保育園で働く看護師のまとめ。給料、求人、働き方

五十嵐さん(40代・女性)
大学病院からキャリアスタートし、正社員や派遣などで18の職場を経験。今は転職アドバイザーとしても活躍。

「保育園で働いてみたい…」

保育園の仕事は、看護師なら一度は憧れますよね。
小さな子供に囲まれての一日は、病棟とは比べられないほど楽しいものです。
また夜勤なし、土日休み、残業も少ないため、環境的にも理想的です。

今回はそんな保育園ナースの特集です。

保育園の仕事

仕事は、子供たちの健康管理がメインです。
熱やケガの処置、服薬管理、健康診断、感染症対策、予防接種、年間保健計画の作成、保健だより、保健相談などなど。
手が空けば、保育士としての仕事も期待されます。

看護スキルはそこまで必要ありません。
臨床経験が少ない方、ブランクがある方などにもオススメできます。

保育園の看護配置基準

保育園の看護師配置は、法的な義務がありません。
そのため看護師付きの保育園は、2割ほどにとどまっています。
またその数は保育園に1名だけというケースがほとんどです。

看護師としての働き方は大きく2種類あります。
看護師専業
保育士としてクラスを担当しつつ、看護師を兼務

看護師専業であれば、子供たちの健康管理に専念できるでしょう。

大変なのは、兼業時です。
クラスを持つのは予想以上に大変なため、本来の看護業務にまで手が回らなくなります。
保護者からも「えっ看護師さんだったんですか?」と言われることも。

保育園の求人事情

保育園の仕事はデメリットもあります。

まず求人の少なさです。
保育士の募集は多いのですが、看護師の募集はかなり希少です。
地域によっては「幻の求人」とまで言われています。

というのも保育園は「看護師は必須ではない」からです。
あくまでも保育園が自主的に雇うだけ

ハロワや転職サイトに登録して求人を待ちつつ、新規開園のオープニングを狙うのが確率高いでしょう。

しかしもし転職が決まっても、入職は4月まで待たされたりします。
保育園はその性質上、4月の新学期に合わせてスタッフが「退職・入職」で入れ替わりますからね。
これが結構不便です。
例えば9月に内定をもらっても、4月まで待たなきゃいけない。
じゃあその間、何をするのってなりますよね。
アルバイトをするには短すぎるし、ただ待つには長すぎるし・・・。

さらに退職時も、4月に合わせなければいけません。
保育の世界は、暗黙のルールとして「4月入社、退職」が結構徹底していますからね。
これも結構厳しい制約です。

保育園の待遇

保育園に給料を期待してはいけません。

フルタイムで15万円~20万円ほどです。
税金や厚生年金を引かれると、手取り12万円くらいになることも。
病院の約半分くらいと覚悟しておきましょう。
都心の私立保育園だと25万~26万という高給取りも稀にありますが・・・(これは例外中の例外です)

また家族手当や退職金も期待できません。
保育園は慈善事業に近いものがあり、儲からない職種です。
お金よりも、やりがいを求める人に向いているでしょう。

土日は休めますが、保育兼業であれば交代での出勤となります。

保育士との関係

保育園は、保育士の世界です。
その中で、看護師として孤独を感じることもあるでしょう。

看護師1人が「衛生面を良くするために・・・、感染症対策を・・・、検温の正しいやり方は・・・」と言っても、なかなか聞き入れてもらえないことあります。
保育中心であり、看護への温度差を埋めるのはかなり難しいです。

また看護師は「若干給料が良い」ため、妬みにあうケースも聞きます。

親との関係

保育園勤務で一番の大変なのは親対応だと言われています。

子供がケガをしたら、親への説明を看護師がすることもあります。
親からのクレームにも対応しなくてはいけません。

それが嫌であえてパートを選ぶ人も多いのです。

看護スキルの低下

保育園の看護師は、看護よりも、保健業務が中心です。
そのため看護スキルは、向上しないでしょう。

保育園の勤務が長くなれば、病院に戻れなくなります。
保育園でずっとやっていく覚悟なのか、それとも短期間だけなのかは最初に考えておいたほうがいいでしょう。

保育園看護師のまとめ

保育園は意外とデメリットが多くあります。
求人が少なく、低賃金で、看護師としてのやりがいも感じにくく、親からのクレームもあります。
それでも子供の笑顔の中で仕事できるのは、精神的にかなり良いものです。

そこに価値を見つけられる人にはオススメの職場です。

耳鼻科に転職したい看護師に伝えたい病棟との違い。楽なだけじゃありません!

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耳鼻科への転職を考えているみなさんこんにちは!

「耳鼻科って楽そうでいいよね!」

よく学生時代の同期から言われるんですけど、ぶっちゃけ楽です!(笑)

ただ勘違いしないで欲しいのは、両手放しで楽かといえばそうでもないんです。
私は病棟勤務が性格的にも体質的にも合わなくて、それこそ逃げるように今の職場に転職しましたが、今はそれなりにやりがい感じながら働くことが出来ています。
そんなわけで、昔の私のように病棟勤務がキツいと感じている人で、もし耳鼻科との相性が良ければ、きっと楽に働けると思いますので、私の経験をもとに耳鼻科について紹介してみたいと思います。

病棟と違って楽

raku

病棟には新卒から2年勤めました。
「3年は辞めない方がいい」といろんな人が励ましてくれましたが、人間関係の酷さと肉体的・精神的なつらさでお先真っ暗だった私に、残り1年を我慢する気力はありませんでした。
そこから選んだ耳鼻科だったんですが、病棟勤務でつらかった部分がほとんどないんです!
まずは、耳鼻科が病棟勤務より楽な部分について紹介しますね。

力仕事がないので楽

耳鼻科の患者さんは、身体介助を必要としない方がほとんどなので、基本力仕事がありません。
理由としては、来院される患者さんの疾患箇所が喉から上で、足腰の悪い方はほとんどいないからです。

病棟勤務では、寝たきりや足腰を悪くされている方も多く、体位変換やトイレ介助等は日常業務としてありましたが、耳鼻科にはそれがありません。
力仕事がない点は、病棟と違って身体的に楽だと言えます。

ただ、一つだけ腕力が必要な場面があります。
治療を嫌がる子どもの対応をするときです。
私は子ども好きで扱いも上手い方だとは思うのですが、子どもは加減を知らないので、全力で抵抗されるとけっこう大変だったりします。
治療はその子のためですし、安全のためとはいえ、嫌がっている子を押さえつけなきゃいけない場面は体力よりも気持ちがつらいです。
でも、やっぱり病棟勤務の力仕事と比べたら全然楽なので、我慢してやってますね。

あと、いずれは病棟に戻ろうと考えている方で、看護スキルのアップをしたくて耳鼻科を検討している方には、あまりオススメは出来ないかもしれません。
私のように病棟勤務に戻る気がない看護師であれば問題ないのですが、耳鼻科には日常介助がありませんので、基本の看護スキルは日に日に低下していきます
これは私の主観ですが、専門性が高いので、突き詰めていく面白みはあると思いますし、耳鼻科内でのスキルアップや転職であれば、やればやった分だけ身になるとは思っています。

夜勤がないから楽

耳鼻科はクリニックか外来勤務がほとんどですので、基本日勤です。
私が勤めているクリニックも入院施設がないので夜勤がありません。
ですので、夜勤が日常的にある病棟勤務よりも、肉体的な負担はずっと軽いです。

また、大半のクリニックでは診察時間・曜日が決まっているので、生活にリズムが出来ます。
病棟勤務のころの休日は、ひたすら家に篭っていることが多かったですが、今の職場になってからは、生活にリズムが出来て余裕が生まれたおかげで、ショッピングしたり、カフェでのんびりしたり、友達とご飯食べに行ったりと、それなりに楽しい休日を過ごすことが出来るようになりました。

ただ、夜勤がなく診察時間が決まっているため、診察時間内にきっちり対応しなければなりません。
そのため、業務時間内はなかなかのハードワークです。
ですが、私にとっては仕事とプライベートの区別がはっきりとつけられるのでむしろメリットだと感じています。

それに加えて、夜勤がないため、病棟勤務に比べて給与は減ります。
だいたい月5-6万円くらい少なくなりましたが、その分精神的・肉体的に楽であることが、私にとっては何より大切なので大した問題ではなかったです。

重症患者がいないから楽

耳鼻科を受診される患者さんに、重症な方はあまりいません。
また、病棟勤務のように患者さんの状態が急に悪化するといったこともありません。
重症患者や急変がないという点で耳鼻科は、精神的な重圧が少なくて病棟勤務よりも楽です。

重症な患者さんがいない反面、症状の軽い患者さんが多く来院されます。
そのため、待ち時間のクレームやトラブルがそれなりに多いです。
そういった状況からか、診察もスピード・効率重視だったりしますので、モタモタしていると患者さんよりも先生や同僚からイライラされます。
ただ、スピードや効率重視の動きや考え方の人が多いので、ドロドロした陰湿な人間関係はありません。

耳鼻科の看護師が行う処置や診察介助は、専門的で特殊なものが多いですが、ほとんどが同じことの繰り返しですので、慣れれば楽です。
それなりに検査の種類は多いですし、それぞれの器械の扱いも覚えなければいけませんので大変だったりしますが、突発事態に対応しなければならないという病棟勤務特有の落ち着かない感じがないことが、何よりの利点だと思います。

病棟と違って大変

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こんな感じで、耳鼻科クリニックは病棟と違って楽な部分が多いです。
ですがその反面、病棟よりも大変な部分もそれなりにあります。
その大変さのせいで続けられない人もいますので、その点についても紹介してみたいと思います。

常に忙しいから大変

私が勤務しているクリニックは日常的に忙しくて大変です。
何と言っても、耳鼻科は診療内容が幅広く、来院される患者さんの数が多い事が忙しさの主な原因です。

耳鼻科では、眼を除く喉から上の疾患をすべて診ますので、多種多様な疾患に出会います。
そういった多種多様な疾患の、診察補助や検査補助・処置介助やオペ介助が看護師の仕事になりますので、覚えることはそれなりに多いです。
ただ、それぞれの作業は単純なものが多く、難しくはないので、正しい手順で確実にこなすことを意識すれば大丈夫だと思います。
だいたい一ヶ月程度で一通りの仕事は覚えられます。
同じことの繰り返しで、突発的な事もほとんどありませんので、慣れればとても楽です。

ですが、とにかく多くの患者さんを診なければならないので、スピードと効率が重視されます。
そういった環境もあってか、耳鼻科の先生はせっかちで短気な方が多いみたいで、そこで働く従業員にもテキパキした動きを求められます。
「のんびり」とか「マイペース」とか言ってるとついていけません。
ある程度の慎重さは必要ですが、場違いなくらい職場のスピードについていけないと、先生や同僚にイライラされますので、バランス感覚は必要です。
私は疾患の勉強とか診察の準備には抵抗がないので、最初の一ヶ月は帰宅後にとにかく処置・介助のイメトレをして、勝手に身体が動くくらいまで練習しました。

業務量と覚える仕事の量は多いですが、とにかく慣れてしまえば楽です。
最初の1-2ヶ月が勝負かなと思います。

花粉症やインフルエンザ等のシーズンは輪をかけて忙しいです。
病棟勤務のころとは比べ物にならないくらい忙しいので、 楽だと聞いてたのにこんなはずじゃなかったと辞めていく同僚もいました。
私は精神的にも肉体的にも楽ですので、どれだけ忙しくても耳鼻科がいいなと思います。

子どもの対応が多いから大変

耳鼻科は子どもの受診が多いのが特徴です。
聞き分けが良い子ばかりではないので、うまく診察が進むように誘導するのはなかなか大変だったりします。
くわえて、力仕事のところでも書きましたが、最終的に無理やり押さえつけることもたまにありますので、気持ち的につらいです。
また、子どもにも分かるように検査の内容や手順などを説明するなど、不安がらずに診察を受けられるようなコミュニケーションがとれることも重要だと思います。
子どもの扱いが苦手だったり、子どもが嫌いな方や、子どもが好き過ぎて押さえつけたり出来ないという方には、厳しい職場かもしれませんね。

あと、耳鼻科の従業員は風邪をひきやすいと言われています。
実際、私も耳鼻科に転職してからは、季節の変わり目毎にひどい風邪をひいたりします。
感染症対策はしっかりとしていますが、子どもが持ち込むウィルスは非常に強力です。
体調管理を少しでもサボると、隙間をついてくる感じで羅患し一気に具合が悪くなります。
免疫力を高めるように常日頃から気をつけることと、食事と睡眠には人一倍気を遣うようにというのが、耳鼻科勤務者の共通観念です。

また状況的にはあべこべですが、子どもはおとなしくても、保護者が無理を言ったり無茶苦茶だったりする場合もあります。

専門性が高いから大変

専門性が高いので、たくさんの検査とそれに伴う特殊な器械の扱い方、疾患の知識等、覚える事がとにかく多くて大変です。
ティンパノメトリー(鼓膜聴力検査)、SISIテスト、平衡感覚の検査、味覚検査などは耳鼻科特有の検査で、検査の種類によっては看護師が実際に検査を担当することもあります。
また、患者さんへの検査内容の説明も大切な仕事の一つです。
幅広い治療に対応しなければならないので、幅広い看護スキルが必要になります。

くわえて、スピードと効率を常に要求されますので、慣れるまではキツいかもしれません。
私が勤め始めてからの2年の間に、看護師が4人辞めていますので、楽な先入観でいると痛い目を見ます。
テキパキとした動きが苦手だったり、器械の扱いに抵抗がある方、または知識の修得に苦手意識があったりする方には合わないかもしれませんね。

あと、耳鼻科の専門性の高さは、汎用性に欠けます。
耳鼻科で修得出来るスキルは特殊なので、一般的な病棟看護には活かすことが難しいです。
耳鼻科を極めていくスキルアップの仕方はありますが、採血や点滴・注射といった基本の看護処置でさえ、病棟勤務と比べると頻度は少ないので、基本の看護スキルは低下する一方です。
病棟勤務で修得したスキルも、使わないのでどんどん錆びていきます。
病棟への復帰やキャリアアップを考えている方には、耳鼻科は向いていないと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
耳鼻科って楽そうに見えますが、意外と大変なんですよ?(笑)

耳鼻科クリニックの業務は、病棟勤務で大変な部分が楽だったりなかったりします。
逆に、病棟勤務よりも大変な部分もあったりします。

耳鼻科で働くメリット・デメリットを考えると、耳鼻科に向いているのは、

  • 病棟勤務の精神的・肉体的大変さが肌に合わない
  • 子どもが好き
  • 機械の取り扱いに苦手意識がない
  • 知識の修得や勉強会に抵抗がない
  • テキパキとしたスピーディな対応が出来る
  • コミュニケーションが好き
  • 単純単調な繰り返し作業が苦でない

といったタイプの人です。
逆に、

  • いつか病棟勤務に戻ろうと考えている
  • 子どもが苦手
  • 看護師としてのスキルアップしたい
  • 機械に抵抗がある
  • 勉強嫌い
  • おっとりした性格
  • コミュニケーションが苦手
  • 単純単調な繰り返しが嫌

という傾向のある人には向いていない可能性があります。
耳鼻科での仕事に興味があって、向いていそうだなと感じた方は、是非チャレンジしてみてください!

皮膚科に転職したい看護師に伝えたい病棟との違い ホントに楽なの?

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皮膚科への転職を考えているみなさんこんにちは!

「皮膚科ってぶっちゃけ楽なんでしょ?」

よく言われます!
そしてその認識は間違ってません。(笑)

多少の勉強は必要ですが、難しい知識やスキルが必要ないことから、結婚や育児等のブランクがあって、看護スキルに自信がない方に薦められることが多い皮膚科。
結婚にも育児にもご縁はありませんでしたが(涙)、看護スキルに自信のなかった私に皮膚科はピッタリでした。
そんな私も、今のクリニックに転職して今年で8年目になります。
今の職場でも多かれ少なかれ大変なことはありますが、病棟勤務の毎日のつらさに比べたら、皮膚科クリニックは天国です。

そんなわけで、皮膚科に転職を考えているみなさんに、皮膚科クリニックがどのくらい楽かを、病棟勤めが出来なかった私の視点から紹介してみたいと思います。

病棟勤務よりずっと楽

raku

新卒で入職した病院には1年しかいられませんでした。
人間関係も含め、病棟勤務は肉体的にも精神的にもつらくて、看護師に向いていないと落ち込む毎日。
ですが、病棟でつらかった部分が皮膚科クリニックにはありませんでした!
まずは、皮膚科が病棟勤務より楽な部分について挙げてみます。

力仕事がないので楽

皮膚科の看護師の業務には、力仕事と呼べるようなものはありません。
主な業務は医師の診療補助です。

  • 採血や点滴
  • アレルギーの検査
  • パッチテスト
  • アトピー・白癬・湿疹・疣・水疣・火傷・蕁麻疹など、軟膏の塗布やガーゼ等を使った処置
  • 手術用の器械出し

こういったものに加えて、患者さんへの説明補助や衛生管理、診察室・待合室、機器類の消毒・洗浄といった業務を行います。
難しい知識や技術を必要とするものはないので、私のように看護スキルに自信がない人間でも、特に問題なく務まります。

病棟では、患者さんの日常生活を介助することが何かとありましたが、皮膚科ではそれがありません。
力仕事がほとんどないので体力的にとても楽です。
その代わりといっては何ですが、患者さんの日常生活を介助するスキルを使わないので、基礎的な看護スキルは低下していると感じます。
スキルアップを考えている方は、一時的な転職先やブランクからの復職先としての候補には挙げても、あまり長居しない方が良い診療科かもしれません。

また力仕事のような大きな仕事がない反面、細かい仕事はたくさんあります。
感染症を扱うこともあるので、消毒・洗浄は徹底的に行いますし、清潔を保つためにものすごくたくさんのタオルを使いますので、大量の洗濯をしたりもします。
細々した作業は嫌いではないですので私は気になりませんが、単調な作業をひたすら繰り返すのが苦手な方にはつらいかもしれませんね。

急変がないから楽

皮膚科を受診される患者さんのほとんどが、命に関わるような症状ではありません。
また、病棟勤務であるような患者さんの症状が急に悪化するといったこともありません。
急変がないという点で皮膚科は、病棟勤務で感じていたような精神的なプレッシャーが少なくて楽です。

重症な患者さんがいないということは、裏を返せば、症状の軽い患者さんが多く来院されるということです。
そして、待ち時間の長さが、クレームの原因になることが一番多いです。
肌の不調・不快感を持っての待ち時間が、イライラを増長しているんでしょうか?
そういった意味では、患者さんの立場に立って、効率を考えた立ち回りをいつも意識するようにしています。

私には突発事態に対応する力が足りないです。
病棟勤務の時に、一度だけ急変に関わりましたが、アタマが真っ白になってしまって何も出来ませんでした。
そのことで周りから、たくさん注意されましたし酷いことも言われました。
看護師向いてないんじゃないかって自己嫌悪にも陥りました。
ですが、きちんと知識や手順を準備しておくことは、これまでずっとしてきたつもりです。
突発的な対応はどうしても苦手ですが、今の職場では患者さんの症状を落ち着いて診て判断出来るので、自分には合っていると思います。

「待たせすぎて患者さんから怒られるかも」といった緊張感は常にありますが、「ミスが許されない」「いつ急変するかわからない」 といった精神的な不安感はないので、皮膚科は楽だと思います。

夜勤がなく残業が少ないから楽

皮膚科のほとんどが、クリニックか外来と言われますので、基本日勤で夜勤はありません。
私が勤めているクリニックも入院設備がないので、夜勤がありません。
また、診察時間・曜日が決まっていますので、病棟勤務のような度が過ぎる残業がありません。
あっても1-2時間程度ですし、残業代も出ますので特に気にしたことはありません。
病棟勤務と比べると、肉体的な負担はずっと軽いと思います。

病棟での夜勤を含めたシフト勤務は、残業も含めて体力的にものすごくつらかったです。
ですが今は診察日に合わせた勤務ですので、とても規則的な生活が出来ています。
病棟勤務のころは、休日といえば寝て過ごすための時間でしかありませんでしたが、今ではプライベートを楽しむための時間になりました。

残業対応になるくらい忙しくなるのは夏の時期3-4ヶ月のあいだくらいです。
水虫の悪化・海や山での子供の水イボや虫刺され・屋外作業での皮膚疾患などで結構な忙しさになります。
夏場は、たくさんの症例を学ぶ事ができる時期になりますので、それはそれで貴重です。
反対に冬場はものすごく暇なので、転職される方は秋くらいに入ると、ゆったり仕事を覚えられるのでちょうどいいかもしれません。

当然ですが、夜勤手当がなく残業代も少ないので、給与面では病棟勤務より下がります。
月5万円程度違いますが、精神的・肉体的な安定と引き換えと考えれば安いもんだと私は考えています。
病棟勤務での給与に不満がある方には向いてない職場かもしれません。

病棟勤務よりずっと重要

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皮膚科は、看護師に向いていないんじゃないかと思っていた私にも出来るくらいなので、たぶん楽な仕事です。
ただし、病棟勤務では特に重要でなかった部分について、重きをおかなければならない場面がいくつかあるので、そのことについても挙げてみようと思います。

コミュニケーションスキルが重要

皮膚科クリニックで働く中で、私がもっとも重要だと考えるのがコミュニケーションのスキルです。

どの診療科においても、もっとも大切にしなければならないことは、「患者さんの症状を正しく把握して適切な治療を行う」ことです。
そのために看護師が出来ることは、医師がスムーズに診療を行える環境作りをすることだと考えます。

皮膚科は患者さんが多いので、長時間お待ちいただく状況が多いです。
普段私達看護師は、待合室での状態や問診の内容から、患者さんの症状を医師に伝えます。
この時、過不足ない情報を医師に伝えることが、患者さんの待ち時間を少しでも減らして、苦痛を取り除く手助けになるのではないかと思うんです。

皮膚科には、子どもからご老人までありとあらゆる年代の患者さんがいらっしゃいます。
通り一遍のカチカチの対応ではなく、相手に応じた言葉遣いや態度で、可能な限り患者さんの要望を汲み取ることが出来るよう心がけています。
そうやって医師と患者さんの橋渡しが上手くいって、スムーズに診療が進んでいく手助けが出来ることが、皮膚科の看護師にとって大切なスキルなんじゃないかと思います。

私は話好きなのですが、病棟で働いていた時にはほとんど話せませんでした。
それは人間関係の悪さが原因でしたが、息のつまる毎日でストレスでしかなかったです。
くわえて、話さなくてもどうにかなってしまっていたことも、悪かったのかもしれません。
私が経験した病棟勤務は、無視したりされたりして歪みが生じても、うやむやにできてしまうような環境だった気がします。

今は患者さんたちはもちろん、同僚や医師ともちゃんと話せています。
コミュニケーションがうまくいかなくて、患者さんに迷惑をかけてしまうことだけは避けたいです。

おしゃべりは好きですか?

単純で単調な処置が重要

患者さんによって症状・症例は違いますが、処置は 「薬を塗って包帯を巻く」といった感じが多いです。
軟膏を塗ったり、患部を消毒してガーゼをあてたりといった、基本の看護スキルのみが必要になります。
外見の似ている薬が多いので、間違って使用することがないようにチェックすることも大切な業務の一つです。
ですが、単調な処置を淡々と繰り返す毎日ですので、ルーチンワークのように感じてしまう人もいるんじゃないでしょうか。

皮膚科の患者さんの症状は、その場ですぐに治るというものはありません。
診療時間こそ短いですが、ゆっくりと時間をかけて治療していくものが大半です。
つまり、単純で単調な繰り返しの処置こそが、唯一の治療法だったりするんです。

皮膚の疾患は、特別な機械を使わなくても、悪い箇所を確認することが出来ます。
治癒経過が目に見えて分かるというのも、皮膚科の特徴です。
コツコツとした処置の積み重ねが、患者さんの回復につながっていることを実感出来るのは、皮膚科のやりがいの一つではないかと思います。

ですが、皮膚科の看護師の仕事は単純で単調であることは知られていますので、皮膚科のキャリアは評価されないことが多いと聞きます。
病棟ではこういった数をこなすタイプの業務はあまり評価されませんが、皮膚科では重きをおいている部分です。
私は病棟に戻る気がないので気にしていませんが、先のキャリアを考えている方はその点についても考慮しておいた方がいいかもしれません。

細かな気遣いが重要

手や足、顔や首などの直接見える部分はもちろん、普段は衣類で隠れている部分についても、肌のトラブルは誰しも気になるものです。
症状が出ている箇所、治療後の痕など、患者さん自身にも見えるものですので、患者さんの気持ちに配慮した充分なメンタルケアが大切になってきます。
薬剤や処置に関する充分な知識を学んで、患者さんにアドバイス出来るような気遣いが必要です。

また、採血・点滴はもともと細心の注意を払うものですが、皮膚科では更に気を遣う場面でもあります。
患者さんの皮膚の状態が良くなくて、ルート確保で苦労することがたびたびありますので、穿刺には細心の注意を払わなければなりません。
病棟と違って、絶対数が少ない上、難度もかなりのものですので、なかなか慣れない処置の一つです。

感染症を扱っていることについても、充分な配慮が必要です。
患者さんの皮膚疾患に感染してしまうケースもあります。
徹底した衛生管理で、院内感染を発生させないことも、重要な看護師業務の一つです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
病棟に比べれば皮膚科はとっても楽ですよ。(笑)

皮膚科の業務は、病棟勤務の大変な部分がほとんどありません。
その分、給与も低かったり看護スキルアップには向いていなかったりといったデメリットもあります。

皮膚科で働くメリット・デメリットを考えると、皮膚科に向いているのは、

  • 患者さんとのコミュニケーションが得意な人
  • 年齢(世代)関係なくおしゃべりが好きな人
  • 地道でコツコツとした作業が苦でない人
  • 夜勤/残業が苦手な方で、手当が減っても身体が楽な方がいいと考えられる人

といったタイプの人です。
逆に、

  • 飽きっぽい人
  • 単調な作業が苦手な人
  • 病棟勤務の給与に満足していない人
  • 看護師スキルを高めたいと考えている人

という傾向のある人には向いていないかもしれません。
皮膚科での仕事に興味があり、皮膚科の適性がありそうだなと感じた方は、是非チャレンジしてみてください!

眼科に転職したい看護師に伝えたい病棟との違い。意外と楽じゃない?!

ganka

眼科への転職を考えているみなさんこんにちは!

「眼科って楽そう!」

よく言われます。(笑)

実は私も眼科は楽そうだと思って転職したクチなんですよね。
それというのも、病棟勤務がものすごいストレスで、このままではアカンって考えたときに、藁をもつかむ思いで選んだ転職先が眼科でした。
それこそ逃げるようにして選んだような転職先だったわけですが、今までどうにか続けられていますので、病棟勤務よりはずっとマシというか、私には合っていたんだと思います。
ただやっぱり入職してみてうひゃーっ!て思うことも結構あったので、楽な部分と大変な部分について、「病棟との違い」をベースに紹介していきますね。

病棟と違って楽

raku

病棟には3年いましたが、肉体的にも精神的にも本当にキツかったです。
ですが、病棟でつらかった部分が眼科にはなかったんです!
まずは、眼科が病棟と違って楽な部分について挙げてみます。

急変がないから楽

眼科を受診される患者さんは、基本一分一秒を争う生死に関わる状態で来院されることはありません。
また、病棟勤務に見られる急変のような、突然患者さんの症状が悪化するといったようなこともありません。
そういった点で眼科は、病棟勤務に比べて精神的なプレッシャーが少ない職場かもしれません。
実際、病棟勤務の頃の急変対応は、とにかく心臓に悪かったです。
なので、それがない今の職場は精神的にとても楽です。

ですが、目が見えるのと見えないのでは人生そのものが変わってしまいます。
生死に関わらないとはいえ、目は人生を左右する大切な器官です。
ちょっとのミスが取り返しのつかないことに繋がる可能性だって充分にありえます。
ですので、処置に関わる際は、常に細心の注意と緊張感を持って臨むよう意識しています。

夜勤がないから楽

眼科は基本クリニックか外来勤務ですので、基本日勤です。
勤務先の設備や方針にもよりますが、夜勤がない職場がほとんどです。
私が勤めているクリニックも入院施設がなく夜勤がありません。
なので、肉体的な負担は病棟勤務よりずっと軽いと私は感じています。

また、大半のクリニックでは診察時間・曜日が決まっていますので、生活にリズムが出来ます。
肉体的な負担が減り、生活にリズムが出来ると、気持ちにも余裕が出来ますので、ひたすら寝て過ごすだけの休日から解放されました。

ただ、夜勤がなく診察時間が決まっているため、その分残業で対応しなければならないという弊害もあります。
ですが、私にとっては仕事とプライベートの区別がはっきりとつけられますのでむしろメリットです。
残業代ももらってますしね。

力仕事がないので楽

力仕事がほとんどありません。
来院される患者さんは、目に不自由を感じてはいても、身体は健康な方がほとんどです。
そのため、眼科では身体介助を行う必要はほぼありません。
病棟勤務では、体位変換やトイレ介助等、何かと力仕事がありましたが、眼科では薬品や検査・手術に必要な物を運ぶくらいしか身体を使いません。
力仕事がほとんどない点も、眼科は病棟勤務に比べてとても楽だと感じます。

ですが、目以外は健康といっても、ご年配の方が多く来院されるのも眼科の特徴です。
目の不自由を感じ始めたご年配の方には、足腰が弱っている方も多いですので、自然と歩行介助や先回りした補助が必要だと感じます。
私はおじいちゃんおばあちゃん子だったので、ご高齢の方とのコミュニケーションは好きですし、気配りもそれなりに出来るつもりです。
力仕事が必要とされていない分、患者さんの視点に立った気遣いや思いやりは必要だと思っています。
なので、お年寄りが苦手な方には厳しいかもしれませんね。

病棟と違って大変

taihen

病棟の肉体的・精神的なつらさは、私にとっては本当にヤバいレベルのつらさでした。
なので、それに比べたら眼科の大変さは大変なうちに入らないと私は思っています。
ですが、眼科は眼科で大変な部分はありますし、その大変さがもとで続けられない人がいたりするのも事実です。
次は、眼科が病棟と違って大変な部分を挙げてみます。

専門性が高いから大変

数多くの検査とそれに伴う特殊な器械の扱い方、目に関する疾患の知識等、覚える事がとにかく多くて大変です。
また、病棟勤務での知識がほとんど役に立たず、新しい専門用語がたくさん出てきますので、最初のうちはメモを片手にかなり苦労しました。
私の場合は3ヶ月くらいで慣れましたが、そこまでの間に辞めちゃう方も何人かいました。
器械の扱いに抵抗があったり、知識の修得に苦手意識があったりすると合わないかもしれません。

専門性の高さは、汎用性の低さっていう意味にもとらえられます。
眼科で修得出来るスキルは特殊で、一般的な病棟看護には活かすことが難しいスキルです。
特殊な器械の使い方や、疾患の知識は身につきますが、採血や点滴・注射といった基本の看護処置でさえ頻度は少ないため、看護スキルは低下する一方です。
病棟での経験や修得したスキルも、使わなければ錆びつくだけで、年々記憶の片隅に追いやられていっています。
私はもう二度と病棟勤務をしようとは思っていないので、特別どうという問題ではないです。
ですが、病棟復帰やキャリアアップを考えている方には、かなりのハンデになると思いますので、眼科は向いていないかもしれません。

業務量が多いから大変

私が勤務しているクリニックは日常的に忙しくて大変です。
それだけ眼科が日常生活に近いという理由もありますが、夜勤がなく診療日時が決まっていることも忙しさの理由だと思います。

基本的に、来院された方全員の診察をするため、診療時間終了後も診察が続くこともあります。
定時で終わることは稀です。
忙しすぎてしんどいと思う人もいるでしょうが、私にとっては残業代が出る以上、大した問題ではないですね。

また、患者さんを長時間待たせることが多いですので、イライラした患者さんと接することも少なくありません。
待ち時間を減らすために、スムーズな診療を心がけ、さまざまなフォローをするのも眼科の看護師の仕事です。

加えて、ただひたすら効率的に検査をすすめるだけでなく、患者さんの精神的・心理的なケアを思いやる事が出来るコミュニケーションも重要だと思います。
私はおしゃべりが好きな方なので、患者さんとコミュニケーションを取るのは苦ではありませんが、コミュニケーションが苦手な方には、ストレスが溜まる職場かもしれません。

あと、眼科の業務量は病棟と比較してもかなり多めだと思うのですが、一つ一つの業務は単純で細かい作業が多いです。
薬の点眼や検査をひたすら繰り返しますので、やりがいという点ではなかなか難しいかもしれません。
ただ、見えにくかったものがはっきり見えるようになった・目の不快感が解消されたというような回復が、文字通り目に見える形で現れますので、患者さんから感謝される機会は多いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
眼科は楽そうに見えて、実は結構大変なんですってば!(笑)

眼科の業務は、病棟勤務で大変だと言われている部分がとても楽です。
その反対に、病棟勤務ではあまり気にしなくてよかった部分が大変だったりもします。

眼科で働くメリット・デメリットを考えると、眼科に向いているのは、

  • 病棟勤務の精神的・肉体的大変さが無理
  • お年寄りが好き
  • 機械の扱いに抵抗がない
  • 知識の修得に抵抗がない
  • コミュニケーションが好き
  • 細かい作業が好き
  • 単調な作業が苦でない

といったタイプの人です。
逆に、

  • いつか病棟勤務に戻りたい
  • お年寄りと接するのが苦手
  • 看護師としての自分の市場価値を高めたい
  • 機械に抵抗がある
  • 勉強嫌い
  • コミュニケーションが苦手
  • 単調な仕事を大量にやるのが苦手

という傾向のある人には向いていないかもしれません。
眼科での仕事に興味があり、眼科の適性がありそうだなと感じた方は、是非チャレンジしてみてください!

看護師が内科に転職する3つのポイント。内科の特徴、向いているタイプ

看護師のK美
K美 45歳(女性)
看護師
総合病院急性期外科勤務
職歴:腎臓内科3年、消化器内科5年、呼吸器内科6年、循環器内科5年

~とある病院の外科病棟での会話~

  • 後輩:内科に転職したいっす!
  • 私:え、そうなの?いいんじゃない?
  • でも、内科ってどんなとこかわからないし・・・
  • じゃあ、まず内科のことが知りたいのね!
  • はい、先輩!(よろぴく)

というわけで!
内科に転職したいなら3つの疑問を解決すれば大丈夫。
外科と内科、両方知り尽くした私の20年分の経験をもとにお答えしますね。

では、さっそく。
最初の疑問から解決しましょう。

疑問1:内科と外科って何が違う?

内科を知るためには、まず外科と比べてみるとわかりやすいです。
ズバリ。「メスを入れないのが内科、メスを入れるのが外科」ですね。
内科ではメスを使わない代わり、投薬中心に治療します。それに食事療法や運動療法の指導も入ってきます。
一方外科では、手術をして病変部を取り除く治療を行います。

うんうん、ここまでは知ってましたよね?
では、もうチョイ具体的に。

はい、こちらとなっております。

内科:慢性期の患者さんが多く重症度は低め

  • カラダの内側を治療するため回復がわかりにくい
  • 治療の期間が長いので患者さんと長くつき合う
  • 仕事内容が一定(基本的な看護が多い、そのほか食事指導や生活指導)
  • 患者さんに対してゆったり対応できる
  • 診察介助が多いため医師との距離が近い
  • 急変が少ない
  • 残業が少ない

外科:急性期の患者さんが多く重症度は高め

  • カラダを外側から治療するため回復がわかりやすい
  • 入退院の入れ替わりが早く、患者さんとあまり長くつき合わない
  • 仕事の専門性が高い(外科系の診療科ごとに手術直後の患者さん対応がある)
  • 素早く対応しなければならない
  • 手術以外は、医師と関わることがあまりない
  • 急変が多い(とくに術後の患者さん)
  • 残業が多い

イロイロ書いてみましたが・・・
まとめると、「内科はゆったり丁寧に!」「外科はすばやく的確に!」
こんな感じです。
真逆っていってもいいぐらい、大きく違いましたね~。

内科の特徴が分かったところで、続いて、内科向きな看護師、外科向きな看護師の違いについて。
今度は、自分自身にあてはめてみましょう。

疑問2:内科向きと外科向きな看護師ってどんな看護師?

内科と外科、それぞれ向いている人にはある共通点が見つかりました。

内科向きな看護師はこんな人!

  • 人と深く関わるのが好きな人
  • 人の感情の変化、行動の変化に気づきやすい人
  • 根気強く、我慢強い人
  • せっかちというより、おっとりタイプ
  • なんでも許せるタイプ(包容力)

外科向きな看護師はこんな人!

  • いろいろな人と関わるのが好きな人
  • 達成感を日々追い求める人
  • 決められたことをするよりも、変化が好きな人
  • おっとりよりは、せっかちタイプ
  • 白黒はっきりつけたいタイプ(判断力)

改めてみると、やっぱり私は内科が天職だって思えます(笑)

「自分はどんな性格か?」
「どちら向きなのか?」

理解していると就職や転職でどの科を選ぶか判断基準にできます。
でも、「これにあてはまらない=内科を選んではいけない」ということではありません。
極端な話、内科に転職したいけど自分は内科向きじゃない。とわかっているだけでもOK!
なぜかって?
「自分はせっかちな方。でも内科はゆったり向き。」と知っているだけで、「それじゃあ、ゆったり構えよう!」と意識できるからです。

一方採用側も、看護師の性格をみて割り振るケースがあります。
例えば、新人看護師の配属先を決めるとき、

「おとなしくてのんびり屋は内科」
「活発で体育会系は外科」

このようにどのような看護師を採用するか、判断材料の一つにします。
とくに新人は自分が内科向きかなんてわかりませんよね。
でも、面接官なら見ただけでわかってしまうこともあるようです。(さすが!)

実際に、面接担当者が考える内科向き、外科向きな人について、一例がありましたので紹介します。

面接担当者が考える内科向きの看護師

私は、とある大きめの病院の人事をやった経験があります。
面接にきた看護師を数多く見てきたわけですが、今では5~6分話せば、内科向きか外科向きかわかります。

「意見をはっきり言う」「話の運び方がテキパキしている」「白黒はっきりつけてる」方は外科向きです。
「こちらの表情をじっくりと見る」「言葉を慎重に選んでゆっくり話す」方は内科向きです。

内科は継続的な看護が多いので、患者さんとじっくり関わることを求められます。
だから性格はゆったりしている人のほうが合います。
一方外科は、その場その場できっちり仕事を終わらせていかなければなりません。つまり、その場での判断が多い科なので、性格的にはっきりしている人が合います。
つまり、内科か外科か?向いているタイプと、面接に来た看護師のタイプをマッチングしていると言えばわかりやすいでしょう。

また、面接するときは、私のような人事担当だけでなく、現場の業務や看護師を知りつくした看護部長にも入ってもらっています。
実際、看護部長も今いったような基準で判断しているとおっしゃっていました。
引用元:看護師お悩み相談室

ここまでで、内科と外科の特徴には大きな違いがあることがわかりました。
仕事内容だけでなく、働く看護師のタイプにも傾向がありましたね。

さて、内科のイメージがつかめたところで、さらにもう一歩進めます。
「内科の役割」について考えてみましょう。

疑問3:内科の役割ってなに?

内科の役割と、そこで働く看護師の役割を順にみていきましょう。

内科の役割ってなに?

まず、内科自体の役割から。
内科の役割は2つあります。

その1:患者さんの窓口としての役割

「風邪ひいた」「こけてケガした」「よくわからないけど○○が痛い・・」
さまざまな症状の患者さんは、「とにかくすぐに看て欲しい!」
そう思っています。
そこで内科が窓口となり、患者さんの状態を最初に診察します。(プライマリケア)
擦り傷、咳、鼻水といったありふれたものから、膝が痛む、胸が痛い、などの原因がすぐにわからない病気まで。
とにかく幅広く診察します。
患者さんの症状をヒアリングし、診断するのが内科の役割です。
たいていの場合、内科で対応は完結します。

その2:症状の切り分けをする役割

患者さんの症状を切り分けた結果、さらに専門的にみる必要がある場合、かかるべき科に誘導するのも内科の役割です。

例えば、「胸が痛い・・」と言う患者さんがいたとします。
原因はイロイロ考えられます。
風邪、気管支炎、心臓の疾患から心的な要因まで。
内科の医師は、あらゆる可能性を考えます。
さまざまな角度から診察した結果、ある程度の目処をつけ、患者さんに必要な科を紹介します。


このように内科では、まず医師が診断し、患者さんが受けるべき治療や方針を決めます。
管轄外の疾患だと判断した場合、他の診療科や外科を紹介するといったところまでが内科の役目です。

ここまでいかがですか?
内科は、患者さんにとっての窓口的な存在でしたね。
では、内科の看護師にはどんな役割があるのでしょうか。
さらにもう一歩踏み込みましょう。

内科で働く看護師の役割はなに?

看護師の役割は主に3つあります。

その1:医師のサポート役

診察する医師のそばで、患者さんを介助する役割です。
具体的には、診察、検査の介助があります。
とくに男性医師の場合、看護師が女性患者さんに配慮し、診察をスムーズに進める役目も背負ってます。
内科にいる医師のほとんどは、おしゃべり上手できさくなタイプが多いです。
しか~し!
なかには「30年、僕はこれでやってきました。」みたいなお堅いタイプもいるんですよね。
そういうタイプは、患者さんとコミュ不足でギクシャクした空気になることが多くて(汗)
そんなとき、看護師が医師と患者さんの間に入ってフォローします。

その2:患者さんの指導役

とくに多いのが、「服薬」「食事」「生活」の指導です。

まず、服薬指導から。
「患者さんが内服薬を自己管理できているか?」
できていない場合はご家族にも伝え、周囲の協力を仰いだりします。
さらに、薬の効き目をヒアリングし、副作用や効果に問題があれば、医師や薬剤師に相談して対応してもらいます。

次に、食事と生活指導。
医師が診察時に患者さんに説明したことを、看護師が診察後や待合室で繰り返し患者さんにおさらいします。
一部の医師は、多忙が原因で、どの患者さんに対しても一定の説明しかしない人もいます。
そこで看護師が医師の代わりに、患者さん一人ひとりがきちんと理解できるまで、患者さんの理解レベルに合わせて丁寧に説明しなければなりません。
そうすることで、医師と患者さんの間で起きがちな食い違いをなくしておきます。

その3:医師と患者さんの調整役

看護師は、医師と患者さんの調整役でもあります。
患者さんの診察が終わったら「はい、また今度!」ではありません。
待合で待つ患者さんや診察後の患者さんに対して、看護師が声をかけることも大切な仕事。
患者さんがかかえこんでいる診察に対する不安や疑問をなくして、前向きな治療を促してあげます。
医師は診察にかかりっきりで、とにかく忙しい!
とうぜん、1人の患者さんに割り当てられる時間に限りがあります。
その分看護師が、患者さんと医師の間に起きがちな誤解を防いでおきます。


これまで、内科ってどんなところ?
という疑問についてお答えしてきました。
内科のだいたいのイメージはつかめましたね。

実は、内科といっても、一般内科から循環器内科まで、細かく科が枝分かれしています。
それなら、どんな科があるのか。
押さえておきましょう。

内科系の診療科はどれぐらいある?

ざっと内科の診療科を挙げると・・・なんと30近い科が!
なぜ、こんなに科があるのでしょうか?
実は、平成20年4月に診療科名の改正があったからです。
厚生労働省によると、ざっくりですが、「外科や内科は単独で名乗ってOK!」「臓器ごと、性別、疾患ごとに科の名称を名乗ってもOK!」と医療法が改正されました。
ということもあり、内科が臓器単位で細分化したわけです。

内科系の診療科(例)

内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、心臓内科、血液内科、気管食道内科、胃腸内科、腫瘍内科、糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科、脂質代謝内科、腎臓内科、神経内科、心療内科、感染症内科、漢方内科、老年内科、女性内科、新生児内科、性感染症内科科、内視鏡内科、人工透析内科、疼痛緩和内科、ペインクリニック内科、アレルギー疾患内科など。

たくさん分かれていますね~。
そもそも、臓器ごとに分かれた理由の1つは、患者さんが自分の症状にあった科が選びやすいからです。

でも、看護師にとってはどうでしょう?
中身がわからないから、どの科に転職したらいいかわからない!
まるで今のあなたと同じように、どの課に転職したらいいのか。すぐに決められなくなってしまいました。

もっと診療科を詳しく知りたい・・・

ですよね。
ここまでくると、どの科がどんなことをしているのか?
もう1つ深く知りたくなってきちゃいますよね。
でも、大丈夫!
内科の中でも特に人気の4つの科について記事の最後でご案内しています。
科ごとの特色がガッチリとつかめるので、よかったら読んでみてください。

最後に、内科に転職したいあなたへ

いかがでしたか?
内科の看護師は、医師や患者さんのサポート役だということがわかりましたね。
内科と外科の違いから、そこで働く看護師の役割まで。
頭の中でモヤッとしていたイメージが、ハッキリしたのではないでしょうか。
内科で働くと、基本となるスキルはもちろん、患者さんとの向き合い方も学べます。
転職したいと悩むなら、1度やってみる価値はあります!

看護師の腎臓内科へ転職6カ条。仕事内容とメリット、デメリット

腎臓内科への転職を考えているみなさん、こんにちは。

腎臓内科は、透析技術が身に付くというのが良いところですよね。
糖尿病の患者さんが増えており、腎臓内科のニーズは高いです。
透析クリニックも増えていて仕事に困ることはありません。
腎臓内科で透析に慣れれば、残業が少なかったり、夜勤なしの職場を選べたり、転職しやすかったりとメリットがたくさんあります。

でも、腎臓内科ならではの悩みもあるんです。
この悩みに耐えきれず、透析技術を身につける前に辞めてしまう看護師もいます。
特に多いのは、患者さんに長期入院・通院の方が多く、人間関係が難しいということです。
他にも、知識が偏る、ルーティンワークが辛い、機械が苦手……などなど。
メリットだけを見て腎臓内科に転職するのは危険です。

では、腎臓内科への転職を成功させるにはどうしたらいいの?

それには、循環器内科のリアルな部分もしっかり調べておくことです。

今回は、腎臓内科で働いてみないとわからない内情をお話します。
腎臓内科の基本的な知識や仕事内容、メリット・デメリットの全てをお伝えしましょう!

この記事を読めば、腎臓内科のことが丸わかり。
自信をもって腎臓内科に転職できますよ。

必要な知識は?

腎臓内科は、その名の通り腎臓のみを対象に治療する科です。
よって腎臓全般の知識が必要です。
他の科の場合、扱う臓器は沢山あるので臓器ごとに疾患名が変わります。
でも、腎臓内科は扱う臓器が腎臓だけなので、腎臓の状態によって疾患名が変わります。
それだけ腎臓の奥深い知識も必要です。

では、具体的にどんな疾患があるのか。
押さえておきましょう。

腎臓内科の疾患

疾患は主に以下の通りです。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 慢性腎炎
  • 慢性腎不全
  • 急性腎不全
  • ネフローゼ症候群
  • 膠原病
  • 尿管結石
  • 水・電解質異常
  • 尿細管間質性腎炎
  • 血管炎
  • など…

うーん。
腎臓だけでもこれだけあるんですね。
よく耳にする、糖尿病や高血圧といった生活習慣病。
ほかにCKDも聞いたことありますよね。
中には、腎不全といった重度なものまである!
腎臓内科の奥深さがうかがえます。

今度は、少し視野を広げて。
腎臓内科全体の特徴をつかんでみましょう。

腎臓内科の特徴は?

特徴は3つあります。

1.患者さんの年齢層が幅広い

腎臓内科の患者さんは年齢層がさまざまです。
検尿異常の5~6歳の子供もいれば、会社の健康診断でひっかかる30代~50代の方、さらに、透析を続ける高齢者までいらっしゃいます。

それに、男女比の差もそれほどありません。
腎臓は、もともと糖尿病や高血圧などの生活習慣病が進むことで悪化するため、男性女性問わず患っています。
中には妊婦さんもいます。
つまり、妊娠中の高血圧「妊娠高血圧」が原因で腎臓を悪くするケースですね。
性別も年齢層も色々な科だということです。

2.患者さんとの付き合いが長くなる

腎臓は1度機能が低下すると残念ながら元に戻りません。
よって看護師は、長期にわたり腎機能障害をかかえた患者さんを看ます。
とくに透析患者さんとは、一生涯付き合っていくことになります。

3.業務が固定化される

腎臓内科では、検尿や透析業務でほとんどを占めています。
検尿は主に蛋白尿の出る患者さんに対して行われます。
患者さんに、1日分の(24時間)おしっこを容器にとっていただく検査(畜尿)です。
また、透析にもいくつか種類があり、血液透析、腹膜透析、CHDF(持続的血液ろ過透析)やPE(血漿交換)といった血液浄化療法があります。
それぞれの透析方法や、管理方法を熟知しなければなりません。

ここまでで、腎臓内科の特徴をザックリつかんでいただければOKです。
次はいよいよ、腎臓内科で働く看護師の仕事について。
じっくり、みてみましょう。

仕事内容は?

腎臓内科の通常業務は、一般的な診療科と違いはありません。
バイタルチェック、内服薬の与薬、点滴、食事の介助、清潔ケア。
これに、観察、検査の介助が入ってきます。

ただし!
腎臓内科特有の仕事もあります。
腎機能障害レベルを初期、中期、末期の3段階に分けて説明します。
※仕事内容は、すべてのレベルに共通する場合もあります。

1.生活指導(腎機能障害レベル=初期)

看護師は患者さんに、食事制限(タンパク質や塩分)、喫煙の制限、アルコール制限の他、軽い運動を指導します。
初期の症状としては、タンパク尿、むくみ、高血圧があります。
初期の段階で大切なのは、とにかく悪化させないことです。
もともと腎臓疾患は自覚症状がなく、十年以上の時を経てゆっくりと悪化し、やがて腎不全になる恐ろしい病気です。
早めに対応すればするだけ、進行させずにすみます。

一方、放置したまま症状が進行していくと、CKD(慢性腎臓病)になります。
CKDは特定の疾患名ではなく、将来腎不全になるかどうか?その可能性を診断する基準となるものです。
中でも可能性が高いのが、糖尿病、高血圧や加齢による腎硬化症、慢性腎炎です。
生活習慣の改善が患者さんのこれからを左右します。
何度も言いますが、悪化させないことが肝心です。
看護師は患者さんに自宅での食事制限もきちんとしていただくよう促します。

2.薬物療法の管理(腎機能障害レベル=中期)

中期の患者さんに対しては、食事制限(カリウム、塩分)や薬物療法を行います。
看護師は患者さんを管理して、透析導入をできる限り遅らせるように促します。
上記のCKD(慢性腎臓病)が進行すると、生活習慣だけでは改善できなくなります。
このころから患者さん自身、むくみがひどくなったり、疲れやすい、といった自覚症状が出始めます。
薬物療法をすることで、改善までは難しくても、 現状維持を目指します。
具体的には、血圧や脂質管理の薬、糖尿病管理の薬を患者さんに服薬してもらいます。
そのほか、糸球体腎炎やネフローゼ症候群の患者さんにはステロイド治療が行われることもあります。
ステロイドには副作用があるため、看護師は、患者さんごとにステロイドの適量を管理しなければなりません。

3.透析業務(腎機能障害レベル=末期)

とはいえ、慢性腎臓病がさらに進行すると腎不全になります。
腎不全になると腎臓が全く機能しないため、代わりに人工透析か腎移植のいずれかで対処するしかありません。

t001
引用:はまだクリニックより

看護師は、人工透析(血液透析、腹膜透析)業務を行います。

①シャントの管理
看護師は、消毒や観察を通してシャントを管理します。
シャント分部は清潔に保っておかないと、感染や合併症を起こしかねないからです。
とくに穿刺した部分から感染することが多いため、発疹、かゆみ、かぶれがないか注視します。

通常はシャント作成から2週間前後で人工透析ができるようになります。
人工透析を導入する際、看護師は患者さんにシャントの扱いや注意点を指導します。
・スリル(振動の有無)を毎日確認して、シャントが機能しているかどうか、患者さんにチェックしてもらいます。
・シャントが埋め込まれている付近に耳をあてて、低い音(「ゴーゴー」)が鳴っているか、患者さんや看護師が確認します。
とくに透析時はシャントが閉塞しないように、看護師は患者さんに対して、シャントの入っている腕を折り曲げないように指導することもあります。

今さら聞けない・・・シャントとは?

シャントとは、患者さんの動脈と静脈を体外か体内でつなぎあわせた血管のことを言います。
シャントは人工透析で使うため、透析を初めて行う患者さんは医師の手術(シャント作成)が必要です。

シャントには、外シャントと内シャントの2種類ありますが、現在は感染率の低い内シャントが主流です。内シャントは血管が細過ぎると直接作れないこともあります。その場合、人工血管を使ってシャントを造設するケースもあります。

②透析導入介助
看護師は透析前の患者さんの体重を測り、体重の増減や体内の水分量を確認しておきます。
透析は4~5時間かかるため、透析モニターを定期的にチェックし、シャントの状態や血圧、血液の排出量や返血量を確認します。
透析患者さんは、尿を自分で体外に排出できないので、体内にある水分を人工的に排出しなければなりません。
ということもあって、透析前後の体重の増減できちんと水分が排出できてるかチェックします。
透析中は、「異変がないか?」必ず看護師が部屋全体を監視します。
同時に、患者さんの状態も観察して、不安や不満の相談相手にもなります。

いかがでしたか?
腎臓に疾患をかかえた患者さんを、看護師は検査や指導、薬やシャントの管理をしながら支えていることがわかりましたね。
では続いて、どんな看護師たちが働いているのか?
みてみましょう。

どんな看護師が働いているの?

腎臓内科は、外来患者さんの指導や透析業務が占める割合が高く、日勤がほとんどです。
よってプライベートとの両立をはかりたい看護師が多く働いています。
また、透析の知識は全国で通用するため、引っ越し後やブランク明けの職場として選ぶ人もいます。

一方、入院設備のある病院では夜勤もあります。
腎臓内科の病棟は、慢性期の患者さんや検査入院の患者さんが多いです。夜勤もありますが急性期に比べて患者さんの様態が安定しているので、夜勤回数や残業時間は少なめです。
夜勤はしたいけど抑え気味にしたい看護師も働いていますね。

ほほー。
たしかに腎臓内科って全国どこでもあるから、働き口には困らないんですよね。
しかも、1度身についた知識やスキルは、他の腎臓内科でそのまま生かせるのはかなりポイント高い!
やっぱり腎臓内科はいいですね~
と、ここで、働く前に必ずおさえておきたいポイントにも触れておきましょう。

メリットは?

腎臓内科で働くメリットは3つあります。

  • 腎臓疾患全般、とくに透析のスキルが身につく。
  • 透析患者さんは長い時間病院にいるため、じっくりと関われる。
  • 生活指導や食事指導の細かい知識が身につく。

デメリットは?

腎臓内科で働くデメリットは4つあります。

  • 腎臓疾患(特に透析)の知識以外、あまり身につかない(汗)
  • 患者さんとの関わりが深く長い分、距離感が近くなってしまい、きつい言葉を投げかけられたりと人間関係のトラブルが起きがちである。
  • 業務が一定すぎてマンネリを感じやすい(汗)
  • 透析は長時間固定されるため、感情的になる患者さんもいる。

いよいよ、これで最後になります。
わたしからのメッセージ。
聞いてください(笑)

まとめ

腎臓内科には、腎臓の状態によって初期や中期そして末期までと、さまざまな疾患をかかえた患者さんがいました。
腎臓は進行すればするほど深刻な場所です。
だからこそ、看護師は患者さんの指導や管理を通して命を守る存在です。
とくに透析患者さんは、肉体的だけでなく、精神的なケアも求めています。
転職したいと悩むなら、1度やってみる価値はあります!

看護師が消化器内科に転職する6つのポイント。仕事内容とメリット、デメリット

看護師のK美
K美 45歳(女性)
看護師
総合病院急性期外科勤務
職歴:腎臓内科3年、消化器内科5年、呼吸器内科6年、循環器内科5年

こんにちは!
ベテラン看護師のK美です。
今回は、消化器内科の現場で働いてみないとわからない内情についてお話しします。
消化器内科ってどんなとこ?といった素朴な疑問から、そこで働く看護師が感じるメリットデメリットまで。
消化器内科に転職したいあなたに知っていただければ幸いです!

では、さっそく。
消化器内科で扱っている疾患から。
お答えしましょう!

消化器内科で必要な知識

消化器内科は、消化器(食道、胃、小腸、大腸)、肝臓、胆のう、膵臓を対象に治療する科です。
扱う臓器が多いだけでなく、どれもカラダの要となる重要なものばかりですね。

では、具体的にどんな疾患があるのか。
押さえておきましょう。

消化器内科の疾患
疾患は主に以下の通りです。
・肝炎、肝硬変、転移性肝がん
・食道炎、食道がん
・胃炎、胃潰瘍、胃がん
・十二指腸潰瘍
・大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病
・小腸疾患
・胆石、胆管結石、胆のう炎、胆管炎、胆のうがん、胆管がん
・自己免疫性膵炎、急/慢性膵炎、膵石、閉塞性黄疸
など

うーん。
やはり、消化器はどれもヘビーな疾患ばかりですね。
扱う臓器が多い分、自然とがんの種類が多くなるのもうなずけます。

ではここで、少し視野を広げて。
消化器内科全体の特徴をつかんでみましょう。

消化器内科の特徴

特徴は3つあります。

1.疾患が幅広い
消化器内科で扱う部位は、胃、食道、十二指腸、大腸、胆のう、肝臓まで体にとって肝心要!
有名どころが勢ぞろいしています。
そのうえ、疾患ごとに軽度から重症度の高いものまであるため、とにかく幅広いです。

「疾患が多すぎて、何から始めればいいのかわかりません・・・」
このように悩む看護師はけっこういます。
まず1つひとつ臓器ごとに知識を深めましょう。
大腸を例にとってみると、まず潰瘍やポリープについて勉強し、更にがんへと知識を広げていきます。
疾患を学ぶと、自然と大腸ファイバーや便の潜血検査のしくみも理解できます。
具体的に、便の観察方法や検査だしのやりかたまで覚えられます。
この観察や検査だしは大腸だけでなく、他の臓器に共通していたりします。
つまり「1つ臓器のことがわかると、全体が見えてくる!」ということです。

わたしも、最初は消化器全体をおさえようと必死でした。
でも、すぐにギブアップ(汗)
次に、1つずつ臓器を順番に覚え、2つか3つ目ぐらいになって、パッと全体が見えるようになった瞬間を今でも覚えています。
だから、焦らず1つ1つ。覚えていけばいいんです!

2.がん患者さんが多い
消化器のがんは日本人のがん死因トップ5を占領するほど、がん患者さんの多い科です。

Image

それぞれのがんに対する知識から、治療方法、副作用まで幅広くて奥深い知識が必要です。

3.急変が多い
消化管出血、胆管炎、慢性肝炎や肝硬変は急変が多い上に重症度も高いです。
食道静脈瘤の破裂や胃潰瘍、胃がんの患者さんの吐血。
大腸憩疾出血、ESD後の下血。
このような場合、看護師は大量の血を前に、緊迫した空気の中、対応を迫られることも多いです。

ここまでで、消化器内科の特徴をザックリつかんでいただければOKです。
次はいよいよ、消化器内科で働く看護師の仕事について。
じっくり、みてみましょう。

仕事内容

消化器内科の通常業務は、一般的な診療科と違いはありません。
バイタルチェック、内服薬の与薬、点滴、食事や排せつの介助、清潔ケア。
これに、観察、検査の介助が入ってきます。

ただし!
その中でも、消化器内科特有の仕事が3つあります。
次で、押さえておきましょう。

1.各検査の介助
消化器疾患の検査は多様にあるので、検査方法を理解し、介助を行うのが看護師の仕事です。
具体的には、CT、MRI、超音波検査、内視鏡検査、透視検査、便潜血検査の介助があります。
臓器によっても検査方法は異なります。
CTや、MRIはよくある検査方法ですね。
でも、内視鏡検査はちょっと・・・
ちょっと?いや、かなり気になりますよね。
ではもう少し、具体的にみてみましょう。

Image
引用:帯広協会医院より

内視鏡を使った検査は日常的にあります。

<検査の当日まで>
看護師は患者さんに、検査の流れや注意事項(アルコール、食事、運動、服薬の制限)を説明しておきます。

<検査当日>
看護師は検査の準備作業をメインに行います。
患者さんに対して、下剤や消泡剤の服薬の介助ですね。
検査中は、患者さんのバイタルを中心に全身状態を観察します。

検査の流れはザッとこんな感じです。

内視鏡は今述べたような検査や投薬だけでなく、治療にも使われます。
たとえば、胃や大腸の粘膜層にとどまっているような早期がんに対して病変部を治療します。
外科手術と比べると内視鏡治療は、患者さんへの負担が少ないこともあって積極的に行われています。

2.がん治療の介助
看護師が行うのは、主にがん治療を受けた患者さんの副作用対応です。
消化器内科は、手術がないかわりに、化学療法や放射線治療でがんの治療を行います。
それぞれ単独で行う場合もあれば、混合で行う場合もあります。
疾患や患者さんによって、副作用もさまざまです。
吐き気や嘔吐、発熱、下痢、口内炎、むくみ、皮膚の色素沈着といった目で見てわかるもの。
悪心、 倦怠感、食欲不振、味覚障害といった一見わかりにくいもの。
尿量や白血球の減少のデータからわかるもの。
きちんと副作用をわかったうえで、治療後の患者さんの症状をこまめに観察し、苦痛を和らげることが大切ですね。

また、医師から治療に関する説明はありますが、患者さんによっては理解が難しい方もいらっしゃいます。
理解はしていても、大きな不安を抱えている場合もあります。
看護師は、患者さんの表情や会話の内容からどれぐらい理解しているかを把握して、あまり理解できていないな。と感じたときは患者さんが納得できるまで説明します。
そうやって、さらに不安の軽減に尽力します。

3.食事、排泄のケア
看護師は、装具のついた患者さんを介助します。
主な装具として胃瘻、ドレーン、ストーマがあります。

胃瘻(PEG)は、口から食事がとれない患者さんに対して、腹部から胃までカテーテルを通して直接栄養を送り込む方法です。
胃瘻造設は内視鏡を使って20分程で終わります。
造設後は定期的にカテーテルの交換が必要になるため、看護師は交換用のロッドが動かないよう医師を介助します。
交換後は、出血状態や、 瘻孔周辺の皮膚トラブルの有無、痛みの有無を観察します。
また、薬剤を投入する際は、看護師が注入する薬剤の準備をし、カテーテルに流し込みます。
その後、バイタルや呼吸の変動、ADLの把握、吐き気や嘔吐腹痛の有無、排便状態の確認を行います。

ドレーンは、体内の排液を保管する装置です。
排液バッグの交換は毎日行います。
その際に、廃液の色、量、臭いの観察を行い、患者さんのバイタルチェックで全身状態をみます。
ドレーンを固定する際は、ねじれや圧迫、抜去の危険性がないか注意しながら行います。

ストーマは、尿や便を自分で排出できなくなった場合に、尿管や腸管を直接腹壁に持ってきたリ、膀胱や腎臓に管を通して排出させる方法です。
尿路ストーマ、消化管ストーマの2種類で、排泄物をためておく装具が必要になります。
看護師は、患者さんの観察と指導を行います。
周辺の皮膚の状態を観察し、ストーマ袋から排出物を破棄する方法や装具の交換方法を患者さんに指導します。

そのほか、食事や生活指導も看護師の仕事です。
胃の疾患を患った患者さんに対しては、規則正しい食事を促し、喫煙やアルコール、カフェインの摂取を控えるよう指導します。

4.ターミナルケア
消化器内科には消化器がんの患者さんが多いこともあり、看取り対応が入ってきます。
特にターミナルの看護は、患者さん一人ひとりと深く関わることが増えます。
看護師は、患者さんだけでなく、ご家族も含めたケアを心がけなければなりません。
そのほかには、疼痛コントロールのため麻薬も扱います。
麻薬の取り扱い方や、副作用についても熟知しておきましょう。

いかがでしたか?
消化器内科の仕事は、どれも難しいそうだけど、やりがいのあるものばかりでしたね。
ストーマや胃瘻をしている患者さんに対するケアや、疼痛コントロールまで、ただ幅広いだけでなく、奥深さもあります。
では続いて、どんな看護師たちが働いているのか?
みてみましょう。

どんな看護師が働いているの?

消化器官に関する一通りの知識を学び、専門性を身に付けるだけでなく、アセスメント力も鍛えたい看護師が多いです。
消化器内科にいる患者さんの症状はさまざまです。
胃の痛み、胃もたれ、膨満感、胸の痛み、胸やけ、のどのつかえ、のどの違和感、食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢、便秘、下血など。
症状や検査データを分析できるぐらいアセスメント力をつければ、どの科に行っても通用します。
だから、たとえ覚えることはたくさんあっても、あえて消化器内科を選ぶ人は多いんです。
そのうえ、がんの多い科でもあるため、患者さんの痛みや苦しみを和らげるといったターミナルケアに興味のある人も多いです。

ほほー。
消化器内科は大変だけど、どの科でも通用するだけの経験ができる。
だから、あえて行きたいと思う看護師は多いんですね。
なるほどなるほど!
やっぱり、消化器内科は魅力的です。
続いて、その魅力をまとめてみましたのでチェックしておきましょう。

消化器内科のメリット

・消化器疾患の幅広い知識が身につく。
・検査や治療のレパートリーが多く、内視鏡を中心に専門知識が身につく。
・放射線科や外科との連携が多く、幅広い人間関係の中で仕事が出来る。
・急変時の判断力や対応力が身につく。
・がんの知識(化学療法や放射線治療、副作用の知識やターミナルケアなど)が身につくため、他の科でも通用する。
・検査の介助やターミナルケアが多い分、患者さんと関わる機会も多い。

良いところだけでなく、悪いところも気になりますよね。
次で、押さえておきましょう。

消化器内科のデメリット

・消化器全般の知識を一通り覚えるのが大変だと感じる。
・急変時の緊迫した空気がストレスになる場合もある。
・大量の吐血や下血が多いため、ストレスを感じる場合もある。
・医師の検査介助が多いため、合わない医師との人間関係で悩む場合もある。

消化器内科の良い面、悪い面、両方把握できましたね。
では、いよいよ、これで最後になります。
わたしからのメッセージ。
聞いてください(笑)

消化器内科に転職したいあなたへ

消化器内科は、主要な臓器を多く扱うため、疾患、検査、治療、どれをとっても幅広い知識が身につく場所でした。
そのうえ、大腸や胃は重症化しやすく、吐血や下血を伴った緊迫した場面が多いこともわかりました。
他に、がん患者さんの割合が多く、化学療法や、放射線治療にともなう副作用も理解しておかなければなりません。
その反面、ターミナルの患者さんを中心に、看護師は一人ひとりの患者さんのことを深く考えることも求められます。

消化器内科で一通りの看護をやりこなすには、いくつかのハードルを乗り越えなければなりません。
でもその分、他の科に行っても怖いものなしの看護師になれる科です。
転職したいと悩むなら、ぜひ1度チャレンジしていただきたい!

看護師が循環器内科に転職する6つのポイント。仕事内容とメリット、デメリット

看護師のK美
K美 45歳(女性)
看護師
総合病院急性期外科勤務
職歴:腎臓内科3年、消化器内科5年、呼吸器内科6年、循環器内科5年

こんにちは!
ベテラン看護師のK美です。
今回は、循環器内科で働いてみないとわからない細かい内情についてお話しします。
循環器内科ってどんなとこ?といった素朴な疑問から、そこで働く看護師にとってのメリットデメリットまで。
循環器内科に転職したいあなたに知っていただければ幸いです!

では、さっそく。
循環器内科疾患から。
じっくり見てみましょう!

循環器内科で必要な知識

循環器内科は、血液を送っている心臓と血管を扱う科です。
よって、以下のような疾患の知識が必要になってきます。

循環器内科の疾患

疾患は主に以下の通りです。

  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 重症心不全
  • 心筋症
  • 不整脈
  • 弁膜症
  • 先天性心疾患
  • 高血圧症
  • 大動脈疾患
  • 末梢血管疾患
  • 肺高血圧症
  • など

うーん。
やはり心臓を扱うだけに、症状の重い疾患が多く、しっかりと覚えておきたいものばかりです。
さらに、急変も多そうだし、スピード勝負なにおいがプンプンとしてきます。
実際はどうなっているのか。
気になりますよね。
次で押さえておきましょう。

循環器内科の特徴

特徴はズバリ4つ!

1.カテーテルを使う

循環器内科では、血管の中を通すカテーテルを使います。
カテーテル自体は医師が扱うので、看護師はその医師の介助をします。
当然ながら、カテーテル全般の知識は必要になってきます。
具体的には、カテーテルで投薬、検査、そして治療を行います。
例えば、カテーテルを血管が狭くなったところに通してバルーンで拡張したり、ステントを入れます。
カテーテルを使うと、いちいち開胸せずに治療できるし、さらに患者さんへの負担も少ないんです!
だから、循環器内科ではカテーテルが主流です。

2.心電図や心エコーを使った検査がある

検査方法にも特徴があります。
心臓の中の状態は心エコー(超音波)で、心拍のリズムは心電図で検査します。
もっと詳しく検査する場合、さきほども言ったように、カテーテルを使って心室内心電図をとったりします。
なので、心エコーや心電図の知識も必要です。

3.中高年の患者さんが多い

患者さんは中高年の方が多いですね。
もともと高血圧や糖尿病を患っている患者さんが、長い時間をかけて動脈硬化が進み、やがて狭心症になり、最終的に心筋梗塞にいたるパターンが多いです。
このように長期間で症状が進行していくので、患者さんも自然と高齢になっていくわけです。
進行をくいとめるためには、看護師が患者さんに生活習慣の改善を指導しなければなりません。

4.急変が多い

心臓はカラダの要となる臓器。
だからその分、(ご想像通り)悪化しやすくて急変が多いです。
さらに、カテーテル治療が1日に数件連チャンで入ることがあるので、医師が忙しい科でもあります。
食事もとらずに緊急カテ治療をする医師のそばで、看護師はテキパキと的確に判断して動かなければなりません。
急変や緊急カテが多い分、内科でありながら、外科の空気を感じさせる科です。

ここまでで、循環器内科の特徴をザックリつかんでいただければOKです。
次はいよいよ、循環器内科で働く看護師の仕事について!
じっくり、みてみましょう。

仕事内容

循環器内科の通常業務は、一般的な診療科と違いはありません。
バイタルチェック、内服薬の与薬、点滴、食事や排せつの介助、清潔ケア。
これに、診察補助と検査の介助が入ってきます。

患者さんは高齢のため、寝たきりやADLが自立していないかたが多いです。
よって、食事、排泄、体位交換といった日常の支援業務もあります。

ただし!
循環器内科特有の仕事も3つあります。

1.生活指導(禁煙指導)

看護師は患者さんに日々自己管理をしてもらうように指導します。
患者さんは、塩分や脂肪控えめに!適量のカロリーの範囲で!といった食事療法を自分で管理することで、心臓への負担を減らさなければなりません。
塩分や脂肪分のほか、内服薬、コレステロール摂取量、水分量、アルコール量も管理していただきます。

とくに喫煙習慣のある患者さんは、禁煙をしなければなりません。
看護師は、禁煙に挑む患者さんのメンタル面をケアし、禁煙成功の陰の立役者となることが求められます。
喫煙は「吸いたい欲望が抑えられない」といった精神的な依存だけでなく、体がニコチンを求めるといった肉体的な依存を伴います。
だから患者さんの意思だけでタバコを辞めるのはとても厳しいですね。
禁煙は治療の一環として認められているので保険適用内でできることもあって、患者さん自ら禁煙をしに病院にやってきます。
病院にくると、患者さんはニコチンパッチやバレニクリンといった禁煙補助薬も使いながら禁煙を目指します。

このように、心臓を悪化させる要因をつぶしていくために、患者さんに自己管理をしてもらうように指導するのが看護師の仕事です。

2.心電図と心エコー読み

心電図や心エコーは日常的に使います。
だから看護師は、使い方や読み方を熟知しておかなければなりません。

例えば心電図について。
まず、看護師は、患者さんの体に電極を貼ります。電極はシール型、吸盤型があります。
電極を設置する部分を清潔にしてからシールを貼ります。
あとは貼った箇所の皮膚状態を確認し1日に1回シールを交換します。

次に、患者さんの心臓の状態を心電図モニターを使って観察します。
病室にいる患者さんの測定内容は、離れたナースステーションにある大型モニターに常時とばされています。
看護師はナースステーションで、1度に数台~数十台分のモニターをチェック!
心電図の正常波形を理解し、不整脈や異常を確認しなければなりません。

もし異常を発見したらどうなる?
そのときは、心電図検査(12誘導心電図)を行います。
患者さんに貼る電極の数もさらに増え、心電図の読み方もとうぜん複雑化します。
でも、看護師はすべて理解しておかなければなりません。

わたしも、12誘導心電図が覚えられなくて、先輩に助けてもらってました(汗)
覚えるにも、学生バリの暗記でもうぐったり・・
結局、先輩から教えてもらったごろ合わせでなんとか完璧にマスターしました。

ゴロ合わせで覚える電極の設置場所

心電図モニターや12誘導心電図は、それぞれ電極を貼る場所が異なります。
「どの電極をどの部位に貼ればいい?」
覚えるのが苦手な看護師は多いです。
3点誘導法→「あ(赤)、き(黄)み(緑)」(あ、君!)
12誘導心電図→「あ(赤)き(黄)み(緑)ちゃんブラ(黒)むらさき(紫)」(あきみちゃんブラむらさき)
といったゴロ合わせを組み合わせて覚える方法があります。

検査では具体的に何をするか?
チョット触れておきますね。

12誘導心電図検査は、3つの行程があります。

  1. 患者さんへの検査の説明(痛みは感じないこと、かかる時間、会話と体動や深呼吸はNGなど)
  2. 環境整備(検査前の排尿の促し、室温調整、プライバシー配慮)
  3. 不整脈がないか記録中の観察や報告

その他に、心拍数、リズム、波形を確認し、異常波形や胸部の違和感があれば、12誘導を記録します。

とにかく心電図は、小さな変化に気づくことが重要!
心電図の波形の微妙な変化、患者さんの発汗量の変化を見逃してはなりません。
でも、大丈夫!
慣れてくると、こういった変化にも看護師は素早く気づけるようになります。
循環器の疾患は、異変の早期発見が命を左右するということを忘れないでください。

3.カテーテル治療の介助

看護師はカテーテル検査や治療をする医師を介助します。
カテーテルは、前にも言ったように、投薬や冠動脈形成術などの治療から検査まで幅広く使われる技術です。
そのうえ、カテーテルを得意とする医師がいると、その分介助する回数も増えます(汗)

治療当日は、治療中、治療後の2ステップに分かれます。

    カテーテル治療中(※主な仕事のみ抜粋)
  1. 撮影台や検査キットの準備を行います。
  2. バイタルチェック
  3. 消毒の介助
  4. 医師に局所麻酔薬や他の薬品、カテーテル類を清潔に渡す
  5. 患者さんに声掛けをし、不安や副作用の有無を確認する
  6. カテーテル抜去後の止血確認、圧迫固定する
  7. 患者さんに検査後の注意事項の説明をする
    カテーテル治療後(※主な仕事のみ抜粋)
  1. バイタルチェック、腹痛、頭痛の有無、圧迫固定の状態チェック
  2. 食事、排泄介助
  3. 包帯交換の介助
  4. 排尿確認

カテーテルの挿入は一瞬で心臓部に到達します。
医師のスピードに合わせ、看護師も素早く清潔にサポートしなければなりません。

いかがでしたか?
循環器内科は、患者さんに自己管理の指導をしながらも、カテーテルや心電図といった専門性の高い知識も身につけられる場所。
そして患者さんの異変にいちはやく気づく力が必要だということがわかりましたね。
では続いて、どんな看護師たちが働いているのか?
みてみましょう。

どんな看護師が働いているの?

循環器内科は、忙しい科にもかかわらず転職希望者の多い科です。
なぜでしょう・・・
それは、カテーテル治療や心電図の専門的な知識が身につくからです。
急変が起きるたびにとっさの判断力を養えるため、スキルアップしたくて学習意欲の高い20代~30代の若い看護師が多いです。
中には、循環器内科で一通りのスキルを身につけて外科に異動するケースもあります。

確かに!
わたし自身も、循環器内科の経験があったからこそ、今働ている循環器外科でもやっていけそう!って思えました。
同じように外科に異動するケースがあるのもうなずけます。
では次に、働く前に必ずおさえておきたいポイントにも触れておきましょう。

循環器内科のメリット

  • カテーテルの知識が身につきます。治療の介助ができるので、患者さんを治療している!達成感が得られます。
  • 心電図の読み方や、記録のスキルが身につきます。
  • 心不全の対応はスピードが命のため、何が原因で心不全になっているのか?アセスメント力がつきます。
  • 生活習慣の指導で患者さんと接することも多く、関わり方も学べます。
  • どこでも通用する点滴のスキルが身につく。

循環器内科で扱う点滴薬

循環器内科は点滴に使う薬剤が微量のため、シリンジポンプを使って機械的に点滴に薬剤を注入します。
シリンジポンプに注入する薬剤の量は単位が細かくすぐに算出できません。万が一適当に算出すると、患者さんの命に関わります。
よって、看護師はガンマ計算で算出します。
例えば、心不全では、血管拡張と利尿をかねたカルペリチド点滴を行うことがあります。
薬剤を混合すると配合変化によってはルートが詰まることもあるため、シリンジポンプを使って1時間=1ml単位で生理食塩水やソリタ-T1をw時間=10mlキープで流します。
さらに、抗凝固薬も良く使われるのですが、さきほどのカルペリチドと混ざってしまうと薬の効果がなくなります。
このように1ml単位で薬剤の量を算出し、さらに薬の特徴も熟知しておかなければなりません。
循環器内科で微量の薬剤を調整するスキルがあれば、どこの科の点滴も不安なくこなせるようになります。

循環器内科のデメリット

  • 急変時の緊迫した空気がストレスになる場合もあります。
  • カテーテル治療で医師との関わりが多い分、性格の合わない医師と人間関係のトラブルをかかえがちです。
  • 扱う点滴薬が微量のため、ミスへの不安を感じる場合もあります。

いよいよ、これで最後になります。
わたしからのメッセージ。
聞いてください!(笑)

循環器内科に転職したいあなたへ

循環器内科は、デリケートな臓器を扱うところ。
だから点滴薬のガンマ計算方法や、心電図の波形の読み取り方など細かい知識を得られる職場でしたね。
それに急変が多く、判断力も身につきます。

一方、生活習慣(食事、喫煙)の指導を通じて、患者さんとの関わりが深いことがわかりました。
こんな感じで、循環器内科はスキルアップもしつつ患者さんと関わることもできるため人気があるのも納得ですね。
転職したいと悩むなら、1度やってみてはいかがでしょうか。

看護師が呼吸器内科に転職する6つのポイント。仕事内容とメリット、デメリット

看護師のK美
K美 45歳(女性)
看護師
総合病院急性期外科勤務
職歴:腎臓内科3年、消化器内科5年、呼吸器内科6年、循環器内科5年

こんにちは!
ベテラン看護師のK美です。
今回は、働いてみないとわからない呼吸器内科の内情についてお話しします。
呼吸器内科ってどんなとこ?といった素朴な疑問から、そこで働く看護師にとってのメリットデメリットまで。
呼吸器内科に転職したいあなたに知っていただければ幸いです!

では、さっそく。
扱っている疾患から、お答えしましょう!

呼吸器内科で必要な知識

呼吸器内科は、呼吸器(鼻、喉、気管、気管支、気道、肺、胸郭)を対象に治療する科です。
中でも、肺の疾患である「肺がん」や「肺炎」はまず押さえておかないといけません。

他にどんな疾患を扱ってるのかも知っておきましょう。

呼吸器内科の疾患

疾患は主に以下の通りです。
・かぜ症候群(咳や息切れ)
・インフルエンザ
・気管支炎
・アレルギー性喘息
・間質性肺炎
・感染症
・睡眠時無呼吸症候群
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・肺がん

うーん。
馴染みのある疾患が多いですね。
症状の軽いものから肺がんまでと幅広い!
でも、どれもスムーズに頭に入ってきそうな疾患ばかり。
ちょっと安心しますよね。

では、少し視野を広げて。
呼吸器内科の特徴をつかんでみましょう。

呼吸器内科の特徴

特徴はズバリ3つ!

1.患者さんの年齢層が幅広い

とくに多い患者さんは、肺炎、気管支喘息、COPDの3タイプです。
まず肺炎の患者さんから。
一般的に高齢者がなるイメージが強いけど、実際はインフルエンザをこじらせてもなる病気。
だから、子供からお年寄りまでと、患者さんの年齢層は幅広いです。

次に、喘息の患者さん。
アレルギー疾患ってこともあって、年齢層はさまざまですね。

最後に、COPDの患者さん。
喫煙習慣が原因。具体的に言うと20年以上吸っていると罹る可能性が上がる病気。
だから、その分年齢層はちょっと高くなります。

2.緊急対応がある

呼吸器疾患の中でも、肺炎や喘息は急変が多いです。
看護師の対応に時間がかかると、悪化させるだけでなく命に関わります。
とくに喘息の患者さんが呼吸困難になると、ずっと苦しみ続けなければなりません。
だから看護師は一秒でも早く対応して、苦しむ患者さんを楽にさせてあげることが大切ですね。

3.ターミナルケアがある

呼吸器内科の疾患はどれもよく耳にするものばかりと申し上げました。
中でも肺がんは、男性のがんの死因第1位、女性でも2位と高く、患者さんも多いです。

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そのためターミナルケアがあります。
最近はどこの病院でも看取り対応を積極的に行っているので、看取りの知識も必要になってきます。
ほかには、治療の一つに放射線治療があるので、放射線科と連携する機会もあります。

ここまでで、だいたいの特徴はつかめましたか?
次はいよいよ、呼吸器内科でどんな仕事をするのか?
さぐってみましょう。

仕事内容

呼吸器内科の通常業務は、一般的な診療科と大きな違いはありません。
バイタルチェック、点滴、注射、採血、内服管理、医師の診察介助、検査介助、食事、 衛生ケアが主な仕事です。

ただし!
呼吸器内科特有の仕事も4つあります。

1.感染対策

看護師は常に消毒や換気をして、飛沫感染や空気感染の予防に徹します。
呼吸器内科は、インフルエンザ、ウィルス性の風邪や肺炎、肺結核など、感染リスクにさらされることが割と多い場所です。
その中でも、とくにインフルエンザは要注意!
患者さんの数が多く、爆発的な感染力があるので、看護師はスムーズに患者さんを隔離することが大切です。
そのほか、院内感染予防のため患者さんやスタッフにマスク、消毒、手洗いを促します。

2.COPD患者さんへの指導

看護師はCOPDの患者さんに対して、禁煙指導を行います。
長年吸っていたタバコを辞めてもらうのは難しく、ぶっちゃけかなり手こずることもあります。
看護師は、患者さんにただ一方的に「止めてくださいね」と言うだけではダメです(汗)
患者さんと対話しながら進めなければ、禁煙は成功できません。
ときには、ストレスの受け皿や不満の聞き役になることも大切です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは

COPDは、タバコを長期間吸入することによって生じる肺の病気です。
ここ数年、注目度の高い疾患です。
2015年厚生労働省の統計によると、COPDで亡くなる患者さんの数は、日本人の死因のトップ10にも入っています。
COPDは、喫煙歴が20年以上になると発症するといわれる病気で、男性女性を問わず増え続けています。
呼吸器内科で働くなら、COPDの治療内容や、生活指導を中心とする知識が必要になります。

3.酸素療法の介助

患者さんの呼吸をおぎなうために、酸素療法を行います。
とにかくスピード重視です。
喘息の患者さんについて述べた通り、呼吸が苦しい患者さんを少しでも楽にしてあげることが大切です。
看護師がもたつくと、患者さんは苦しいだけでなく、血中が酸素不足状態になってしまいます。
そうなると肺をはじめ、他の臓器にも負荷がかります。
その挙句、高血圧や脳卒中、心不全といった合併症を引き起こしてしまいます。
驚かすわけではありませんが、正直スピードは意識してほしいところです。
実際、カラダに送る酸素の量によって、 鼻カニューレ、簡易酸素マスク、オキシアームなどの低流量システム、ベンチュリマスク、ネーザルハイフローなどの高流量システムを的確に使い分けながら対応しています。

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引用:Medical Noteより

4.呼吸器疾患に応じた食事介助

呼吸器内科は、一般の科に比べると食事介助の割合が高くなります。
患者さんは息をするのも難しい状態で、食事をとることはとても大変だからです。
看護師は患者さんが食事をとる間、「十分な酸素を取り込めているか?」
苦しくなりそうなときは、合間にマスクやカニューレをしつつ、バイタル変動や時間に注意しながら介助します。

上記のほかに、肺がん患者さんの疼痛コントロールや、肺炎の患者さんの痰の吸引もあります。

いかがでしたか?
呼吸器に疾患をかかえた患者さんを、看護師はあらゆる面で支えていることがわかりましたね。
では続いて、どんな看護師たちが働いているのか?
みてみましょう。

どんな看護師が働いている?

呼吸器の疾患や酸素療法を学びたい20代~30代の若めの看護師が多いです。
専門性も身に付けつつ、患者さんともじっくりかかわりたい!
この2つの希望を叶える場所として呼吸器内科を選ぶ人が多いです。

働いている看護師のイメージがつかめましたね。
次に、働く上で必ず押さえておきたいポイントに触れておきましょう。

呼吸器内科のメリット

・酸素療法の専門知識が身につきます。酸素療法は他の科でも扱っているので、他の科にいっても役に立ちます。
・一旦、呼吸困難になると、すぐに急変につながります。その都度、判断力やスピード感を養えます。
・禁煙指導や食事介助で患者さんと関わることが多い分、接し方が自然と身につきコミュ力もUPします。

呼吸器内科のデメリット

・喘息の発作、肺炎の重症化により、呼吸ができない=生命の危険性が高いため、緊迫した状態をストレスと感じがちです。
・急変が多い分、残業が増えます。
・呼吸器にまつわる酸素療法以外のスキルが身に付きにくいです。

いかがでしたか?
メリットはデメリットでもあり、またその逆もしかり!でしたね。
いずれにせよ呼吸器内科で働くと、酸素療法や呼吸器の疾患全般が学べることがわかりました。

いよいよ、これで最後になります。
わたしからのメッセージ。
聞いてください(笑)

呼吸器内科に転職したいあなたへ

呼吸器内科は、呼吸をつかさどる疾患が多い分、緊迫した空気になりやすい職場でしたね。
その反面、日常は、禁煙の指導や食事の介助といったように患者さんとじっくりと関わることの多い場所でもありました。
酸素療法の専門的なスキルも身につくため、バランスのとれた診療科です。

看護師がICUに転職する3つのポイント。失敗原因、仕事内容、求人の探し方

icu転職のベストガイド
看護師の皆さんこんにちわ。
メディカル調査員の川田です。

最近はICUへ転職する人が増えてきました。
超急性期だから成長が早い、将来どんな職場でもやっていける実力が付く、しかもかっこいい!
やっぱり一度はICUで働いてみたいですよね。

しかし!
現実は噂通りのかなりハードな職場です。
みんなピリピリだし、場所柄なのかキツイ人が多いし、何でもこなせて当たり前の雰囲気だし、急変時はズトンとくる心理的圧力があります。ストレスMAXのかなり厳しい環境であり、誰にでも務まるわけじゃありません。

新人が3人いたら、半年で2人は辞めるような職場ですからね。ICUのリアリティショックは飛びぬけて高いと言われています。

ICUに転職したいけど、やっぱり怖い・・・。

だからこそまずはICUの内情をしっかりと知っておきましょう。
内情が分かれば、転職するしないの判断をしやすいですし、リアリティショックも起こりずらくなります。

そこで今回は「ICUの仕事内容、転職失敗の原因、求人の選び方」書いてみました。

ネットにある薄い話ではなく、ICUの裏の深い所に切り込んだ本音の記事です。
ICUに転職したい看護師の方に読んでいただければ!

1つの目のポイント

icuの離職理由
まず1つの目のポイントは、ICUの離職理由です。
よくある失敗を知っておけば、事前に対策ができますからね!

さてさて。
ICUを離職した人たちは、どこで失敗したのでしょうか?
辞めた方の多くは「人間関係が・・」と言っておられました。

でも突っ込んで色々聞いてみると実はそうじゃないんですよね。
辞める原因はどうも「ICUの仕事が好きになれなかった」という点にあるようでした。
「仕事がつまらない」
「やる気が出ない」
「やりがいがない」

思ったほど仕事が好きになれないから、勉強に身が入らず、やる気も出ず、なかなか上達もせず、仕事が遅くなっていくと。そういった態度が周りの反感を買ってしまい、関係が徐々に悪化していくようです。
ICUは仕事熱心な方が多いですし。

逆に仕事が好きになれれば、勉強するし、覚えるのも早いし、チームの一員になるのも早いです。
ミスや不手際があった時も、頑張っているからと、許容されるものです。

だからICUに転職するなら「ICUの仕事が本当に好きになれるのか?」を事前にシッカリと見極めましょう!
見極めるためには、ICUの良いも悪いも、裏も表も知ることです。

知ったうえで「ICUは無理だ・・」と思えれば儲けものです。
失敗する前に結果が分かったのですから。

逆に「ICUで働いてみたい」と思えれば転職してみたらいいのです。

・・・

最近の私は、転職者の方に、ICUの内情をすべて伝えるようにしています。そのうえで転職を決断してもらうようにしました。
そうなると転職する方が約6割、諦める方が約4割。転職エージェントにとっては、転職していただかないと食べていけない訳ですが、転職者の方の一生がかかっていますので妥協はしていません。

ただその甲斐があってか、最近のICUの早期退職者(1年持たない)は、ほぼ0になっています。

余談ですが「ほぼ0」というのは、1名だけ離職がありました。
ICU内の院内恋愛ゴールだったそうで、看護部長さんはちょっとご立腹でしたが、私的には「おおー!あの方が!お幸せに!!!」というハッピーな話でもありました(汗)
\(@^0^@)/

ポイント1つ目まとめ

さて、まずはここまでをまとめます。

  • ICUの離職理由は人間関係が多い。
  • でもその根本原因は「仕事が好きになれなかった」という点。
  • 対策として、事前にICUの内情を知っておく。
  • シッカリ知ったうえで転職するしないを決断する。
  • これだけで失敗はグッと減る。

ということで、次はポイントの2つ目を見ていきましょう!

ICU転職 2つ目のポイント

icuの内情
ポイントの2つ目は「ICUの詳しい内情を知る」です。

内情を知らなければ「自分がICUでやってけるかどうか」なんて判断できませんからね。
そこでまずはICUの一般的な1日のスケジュールを見ていきましょう!

ICUの1日

  • 朝の準備
    08:00

    まずは申し送り前に、夜間に来た新しい患者さんを把握。電子カルテで症例、病歴、検査データ、投薬、画像、エコーを確認。1日の行動計画を立てる。

  • 朝の申し送り
    08:30

    調べた情報をもとに、今後の治療方針をアレコレ聞き出す。この2つの情報「患者さんの状況」と「治療方針」をもとに、どうやって看護介入できるかを考慮。

  • 朝のラウンド
    08:50

    受け持ちの患者さんを周りながらバイタル、清拭、フィジカルアセスメント。清拭は、全身をチェック。褥瘡や出血をしやすいので要確認。バイタルと清拭後は、ラインがぐちゃぐちゃになるのできれいに整える。

  • カンファレンス
    10:00

    新しい患者さんの医療方針を聞く。朝の申し送りで考慮した看護介入を医師へ伝えて了承をもらう。

  • 通常業務
    11:00

    2時間おきにバイタル、フィジカルアセスメント。全身を隅々までチェックする。脈、心音、血圧、意識レベル、皮膚の色、体温、呼吸回数、呼吸音、腹部の硬さ、瞳孔、末梢動脈などなど。
    ホットライン対応。急変対応。

  • 帰宅
    17:00

    夜勤への申し送りをして帰宅。

ICUの1日まとめ

いかがでしたか?
ICUの1日をサラッとご紹介しました。

では次もICUの内情を知るために、研修内容を見ていきましょう。

ICU未経験者の研修

転職するときは「どんな研修があるんだろう?」って気になりますよね。
病院によっては、事前に研修内容を教えてくれることもあります。

そこで私がこれまでに聞いてきた研修内容をまとめてみました。

ICUの研修例

  • 機器のモニタリング練習
    1ヵ月目

    icuのモニタリング練習
    沢山あるので大変。
    心電図、観血式血圧、呼吸数、パルスオキシメータ、カプノメータ、心拍出量計、頭蓋内圧力計・・。

  • 12誘導心電図の練習

    ICUは心電図が読むのが必須。
    心電図の微妙な変化が分かるように。
    ひたすら読んで、記録してみての繰り返し。

  • 応急手当の練習

    レサシアン
    シミュレータ人形(通称レサシアン)を使って訓練。
    救急蘇生器具の使い方を覚える。
    救急カート内の器材、気管挿管グッズ、人工呼吸用器具、酸素吸入器具などなど。
    心肺蘇生は新人だろうが突然本番が回ってくる。
    最低限、胸骨圧迫はできるように。

  • 患者さんの受け持ち
    2ヵ月目

    転職組は、この頃から担当患者を持つ。
    まずは状態が安定した患者さんから。
    人工呼吸器が外れているような。
    先輩ナースがフルサポート。
    ICUでは平均して2人の患者さんを受け持つ。
    多くて3人。
    夜勤中は4人ほど。

  • 重要機器の取り扱い

    人工呼吸器、除細動器、血糖測定器、輸液ポンプ、ポータブルレントゲンなどなど。
    特に人工呼吸器は重要。
    icuの人工呼吸器

  • ルート管理

    ICUはチューブとラインでごちゃごちゃになりやすい。
    ルートは一目で分かるよう美しく。
    せん妄状態の患者さんがラインを抜いてしまうので結構大事。

  • 採血
    3ヵ月目


    静脈ライン確保、動脈血液ガスの測定などなど。

  • アナムネーゼ聴取

    ICUは危篤の方ばかりなので独特の聴取スキルが必要になる。
    病院ごとに聴取法は異なる。

  • エンゼルケア

    清拭や創傷部位の手当だけではなく、ご家族や葬儀社などへの対応も学ぶ。
    またICUは警察が介入するケースもあるのでその対応も。

  • 夜勤

    この頃から夜勤の話がチラホラと。
    「そろそろ独り立ちかしらねー」と言われるのもこの頃。

ICU研修のまとめ

一般的なICU未経験者向けのスケジュールをご紹介しました。

ただしこれはあくまでも「一般的」な研修です。
病院ごとにかなりの差がありますのでご注意ください。
カリキュラムを組んでじっくり教えてくれる病院もあれば、OJTと称していきなり担当付けする病院もあります。
どんな研修が良いかは人それぞれですが、未経験であればジックリ基礎から身に付けていきたいですよね。

転職前には、必ず研修内容を確認しておきましょう!

ICUの入職前に勉強しておくこと

入職前に何を勉強しておけばいいですか?

面接で定番の質問ですよね。

転職エージェントは、病院との面接にも同席するため、その答えを色々と聞いてきました。
そこでとある医大ICUの師長さんの回答をご紹介してみます。

ICUの入職前の勉強について

医大ICUの師長さん
40代くらい

集中治療の分野は、かなり幅広いです。
計画的に学ばなければ、何年たっても1人前になれないかもしれません。

最も効率が良い学習法は、基礎をマスターし、徐々に応用していく方法です。
ただ、基礎だけでは実務に支障が出てしまいます。
だから基礎を学びつつも、優先度の高い実務も勉強してください。

基礎は解剖生理、フィジカルアセスメントの2つです。
ICUで優先順位の高い実務は、人工呼吸器、心電図、心肺蘇生、循環器です。
とくに解剖生理はICUの基礎とも言えるので最重要ですね。

「基礎と、優先度の高い実務」
この2つを入職前に勉強しておくと、あとあと楽になるそうです!

ICUの急変対応

icuの急変対応
ICUと言えば急変対応ですよね。
これも面接でよく話題になっています。

ICUに15年勤めているベテラン看護師の方でも、アラームが鳴ればいまだにドキッとするそうです。
突発的なことは人間なら誰でもパニックになりますからね。

ただICUではそのパニックを少しでも減らすため、シミュレーション訓練を何度もやるそうです。

一番多いのがシミュレータ人形(通称レサシアン)を使った訓練です。
たいていのICUではやっていますよね。
胸骨圧迫、気道確保、電気ショック、挿管介助、心音や呼吸音の異常の聞き分け、などなど。

初めてICUで働いた人は、清拭やベッドメイキングばかりをやりたがる傾向があるそうです。
慣れている仕事が安心できますからね。

でもそれだと成長できないそうです。
シミュレーションで予習して、積極的に現場に出て、心をボロボロにされながらも、反省点をシミュレーションで直していく。
こういった人がICUに早く馴染むんだそうです。

ICUの急変対応まとめ

ICUでは急変を想定したシミュレーション訓練を行っています。
これはベテランの方々も定期的にやるそうです。
新人の方は、研修カリキュラムにも組み込まれています。

ただこれも病院によってピンキリです
人手不足のICUは、訓練をやっている余裕がないですからね。
「訓練なんて必要ない。現場で学べ!」という昔ながらのドクターや看護リーダーもいますし。

ICU未経験であるほど、こういったシミュレーション訓練が充実した病院を選びたい所です。

急変時のご家族への対応

患者さんが急変した!
ホットラインで入室があった!

こんな時、ご家族から「大丈夫なんですか!!!」と聞かれるものです。

そういった場合、本来なら医師が状況の説明をします。でも多くの場合、医師はすぐには手が離せないため、看護師がご家族への対応をします。

ICU経験が浅いのにそんなことできない・・。
とても不安ですよね。

これに関して、医大のICUドクターがこんなことを言われていました。

急変時のご家族への対応について

医大のICU勤務
35歳くらい
若いけど優秀

新人の方は、ほとんど棒読みで説明していますよ(汗)
先輩からレクチャーされたことをそのままご家族に伝えるだけです。
よく言えば伝言役ですね。

ただ未経験なら最初はどの診療科でも同じだと思います。
場数を踏んで、少しずつ改善していけばいいのです。

それに伝え方を工夫するだけで、ご家族の不安は減らせます。
それにはご家族の目を見ながら話せばいいのです。
メモを見ながらだと、ご家族がどこに不安をもっていて、どこに疑問を持っているのかが分かりませんから。
その疑問に、自分がわかる範囲で誠意をもって答えてください。
人は物事の理由を知りたがるものです。
「こういった理由で、こうなっています」と簡単にでも説明してあげれば、不安は少なくなりますから。

うーむ。
深いですね。

次は、急変の最前ということでホットラインを見ていきましょう。

ICUのホットラインってどんな感じ?

ホットライン対応中の看護師
一部のICUでは、ホットライン対応もしています。
救急では定番ですが、ICUではどんな感じかご存知ですか?

先日、ICU3年目の看護師さんから聞いた話を、ストーリー形式でご紹介します。

ジリリリリ!!!!(電話の音)

 医者「〇〇病院、集中治療室の〇〇です」

救急隊「〇〇救急の〇〇です。交通事故で車外放出の40代女性。3次外傷で腹部損傷。JCSは300、血圧70の38、脈拍90、SpO2は60mmHg、酸素投与中です。受け入れ可能でしょうか?」

 医者「了解です。受け入れ可能です。」

救急隊「ありがとうございます!到着まで5分です」

 医者「おーい、交通事故で外傷の方来るからねー。5分でー。」

看護師「はーい。オペ室と放射線押さえてから、輸血オーダーしておきます」

師長に連絡。
オペ室に連絡。
輸血部にオーダー。
蘇生室の準備。
機器の点検。
ガウン、手袋、ゴーグル、マスクを装着。

●救急車到着

救急隊「血圧低下中です!50まで下がっています!」

 医者「蘇生室急いでー」

救急隊「お願いします!」

看護師「服切ります」

 医者「了解ー。挿管するよー」

看護師「ミダゾラム準備します」

 医者「家族はー?」

看護師「連絡済みです。県外からなので時間がかかるそうです」

 医者「了解ー。頑張れよー」

 医者「末梢動脈ライン確保ー」

看護師「止血します」

 医者「結構ひどいねー。大動脈内バルーンやるよー」

看護師「IABP、輸血準備できています。」

 医者「移動ー。急いでー」

●蘇生室にて

 医者「止血どうー?」

看護師「ダメです。血圧30切りました」

 医者「シリンジ20ml。輸血急いでー」

看護師「オペ室あと5分かかるそうです」

 医者「三方活栓にシリンジをつけてポンピングー」

 医者「オペ室行く前にここでやるよー」

看護師「輸血300ml、血圧50です」

 医者「おーし、止血も急ぐよー」

看護師「オペ室準備できました」

 医者「止血しながら移動ー。手が空いてる人呼んでー」

こんな感じで、患者さんをオペ室に引き渡して、ホットライン対応は一旦完了です。

ICUのホットラインまとめ

ホットライン対応、難しそうですよね・・。
この看護師の方は、上記のレベルに達するまで3年かかったそうです。

でも一通り出来るようになって、スムーズに流れた時の「私すげー」的な快感もあるそうで(汗)
まさにICU独特の良さかもしれません。

さて。次はチョット話題を変えて、
ICU特有の看護師事情について見ていきましょう!

子持ちの女性でもやっていける?

かなり厳しいです。
子持ちの方がICUへ転職した事例を数件聞いたことありますが、全員半年も持たずに退職または転属しています。

夜勤もありますし、自宅での勉強時間も病棟以上に確保しなければいけませんので。
またシフトを少人数で回しているため、急変時に残業があったり、急な休みにも対応しにくいです。
実際、ICUで働いている看護師はほとんどが独身または、男性です。

ICUは男性看護師が多いの?

icuで働く男性看護師
ICUの男性看護師率はかなり高いです。
病院によっても違いますが、約5割ほどでしょうか。

ICUは救急、精神科と並んで男性看護師がとくに必要とされる現場ですからね。
実際、私が男性看護師の方をサポートするときは、転職先がICU、救急、精神科ばかりです。

また男性看護師から見てもICUは働きやすいようです。
ICUの患者さんは意識レベルが低いため、女性患者であっても看護拒否されないですからね。
男性看護師からすると、拒否される辛さもありますが、拒否されて女性看護師に負担をかけるのもまた精神的に辛いそうです。

ICUは看護師同士で付き合ってる人が多い?

ICUでは、恋愛話をよく聞きます。
ICUのように閉鎖された空間かつ、男女が均等にいる職場だと、自然とそうなりますからね。

ICUには制服マジックならぬ、急変マジックがある!

と、先日、お会いしたICUで働く女性の方が言っておられました。
どうも、患者さんの急変やホットライン時に、男性看護師がさっそうと対応する姿は、髪が薄くなった40代既婚者であっても、なぜかカッコよく見えてしまうんだそうです。

なるほど・・・。
何となく分かります(笑)

しかし職場恋愛は、色々な形で問題となります。
別れた後のシフト問題だったり、夜勤中のイチャイチャ問題だったり、不倫問題だったり。
中でも一番やっかいなのが三角関係だそうです(汗)

だからICU側もルールを作っている所が結構あります。
恋愛禁止を名言している所もあれば、リーダーに報告制の所もあったり(笑)、別れたらどちらかが責任を取って転属という所もありました。
逆に「大人なんだから常識の範囲内で好きにやってよ」という恋愛黙認というICUもあったり様々です。

独身の方は重要な問題にもなるため、事前確認はしておいたほうが良いかもしれません。
実際に働いている人に聞くか、転職エージェントからの情報提供などをご利用ください。

ICUってスキルが付くの?


数ある診療科の中で断トツでスキルが付くと思います。
「ICUで働けたらどんな所でもやっていける」と言われているくらいですからね。
転職の面接時は、履歴書に「ICU勤務」の文字があれば、かなり優遇されていましたし、「ほほー。ICUで3年もやってたんですかー。すごいですねー」と、言われていることもありました。

それを裏付けている、ICUで1年勤めて寿退職した看護師に聞いてみましたのでご紹介します

ICUのキャリアは復職に強かった

元ICU勤務
30代後半
既婚。1児の母

ICUで1年持てば、たいていの所で通用すると思いますよ。
実際私は子供が小学生になるタイミングで6年のブランクをもって復職しましたが、ICUで得た知識と経験はものすごく役に立っていますから。
最初の復職先はオペ室でしたが、ICUで苦労した経験をかなり活かせていますね。
その後、急性期病棟に転属となりましたが、そこでも急変時のスペシャリストとして扱ってもらっています。

ICUの忙しい時期ってあるの?

冬の時期が忙しいです。
気温が下がると血管系(脳や心臓)の患者さんが多くなりますから。
逆に夏は、忙しさがひと段落し、休みが取りやすいそうです(内科系のICUは)

ポイントの3つ目

icu求人の探し方
さてさて。
ここまでICUの仕事や内情を見てきました。
ICUがどんなことろか、何となくお分かり頂けたと思います。

そこで次は、ポイントの3つ目に進みましょう。
いよいよICU求人の選び方です!

ICUの求人を探す前提として、どんなICUがあるのか知っておかなければいけません。
ICUは疾患や患者さんによって、色々と細分化されていますので。

ICUの種類をまとめてみました。

基本的なICU(ICU、HCU、SICU)

ICU(集中治療室)

患者:
重篤な急性疾患、術後の患者

解説:
重篤な患者なら疾患や年齢を問わず、幅広く受け入れる。最も多いICU形態。

HCU(準集中治療室)

患者:
ICUで安定した患者

解説:
ICUの後方病床。意識レベルが高くなるため、食事、清潔、排泄、離床などの面でICUよりも大変だったりする。患者の入れ替わりは激しい。話しは変わるが、HCUの患者は、訪問看護の対象患者に近いため、将来訪問のキャリアを考えている看護師にひそかに人気がある。

SICU(外科系集中治療室)

患者:
外科手術後の全身麻酔をした患者。心臓血管外科患者が多い。

解説:
術後回復に特化したICU。術後は容態が比較的安定しており、重症度が低めのケースが多い。

疾患に特化したICU(CCU、SCU、NCU、RCU、KICU)

CCU(冠疾患集中治療室 )

患者:
急性心筋梗塞、狭心症、心筋症、重症心不全、重症不整脈、徐脈、弁疾患、急性大動脈解離、感染性心内膜炎、肺動脈塞栓症

解説:
循環器に特化したICU。心臓疾患のため急変しやすく、緊急オペや、緊急心臓カテーテルが多い。ICU未経験者にはオススメできない。

SCU(脳卒中集中治療室)

患者:
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、てんかん

解説:
脳卒中に特化したICU。脳神経内科のスキルが身に付く。軽度~中度の患者多い。脳卒中が増える冬は特に忙しくなるため、正月休みは取りにくい。

NCU(脳神経外科集中治療室)

患者:
くも膜下出血、脳出血、脳梗塞、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳腫瘍、もやもや病、閉塞症

解説:
脳血管障害に特化したICU。上記のSCUと併設している病院が多い。

RCU(呼吸器疾患集中治療室)

患者:
重症肺感染症、間質性肺炎、肺気腫、呼吸不全

解説:
呼吸器に特化したICU。人工呼吸センターとも呼ばれている。数は少ない。

KICU(腎疾患集中治療室)

患者:
急性腎不全、急性肝炎

解説:
腎臓疾患に特化したICU。2017年現在、日本に存在していない。

乳幼児、出産に特化したICU(NICU、GCU、MFICU、PICU)

NICU(新生児集中治療室)

患者:
新生児。超未熟児、仮死新生児、先天性貴兄、合併症

解説:
新生児に特化したICU。

GCU(移行期治療室)

患者:
NICUで安定した新生児。

解説:
NICUの後方病床。症状が安定した新生児のためのICU。ただ現状は、満床なNICUから押し出されてGCU入りするケースが多々あり、症状が不安定な新生児も。GCUのほとんどはNICUと併設されている。

MFICU(母体胎児集中治療室)

患者:
ハイリスク妊娠、切迫流産

解説:
妊婦に特化したICU。NICUと併設されていることも多い。ただ全国的に数は少なく、県外からも妊婦がやってくる。

PICU(小児集中治療室)

患者:
小児重症患者。

解説:
子供に特化したICU。NICUの子供版。肺や臓器など内科系の患児が多い。NICUも足りずに問題となっているが、PICUはさらに数が少なく、全国で30弱しかない。そのため近隣の救急センターや病院からも患児が集まってくる。

ICUの種類まとめ

興味のあるICUは見つかりましたか?
気になる求人のICUはどんな種類なのか、どんな疾患を中心に治療しているのか、他にどんなICUが通勤エリア内にあるのかなど、事前にシッカリ調査しておきましょう!

さて。
実はこれら以外にも、ICUにはまだ別の分類があります。次はそれを見ていきましょう!

クローズドICUとオープンICUはどっちがいい?


クローズドICUとオープンICUって聞いたことありますか?

クローズドICUとは、集中治療医が治療方針を決めるタイプのICUです。
オープンICUとは、各科の主治医が治療方針を決めるタイプのICUです。

クローズドICUは、専属の集中治療医が24時間ユニット内に常駐しています。
オープンICUは、集中治療医がいたり、いなかったり様々です。いたとしても全ての患者さんに介入したり、要請があった時だけ介入したり、病院の方針によります。

集中治療医 集中治療医が積極介入 治療方針を決める医師
クローズド 在籍 する 集中治療医
オープン積極 在籍 する 各診療科の主治医
オープン消極 在籍 しない 各診療科の主治医
オープン不在 不在 各診療科の主治医

じゃあ看護師にとって何がいいの?となれば、
クローズド or オープンか?
というよりも、
集中治療医が積極介入する or しない?
と、分けたほうが看護師的にはシックリくるかもしれません。

まず集中治療医が積極介入しないタイプはどうでしょうか?
これは看護師から見ると、あまりいい話を聞きません。
担当医がコロコロ変わると、治療方針がバラバラだったり、医師ごとの癖を覚えるのが大変だったり、診療科ごとの風習も覚えなきゃいけなかったり、急変時に頼れる人が居なかったり、責任者があいまいになったり。
結構やりにくいそうです。

看護師にとっては積極介入してくれるタイプのほうがやりやすい訳です。

しかし、病院側の都合上そうもいかないようです。

実際、クローズドはICU全体の約1割しかなく、オープンICUの集中治療医が全て介入するタイプも約4割しかありません。
残りの5割以上は、集中治療医がいない、または集中治療医が不足しているがための消極介入タイプです。

理想としてはクローズドICUだけど、現実的に難しいそうです。
医師を確保する難しさがありますからね。
ICUの医師は、麻酔、外傷、術後、循環器の全てに精通していなければいけません。これは一般の医師では極めて難しい条件です。そのため救命で鍛えられたドクターがICUに配属されるケースはよくあるのですが、救命自体もドクター不足ですので・・。
救命がない病院は集中治療医を確保できず、その結果オープンICUとなってしまいます。

もし確保できたとしても、各分野の最新治療を担保し続けられる医師はそういないため、オープンとなるようです。
クローズドの医師は超人的とも言えますね・・。
ただ現実的に100%クローズはありえないそうで、何らかの形で各診療科の主治医が介入するそうですが。

じゃあオープンはダメなのかと言えばそうはありません。
オープンであっても、集中治療医が全身管理に集中して各疾患の治療は専門医に任せたり、集中治療医がマネジメント的な立場になったり、各病院で色々な工夫をされています。

オープン&クローズドICUまとめ

クローズドICUは、集中治療医が治療方針を決める。
オープンICUは、各科の主治医が治療方針を決める。

看護師としてはクローズドのほうがやりやすいそうです。
オープンは患者さんによって主治医がコロコロ変わりますからね。

ただオープンも各専門医の最新医療が見られるため、貴重な経験が幅広くできるそうです。

じゃあオープンとクローズドのどっちに転職したらいいの!?

ICU未経験の方はクローズドまたは、オープン積極タイプ。
ICU経験者でさらなるスキルアップを目指すならオープン消極タイプといった感じでしょうか。

集中治療医 集中治療医が積極介入 転職のオススメ
クローズド 在籍 する 未経験
オープン積極 在籍 する 未経験
オープン消極 在籍 しない 経験者
オープン不在 不在 オススメできない

要注意なのが、医師不在のICUです。
ICUの約3割ほどは、専属の集中治療医がいないためご注意ください・・。
本当に良い噂を聞かないです・・。

最後のまとめ

転職エージェント目線で、
看護師がICUに転職する3つのポイントをご紹介してきました。

  • 失敗原因:
    ICU転職の成功・失敗は、仕事が好きになれるかどうかが大きい
  • 仕事内容:
    ICUは過酷な勤務になるが、その分スキルアップできる
  • 求人の探し方:
    ICUは疾患や患者によって分類され、さらにクローズドICUとオープンICUがある

ICUとは言っても、病院ごとにその中身はまったく異なります。
特定の疾患に特化していたり、オープンとクローズドがあったり、研修内容が色々あったり、未経験者のフォロー体制がピンキリだったり。

だから転職を決断する前に、

自分は本当にICUで働きたいのか?

をシッカリ見極めましょう!

転職を焦っても、失敗の可能性を大きくするだけですからね。
それじゃ!