転職を考えている看護師の皆さんこんちにわ!
メディカル調査員の川田です。
ナースは転職の多い職業です。
平均3回以上も転職すると言われています。
でも転職って何かと不安ですよね。
もし失敗したら・・
また同じだったら・・
人生のレールから外れるんじゃ・・
分かります分かります。
でも大丈夫!
「失敗の原因」を知っておけば、事前に対策はできます。
今回は、「転職に失敗した理由」をテーマに、現役の看護師の方に話を聞きいてきました。
そこで分かった、
転職の失敗理由ワースト5と、その対策をご覧ください。
失敗理由:相談しなかった
10年で7回転職
事例 T.Sさん(33歳)
看護歴10年
こんにちわ。
都内に住む看護師です。
私はすでに7回の転職をしています。
公務員試験の予備校に通い人生をかけてまで受かった国立病院ですら、1年もたたずに辞めてしまいました。
やってみなければ分からない。
働いてみなければ分からない。
経験してみなければ分からない。
こんな無鉄砲な考えで、病院を転々としていました。
嫌なものは嫌、合わないものは合わない、ダメなものはダメ。
とアッサリ割り切ってきました。
その結果が10年で転職7回・・。
学んだ教訓は?
誰にも相談しなかったことです。
基本的には、自分のことは自分で決めてきました。
自分に不利益があっても、それは自分の責任ですから。
でも職場を辞めると、病院やスタッフの方にまで大きな負担がかかります。
看護師が1人辞めると、現場は大変。
「申し訳ない・・」と毎回痛いほど感じていました。
転職の失敗を少しでも減らしたい!
そう思い、人に相談するようにしました。
まず職場の上司。
今まで5人くらいに相談していますが、100%反対されます・・(笑)
辞めると一番困る方ですからね。
立場上しょうがないです。
円満退職のために前もって相談しておきたい方ですが、転職相談には向いていません(汗)
無難なのは友達や両親。
気軽に相談できます。
ただ病院や看護に詳しくないため、あまり深い話はできません。
良かったのは看護学校の同期と、人材会社の担当者の方。
やっぱり病院をよく知っている人だと話が早いですし、愚痴も言えます!
特に人材会社の方は、求人事情にも詳しくして、色々と良くしてもらいました。
「おぉ!そこ応募しましょうよ!」
と、イケイケで適当な私。
「もうちょっと情報集めて分析してからにしましょう!」
という、丁寧に求人を集めてくれる人材会社の方。
分析とかしたことねーし(汗)
今の病院を見つけられたのは、人材会社の方のおかげです。
私一人なら間違いなく失敗してた (^▽^;)
改善ポイント
転職は人生の一大イベントです。
客観的な視点で見てくれる人に相談しましょう。
自分一人だと視点が狭くなったり、偏ったりしますので。
ポイントは4つです。
・客観的な意見をくれる
・看護師の仕事を知っている
・医療業界に詳しい
・地域の求人事情に詳しい
一番気軽に相談できるのは、やはり看護師仲間でしょうか。
最近では求人会社に相談する人も多くなってきました。
プロのノウハウを持っていて、地域の事情にも詳しく、親身に相談を受けてくれるため人気があるようです。
ただし職場の方に相談するのは注意が必要です。
客観的な意見をもらうのが難しいですから。
上司の場合は管理責任、同僚であってもシフトの穴埋という不利益がありますので。
客観的な意見をもらえるかどうかがポイントです。
失敗理由:妥協した
バタバタの転職劇
事例 R.Sさん(25歳)
看護歴2年
私は元々ブラックな病院で働いていました。
毎日残業、夜勤も月8回以上(2交代)、休みも月4回取れるかどうか。
さらにはパワハラ師長と、不機嫌全開の主任。
色々と限界で、今すぐに辞めたかった。
ただ頼れる人はいなかった(唯一の家族である父とは絶縁状態)
働きながら職を探すも、なかなか進まず。
ハローワークに行くなんて時間的に無理だし、求人サイトで探す気力も残っていない。
そんな時、たまたま雑誌で見かけた求人に応募したら、内定をもらえた。
いやいや!もっと良い病院があるはず!
けど・・・もうムリ辞めたい!
この2つで迷いに迷うも、結局は早く解放される道に。
逃げるように病院を辞め、新しい職場へ(リハ病棟)
でもその職場も最悪だった。
(↓愚痴多めです)
初日から50人の処置を任されてんやわんや。
引き継ぎや説明一切なし。
フラフラになりつつ休憩室に入ると、悪口大会の真っ最中。
私のことじゃなく、別の人の悪口だったけど人格否定えげつねーなと・・。
帰り際、シフトを見せてもらってビックリ。
今月の休み4日?
その後1か月働くも、おばちゃん看護師の話に入れず、いつのまにかハブられてた。
休憩室に入りびたるおばちゃん軍団。
休憩も取れなくなる。
サボりまくるおばちゃん軍団。
そのあおりを受ける私。
さらにはカルテの改ざん、虐待、バイタル適当(もしかしてやってないかも?)、ナースコールに誰も反応しない(そもそも音が小さい。わざと?)、急な休みで代理出勤、夜勤からの日勤、なぜか試用期間の給料で月15万円(一言も聞いてない)。
転職して3か月目。
20代の若い子が入って、その人と「ここおかしいです!」って話になって一緒に辞めた。
学んだ教訓は?
余裕をもって選べ!(当時の私へ)
これ大事です。
その後、無事に転職できたんだけど、
そのときお世話になった人材会社の担当さんは、
「あの病院は評判悪すぎて、全力で止めますね・・」って言ってた。
以上!
改善ポイント
急ぎの転職は危険です。
多くの場合、不利な転職になってしまいます。
家の購入と同じですよね。
急いで探してもいい物件はない。いい物件が出てくるまで待つのがベストです。
良い求人はなかなか出てこないものです。
人が辞めにくいですし、出回る前に人材会社が押さえてしまいますからね。
転職は3か月~6か月ほど、余裕をもっておきましょう。
どうしても急ぎの場合は、人材会社に登録して、多方面から求人を探してもらいましょう。
様々な場所から求人をかき集めてくれるため、働きながらでも、自分に合った求人を見つけやすいです。
また、
「あと1か月ほどで〇〇病院の求人が出そう」
なんていう情報まで持っているので色々と有利になります。
転職は計画的に!
重要です。
失敗理由:他を見なかった
小さなミスで月4万円の給料格差
事例 B.Yさん(32歳)
看護歴7年
子育て中の主婦です。
旦那がリストラされ、アルバイトになったため、私が正社員として働くことになりました。
働くことになったのは、産婦人科と小児科が併設されたクリニックです。
このクリニックに決めた理由は、便利そうだったからです。
・自宅と保育園の中間
・車通勤OK
「生活リズム的には、このクリニックしかない!」と思い込み、他の病院は見向きもせずここに決めました。
働き始めは大変でしたが、半年ほどかかって仕事にも慣れ、生活を安定させることができました。
クリニックの立地や勤務時間的にも、子供の送り迎えがしやすく、満足していました。
しかし!
ある日、スーパーにあったフリーペーパーを何気なく見て衝撃が!
「え・・他の病院メッチャ給料高いやんけ・・」
「うっそ・・ここも・・」
「うぇ・・うちの給料低すぎ?」
スマホで求人サイト検索!
市内の病院を片っ端から見ると・・。
やっぱりうちの病院給料低い(T-T)
ちなみにうちは額面で月17万円です。
よそ様は20万円越えばかり(もちろんクリニック)
車で10分ほど遠くなるけど、そこは25万円(外来で日勤のみ)
「あー、完全に失敗した・・」
もちろん今から職場を変えるわけにもいかず、今も働いていますが・・。
ボーナスも含めると、年間で100万円近く違いますからね。
モチベーションはダダ下がり。
唯一の救いは、職場が楽しいことでしょうか。
スタッフの仲も良いですし、院長も尊敬できる方です。
でもやっぱり給料は不満です・・。
学んだ教訓は?
クリニックは、給料が安いと思い込んでいました。
完全に1つの病院に絞っていたため、それに気が付かず・・。
他の求人もしっかり比較するべきだったなと。
改善ポイント
働きたい病院が決まっていても、情報収集はしておきましょう。
他の病院と比べるとことで「その病院の良し悪し」が見えてきます。
また地域の給料相場はもちろんのこと、求人の掲載先によって「同じ病院なのに給料額が違う」なんてことも珍しくありません。
さらに、今のスキルや経験で「どんな病院に転職できるのか?」「いくら貰えるのか?」といった、自分の価値を知るいい機会にもなります。
本当にこの病院がベストなのか?
これを確かめるためにも「病院調査」は必ずやっておきましょう。
友人知人、同僚、看護師仲間、人材会社の無料相談、公的な相談窓口などを利用して、幅広く情報を集めることが大切です。
失敗理由:知名度だけで選んだ
有名病院の代償
事例 A.Eさん(27歳)
看護歴4年
私が転職したのは、県内でも知名度抜群の中核病院です。
看護師の育成で全国的にも有名な病院。
ちなみに以前の職場は認知症病棟。ナースというよりも介護ヘルパーという感じでした。
無駄にした2年間を何とか埋めたい、という思いで転職しました。
確かにこの病院は育成カリキュラムが凄く良かった。
1年目、2年目、3年目、リーダー、管理職、といった具合にスキル別に年間のカリキュラムが組まれていました。
内容も眠たくなるような座学ではなく、ノウハウあり、実技あり、裏話ありといった、現場の看護に生かせるカリキュラムを先輩方が教えてくれるスタイル。
付いていくのがやっとでしたが、自分が医療従事者として成長している実感もあり、心地の良い辛さでした。
ただし、その代償も大きいモノでした。
プライベートの時間も、この病院に捧げなければいけませんでした。
委員会の役員が強制され、週2回必ず居残り。
(日勤なのに22時終了)
カンファレンスがなぜか18時からで残業前提。
(医局の調整が大変で、みんなが集まれるのがこの時間だからと)
休み返上の月1土曜の法人グループ全体ミーティング。
(ベテラン勢は土曜出勤だから被害なし・・・)
土日の院外研修や勉強会、学会への強制参加。
さらには運動会、お花見、院内のお祭り、地域行事、ボランティア、選挙応援などが半強制。
もちろん職場の行事は、大切だと思います。
スキルアップしたり、新しいことにチャレンジできたり、院内の方とも親しくなれ仕事がスムーズになりますから。
私自身、自分のレベルアップを目標に転職しましたし。
でも、毎月の休みが2日しかないのは・・・。
周りの看護師は「患者さんの為!」「地域の為!」「病院の為!」と意識が高い人が多く、そこまで思えない自分に劣等感も感じていました。
2年頑張りましたが、異動のタイミングで退職願を出しました。
学んだ教訓は?
「有名な病院」は「良い病院」だと思い込んでいました。
よく調べもせず、内定に飛びついてしまいました。
次は、派遣をしつつ色んな病院を見て回ったり、そこで知り合った看護師とランチで仲良くなって情報交換しました。
大変でしたが、その結果として今は自分に合った病院に転職できました。
成長も感じられ、無理なく働けています。
(お給料もアップした!月32万!)
改善ポイント
有名な病院でもしっかり事前調査はしましょう。
「有名だから、良い病院」とは限りません。病院の社風が、自分に合うかどうかは別の問題です。
この方は、派遣で働いて情報を集めるなど、行動力が素晴らしいです。
ただし派遣だからこそできた方法でもあります。
正社員の方が転職情報を集めるルートは、主に4つほどでしょうか。
・インターネット
・友人や知人
・セミナー等で知り合った看護師
・人材会社
人材会社は、手軽に情報を集められるため、最近人気のようです。
特に派遣も行っている人材会社は、派遣している看護師から情報を聞き出してくれるため、かなり濃い情報が貰えるでしょう。
失敗理由:年収だけで選んだ
高給はデメリットでもある
事例 H.Kさん(29歳)
看護歴7年
当時、父親に借金がありその返済のため、給料重視で病院を探していました。
(カードローンで450万!)
その時に転職したのが、100床ほどの単科病院です。
正直、あまり評判の良くない病院だったのですが、給料に釣られて転職しました。
年収で510万円ほど。
(ボーナス&各種手当&月20時間の残業代込)
東京ならよくある金額ですが、ここは田舎のためハッキリ言って破格です。
(事務の子だと年収200万円ほどの田舎)
とまあ確かにお金は良かったのです。
でも病院の内部がヤバすぎた!
噂を聞いてある程度予想はしていたのですが、想像を超えた酷さ!
ここは日本何だろうか・・、と思うほどメチャクチャな医療でした。
例えば、体位交換は一切なし。
患者さんは寝たきりの方ばかりなのに。
褥瘡できまくり。
しかもその処置は洗浄もせずにガーゼを貼るだけ。
さらには看護師の暴言がすごい・・。
患者さんへの屈辱的な罵声は当たり前。
「アホ」「バカ」「しね」は日常会話的に使われていました。
ご家族がまったく来ない閉鎖的な病棟だったため、こうなってしまったようです。
社会から見捨てられた患者さんの行きつく場所。
そんな病院でした。
もちろん、そういった役割の病院も必要だと思います。
でもあそこは酷すぎた・・・。
結局、1か月勤めて辞めました。
看護師としても、人間としても腐りそうな気がしたので。
学んだ教訓は?
給料を重視しすぎました。
良い話には裏があるのだなと。
次の職場は、年収だけではなく、病院の内情もしっかり下調べをしてから転職しました。
(知り合いと転職サイトから情報をゲット)
年収は430万円と下がりましたが、ふつうに働けています。
父の借金もあと1年ほどで完済できそうです!
改善ポイント
高額な給料には気を付けましょう。
将来性がない、倫理的に問題がある、仕事がきつい、違法スレスレなど、スタッフが長続きせず、お金で人を集めているケースが多いです。
もちろん、利益をスタッフにしっかり還元する健全な病院もあります。
ただしそういった病院は、離職率が低く人が辞めないため、求人がほとんど出てきません。
それでも給料を高くしたい!
という方は、こまめに求人をチェックするか、人材会社に登録しておき、高給な求人が出たら連絡をもらえるようにしておきましょう。
ただし!
一番大切なのは、その病院を見極めることです。
人間には自分に都合の良い情報ばかりを集めてしまう傾向があります。
その病院の悪い面も見るように意識しましょう。
その病院を辞めた人、または現役で務めている人から話が聞ければベストです。
ワースト5まとめ
転職の失敗理由ワースト5をまとめます。
・相談しなかった
視点が狭くなっていた。
客観的な意見をくれる人が大事。
看護師仲間、相談窓口など。
・妥協した
急いで転職してしまった。
正しい判断ができるだけの情報は、最低限確保すること。
普段から情報交換できる看護師仲間を作っておく、急ぎの転職なら人材会社に情報を集めてもらうとよい。
・他を見なかった
その病院の「良さ、悪さ」が分からなかった。
病院を比較し、地域の相場、良い条件、悪い条件、自分の価値を知る。
人材会社から情報を提供してもらうとよい。
・知名度だけで選んだ
「有名だから、良い病院」だと思い込んでいた。
自分で調べて裏付けをとる。
友人、看護師仲間、人材会社などを利用して情報収集するとよい。
・年収だけで選んだ
一部の情報にしか目がいかなかった。
自分に都合の悪い情報も集めること。
その病院を辞めた人に話を聞けるとよい。
最後に・・1番の原因は?
何となくお分かりですよね。
そう。
「情報不足」です。
多くの失敗談に共通するのは「情報が足りず実際に働いてみるとイメージと違った」というシンプルな問題です。
転職の失敗を無くするには、情報収集が一番確実です。
求人票やホームページの情報だけではなく、「実際に働いている人」に「病院の内情」を聞いてみましょう。
「働いてみたら違った」をかなり無くせるはずです。
そのためには、普段からそういった情報ルートを確保しておくのが大事なのです。
日頃の付き合い。
おろそかにしていませんか?
転職は1日にしてならず!
そう。転職はもう始まっているのです・・。
おしまい
追記
「実際に働いている人」に「病院の内情」を聞けない!
ってことありますよね。
看護師仲間が少ない・・・
その病院に知り合いがいない・・・
という方は、人材会社に登録してみましょう。
彼らは日夜データ集めをしており、過去に転職支援したナースからも話を聞いてくれます。
では!
こんな記事も参考にどうぞ。
看護師が転職で失敗しないための準備マニュアル大損してた!看護師が知っておきたい残業代のこと
看護師を辞めるのはちょっと待ってください!