患も患者さんも幅広いです。
軽度~重度もさまざま。
たかが腎臓、されど腎臓!
幅広い知識がないとたちうちできない科だって思っています。

透析専門の職場もあるの?

病院によっては、透析を中心にしているところもあります。
透析を中心にしている病院の仕事内容を詳しく見てみましょう。

腎臓内科は検尿と透析ばかり

T.Aさん(27)
看護歴:5年
転職先:腎臓内科

私は、都内の腎臓内科専門クリニックに転職して1年目の看護師です。
うちのクリニックでは透析を中心に行っています。

透析中心っていうこともあって正直マンネリを感じてます。
一日の仕事をみても、ただただ同じ作業の繰り返しなんです。

まず基本的なところから。
投薬、点滴、注射、そして検査の介助ですね。
極めつけが尿検査。尿検査に明け暮れる日もあります。
あまりにルーティン過ぎて、ボーっとしてたら患者さんの検体を間違えそうになることもしばしば。
その度に、自分に喝!で乗り越えてます。

これに、透析の業務が加わります。
こんなことを言ったらやってる患者さんには申し訳ないのですが・・
これがやたら時間がかかります。

人工透析って、腎臓の代わりに血液を浄化することが目的。
だから、必ず患者さんとスケジュールを組んで定期的に行っていただかなければなりません。
腎不全の患者さんが人工透析しなかったら、尿毒症になってしまいます。
腎臓の病気は、異常があると他の器官にも影響を及ぼす怖い病気なんです。
それだけ透析は大切だってことを、看護師なら認識しておくのが当たり前ですね。

では、実際の人工透析の流れについて。
まず、人工透析といっても患者さんによって方法が違います。
大まかにいうと、血液透析と腹膜透析の2つ。
ほとんどの場合は血液透析です。
医師と看護師でどちらが行うか、透析内容について確認しておきます。

次に、透析前に患者さんの体重を測定します。
これは血液をろ過するのにどれぐらいの水分を取り除く必要があるか確認するためです。

そして、人工透析を実施します。
患者さんの腕や手首にハリを指し、チューブをつなげて透析機械に血液を送り、ろ過した後、再び体内に戻すといった仕組みです。

時間にして3~4時間。

この間に患者さんはじっとしていなければなりません。
本を読んだり、音楽を聴いたりして過ごしてもらっています。

終わると、再び体重測定。
血液内の水分量が患者さんにとって適切かどうかチェックするためです。
これがかなり重要な仕事。
透析を受ける患者さんは、ほとんど尿を排出できません。
だからその分体重は増える一方です。
この透析をすることには水分を外に出してあげるという意味もあります。
だからきちんと水分が排出できているかを判断する、体重測定がキーとなるわけです。

これで人工透析は終了です。

時間は長いけど、看護師はちょこちょこモニターをチェックするぐらいなので、業務量としては少な目です。
でも繰り返しの作業ばかりで。
患者さんはこの透析を、だいたい週に3回もやっていただいています。

正直、刺激が欲しい・・・

明日も何人の患者さんの透析を行うのか。
考えるだけで気が重たくなります。

腎臓内科でも、透析メインでないところもあると聞きます。
今は、別の病院に転職することを考えています。

看護師の役割とは?

腎臓内科では、看護師はどのような役割を求められているのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

腎臓内科の看護師は患者さんの相談役!

A.Kさん(28)
看護歴:消化器内科5年
転職先:腎臓内科

私は、消化器内科で5年勤めた後、転職して今は腎臓内科にいます。
250床の総合病院に勤めて2年目の看護師です。

仕事が落ち着いてくると、考える余裕があるせいか、出てくる疑問ってありますよね。
私にもあります。

「腎臓内科での看護師の役割って何だろう?」

今これで頭の中がモヤモヤしてますね。
モヤモヤしながらも3つかな~って思ってます。

その1:痒み対策
透析患者さんの痒み対策です。
うちの病院は透析患者さんも多くて。

人工透析をしている患者さんは、一般の人が効くような痒みを抑える薬が効きません。
痒くても薬に頼れず、食事制限や肌を乾燥させないといった対処療法しかありません。
だから「指導することが私の役目だ」って思っています。
特にリンの取り過ぎは要注意!
血中にリンが溜まると、肌がカサカサしはじめ、やがて強い痒みを感じさせます。
通常なら腎臓からリンは排出されるのですが、透析患者さんの腎臓はリンをほとんど排出できません。
摂取した分だけ体内に溜まってしまい、痒みだけじゃなく、高リン血症や動脈硬化といった恐ろしい病気にもつながっていきます。
とにかくリンを多く含んだ乳製品や加工食品はとらないようにこまめに指導してますね。

その2:痛み対策
人工透析は、行うたびに腕や手首に針を刺すため、痛みがあります。
透析自体に痛みはないのですが、この「針を刺す」痛みが週に3~4回、数時間以上続くとなると、誰だって辛いですよね。
痛みに対するやりようのない気持ちを、丁寧に受け止めるのも看護師の役割の一つ。

3~4時間×週3回~

やっぱり長いですよね・・・

患者さんには、できるだけリラックスしてもらいたい!
なので私は、透析室では用事以外、患者さんの近くまで立ち入らないように距離感を大切にしています。
患者さんに「透析に来るのが嫌だ。」と思われない雰囲気作りも大切ですよね。

その3:固定の患者さんとの付き合い
腎臓内科に通う患者さんは、だいたい固定です。
人工透析を受ける患者さんは、数年~数十年。転院しない限りずっと通い続けるので。
しかも週に3~4回来院するため、同じ顔触れになりますね。

患者さんの方も気さくに話しかけてくれたりするので、メチャクチャ仲良くなることもありますね。
ここに来た当初は、新米看護師だってからかわれたり、クレーム入れられたりと、悩んだこともありました。
今は、これからもずっと病気と付き合っていかなければならない患者さんにとって、気持ちいいクッション材になれたらと思っています。

腎臓内科は、透析患者さんが多いところ。
患者さんは、透析ならではの悩みをかかえがちです。
その患者さんに寄りそうのが看護師の役割なのかな~なんて思うようになりました。

腎臓内科のモンスターペイシェントとは?

循環器科には特殊すぎる患者さんがやってきます。
対応に困る患者さんの実例を聞いてみましょう。

腎臓内科特有のクセのある患者さんたち

O.Bさん(30)
看護歴:一般内科2年 消化器内科4年
転職先:腎臓内科

私は、都内の腎臓内科専門クリニックに転職して2年目の看護師です。
それまでに、一般内科、消化器内科と経験したわけですが、科によって患者さんの特色ってありません?

特にうちは透析患者さんが圧倒的に多くて。
その中でも、何人かはみんな親戚?ってぐらい同じ性格なんです。
あえて2つに分類させてもらうとこんな感じです。
(誤解される前に・・決して全員ではありません(汗)一部の患者さんです。)

まず、はっきりと気持ちを表すタイプの患者さん。
透析をしている最中でも、不快感やイライラを外に出してしまいがちです。
そのせいか、かなりの頻度で暴言を吐いたりします。

透析って、週に数回、1回に4~5時間かかります。
それって本当にストレスだと理解しているつもりです。

ベッドの上で拘束されている患者さん。
最初は穏やかに本を読んだりしています。
でも、突然切れることが多くて。

「もう、あんなたにやってもらいたくない」

このクリニックに来た当初は新顔ということもあってか、何度か言われた言葉です。
今はさすがに慣れました。
ここでは、患者さんと信頼関係がないとやっていけないなと思っています。

2つ目は、気持ちを表せないタイプの患者さんです。
このタイプの患者さんは、決して暴言をはくことはありません。
その分、行動でやっちゃってしまう方が多いです。

とにかく約束を守ってくれません!
透析をする患者さんは、水分や食事制限は絶対なんです。
私もしつこいぐらいに、守っていただくようお願いしています。

それでも、大胆に約束を破る患者さん、数名いらっしゃいます。

なぜわかるかって?

透析前には必ず体重測定をするのですが、だいたい二日おきに透析をするので、体重の変動もわかります。
二日前と比べて5キロ体重増えてる・・・
まずありえません!

聞くと、その患者さんは大好きなアイスクリームを毎日2L近く食べてしまったと。
透析をしても排出できる水分の量には限界があります。
出来る限り引くと、血圧が低下したり、嘔吐してしまったり。
患者さん自身が苦しむことになります。

それに、地味に八つ当たりしてくることもあります。
管理してくれない私や医師にも問題があるんじゃないですか?なんてサラッと言います。
返血に時間がかかり、その分他の患者さんを待たせてしまってるのもわからず、ただただ約束を破っては文句を言うの繰り返しです。

患者さんにとって透析は長い戦いです。
思わず八つ当たりしたり、わがまま言ったり、約束破ったりする気持ちもわかってはいるのですが・・
もっと、私のキャパが大きければ、患者さんの気持ちをやわらげてあげられるのでしょうか。

胃が痛いです・・・

まとめ

イメージ通り、腎臓内科は透析の仕事が多いことがわかりましたね。
ただし、透析以外にも多くの疾患を扱っていることもわかりました。

とくに、透析患者さんのストレスは計り知れません。
看護師は、介助以外に食事や水分の管理、透析の仕組み、そしてメンタルのサポートまで。
幅広く役割を果たさなければなりません。

全国で透析を必要としている患者さんのために、腎臓内科のドアをたたいてみてはいかがでしょうか。

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