看護師は結婚したら辞める?続ける?結婚後のみんなの選択

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看護師のみなさん、結婚後は専業主婦になりたいですか?
それとも、仕事を続けたいですか?

どちらを選ぶにしても、得るもの、失うものがあります。

そこで今回は、「結婚したら仕事どうする?」をテーマに、続けた看護師と辞めた看護師の体験談を紹介します。

体験談からみえてくるのは未来のあなたの姿。これから結婚する看護師さんは参考にしてください。

みんなは結婚後どうした?

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「結婚を機に仕事はどうしたか?」という調査の結果です。

約6割の方が結婚後も仕事を続けています。専業主婦になる方は約4割。

働き方に違いはありますが、両立されている方が半分以上ですね。

結婚後に専業主婦になった看護師

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仕事をやめてよかった

子育てに専念出来た

S.Aさん(46歳)

専業主婦になって20数年。
看護の仕事は大好きだったけれど、正直疲れていたところもありました。
そんな流れで結婚を機に退職。
「少しだけ休みたい」っていう気持ちで家庭に入ったら、いつのまにか20年以上です。

結婚してすぐに子供が授かったこともあり、必死になって子育てに打ち込みました。
看護師の仕事と比べると、家事はそんなに大変だとは思いません。
しかし、子どもの成長を見守るというのは、看護師の仕事以上に大変でやりがいのある仕事でした。

主人が充分な生活費を家庭に入れてくれていますので、ただ私は家のことに注力できました。
子育てをしながら看護師の仕事を続ける方もいらっしゃる中で、私は贅沢だったなと思うんです。

子供が成人したので今はかなりヒマです。
看護師としてはもう役に立ちそうにないので、かねてから興味のあった趣味の時間にでもしようかと思っています。

人間的な生活が出来て幸せ

E.Rさん(26歳)

もともと仕事が嫌でしょうがなかったので、結婚を機に退職。
旦那の薦めもあって、専業主婦になりました。

専業主婦ってホントにいいですね。
看護師の仕事の大変さに比べたら、家事なんて楽過ぎて笑っちゃいます。
子どもが出来たらまた違うんでしょうけど、養ってくれてる旦那様に心から感謝です。

それに規則的な生活が出来るって、人間的でホントにいいですね。
朝起きて夜寝る。
夜勤でめちゃくちゃになってた生活からの解放。
すごく幸せです。

「落ち着いたら仕事でも」って考えたりするものなんでしょうか?
それでも、もう一度看護師として働くことは考えられません。
現役時代ただでさえ落ちこぼれみたいな扱いだったのに、ブランク明けなんて役に立たない自信しかないです。
せっかくの資格だからと言われるかもしれませんが、もしも復職するなら看護師以外の職を選ぶと思います。

仕事をやめて後悔した体験談

お金がすべてではないと言うけれど

C.Oさん(28歳)

結婚前は病棟勤務していました。
ずっと働き続けたいと思うくらいには良い職場だったし、人間関係も良好でした。
給与もそれなりに良くて、年収500万円くらいはもらえてました。

ですが、旦那の強い希望で専業主婦に。
看護師の仕事は毎日大変だったけど、看護研究をしたりして楽しさが分かってきた時期だったので泣く泣くの決断でした。

好きな人と一緒に暮らすこと。
家のことを任せてもらったこと。
結婚当時はそういうのを嬉しく思い、一生懸命やろうって思っていました。

けれど実際生活し始めてみると、金銭的な自由がないんですよね。
旦那が頑張ってくれているのは分かっていますし、お金がすべてではないと言うけれど、お金がなければ余裕のある暮らしは出来ないのは事実です。

看護師の仕事がそれだけ大変だったってことだろうけど、今は子どももいないので時間を持て余しています。
もうすぐ辞めてから1年になるので、もし看護師続けてれば500万円まるごと貯金出来たのになって考えると更にモヤモヤ…。

これまでやってきたキャリアと引き換えに手に入れたのが、こんな余裕のない毎日だと思うと残念です。
もし子どもが出来たら、カッコよく働く母親の姿を見せられたのになって、今更遅いんですけど考えてしまいます。

逃げ場所はどこにもなかった

H.Bさん(25歳)

寿退職して専業主婦になる同僚たちが心から羨ましかった。
サビ残・いじめ・カーストの地獄みたいな職場から抜け出していくには結婚しかない。
そんな風に思ってた。

そしてようやく自分の番。
旦那様は高収入。
私もついに専業主婦。
やっと解放された。
はずだった。

誰のおかげで生活出来てる?

言われてゾッとした。
旦那様の機嫌を損ねればすべてが台無しになる。
少しでも口答えしたら何倍にもなって言い返される。
気に入らないことがあれば当たり散らす。
家からは出られない。

地獄から逃げ出すために檻に入ったようなものだ。

一人の時間が長すぎてつらい

K.Gさん(30歳)

結婚して仕事辞めて専業主婦になってから3年。
子どもがいないので毎日ヒマです。

夫の帰りが遅いので、家で一人で過ごす時間が15-6時間くらいあります。
周りに知り合いのいないところへ引越してきたので、毎日孤独です。
何時間も誰とも話さないで家にこもっていたら、さすがに精神的にも肉体的にも良くない気がして、散歩したりするんですけど、ほんの一瞬の気分転換にしかなりません。
ほとんど毎日一人でいるせいか心身ともに調子が悪いです。

働くことが出来たら、少しは話しも出来るし、ストレス解消にもなるのかなと思っても、「稼ぎが気に入らないのか?」と喧嘩になったりして、どうにもなりません。
看護師をしていたころは、愚痴を言いながらも、今よりよっぽど生き生きしていた気がします。
働くことはストレスにもなるけれど、生きがいにもなります。
今は生きがいがない状態なので、正直毎日がつらいばかりです。

専業主婦になった看護師のまとめ

看護師を辞めて主婦業に専念している方々の体験談。
まず第一に専業主婦になるためには、二人での生活が成り立つ収入は必須ですので、パートナーの理解と協力が必要ですね。

くわえて、仕事を辞めてよかったと感じている人は、

  • 子育てに専念することが出来た
  • つらい看護師の仕事を辞められてよかった

という点を得るものとして挙げています。

逆に、仕事を辞めて後悔を感じている人は、

  • 大変でも働くことはやっぱり生きがいだった
  • 時間が有り余ってつらい
  • 社会との接点がなくなってしまった

という点を失ったものとして挙げています。

結婚後も仕事を続けた看護師

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仕事を続けてよかった

職場の理解があって本当にありがたい

J.Iさん(29歳)
総合病院

結婚を機に転居があったのでそれまで勤めていた病院は退職しました。
今は別の総合病院で正規雇用で働いています。

看護師の仕事は好きだしやりがい持ってやれていましたので、結婚後も働きたいと彼には伝えていました。
彼もそれに賛成してくれていましたし、子どもが出来たらまた働き方を考えようとも言ってくれていたのでありがたかったです。

ただやっぱり、以前勤めていた病院では、既婚者や子どもがいる方への風当たりが強い気がしていましたので不安はありました。
そこで、新しい職場は既婚者や子どもがいる方へのフォローがしっかりしていることを基準に選ぶことにしたんです。

今の職場は既婚者や子供ありの人の割合が多いので、何の問題もなく働けています。
私たちにはまだ子供はいませんが、保育園も完備されていて、夜勤の時に預けられるのはとても安心です。
私にとっては、家庭だけでなく働く時間も大切だと感じていますので、今の職場に出会えてホントに良かったなと思っています。

ほどよい距離感がいい

T.Yさん(35歳)
総合病院

仕事好きだし、稼ぎもあるし、もともと結婚願望もなく、むしろ結婚したくないってくらいに思ってた当時。
付き合い始めた人がとてもいい人で、たまに酷い喧嘩をすることもあるのだけれど、将来を考えようって言ってくれる人だった。
あれだけ結婚したくなかった私が結婚を選んだのは、同棲から結婚への流れだったので、これといって変化がないことに安心したからかもしれない。

お互い思いやりながら今まで通りに暮らして、予定が合う時には同じ時間を過ごす。
夫婦はいつも一緒にいなければならないって決まりはないでしょ?
帰る場所が一緒なのが夫婦。
正直、顔を突き合わせてる時間が少ないからこそ成り立つ関係なのかもしれないとも思うけど、私達にはこれが合っている。

逆に毎週土日べったりとかきっと気持ち悪い。
今はこのほどよい距離感が一番いい。

子どもが出来たらまたその時二人の一番心地よい距離を考えたい。

スピードを落としたらいろいろ楽になった

M.Aさん(35歳)
クリニック

結婚して彼のところへ引越すことになったので、それを機に退職。
引越し先で勤め先を探し、家庭との両立を考えてパートになりました。

主人は主婦業に専念してもいいと言ってくれてはいました。
ですが、せっかく取った資格ですし看護師の仕事は続けたかったので、相談の結果パート勤務に落ち着いた感じです。

給与はかなり減りましたが、責任も大幅に減って精神的にとても楽です。
病棟勤務と違って夜勤もありませんし土日休みなので、家事の時間と夫婦の時間を充分に取ることが出来ています。
勤務時間の融通が利く職場なので、とても有意義に働けています。

結婚前までは、何か焦っていたというか不安というか、仕事をしていないと落ち着かない感じがあったんです。
でも今は、スピードを落とすことでいろいろ楽になったし気持ちの余裕も出来てきたなと思ってます。

仕事を続けて後悔した

職場の受け入れ体制が出来てないとまず無理

F.Tさん(29歳)
総合病院

パートナーの理解や協力もある。
私の仕事への意欲も問題ない。
問題は職場。

ずっと仕事頑張ってきたし、結婚後も今の職場でバリバリやっていこうって思ってた。
実際はというと、病棟に既婚者がほとんどいなくてかなり気まずい。
お祝いムードなんか一瞬で冷めたし。

上からは何かと変に気を使われるし、その反動か同僚からは冷めた視線を浴びたりする。
肩身が狭い。
陰口・嫌味を言われる。
今まで以上に人間関係に気を遣う毎日。
擦り切れそう。

これまでそれなりにうまくやってきたつもりだったんだけどなぁ。
これで子供が出来たりしたら、続けていくのは無理って思う。
産休育休の制度は形だけでもあるみたいだから、それ申請したらそのままフェードアウトかな。
一生懸命やってきただけに悲しいよ。

稼ぎたいけど旦那の協力が…

W.Eさん(27歳)
総合病院

金銭面での不安もあるし、結婚前と同じように夜勤ありのフルタイムで働いています。
ただ旦那から常に不満のニオイを感じています。

結婚前の会ってない時間って結局別々。
それで相手と会ってる間だけ切り取るから、自分と同じように朝起きて夜寝てると思ってるのかな?
だから一緒に暮らしてみて、初めてリアルにどんなスケジュールで生活してるのかに気付くのかもしれない。

旦那は私が看護師なことも知ってたはずだし、シフト勤務なのも理解してくれていると思ってました。
だから結婚後も仕事続けてくれていいって言ってくれてたと思ってたのに、どうやら勘違いだったみたいです。

家事は協力してねと伝えてたつもりだけど、疲れてるからと非協力的。
夜勤明けにフラフラで帰った日曜に、昼ごはん作らないと機嫌悪い。

旦那が早く折れて専業主婦でいいって言ってくれたらいいんですけどね。
私の方が稼いでたりするし無理。

だから結婚なんかしなきゃよかったのに。

結婚後も仕事を続けた看護師のまとめ

結婚後も仕事を続けた方々の体験談。
仕事が好きで続ける方、金銭的事情で続ける方、せっかくの資格を活かしたいと考える方。

事情はそれぞれ様々ですが、仕事を続けていくためには、家事の分担などパートナーの理解と協力が必要ですね。

仕事を続けてよかったと感じている人は、

  • 働くことは生きがい(職場の理解が大前提)
  • お互いを尊重しあって生活出来る
  • 金銭的な不安が少ない

という点を得るものとして挙げています。

逆に、仕事を続けて後悔を感じている人は、

  • 既婚者ということがハンデになる(職場に理解されないとつらい)
  • すれ違いが多く、結婚したのにパートナーとの時間が取れない

という点を失ったものとして挙げています。

看護師の複雑な心情

kekkon (2)

仕事を続けるか辞めるかで悩むのには、看護師ならではの複雑な背景があります。

まず前提条件として、看護師のほとんどが「できれば辞めたい」と考えながら業務を行っていることが挙げられます。

看護職員を対象とした調査では、全体の8割もの看護師が「できるなら辞めたい」と考えているようです。

看護師が辞めたいと考える原因として、

  • 交代勤務が辛いと感じている。
  • 人間関係がとにかくややこしくてめんどくさい。
  • 業務内容がきつく体力的にきつい。
  • つねに責任やプレッシャーを感じる環境がつらい。

といったものがあります。

ただ、職場の人員や契約の都合や責任・金銭的な理由から簡単に辞められない人が多いのも事実です。

その中で、「結婚」は仕事を辞める理由としてもっとも自然で角の立たない理由の一つでもあります。
ですので、結婚のタイミングで辞めることが出来ることを、ホッとした気持ちで受け入れる方は意外と多いのではないでしょうか?

また、「寿退職」という行為は、「つらい現状にいる仲間たちから自分だけしあわせになって抜け出す」という優越感にも繋がっているように思われます。

ですが、仕事を辞めたいという気持ちのその一方で、「これまでのキャリアを捨てたくない」という気持ちもあります。
看護師の日々の仕事はもちろん、看護師の免許を取るためにも、ものすごい労力をかけてきました。

何と言っても、看護師の免許は国家資格ですし、現場で看護師として積み重ねてきた経験は特殊な技術ばかり。
たくさんのことを我慢して、つらい業務や人間関係に耐えて培ってきたキャリアを失ってしまうのは、すごくもったいないと考えるのは当然です。

看護師の仕事には、

  • 一度離れると復帰が難しい。
  • せっかく取った資格。
  • 経験してきた知識や技術がもったいない。

という性質もありますので、辞めることを受け入れ難くしているブレーキにもなっている気がします。

更に、看護師の「辞めたい気持ち」と「辞めたくない気持ち」を揺さぶっているのが「看護師は稼げる資格」であることです。

看護師を辞めずに続ければ、

  • 下手したら旦那より稼げる経済力がある。
  • 更なるキャリアを積んで収入を増やすことが出来る。

といったメリットがあります。

ですが、結婚を機にいったん仕事を辞めても、

  • 働く場所や働き方はとにかくたくさんある中から選べる。
  • パートでも一般職と比べたら時給がずっといい。

というメリットがあります。

看護師のみなさんが、結婚後の仕事について悩む理由は、「看護師という職の強さから来る、選択肢の多さ」が原因かもしれませんね。

まとめ

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いかがでしたでしょうか?

仕事を辞める方、辞めない方、それぞれ得るもの、失うものについて見てきました。

看護師を辞めて主婦業に専念するのが向いているのは、

  • 子育てに専念したい。
  • 看護師のキャリアに未練がない。
  • パートナーや家族との時間をたくさん作りたい。
  • 一人の時間を自ら活用する力がある。
  • 働く以外に社会との接点がある。
  • パートナーに十分な収入がある。

といったタイプの方です。

逆に、仕事を続ける方が向いているのは、

  • 働くことが生きがいと感じている方。
  • 職場が既婚者として働くことを理解してくれている。
  • パートナーが家事などの協力をしてくれる。
  • すれ違いの時間を許容出来るパートナーである。

という条件を満たした方かなと思います。

どちらにしても大切なのは、将来を共にするパートナーとの意思疎通ですね。
お互いが納得出来る生き方を模索していくのも、結婚後の二人の大切な仕事です。

相手の考えを聞き、自分の考えを伝え、結婚後の働き方や家事の分担などを一緒に考えておくことで、「こんなはずじゃなかった」が防げますよ。

こんな記事も参考にどうぞ。

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