看護師の転職Q&A!泌尿器科で働くにはどうしたらいいの?

泌尿器科ってどんなところですか?

泌尿器科では、外科的・内科的を問わず、すべての泌尿器科疾患を扱うところです。
また、男女問わず膀胱がんや腎盂腎炎などの患者さんも看ます。

そして、急性期から慢性期や終末期の患者さんまで幅広い病態を扱います。

泌尿器科は、どんな特徴がありますか?

特に多いのは男性の前立腺疾患で、前立腺がんや前立腺肥大症の治療を行います。
前立腺がんは前立腺針生検で診断しますが、こういった検査でも、前立腺肥大症などの内視鏡の手術でも短期間の入院なので、患者さんの入れ替わりは激しいです。
次に、化学療法や放射線療法も多いです。これは、がん患者が多いのが理由で、化学療法のため繰り返し入院する患者さんや、放射線療法のため長期間入院している患者さんがいます。

そして、大きな病院では前立腺がんに対する放射線療法で「密封小線源療法」を行っているところがあり、その介助もします。
それから、膀胱がんの治療のためにストーマを造設することもあり、自己管理ができるように指導を行います。

あとは、男性看護師が多いことです。
なぜなら、男性のデリケートな部位を看るため、男性看護師か、女性でもベテランの看護師が好まれる傾向にあります。

いろいろなお仕事がありますが、泌尿器科は忙しいですか?

あまりイメージにないかもしれませんが、泌尿器科は外科的・内科的を問わず、急性期から終末期まで幅広い病態を扱うので、とても忙しいです。
また、泌尿器科医というのは実質数が少なく、外科や内科のように多くの医師が常勤してることもありません。
限られた医師が外来診療と手術を兼務しているために、外来日と手術日が分けられており、手術日には1日に多くの患者さんの手術を行う傾向にあります。
ですから、手術日ともなると、1日に何件もの手術が組まれて看護師は術前準備や術後の管理に追われることになります。
その中で化学療法や、終末期患者の疼痛コントロールをしながら、
入退院のためのアナムネ聴取や看護サマリーのまとめなど、事務的な作業も行わなくてはなりません。

大変そうですが、たくさんのスキルが身に付きそうですね。

はい。
そして、泌尿器科の解剖生理と疾患の理解を基本として、化学療法や放射線療法、周手術期看護や、終末期の麻薬を用いた疼痛コントロール、
腎不全の患者さんへの透析など、幅広い病態に対する知識が身に付きます。

泌尿器科の知識はありませんが転職できますか?

できます。
例えば化学療法ですが、泌尿器科の場合は種類が限られているため覚えるのに比較的時間はかからないでしょう。
できれば他科で化学療法を経験していると理解が早いですが、必ずレジメンがあるので未経験でも覚えられます。
ストーマ管理の知識についても、働きながら習得することができます。

将来的にキャリアアップはできますか?

できます。
泌尿器科では、がん化学療法や放射線療法、皮膚排泄認定看護師などを目指すことができます。
経験を積めば認定看護師教育機関の受講資格が得られるので、極めたい分野のキャリアアップを目指すことは大きなモチベーションとなります。

忙しいということは、残業は多いですか?

そうですね、比較的多いです。
なぜなら、尿閉などに対する緊急の処置を施さなければならないことはよくあることだからです。
また、手術が予定時間に終わるとは限らず、手術日は残業の可能性が高くなるでしょう。

給与はいくらですか?

泌尿器科特有の手当てはありませんので、他科と変わりません。
ですから、夜勤ありの常勤で、月25~30万程度です。

ただし、泌尿器科の病棟がある病院が少なく、泌尿器科を希望しても外来やクリニックしか見つからないことがあるので、子育て中の方や、夜勤が苦手な方におススメの勤務先です。

泌尿器科に転職するのは難しいですか?

泌尿器科の求人は多くないので難しいです。
なぜなら、泌尿器科病棟のある病院はあまり多くはありません。
泌尿器科を標榜していない病院が、内科で入院を受け付けることがありますし、皮膚科や眼科などとの混合病棟になっていることが多いのです。

病院の外来やクリニックは他科と同等の施設数があるため求人自体はありますが、業務的に必要な人数が少ないですし、退職者がでないと求人が出ないため、タイミングを見定めるのも難しいでしょう。

ただし、看護師転職サイトに登録した場合は、転職活動を助けてもらうことができるため、良い転職先が見つけられるはずです。

転職の際に確認しておいたほうがよいことはありますか?

自分の興味のある分野が学べるか、認定看護師が在籍しているか、医師の勉強会や研修の補助はあるかどうかを転職時に確認しておきましょう。
自分の興味のある分野が学べるかに関してですが、病院に在籍する医師によって専門または得意とする術式や治療法があります。
しかし、膀胱全摘術などの大きな手術や小線源療法などの専門的な治療を行う病院は少なく、そのような先端医療を学びたいのであれば転職先は限られてくるでしょう。
反対に、内視鏡による前立腺肥大症や膀胱がんの手術、前立腺全摘術などは多くの病院が行っています。
認定看護師が在籍しているかに関してですが、がん化学療法認定看護師や皮膚排泄認定看護師がいると化学療法やストーマ管理についての勉強会を開いてくれたり、直接教えてもらえます。

泌尿器科の魅力を教えてください。

他科にはない専門性の高い看護の学びと経験が得られますし、人間関係が良好です。
例えば男性患者を中心とした泌尿器疾患の看護と、膀胱持続洗浄やストーマ管理など、専門的な治療や看護を学ぶことができます。
そして、化学療法や放射線療法など、がん看護に関わる知識も身に付けることができます。

また、男性看護師が多いので、女性看護師ばかりの病棟にくらべて人間関係が良好なため、爽やかに気持ちよく働けます。

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