看護師の志望動機まとめ 万能フレームワークと例文集

kaku

志望動機で悩んでいる看護師の方へ
メディカル調査員の川田です。

私は職業柄よく転職相談を受けますが、その中で一番多いのが履歴書の志望動機です。

志望動機はどう書けばいい?
正直に書いてもいいの?
なんだか嘘くさくなる・・・

志望動機を書くのは難しいですよね。
でも実は、型が決まっていれば簡単に作れたりします。

志望動機の万能フレームワーク

これは4つの視点から、履歴書を作成できるフレームワークです。
型(フレーム)があると、自分の考えを反映した履歴書が簡単に作れます。

このフレームワークは、外資系のヘッドハンターがよく利用していますが、個人でも使える汎用性の高いツールです。
ブレのないストーリーに仕上がるため、納得感のある志望動機が作れます。

状況を整理してみよう

それではフレームワークを使い、状況を整理してみましょう。
深く考えず、4つの項目を埋め、今の状況を吐き出すだけです。

過去 未来
仕事 ・経験
どんな経験してきた?
診療科
年数
担当業務
ポジション
担当患者さん
・発見
見つけた求人はどんな職場?
理念
看護観
診療科
仕事内容
代表的な症例
強み
教育体制
気持ち ・思い
目標は何だった?
今の目標
1年目の目標
2年目、3年目…
看護学生時代の目標
看護師になった理由
やりたいこと
興味があったこと
看護観
・希望
働いたらどうなる?(想像)
仕事内容
貢献
活躍

ここではあまり深く悩まず、頭に思い浮かんだことをサラサラっとメモ書きしましょう。
大切なのは次のストーリー作りです。

ストーリーを作ってみよう

ストーリーを作るには、4つの状況を時系列に並べるだけです。

経験:こんな経験をしてきた。
思い:その時にこう思った。
発見:そんな時に貴院を見つけた。
希望:貴院でこうなりたい。

並べるだけなので結構簡単です。
それでは次は実際の使用例を見ていきましょう。

フレームワーク使用例

まずは4つの状況を書き出します。

過去 未来
仕事 経験:
放射線科病棟で3年目
プリセプター
手術の切除が難しい患者さんを担当
膵癌や肝細胞癌など
抗癌剤動脈内注入、全身化学療法
胆管閉塞のドレナージなど
発見:
がんセンターの緩和ケア病棟
身体的、身体的症状の緩和が目標
患者さんの意志、価値観、理念を尊重
患者さんの生活を重視
住み慣れた自宅へ戻れるよう、地域と連携
気持ち 思い:
患者さんが苦しむ姿が辛い
少しでも楽になってもらえたら
緩和ケアに興味
今の職場は緩和ケア少ない
もっと専門的な知識を学びたい
希望:
患者さんの思いを大切にしたい
病状をしっかり説明できるようになりたい
患者さんやご家族と一緒に考えられるように
最後まで支援したい

次に上記の4つの状況から、一部を抜粋します。

【経験:こんな経験をしてきた】
放射線科病棟で3年働いた。癌患者さんを担当した。

【思い:その時にこう思った】
患者さんを少しでも楽に。緩和ケアに興味。

【発見:そんな時に貴院を見つけた】
患者さんの生活を重視。住み慣れた自宅へ戻れるよう、地域と連携

【希望:貴院でこうなりたい】
患者さんやご家族と一緒に。最後まで支援したい。

実際に書き出してストーリーを作ります。

【志望動機】
私は新卒から3年間、放射線科病棟で働き、癌を患った患者さんを担当してきました。
その中で、患者さんの苦しみを和らげ、患者さんらしく生きる支援をしていきたいと強く思いました。
そんな時に貴院のホームページを見て「住み慣れた自宅へ戻れるよう支援」という理念に感銘し、応募させていただきました。
患者さんを最後まで支援し、一緒に考えられるような看護師になり、患者さん、ご家族、病院、地域のお役に立てるよう努力いたします。

ここでは書ききれないアピールポイント(プリセプター経験、担当業務など)は、履歴書の経歴欄に書きましょう。

参考:履歴書の書き方まとめ

これだけで志望動機は作れてしまいます。
そのくらい簡単に作れるのが、このフレームワークの良い所です。

さらに良くする3つのポイント

志望動機はフレームワークで簡単に作れますが、もっと見栄えを良くしたいこともあります。

そこで重要になるのが「病院側が求める看護師像」です。

その答えは「貢献してくれる人」です。
これを伝えるには、3つのポイントを志望動機に盛り込みましょう。

  • やる気
  • 人の役に立ちたい
  • 長く勤めたい

やる気があって、誰かの役に立ちたくて、長く勤めたいと思っている。
こんな応募者は、病院側にとって理想の存在です。

でも理想ではあるのですが、これを書くのはそう難しくありません。
というのも、これら3つは人間なら誰もが持っている欲求だからです。
そんな自分の思いをフレームワークに盛り込んでいけばいいのです。

要注意なNGワード

「貴院で〇〇を勉強したいです。」

これはキャリアアップの志望動機でよく使われますが、このままだとNGワードです。

採用側から見れば「なんで給料払うのに、勉強させてあげなきゃいけないの?」「ここは職場であって学校ではない」「自分勝手すぎる」という感情が少なからずあるからです。面接官が経営層に近い人ほど、この感情を持つと言われています。

そのためキャリアップの志望動機は「それを学び、どう貢献できるか」をアピールしましょう。
例えば「貴院で〇〇を学び、患者様のお役に~」「高度な〇〇を習得し、より良いチームケアを実践~」などです。

仕事を通して成長するのは、看護師にとって必須です。
でもそれを前面に出しすぎると、面接官に悪い印象となるため注意をしましょう。

さて。
そこで次は、色んな志望動機を集めてみました。これらを参考に志望動機を書けば、筆が進みやすくなりますよ。

みんなの志望動機

未経験の診療科の志望動機

未経験の診療科への転職は、これまでの経験はもちろん、意欲やビジョンも前面に押し出しましょう。

【例】

外科病棟で5年間勤務してきました。
リーダー業務や後輩の指導も任せられるようになり、自身でも新しい分野に挑戦したいという意欲が芽生え始めました。
看護スキルの更なる向上を考えていたところ、貴院の救急外来看護師の募集を拝見しました。
救急医療については、学生時代からずっと興味があった分野です。
これまでの経験を活かしながら、挑戦することが出来ればと思い、貴院を志望しました。

【例】

新卒から4年間、○○病院の内科病棟で働いてきました。
小児科で働くことは学生時代からの私の夢です。
様々な患者さんと触れ合う中で、あらためて小児科の重要性を感じるようになりました。
もともと子どもが好きで、貴院の地域に根ざした小児医療という方針に共感しましたので、今回応募させていただきました。
未経験ではありますが、内科病棟での経験を充分に活かして、小児看護を修得したいと考えております。

スキルアップの志望動機

経験のある診療科への転職は、スキルや経験を前面に出しつつ、何故この診療科を選んだのかをアピールします。

【例】

看護学校を卒業して3年間、慢性期病棟にて看護業務を経験し、その後看護スキルの幅を広げるために急性期病棟で4年働きました。
急性期病棟を経験することで、自身の看護スキルもだいぶ高まったと思います。
ですが、自分自身の中には、患者様と時間をかけて向き合いたいという気持ちが強いことに気付き、もう一度慢性期病棟で働きたいと思い転職を決意しました。
地域密着型の医療を掲げる貴院で、これまでのスキルを活かすことが出来ればと思い応募いたしました。

施設別

shisetsu

急性期の志望動機

急性期への転職は、「自身の成長」「幅広い症例への対応」といった、スキルアップを中心とした内容でまとめると効果的です。

【例】

患者様に寄り添う看護を実践するべく、学校卒業後5年間○○病院の慢性期病棟で数多くの患者様と向き合ってきましたが、最近自分にはまだまだ看護スキルが足りないことを実感しております。
そんな時、貴院の求人を拝見し、急性期の現場で様々な症例を学ぶことは、自分を磨くことが出来るチャンスではないかと感じました。
慢性期の看護スキルを活かしながら、今まで以上に幅広い分野での看護に関わりたいと考え、貴院を志望させていただきました。

慢性期の志望動機

慢性期への転職は、「じっくり向き合う看護」「患者さんに寄り添う」といった、患者さん主体の内容でまとめるのが良いです。

【例】

急性期病棟で6年の勤務経験があり、看護師として様々なスキルを身に着けたと思っています。
ですが、これまでの経験の中では、患者様と時間をかけて向き合うことはあまり出来ないで来てしまった気がしています。
そこで、「患者様主体の医療」を理念とされている貴院にて、じっくり患者様一人一人と向き合う看護が実践出来ればと考え、応募いたしました。

訪問看護の志望動機

訪問看護への転職は、「高齢者看護」「在宅医療への興味」といった部分を中心に、スキルや経験が充分にあることをアピールしつつまとめると良いです。

【例】

これまで総合病院やクリニックにて、ご高齢の方に関わる看護に密に携わってきました。
そうした経験の中で、自宅で自分らしい生活が送れるようなサポートを行う在宅医療に興味を持ちました。
貴施設は、利用者様・ご家族に寄り添ったケアを掲げられており、他職種との連携にも注力されているところに魅力を感じましたので、今回応募させていただきました。
病棟での経験がどこまで役に立つか分かりませんが、貴施設に充分貢献出来るよう努力したいと思います。

介護施設の志望動機

介護施設への転職は、「高齢者看護」「ターミナルケアへの興味」といった部分を中心に、応募先の理念や方針について書くのが良いでしょう。

【例】

看護学校卒業後、○○総合病院の緩和ケア病棟で5年間勤務してまいりました。
ターミナルケアの大切さを実感し、より深い知識や看護スキルを身に着けたいと考え転職を決意しました。
貴施設では、利用者様とご家族に寄り添う体制を整え、手厚いケアを実践されている点に魅力を感じております。
即戦力としてお役に立てると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

デイサービスの志望動機

デイサービスへの転職は、「高齢者看護」「利用者との積極的な関わり」といった部分を中心に、意欲的な姿勢をアピールします。

【例】

○○総合病院の慢性期病棟で働いており、今年で4年になります。
日々高齢者の方々と接する中で、もっと老年看護を学びたいと思うようになりました。。
利用者様と積極的に関わり、信頼関係を築きながら長期的な看護を実践出来る貴施設で、私のこれまでの経験を活かすことが出来ればと思っています。
高齢者が生き生きと暮らすことが出来る環境の実現に、少しでも貢献出来ればと思います。

クリニックの志望動機

クリニックへの転職は、「即戦力」「地域に根ざした医療」といった点を強調し、自ら学ぶ姿勢をアピールします。

【例】

私が看護師になろうと思ったきっかけは、「地域の人たちの役に立ちたい」という思いです。
貴院の求人を拝見し、「地域医療に貢献する 」という理念に共感いたしましたので、今回応募させていただきました。
新卒から急性期の外科病棟で5年の経験を積みましたので、即戦力としてお役に立てると思います。
まだまだ足りないスキルについては、自主的に学習して身につけたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

目的別

ganbaru

スキルアップのための志望動機

スキルアップの転職は、やる気や学ぶ姿勢を前面に押し出し、将来の目標について書くのが良いです。

【例】

現在は急性期の外科病棟に勤務しております。
日々様々な疾患に向き合う中で、自身の更なる看護スキルの向上を意識するようになりました。
今回貴院の求人に応募させていただいたのは、最先端の医療と患者様主体の医療を実践されている貴院でなら、より幅広く深い看護スキルを学ぶことが出来ると感じたからです。
ゆくゆくは貴院の取り組んでおられる、救急医療の分野でも貢献出来ればと考えています。
まずは、1日も早く貢献できるように努力しますので、何卒よろしくお願いいたします。

夜勤専従の志望動機

夜勤専従の転職は、長く続けられることと夜勤が得意なことを前面に押し出し、家庭の事情などを織り交ぜるのが良いでしょう。

【例】

 
総合病院で3年間病棟勤務をしてきました。
常勤として勤務していましたが、その中で夜勤に一番やりがいを感じたことと、家族との時間を大切にしたいという思いから、今回貴院での求人に応募いたしました。
看護師としてのやりがいは、緊張感と臨機応変な対応だと考えており、その中でも夜勤はそれが顕著だと感じているため、夜勤専従での働き方は私に合っていると思っています。
採用いただけましたら、体調管理をしっかりしながら長く勤めたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

属性別

hahako

経験が浅い看護師の志望動機

経験が浅い看護師の転職は、スキルや経験がアピール出来ない分、熱意や学ぶ意欲・将来のビジョンを出していきましょう。

【例】

患者様の気持ちに寄り添うことが出来る看護師を目指して勉強を続けています。
貴院は地域の人々に寄り添う医療を掲げていらっしゃいますので、大変興味を持ちました。
経験が浅いので、まだまだたくさんのスキルを学ぶ必要はありますが、貴院で長く貢献出来るよう、幅広い分野での知識の修得を心がけたいと思っていますので、何卒よろしくお願いいたします。

ベテラン看護師の志望動機

経験が豊富なベテラン看護師の転職は、スキルと経験をアピールしつつ、柔軟性を強調すると良いでしょう。

【例】

○○病院の内科病棟に10年勤務し、ここ数年はチームリーダーとして業務に携わってきました。
看護師の経験もベテランと言われる年数になりましたが、何事も常に謙虚に学ぶ姿勢で向き合っていたいと考えています。
患者様から「ありがとう」の言葉をいただくことが、私が看護師を続ける上でのやりがいです。
即戦力を希望されている貴院での業務の中でも、たくさんの「ありがとう」をいただけるよう、努力したいと思っています。

転職回数が多い人の志望動機

転職回数が多い看護師の転職は、経験と意欲をアピールしつつ、適応力を強調すると良いでしょう。

【例】

4つの病院に勤務し、様々な科の病棟で看護を行ってきました。
ゼネラリストとしてスキルアップしていくことを目標としており、比較的どんな業務にも慣れるのは早いです。
幅広い医療体制と患者様主体の医療を実践する貴院で、更なる看護スキルの修得を目指したいと考えています。
これまでに得た知識や技術を活用して、貴院のお役に立つことが出来ればと思い志望いたしました。

准看護師の志望動機

准看護師の転職は、意欲ややる気をベースに、経験やスキルをアピールしましょう。

【例】

○○総合病院の急性期病棟で8年間勤務いたしました。
貴院の求人を拝見し、私自身の急性期の現場での経験を役立てることが出来ればと思い応募いたしました。
これまでの経験を活かしながら、貴院の理念である「患者様に寄り添う看護」を実践出来ればと思います。
通信教育での正看護師取得に向けての勉強もしておりますので、免許取得後も続けて働き続けられればと考えております。

既婚者の志望動機

既婚者の転職は、経験と家族との関係をアピールしながら、意欲や働き方でまとめてみましょう。

【例】

総合病院の内科病棟で5年目になります。
結婚を機に、家族との時間の大切さに気付きました。
これまでのようながむしゃらな働き方ではなく、今後は体調をセーブしながらの勤務を考えています。
貴院が掲げる「仕事と家庭とのバランス」は、私にとっても切実な課題です。
夫は私が看護師を続けることには賛成・協力してくれていますので、夜勤や残業等についても出来る限り貴院に貢献出来るように働こうと考えています。

ブランクがある人の志望動機

ブランクがある人の転職は、復職とブランクの理由をベースに、やる気と働き方をアピールしましょう。

【例】

出産と育児のためブランクがありますが、子供が大きくなったので看護師として復帰したいと考えております。
出産と育児を経て、小児医療の大切さにあらためて気付くと同時に、私も貢献出来ればと考えるようになりました。
貴院は小児医療に注力されており、教育体制や研修が充実しており、復職の実績も多いと伺っております。
一から出直すつもりで精一杯努力しますので、何卒よろしくお願いいたします。

ママ看護師の志望動機

ママ看護師の転職は、経験と家族の状況を書き、ブランクは努力でカバーする点をアピールしましょう。

【例】

私は以前、急性期病棟で3年、整形外科クリニックで2年働きました。
その中で、看護の仕事が楽しいと感じ、子育てがひと段落したらまた復職したいと考えていました。
そんな時に、貴院の求人で「子育てママさん歓迎」という募集に勇気を頂き、応募させていただきました。
看護師5年間の経験を精一杯活かし、貴院に長く貢献出来るよう努力したいと考えています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
履歴書の志望動機で悩んだら、自分の状況に合う例文を見て参考にしてください。

あなたの誠実さを志望動機に表し、内定を勝ち取りましょう!

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