面接を受ける看護師の方へ
メディカル調査員の川田です。
面接官「最後に質問はありますか?」
これ聞いてもいいのかな…?
失礼じゃないかな…?
失敗しそうで怖い…
面接の逆質問は、やっぱり不安ですよね。
「質問が思い浮かばなかった…」「イキナリ給料の話をしてしまった…」などは、実際によくある失敗です。
逆質問で大切なこと
その場しのぎの質問は、相手の方にも伝わってしまうものです。
面接は、相手の方とのコミュニケーションです。
面接官の方に失礼がないよう、事前準備が大切です。
しっかりと準備ができていれば、印象が良くなり、採用に繋がったり、本音を話してくれるのが人間心理です。
また逆質問は「マナーや聞き方」も大切です。
質問を考えておき、しっかりとマナーを守り、話す順番を工夫することで、相手の方に失礼なく、好感を持ってもらえるものです。
逆質問の3大マナー
- 調べればわかる質問はNG
- 既に話した質問はNG
- イキナリお金の質問はNG
調べればわかる質問
ホームページや求人票を見ればわかる内容はNGです。
例えば「どんな診療科がありますか?」「病床数はどのくらいですか?」「病院理念は何ですか?」などは、ホームページに書かれており、「調べてないのかな…」「興味ないのかな…」と思われるため大変失礼です。
ただし、これらを深堀して質問するのはOKです。
例えば「〇〇科はどんな患者様が多いですか?」「病床の稼働率はどのくらいですか?」「貴院の〇〇という理念は業務のどんな所に反映されていますか?」などです。
既に話した質問
面接中に話した内容を質問するのはNGです。
「さっき話したのに…」「聞いてないのかな…」と悪い印象に繋がりますし、相手の方も失礼です。
イキナリお金の質問
イキナリお給料の話はNGです。
もちろん一番気になる所ではありますが、印象としてはよくありません。
まずは仕事内容の質問をして、徐々に待遇面へ行き、その流れの中でお給料の話をする。これが違和感を感じにくい自然な流れです。
さて。
ということで次は、実際の逆質問の流れを想定していきましょう。
1.仕事内容の逆質問
よくある質問例
- 配属先
- 求められる人材像
- ポジション(役割)
- 仕事内容
- 業務フロー
- チーム体制
- 使用機器
- 主な疾患
まずは仕事関係の質問から入っていきましょう。
コチラとしても気になる話ですし、面接官の方も「この人は入職後に業務をスムーズにできるだろうか?」と気にしており、ここを聞いて欲しいと思っています。
具体的な聞き方
- 〇〇科を希望していますが、大丈夫そうでしょうか?
- どのような看護師の採用をお考えですか?
- どのような役割を予定されていますか?
- 具体的な仕事内容を教えてください。
- 1日の業務の流れはどのような感じですか?
- 3年目の方はどのような業務をしていますか?
- 病棟のスタッフ数は何名ほどでしょうか?
- チーム構成はどのような感じでしょうか?
- カルテはどのように記載していますか?
- 患者様はどのような疾患の方が多いですか?
マナー
仕事内容は、「ホームページで拝見しましたが」と前振りを付けると、事前に調べてきた熱意をアピールできますし、それ以上のもっと具体的な情報が欲しいということも伝わります。
また前振りには「もし入職したら~」「もし内定を頂けたら~」と付けると、謙虚さの中に前向き感があり、面接官の方にも好印象です。
熱意がある質問は、気持ちが良いですからね。
逆に「こんな業務はできますか?」と内定前提の質問は、「もう決まったかのような言い方だな…」と面接官の方もいい気がしません。
内定の決定権は、あくまでも面接官の方が持っています。それを奪うような発言は、コミュニケーションとしてNGです。
もちろん全ての質問に「もし」を付ける必要はありません。最初のいくつかの質問に「もし」を付けておけば、内定前提ではないことが伝わるでしょう。
2.労働環境の逆質問
よくある質問例
- 教育環境
- 人間関係
- 残業
- シフト体制
- 夜勤
- 年齢層
- 勤続年数
- 中途比率
- 評価方法
仕事の次は、労働環境を聞いていきましょう。
この先の一番聞きづらいお金の質問に繋がる架け橋です。
具体例
- 中途者研修は行っていますか?
- どのような研修をされていますか?
- 中途者にもプリセプターは付いていますか?
- 配属予定先はどのような雰囲気でしょうか?
- 日常の残業時間はどのくらいですか?
- シフトは2交代ですか?3交代ですか?
- 夜勤は月何回ほどでしょうか?
- 夜勤の仮眠は取っていますか?
- スタッフの平均年齢はどのくらいですか?
- 平均的な勤続年数はどのくらいですか?
- 中途社員の比率はどの程度ですか?
- 看護師はどのように評価されていますか?
- 成果はどういった点を評価されていますか?
マナー
面接官の方は、看護部長さんが担当されるケースが多いです(稀に師長さんや人事部の方)
そのため現場の細かなことまでは知らないこともあります。
例えば人間関係や夜勤内容などは、答えるのが難しいかと思われます。
逆に教育環境や評価方法などは、部長の担当業務のため、詳しく知っているでしょう。
3.お金関係の逆質問
よくある質問例
- 給料
- 昇給
- 有休
- 手当て
- 福利厚生
さて。ここからは山場となるお金関係の質問です。
先ほどの評価方法や勤続年数からの流れでここに入ると話に無理がなくスムーズです。
具体例
- 平均年収はどのくらいですか?
- 給料モデルとなる賃金表はありますか?
- 平均的な昇給額はどのくらいですか?
- 有休の取得率はどのくらいですか?
- どのような手当てがありますか?
- 寮に入るための条件はありますか?
- 寮の使用料はどのくらいですか?
- 駐車場は通勤で利用できますか?
マナー
お金関係は生々しい質問になりがちです。
そのためなるべく直球の質問は避けていきましょう。
質問の前後に一言を添えると、表現を柔らかくできます。
例えば「もし差し支えなければ、若手の方の平均的な給料額を教えて頂きたいのですが」「私ごとで恐縮ですが、独身寮を希望しておりまして、入寮の条件などはございますでしょうか」などです。
ズバッとした質問よりも、前後にクッションワードを入れると柔らかく感じるものです。
無駄な言葉を入れると質問がぼやけてしまいますが、お互いが身構えてしまうような難しい質問には、このぼかし具合が丁度良いのです。
臨床の現場でもこういったスキルは大事ですしね。
柔らかくなる表現例
- 差支えなければ
- もしよろしければ
- 失礼ですが
- 恐れ入りますが
- 重ね重ね恐縮ですが
- 私ごとで恐縮ですが
- 勝手申し上げますが
- できましたら
- お手数をおかけしますが
また質問に理由を添えられていると、それに答えようとする人間心理が働くのでオススメです。
例えば「〇〇を希望しているのですが~」「前職では〇〇でしたが~」などです。
注意点
「私の給料はいくらですか?」という直接的な質問は避けましょう。
というのも面接の場では、具体的な給料額を決められないからです。
具体的な給料額は、面接後に人事部が決定し、後日送られてくる内定通知に記載されています。
(小規模クリニックかつ院長さんが面接官なら面接中に決定することもありますが)
そのため「私ほどの経験の場合は~」「3年目の平均額は~」と、ザックリと大枠を聞き、給料額を推測することになります。
4.締めの逆質問
よくある質問例
- 準備しておくこと
- 内定までのスケジュール
- 入職までのスケジュール
- 病院見学
最後に締めの質問をしましょう。
面接後のスケジュールが中心になるかと思います。
具体例
- 入職までに勉強しておくべきことはありますか?
- 内定の結果はいつごろ頂けますか?
- 入職時期はいつ頃をご予定ですか?
- 病院見学はできますか?
マナー
内定に関する質問は、内定前提になりがちのため、「もし内定を頂ける場合~」を付けると誤解を避けられます。
「終わりよければ全てよし」と言われるくらい、最後ほど印象に残るものです。
ここまでくると面接官の方とは、大分打ち解けているかもしれませんが、最後まで失礼がないように注意をしましょう。
まとめ
逆質問はコミュニケーションが大切です。
相手を思う気持ちは、看護のルーツでもあり、誠実さを表す物差しにもなります。
逆質問は、こちらから聞きたいことを聞く場と同時に、コミュ力を見られていると思ってください。
話の流れを読み、話しやすい空気を作っていきましょう。
とは言ってもそこまで気を貼る必要はありません。
いつも通り仕事で使っているコミュ力を使えばいいのです。
それには事前の準備が必要です。
その場しのぎの無理やり作った質問なのか、本当に聞きたい質問なのかは、雰囲気で伝わりますからね。
それじゃ!
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