病院見学を考えている看護師の皆さん、こんにちは!
メディカル調査員の中根です。
病院見学、何の準備もせずに行くつもりですか?!
準備なしでは入職後に役に立つ有益な情報はゲットできませんよ!
ただ見るのではなく、ポイントを押さえて病院見学をすることで欲しい情報は手に入ります。
今回は、「病院見学で使える便利なチェックリスト」と、その活用法をお教えします!
病院見学のチェックリスト
病院見学では、確実にポイント押さえてきましょう!
病院見学をチェックする項目は以下の6つです。
- 周辺環境
- 設備
- 衛生面
- 患者
- ナースステーション
- 看護師・スタッフ
それぞれについて細かく見ていきましょう。
周辺環境
- 通勤にどのくらいかかるか?
- 通勤路に危ない場所はないか?
- 通勤手段は何になるか?
- 託児所の送り迎えは大丈夫か?
通勤で使う交通手段や、ドアツードアの時間の確認はしておきましょう。
通勤で疲れ切ってしまうような交通手段や時間では、せっかく入職しても実力が発揮できません。
加えて、夜勤帯の時間の通勤路に危ない場所がないかも確認しましょう。
街灯がない道や、人通りが少ない道を歩かなくてもいい通勤路を確保しておくのが大切です。
お子さんを考えている場合や、お子さんがいる場合は、託児所が近いかや送り迎えに問題がないかの確認も大切です。
既婚者やママさんナースがどれくらい働いているかについても併せて質問したいですね。
設備
- 整理整頓されているか?
- 清掃は行き届いているか?
- 院内の照明は充分な明るさか?
- 院内の動線に問題はないか?
- 電子カルテ運用のためのパソコンは足りているか?
- 休憩室はちゃんと休憩出来るスペースか?
- 院内の掲示板は更新されているか?
- 売店の品揃えに問題はないか?
整理整頓と清掃は基本ですね。
パッと見綺麗でも、ちょっと奥や隙間に汚れがあるような病院は、人手不足や気遣いの足りなさを抱えている可能性があります。
壁やソファーが汚れていたり、破損したままになっている場合も危険です。
職員の心や身体も汚れっぱなしで壊れっぱなしにしているような病院かもしれません。
照明が明るくても、どんよりと淀んでいるように感じるような病院も危険です。
せっかく治療に来たのに気分が落ち込んでしまうような病院では、患者さんにも良くないんじゃないでしょうか?
電子カルテ希望者はどのような運用になっているかも確認すると良いです。
最初から電子カルテで運用している病院であれば、無線LANが用意されているところがほとんど。
ですが、紙から電子カルテに変えた病院は、LANケーブルが必要な場合があり、パソコンが使える場所が限られてしまいます。
また、パソコンの台数が足りていない病院では、入力の順番待ちやまとめての作業になったりと、作業効率が悪い事も考えられます。
休憩室が名前ばかりでただの物置ということもよくあると聞きます。ちゃんと休める環境は必要です。
また、「ロッカーが二人共同で、もう一人の使用者が大量の荷物を入れているせいで、自分のものが入らなかった」といった話もありますので、事前に確認しておきましょう。
衛生面
- 気になるニオイはしないか?
- リネン庫、患者用トイレ、休憩室、汚物室は衛生的か?
- ディスポ製品の使い回しはないか?
- 清掃は行き届いているか?
- 器具の滅菌処理に問題はないか?
ニオイが酷い病院は、安全対策に無頓着で労働衛生を考慮していない職場です。
見学の短時間で違和感を感じるほどのニオイは、そこでこれから働くことになったら死活問題になりますよ?
汚物室が綺麗に清掃されていることはもちろんですが、トイレは特に病院のすべてが現れると言われています。
奥まったところたまっているホコリは「見えない不平不満」、場違いに飾られている造花は「中身のない虚飾」。
トイレットペーパーが薄いのは「経営状態がよくない職場」、カビが生えていたりドアノブが汚れているのは「人間関係が良くない職場」ですので、よくチェックしてみてください。
患者
- 患者の様子はどうか?
- 患者と接するスタッフの受け答えの様子はどうか?
- 重症患者の割合はどの程度か?
見学の際に病室に入ることは基本的に出来ないため、出来たとしても廊下からそっと覗くくらいでしょう。
見ることは出来なくても、経管の数から推測することも出来ますので、ナースステーションでチェックするのが良いですね。
ナースステーション
- 整理整頓されているか?
- 清掃は行き届いているか?
- 看護師がいるか?
- 雰囲気はどうか?
- 薬の管理はどうなっているか?
- 経管の数はどれくらいか?
- シフト表と当番表は見せてもらえるか?
ナースステーションには病院の内情が詰まっています。
入職した時のことを想定して、必ず見せてもらってください。
整理整頓は指示系統の現れです。
きちんと整理整頓がされているナースステーショは、指示系統がちゃんとしています。
ダンボールが床に雑然と積まれていたり、机の上に書類が散乱しているような職場では、指示系統も大雑把で混乱気味でしょう。
くわえて、パソコンの裏にホコリがたまっていたり、コードが乱雑に捌かれている職場は、こまめな掃除がされていない証拠なので確認してみてください。
そして、ナースステーションに看護師がいない病院は、とても忙しいか人手が足りていない病院です。
もちろん一時的なものである場合もありますが、ナースステーションにしばらく誰もいない状態が続く病院は少し考えた方がいいと思います。
シフト表は「休みがどれくらい取れるか」、当番表は「働くスタッフにどのくらい余裕があるか」を判断する基準になります。
個人情報保護の観点から、閲覧が難しい可能性もありますが、その場合は勤務シフトや当番の内容について質問して明確にしておくのが良いです。
看護師・スタッフ
- 笑顔で対応出来ているか?
- 疲れていないか?
- 見学者や患者の家族への態度に問題はないか?
- 午前中に夜勤明けが残っていないか?
- 看護師の指導の様子は適切か?
- 身だしなみに清潔感はあるか?
- 派手なメイクや髪色の職員はいないか?
働いている看護師の態度や行動は、そっくりそのままこれからそこで働く自分の姿を想像するのに役立ちます。
疲れ切って生気のない表情の看護師が多い職場や、慌ただしくて訪問者を無視したり目を合わせないような職場では、あなたもそうなる可能性が高いですよ。
逆に、見学中に笑顔で挨拶をしてくれる看護師が多い職場なら、勤務状況に余裕があることの現れです。
くわえて、病院の忙しさは、ナースステーションにいる看護師の数や、定時後に残っている看護師の数で判断することが出来ます。
朝10時過ぎても夜勤帯が忙しなく動いている病院はちょっとこわいですね。
あと、派手なメイク・派手な髪色の看護師がいる病院は要注意。
不特定多数の人と関わる以上、金髪やピアスのような偏見を持たれやすい容姿は避けるものです。
それを容認・黙認しているのは、特別扱いされている人がいたり、管理職に影響力がないことの現れかもしれません。
なお、メイクのあるなしに関わりなく、職員の顔色が軒並み悪いのはかなりヤバイ病院です。
チェックリストの使い方
ある程度その病院の内情が判断出来る要素を、チェック項目として挙げてきました。
これまで解説してきた項目について一覧にまとめましたので、このチェックリストを次の手順で使いましょう。
1:「チェックリストA(準備・確認用)」を使って病院見学でチェックするポイントを絞る。
以下のシートをダウンロードして、各項目を見ながら病院見学で見るべきポイントや質問を組み立てます。
※クリックすると別ウィンドウで開きます
チェックリストA(準備・確認用)
2:「チェックリストB(記入用)」を印刷して、実際に病院見学に持っていってチェックする。
以下のシートをダウンロードして印刷し、病院見学に持っていって実際にチェックする。
※クリックすると別ウィンドウで開きます
チェックリストB(記入用)
3:実際に記入した「チェックリストB」の内容を「チェックリストA」を見ながらチェックする。
二つのシートを見比べて、見学してきた内容についてチェックしましょう。
どんどん質問しよう
見るだけではわからないこと、判断できないものは直接聞いてみましょう。
チェックリストと合わせて、あらかじめ質問を用意しておくのがよいかもしれませんね。
よほどのことがない限り、しっかり答えてくれるはずです。
仕事内容
- 看護方式
- 患者さんの重症度
- 受け持ち患者数
- カルテについて
勤務条件
- 看護師の平均年齢
- 既婚率
- ママナース率
- 中途率
- 残業時間
- 離職率
- 申し送りの方法
もしも答えをはぐらかしたり、濁したりするようなことがある場合は警戒しましょう。
やましいことがない病院は何を聞いてもきちんとした答えを用意してくれますが、都合が悪い病院ほど事実を隠そうとします。
加えて、「ぶっちゃけた話」は看護部長や人事担当者よりも、現場の師長や主任に聞く方がリアルな声が聞けるはずです。
参考にしてみてくださいね。
マナー
病院見学は、あなたが病院を見ているのと同時に、病院もあなたを見ています。
見学中の態度や行動で、その後の採用がスムーズに進んだ人もいれば、逆に印象の悪さで内定を逃した人も少なくなりません。
礼儀正しい態度や行動を心がけて、病院見学に臨みましょう。
服装・髪型・メイク
- 服装はリクルートスーツ(私服はNG)
- ピアスやネックレスなどはつけない
- 靴は暗めの色のパンプス(歩く時音がしないもの)
- 黒髪もしくは茶髪でも暗めの色
- ロングの場合はうしろでまとめる
- ナチュラルメイク(すっぴんはNG)
態度・行動
- すれ違う人にはにこやかに挨拶する(大声を出す必要はない)
- 積極的に質問をする
- 勝手に動いて案内されていない場所に行かない
- 足音を立てない(騒々しくしない)
- 病院見学後、転職の意思が強い場合は、担当者へお礼状を出す
まとめ
病院見学は実際の職場が見学できます。
気になってることをスッキリさせるチャンスです。
ただ、何を見てきたらいいかわからない・・・。
そんな人はぜひ、このチェックリストを活用してください。
自分の求めている情報がゲットできますよ。
あなたの行きたい病院が見つかりますように!
⇒看護師が病院見学に行ってわかったこと 体験談12選
よくある質問
Q:どうやって申し込むの?
A:医療機関に直接連絡して申し込むのが普通です。紹介会社を利用する場合は担当のコンサルタントに連絡しましょう。日程調整を行い、当日何時に誰宛に伺えばいいかを決定します。
Q:履歴書を持ってきてと言われたんだけど・・・?
A:見学だけであれば本来履歴書は必要ありません。面接を受けるかどうか未定な場合は、やんわり断っても構いません。履歴書がなければ見学させないという病院もあるかもしれませんが、紹介会社経由で調整すれば履歴書の提出が免除されることもあります。
Q:他の病院も見学する予定って伝えてもいいの?
A:伝えても問題はないでしょう。もしその話の流れから面接を急かすような病院は、相当な人材不足かもしれません。
Q:病院見学会ってなに?
A:見学者が複数人で病院を見学するイベントのことです。
Q:仕事が休めないので平日に見学に行けないときはどうしたら良い?
A:土日に見学を行っていないところは多いです。紹介会社を利用することで可能になる場合もありますので、相談してみるといいかもしれません。
Q:採用が決まった後でも病院見学には行けますか?
A:もちろん行けます。そこで違和感を感じたら辞退を検討するのもありですが、次の転職先選びは病院見学からスタートしましょうね。
Q:見学で実際に働いている看護師と話すことは可能?
A:病院によって話せるところと話せないところがあります。あらかじめ予定の調整が必要になりますので、申込時に質問しておくか、紹介会社経由で確認するのが良いでしょう。
こんな記事も参考にどうぞ。
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