派遣で働きたい看護師の皆さんこんにちわ!
長谷部です。
最近「派遣を考えていますが、実際どうですか?」というメール相談を頂きました。
そこで今回は「初めて派遣で働く看護師」の方向けに、ノウハウをまとめてみました。
時給
時給は2000~2500円を目安に。
2000円×8時間×22日=月収35.2万円
税金、保険、諸経費を引くと、手取り31万円ほどになる。夜勤ありなら40万円を超えることも。
また最近では時給3000円を超える仕事もある。
ただし高給の求人は、看護師を釣るためのエサであることも多い。
「それは昨日決まりまして~、でも別の求人もありますので!」と、特に時給もよくない求人を紹介される。
本当に3000円以上の派遣もあるが、隠れた条件もあるため要注意。
初回の派遣先のみ、ブラック病院、僻地、危険度が高い(暴力、感染)など。
また地方だと時給は、50円~200円ほど下がる。
また准看も100円~200円下がる。
看護師といえどもそこまで時給が高いわけではない。
一般派遣より、少し高い程度。
介護士は1600円ほど。
ガッツリ稼ぎたい
夜勤専従がおすすめ。
- 深夜帯:22時~5時は25%アップ
- 残業代:8時間以上は25%アップ
※8時間以上働くときは、残業代とみなされる
例えば、時給2000円なら深夜は2500円になる。
残業代も加算されれば、時給3000円になる。
給料例)
18時~翌8時:14時間拘束
基本給:28,000円
深夜増:3,500円(22時~5時)
残業増:3,000円(6時間分)
——————
合計:
34,500円
1日で3万円以上稼げる。
週1日働けば、月収14万円とそれなりの金額になる。
ただし仮眠や休憩などは、時給が出ない病院が多い。
仮眠2時間、休憩2時間などでは、途端に稼げなくなってしまう。
しかし仮眠や休憩がない施設は、拘束時間すべてに時給が出るため、1回の給料がデカい。
仮眠がないのは、看護師が1人体制の職場に多い。
高齢者施設、老健、グループホーム、障碍者施設など。
ただし仮眠も休憩もないのに、タイムカード上は仮眠したことになっているブラックな職場もあるため要注意。
派遣会社の担当者に苦情を入れる。
対応してくれない業者もある。
今後の付き合いをしない。
福利厚生費
交通費はもらえる。
定期代で清算が多い。短期や週3ほどなら個別清算。
ただし交通費を出さない業者も多い。
月1万~2万の損になるため、しっかり出してくれる会社を選ぶこと。
残業代は正社員と違いしっかり出る。
15分単位が多い。5分単位で出してくれる優良な会社も。
ただし残業代を出さない、サビ残させる、60分単位という酷い業者も稀にある。
給料は銀行振込。
基本的に月払いだが、日払いや週払いをしてくれる会社も一部にある。
手数料はたいてい会社持ち。手数料を負担させるケチな業者もある。
保険
派遣社員でも、正社員と同等に入れる。
・社会保険
健康保険、厚生年金保険、介護保険
・労働保険
労災保険、雇用保険
ただし入れるのは3ヵ月目から(大手ならすぐに入れることも)
2ヵ月は試用期間で、長く働行ける人だけ保険に入れる、という所が多い。
零細業者は、労災のみということも。
「お金は引かれていたのに、実は保険に入ってなかった」と、さらに酷い業者もある。
シフト
シフトは派遣先によって全く異なる。
病院側の事情、スタッフの配置に影響される。
もちろんこちらの要望を伝えて交渉もできる。
正社員ではないため、多様な働き方がしやすい。
- ガッツリ稼ぐ。週6、夜勤多め、夜勤専属など。
- そこそこ稼げればいい。日勤のみ、週3、土日勤務など。
- 通勤ラッシュが嫌。10時出勤、車OK、準夜勤のみなど。
ただし希望が多いほど、派遣先は限られてくる。
また希望が通るかどうかは、担当者の交渉力によるところも大きい。
有休
派遣も有休が取れる。
条件は正社員やパートアルバイトと同じ。
- 週30時間以上、または週5日働いている。
- 半年以上働いている。
有休は、病院ではなく、派遣会社から出る。
短期で職場が変わっても、派遣会社が同じなら有休が取れる。
有休時の賃金は、派遣会社のルールによる。
そのルールは「平均賃金、通常賃金、標準報酬」など、会社ごとに細かな算出方法がある。
ただしどれであっても、1日分の給料と考えてよい。
そこから少し減ることもあるが、大幅に減るようなときは、会社との付き合いを考えた方がいい。
また有給を取れないような業者は、利用する価値はない。
大手ほどしっかり有休が完備されており、零細ほど取れない傾向がある。
稼ぎたい人は、通常の休みに有休を当てる。
または有休買取のある会社を選ぶ。
派遣会社選び
「看護師 派遣」でネット検索し、その中から選ぶ。
有名どころでは、以下の5つ。
派遣会社との付き合い方として、3つを心得ておくこと。
- 派遣会社は、当たり外れが大きい。
- 派遣会社は、沢山ある。
- 派遣会社は、取り換え可能にしておく。
つまり派遣会社の良し悪しはピンキリ。だけど色々選べる。だから複数の会社と付き合いしておけばいい。
初めて派遣をする人は、まず3つほどに登録しておく。
メイン1つ、サブ1つ、捨てるのが1つ。
これらは登録して仕事をしていく中で、相性の良い業者におのずと絞られてくる。
紹介される派遣先、会社のサポート力、福利厚生、融通の利きやすさ、担当者との相性など。
「今の会社はたまたまタイミングが良かったから使っている」というのもよくある話なので、とりあえず登録してみるのが良い。
良い派遣会社の条件
派遣会社は本当にピンキリでトラブルに悩まされる。
会社の良し悪しは、たいていは以下で決まる。
- 担当者
- 営業力(病院との力関係)
- 求人量
- 稼働中の看護師数
まず担当者は最重要。
求人の紹介、条件調整、顔合わせ、連絡や相談、問題の対応などは、この担当者に頼ることになるため、派遣生活に大きな影響がある。
約束をすぐに忘れたり、酷い病院ばかり紹介されたり、条件に合わない仕事ばかりだったり、嘘をつかれたり、ひどい担当者は本当にひどい。
担当者のスキルと相性は大事。
大手会社ほどしっかり担当者教育されているが、それでも能力差は出てくる。また相性の問題もある。肌に合わなければ担当者を変えてもらう。または会社を変える。お互い仕事上の付き合い。ドライに。
次に営業力も重要。
大手ほど営業力も強く、病院との力関係も対等になる。
力が対等になれば、無理も言われにくくなるし、問題が起これば、誠実に対処してもらいやすくなる。
次に求人量。
これも大手ほど多い。
求人が多ければ、希望する職場を選びやすい。
また仕事が途切れる可能性も低く、働きたいときに働きやすい。
稼働中の看護師数も重要。
人が多ければ、突発的な休みにも対応してもらいやすい。
自分も突発的な案件に対応するなど、お互い様を意識すること。ギブアンドテイクの精神が大事。
ただし零細業者は看護師数が少なく「体調がどんなに悪くても休めない」というトラブルも。
つまり大手ほど良い会社の確率が高い。
もちろん大手でも担当者の当たり外れはある。
絶対確実な会社はないが、安定しているのは大手となる。
仕事も担当者も待遇も平均以上。
問題が起こっても対応が早いし、安心できる。
まずは大手から利用してみる。
面接
前提として、派遣前の面接は禁止されている(労働派遣法第26条)
ただし面接のようなものがある。
「顔合わせ」「病院見学」「打ち合わせ」と称した面接が行われる。
「キャリアシート」と称した履歴書が病院に渡される。
ただ、こちらも聞きたいことが聞けてよい。
ヒアリング、簡単な質疑応答、お互いの条件合わせなど。
時間は転職の面接よりも短め。
派遣会社の担当者も同席。
こちらの味方としてフォローしてくれる。
ただし弱小業者ほど病院側に媚びを売りやすいので要注意。
例えば、
担当者「貴院とは初めてのお取引となりますので、今回はお値打ちに派遣いたします!(時給下がる)」
わたし「はぁ!ふざけんな!」
病院側「…」
こんなやり取りが本当にある(あった)
病院へ行くときは基本スーツ。
派遣会社へ行くとは普段着でもOK。
契約終了
契約期間は、派遣前に決まる。
1か月~3か月が多い。
気に入ってもらえば、延長の打診もくる。
延長時は半年や1年など長期契約の話になることも。
5年くらい同じ病院に派遣されている人もいる。
延長するしないは自分の自由。
延長交渉は、派遣会社の担当者さんを挟むこと。
病院と直接話をして「辞める辞めない、聞いてた話と違う、条件が違う」などのトラブルになる。
担当者さんの顔もたたない。
基本的に交渉事は会社を通す。
職場トラブル
・給料
職場で給料の話はタブー。
時給を教えてはいけない。
派遣の給料は、正社員を超えることもあるため「派遣のくせに…」と根をもたれることもある。
「派遣って月どのくらいになるの?」とか聞かれても、「派遣会社から口止めされてまして…」とかわす。
・ブラック病院
派遣はブラック病院に当たることも少なくない。
何かしらの問題があり、離職率が高い病院ほど、派遣に頼っているから。
無理をせず、すぐに担当者に連絡をする。
状況によっては契約の短縮もできる。
ブラックの一例
- 人間関係が悪い
- 激務
- モラル、看護観が低い
- 違法行為
- パワハラ、モラハラ
派遣を長く続けるコツは、過度な我慢をしないこと。体や心を壊してはいけない。そうなる前に次の職場へ移るのが大事。
仕事はいくらでもある。
よくあるQ&A
また正社員に戻れる?
戻れる。
看護師なら正社員の求人も山ほどある。
そのくらいどこの病院も人手不足。
また「派遣は職歴にならない…」と言われているが、それは一般職の話。
看護の世界は「経験」がものを言うため、派遣もスキルとして重視してもらえる傾向がある。
実際、色んな病院を経験するため、職場への適応力は高くなる。
派遣先の病院に就職できる?
できる。
よくある話。
気に入った病院があれば、話を持ち掛けてみる。
逆に病院側から、引き抜きされることもある。
どちらのケースも派遣会社を通して交渉する。
病院側は、派遣会社に紹介料を払い、直接雇用できるルールになっている。
ただしケチな病院側は「コッソリ内密に」と言ってくることがある。
法律違反ではないが、モラルの問題。
これを受けるかどうかはあなた次第。
転職先を派遣で探すのはあり?
あり。
よくある話。
派遣で色んな病院を見てから、転職先を探す人は結構多い。
内情が分かるから確実。
ただし最近の人材紹介所は、転職先の情報を事細かに教えてくれるため、派遣で見なくても内情がある程度分かる。
派遣のメリットは?
始めやすく、辞めやすいところ。
仕事は選びたい放題。「明日にでも来てください!」という病院ばかり。
嫌な職場ならすぐ辞めて、体力回復のために1週間休むなんてこともできる。
お金が無くなれば、派遣会社に電話をすればいい。すぐに仕事を紹介してくれる。最短3日ほどで働ける。日払い、週払いもある。
派遣会社に登録しなくても派遣はできる?
病院と直接契約すればOK。
ただし個人事業主という扱いになるため、税金や保険の手続きが毎年大変になる。
有休や福利厚生も一切ない。
そもそも契約してくれる病院を見つけるのが難しい。
コネが必要。
担当者さんが嫌な人だったら?
合わない担当さんは変えてもらう。
本部に連絡して「担当さんを変えていただきたいのですが」と相談すればOK。
担当者の当たりはよくあることなので、話は早い。
ただし零細業者は、そもそもスタッフ数が少ないため、変更不可ということもある。
派遣初心者は、大手会社を利用したほうがトラブルが起きにくい。
今は働く予定がないけど登録してもいい?
大丈夫。
派遣会社は、看護師の数を多く見せたいため、登録だけでも喜ばれる。
コチラとしても、どんな派遣先があるのかを把握しておくのは重要。必要になったときに働けばいい。
派遣会社に登録しないと見れない求人もあるため、とりあえず登録して求人を見るだけの人も多い。
派遣会社にはどのくらいの頻度で行く?
年数回。
書類をもっていったり、担当さんと情報交換したり。
毎月行っている人もいれば、全てを電話とメールと郵送で済ませて全く行かない人もいる。人それぞれで決まりはない。
単発バイトと派遣は違う?
ほぼ同じ。
契約期間が長いか、短いかだけ。
単発バイトでも毎日入れば、しっかり保険にも入れる。
ただ派遣先は若干異なる。
単発バイトは、検診、訪問入浴、イベント系など、軽めの職場が中心になる。
病棟は少ない。
病棟もあるが、長期派遣の人が急に休むときの代役か、派遣の人も嫌がる超ブラック。
やばい病院の見分け方は?
派遣仲間を作って、情報を共有するのが一番確実。
ネットの口コミは患者目線ばかりで当てにならない。
あとは担当者さんとの信頼関係。
ブラックは紹介しない、紹介するとしても最初に教えてくれる、ブラックなら時給交渉してくれるなど、誠実な担当者さんを引き当てる。
フリーペーパー掲載の派遣業者はブラック紹介率が高い。掲載条件が緩いため、ありえない高待遇をエサに人を集めている。
初心者はどの派遣会社がいい?
大手が鉄板。
大きな派遣会社のほうが、福利厚生も保証もしっかりしている。
問題が起こった時の対応も早く確実。
求人も多く、希望に合った派遣先を選びやすい。
派遣に関しては零細業者を使うメリットがほぼない。
大手会社はどこ?
有名どころでは、以下の5つ。