今回のご相談メール
相談者 Sさん
24歳看護師
初めて転職をする予定です。
そこで3つ教えてください。
・入職時期は、一般的に何か月先?
・退職願いは、いつ頃出せばいいの?
・面接は、いつ頃入れたらいい?
初めての転職でイメージができず、なかなか動き出せません・・。
よろしくお願いいたします。
回答
こんにちわ!山本です。
初めての転職は、なにかと不安ですよね…。
でもご安心ください。実は私これまで5回も転職をしており、さらに今は人事も兼務しているため、ある意味転職のプロです!
この経験を生かして全力でお答えしましょう!
一般的な転職スケジュール表
転職期間は3ヵ月を見ておきましょう。
「ちょっと長すぎでは…?」
たしかに一般職の転職期間は、1ヵ月~2か月ほどです。
しかし看護師の場合は、余裕を見て3ヵ月が定番です。
病院はどこも人手不足ですからね。
早すぎる退職は、周りに迷惑もかかりますし、反発も大きくなりがちです。
円満退職のためには無理をせずに、まずは転職の準備からスタートしましょう↓
ステップ1.転職の準備

3つのポイントを押さえておきましょう。
・自己分析
・求人チェック
・退職相談

自己分析
転職理由を明確にする
まず最初に自分が転職したい理由を明確にしましょう。
ここがしっかり定まっていないと、退職の引き止めに応じてしまったり、転職先選びでブレたり、面接でうまくいかない原因になってしまいます。
自分は転職で何を実現したいか?
この目標を明確にすることで、転職の失敗を減らすことができます。
スキルや経験の棚卸し
次は、今までの経験やスキルを書き出してみましょう。
- どんな知識やスキルがあるのか
- どんな努力をしてきたか
- どんな役割を果たしてきたか
文字に起こすことで、自分自身の現在の状態を把握出来ます。その上で、今後の自分が希望する方向性について考えてみましょう。
そうすれば、今の自分に足りていないもの、目指したいものが見えてきます。
求人チェック
自己分析がある程度できたら、次は求人をチェックします。
この時点では、以下の3点をチェックしましょう。
- 自分の希望に合う病院がありそうか?
- 自分のスキルでやってけそうか?
- 給料などの相場はどのくらいか?
まずは軽く眺める程度で大丈夫です。
自分の希望するような病院があるのか、ないのか?
まずはこれを見極めましょう。
気持ちが急くと「いい求人が全然ないのに、退職だけが決まってしまった」という失敗になりがちです。
職場に退職の意志を伝える前に、求人をチェックしておきましょう。
退職の意思表示
自己分析ができ、良さそうな病院が見つかりそうなら、次は退職の意思表示です。
一般的な流れとしては、まず師長へ口頭で退職の意思を伝えましょう。
無事に了承を貰えれば、退職日も相談しておきます。
その後、退職日を記載した退職願を書き、提出します。
これで転職に向けての第一段階はクリアです。
職務規定もチェックしておこう
職務規定には、「退職」についてのルールが書かれています。
師長に相談する前に一度チェックしておきましょう。
特に退職日のルールは要チェックです。
「退職願いは〇ヵ月前までに」と、書かれているからです。
この期間は、病院ごとに違うので注意しましょう。
例えば、規定の中で「3ヶ月前」とされているのに、1ヶ月前に申し出てはトラブルになります。
ただ実際には、病院側がルールを破ることもしばしばあります。
「人がいない」「シフトがきつい」「代わりの人が来るまで」と、ずいぶん先の退職日を打診されたりします。
それに従うかどうかはケースバイケースです。
できることなら職場の要請に応じたい所ですが、職務規定に合わせた退職日にするのが一般的です。
ステップ2.転職活動

・応募
・履歴書作成
・面接準備
・面接
・内定承諾

応募
応募先の選定
自己分析の結果をもとに、求人情報を集めましょう。
- ハローワーク
- 看護協会
- 求人誌
- コネ
- 合同説明会
- 求人サイト
- 人材紹介
今でもハローワークはよく利用されています。最近ではスマホで求人検索も主流になりつつあります。ただどちらもメリット、デメリットがあるため、自分に合ったものを利用しましょう。
参考:看護師求人が探せる場所のまとめ
またすべて希望通りの求人は難しいです。
そのため「残業なしが第一。給料は少し低くてもOK」など、希望条件に優先順位をつけておきましょう。
さらに条件が良い人気の病院やクリニックでは、倍率が10倍を超える場合もあります。
選考に漏れることも考えて、どこで働いても納得がいくような求人を2-3件ピックアップしておきましょう。
複数の病院へ応募
内定の時期がバラバラだと、内定辞退のタイミングが難しくなります。
同じ時期に内定が出るよう、なるべく同時平行して進めるのが一般的です。
ただ、日程調整で忙しくなる可能性もありますので、毎日の勤務に支障がでないよう気をつけてください。
逆に1つの病院絞る方は、不採用にも注意が必要です。
不採用になれば、また同じ期間をかけて応募から内定となるため、入職時期が遠くなってしまい「予想以上に長引いた…」というケースも多いからです。
面接が進んだ段階での不採用は、時間的にも手痛いものです。
求人は1つに絞らず、できれば2つほど同時並行に進めるのがオススメです。
履歴書作成
良い求人があれば、次は履歴書の作成です。
自己分析の結果をもとに作成しましょう。
転職先で自分がどう役に立てるか、どんな目標をもって働きたいと考えているかをアピールします。
なお、履歴書は手書きで書きましょう。
手書きの文字には「丁寧さ」や「思いやり」といったものを感じさせます。
たとえ手書きの文字に自信がなくても、丁寧に書かれた文字は見れば分かります。
かなりの手間はかかりますが、手書きで人柄をアピールしましょう。
また病院によっては職務経歴書が必要になります。
履歴書と違って特定の形式がないため、見やすさを重視して独自にPCで作成し、プリントアウトしても大丈夫です。
特定のフォーマットが指示されている場合は、それに従いましょう。
面接準備
書類選考の期間は、応募してからだいたい一週間です。
その間に面接の準備をしておきましょう。
- 病院ホームページ
- 交通機関
- 履歴書
- 持ち物
- 服装
- 質問の受け答え
まず病院ホームページをチェックしましょう。
面接中に「ホームページはご覧になりましたか?」とか聞かれることもあり「いえ…見てません」と答えるのはマナー違反です。
病院の方針や理念など、一通り目を通しておいてください。
また質問の受け答えも用意しておきましょう。
これまでの経験、志望動機などは必ず聞かれます。自己分析をベースに、答えイメージしておきましょう。
参考:絶対聞かれる看護師の面接質問集
面接
基本的に面接は1回です。
病院によっては、二回以上行うケースもありますが少数です。
結果の連絡は、面接から1週間前後です。
できれば、退職日の1ヵ月前までに内定が出るよう調整しましょう。
参考:看護師のための面接まとめ
内定承諾
無事に内定が出ても、焦りは禁物です。
まずは雇用条件を確認しましょう。
入職後に「面接で聞いていた内容と違う」というトラブルが多々あるからです。
具体的な雇用条件は「配属先、給与や勤務時間、業務内容」など、内定時に提示されるためしっかりチェックしましょう。
この雇用条件は、内定後に郵送で送られてきます。
病院によっては「口頭だけ」というケースもあるため、「言った言わない」のトラブルもありますので、極力書面でもらうことが後々の問題防止につながります。
雇用条件に問題がなければ、内定承諾の連絡をしましょう。
一般的には、連絡から1週間以内がマナーです。
その後、病院側と契約書のやりとりをして、正式な入職日が決定します。
ステップ3.退職

・引継ぎ
・退職続き
・最終日

引継ぎ
引継ぎは、師長や主任とスケジュールを調整しましょう。
一般的には、退職の1ヵ月前から行っていきます。
退職日の1-2週間くらい前までに終わるようスケジューリングすると、余裕のあるスムーズな退職ができます。
残りの期間は、今まで通り働くケースが多いようです。有休が余っていれば消化したいですが、職場の人員次第となるでしょう。
有休消化しきれなければ、有休の買取制度がないかを確認しましょう。
引継ぎ内容は、紙にリスト化しておくと、退職後に抜けや漏れについて聞かれる心配が減ります。
また後任者の方にとっても、後から確認出るためありがたいものです。
退職続き
退職の3日ほど前からは、退職手続きをしていきましょう。
退職するにあたって、職場に「返却する物」「受け取る物」があります。
- 返却:ネームプレート・ロッカーや机等のカギ類・健康保険証・ユニフォーム
- 受取:年金手帳・雇用保険被保険者証・離職票・源泉徴収票
細かな内容は、病院側からの指示を待ちましょう。
ただし「離職票をもらい忘れた…」というようなミスも起こるため、「何を返して、何を貰うのか」は、把握しておいてください。
最終日
退職日には必ず、お世話になった方々への挨拶を忘れずに。その際には菓子折りを用意しましょう。
用意するお菓子の目安は、
- 人数分ある
- 個包装になっている
- 好き嫌いがすくないもの
です。
誰か退職される時のお菓子がどんなものかを日頃からチェックしておくのがいいかもしれません。百貨店のお菓子売り場に並んでいるものであれば間違いはないでしょう。
なお退職の挨拶は、直属の上司や同僚だけでなく、看護部長や医師への挨拶も必ず行いましょう。狭い業界ですので、余計なトラブルを回避するためにも、礼儀正しく退職したいものです。
ゴール:入職
入職準備
転職先で必要になる、勉強や物品を確認して揃えておきましょう。
勉強内容は面接時に、物品は内定時に確認してください。
また病院によっては、健康診断が必要になります。健康診断を受診させてくれる職場もあるため、あわせて確認し、入職日前に結果を受け取れるようにしておきましょう。
入職
無事に準備ができたら、新しい職場での仕事が始まります。
これで転職活動は無事に終了です。おつかれさまでした。
新しい職場に早く慣れるよう頑張りましょう。
みんなの転職期間アンケート
転職を決めた看護師は、どのくらいの期間で転職活動を行っているんでしょうか?
看護師の転職活動期間は、一般職より長めの傾向にあります。
それには看護師の職場特有の要素が関係していると考えられます。
- 慢性的な人手不足から、引き留めにあいやすい
- 病院都合の退職時期の打診がある
- 職務規定で「退職は3ヶ月前までに申し出る」とされている病院が多い
そこで転職活動期間について、看護師の声を集めてみました。
- 我慢の限界で勢いで退職。新しいとこ二週間で決めて入職しましたが、想像以上の酷さで半年で辞めてしまいました。後先考えてない行動はダメですね。(内科→皮膚科 24歳)
- 職務規定で三ヶ月前までに申し出るよう書かれていたのでそのとおりに。文字通り円満退職で、転職先は辞める一ヶ月前には決まっていました。(内科→小児科 26歳)
- 先に転職先を決めてから一ヶ月前に退職届を出したところ病院と大揉め。有給を盾になんとか退職しましたが後味は悪かったです…。ちゃんと職務規定通り(二ヶ月前)に言っとけば良かった。(内科→循環器内科 27歳)
- 次々と先輩たちが辞めていく状況が不安で転職を決意。でも退職を相談すると、師長に散々ゴネられて延ばされて提示されたのは一年後…。あまりに遠すぎて転職のエネルギーを失いそうでした。(外科→脳神経外科 25歳)
1ヵ月転職のスケジュール
今の職場に不満がある人は、少しでも早く転職したくなるものです。
そこですぐに転職したい人向けのスケジュールを見ていきましょう。
転職期間:1ヵ月
よくある状況:不満が大きい、未練なし、体調不良、緊急退避
1ヵ月転職のメリット
- 精神的に楽
- 退職を伝えてからの微妙な日々が少なくて済む
- 人生の無駄な時間が少なくなる
1ヵ月転職のデメリット
- 今の職場と揉める可能性が高い
- 求人を選ぶ時間がない
- 内定の時期を調整しずらい
- 面接、退職、入職と手続きがバタバタ
1ヵ月転職はメリットもありますが、デメリットも大きくなりがちです。
揉めたり、職場選びに失敗したりと、問題も多いため慎重に行動しましょう。
とはいえ「どうしても今すぐ辞めたい!」という方には、即日退職という方法もあるため、検討してみてください。
参考:看護師が即日退職する方法
転職活動は退職前?退職後?
「忙しすぎて転職活動の時間がない…」
看護師は時間に追われますので、転職活動も難しいですよね。
アンケートの調査によれば、退職前に仕事をしながら転職活動を行うケースが若干多いようです。
- 退職前:6割
- 退職後:4割
どちらもそれぞれ一長一短がありますので、各自の状況に合わせて選択しましょう。
退職前の転職活動
- 金銭的に安心
- 無職期間がなくて済む(職歴的にプラス)
- 面接日の調整に制約が多い
退職後の転職活動
- 面接日の調整が楽
- 入職までゆっくり休める
- 金銭的に不安
- 無職期間が発生する(職歴的にマイナス)
- 働く意欲がなくなることも(燃え尽き症候群)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
転職活動のスケージュールは以下3点が大切です。
- 入職時期は3ヶ月後を目安に
- 職務規定を確認する
- 面接日は、退職日から逆算して1ヶ月半ごろが丁度よい
初めての転職は心配が多いかもしれません。
ですが転職を考え始めたら、まずしっかりと準備をすることと、スケジュールを立てて動けば大丈夫です。
自分に合った職場は、必ずどこかにあるはずです!
こんな記事も参考にどうぞ。
看護師が転職で失敗しないための準備マニュアル大損してた!看護師が知っておきたい残業代のこと
看護師を辞めるのはちょっと待ってください!