看護師が治験コーディネーターに転職するための全知識

皆さん、治験という言葉ご存知ですか?

治験は、新薬の有効性や安全性を確かめるため、実際の患者さんに対して行う試験です。世界中の人たちが安全に薬を利用するためにはとても大切なことです。

その中で要となる人が、治験コーディネーターです。治験コーディネーターは看護師の就職先として人気急上昇中の仕事です。別名CRCと呼ばれています。

未知の薬を世に送り出す仕事に携わるって素敵ですね。病院以外の職場に興味のある方に、特におススメしたい仕事です。

項目 評価 コメント
看護師資格 不要 患者さんや医師と関わるため資格があった方が有利。
※企業によっては看護師資格が必要な場合もある。
その他資格 不要 特になし
臨床経験 不要 原則医療行為はないため未経験でも可能。
平均給料 21万~40万 企業によってばらつきあり。
福利厚生 大企業が多いため休日が多い。リフレッシュ休暇、夏季休暇、育児介護休暇取得率が高い。
教育制度 治験は特殊な仕事であるため未経験からの研修が充実しています。フォローアップ研修もあります。
シフト体制 1交代制 9:00~18:00 企業の会社員であるため企業の勤務時間帯と同じ。
夜勤 × 日勤のみ。
残業 × ほとんどない。
土日出勤 × 基本月~金 土日完全週休2日制が多い。
求人数 求人数はあまりない。
正社員 正社員の募集が多い。
医療行為 原則医療行為は不可。
仕事の難易度 治験に関わる製薬会社、医師、患者、家族、監査機関など複数のやり取りが発生するためコミュニケーション能力と管理能力が必要とされる。資料作成の補助もあるため事務の知識も必要。
スキルアップ × 医療行為はほとんどないため看護スキルは身に付かない。
将来性 新薬開発をする製薬会社は外資系も含め増加している、特にがん分野の開発が進んでいる。求人数も増える見込み。
病院への復職 医療行為がほとんど無いため、時間が経つにつれ難しくなる。
子育てママ 日勤のみで土日も休みである。福利厚生も充実しているため働きやすい。
新卒 新人採用あり。教育研修制度も充実している。

医療の最先端の現場で働けます♪ママにもピッタリ!nekonarse-shiji

治験コーディネーター(CRC)の仕事内容は?

ズバリ!「治験プロジェクトの進行をスムーズにする調整役」です。

看護師としての仕事は少なく、その代わり連絡や報告といった事務的な作業が多くなります。看護師の仕事とは別物だと思っておいて間違いありません。

なので患者に対して医療行為はほぼありません。

「医療行為がないなら看護師がなっても意味ないじゃん!」と思いました?でもそれは違います。

治験に関わる人は医療関係者や製薬関係者がほとんどです。院内のややこしい人間関係や、医師の扱い方に慣れてる看護師にはとっても有利な職場なのです。

CRCが働く場所は2種類あります

1.SMOと呼ばれる新薬の治験を専門とする治験屋さん(つまり会社)

SMOで働くCRCは一般企業の会社員と同じです。

治験のプロジェクトが始まると、朝、治験を行う病院等の医療機関(病院)に出向いていきます。病院では、医師や患者さんとの連絡や調整を行います。終わると会社に戻って報告や入力作業等を行います。

2.医療機関(病院など)

普段はみなさんと同じ看護師として働いています。

ただし、勤めている病院が治験対象になったとき、看護師ではなくCRCに変身します。治験が終わるまでは、臨時のCRCとして働きます。

期間中は医療行為はせず治験に専念します。治験が終わると、看護師に戻り看護師として働きます。


8割のCRCは1のSMOに所属しています。

ここではSMO勤務のCRCについてお話していきたいと思います。

仕事内容は、主に治験に関わる人たちの調整役にあたります

治験に関わるのは、試薬を開発した製薬会社、試薬を臨床する医療機関の医師やスタッフ、そして患者さんです。

1.製薬会社のサポート

製薬会社に対しては、治験スケジュールの調整や連絡も仕事に含まれます。

2.医師のサポート

医師は普段の診察と治験と両方を抱え非常に忙しくなります。CRCはその医師のサポート役を務めます。

具体的には、治験関係書類の転記や、治験データの入力作業を行います。

3.患者さんのサポート

治験を受けるのに最適な患者さんを探すことから始まります。

患者さんが集まると今度は、治験内容の説明であるインフォームド・コンセントにも立ち合います。その他、治験の進捗を管理し、副作用がないかのチェックも行います。

治験コーディネーター(CRC)ってどんな人達?

治験は全国で行われているため出張を伴うケースがあります。そのため、独身の女性の比率が高い職場です。

中でも20代~30代の元看護師、保健師、薬剤師が多いです。その他、企業の一般社員といった他業種の就業経験者もいます。

看護師が多い理由として・・・

  • 患者さんや家族、医師の扱いや関わり方がわかっている
  • 病院のしくみや疾患に関する知識もあり、カルテを読むのが早い

この2つが挙げられます。

同じような理由から、看護師に次いで薬の知識が豊富な薬剤師も多くなります。

その他、CRCは様々な立場の人の間に立つため、企業の元営業やアパレルショップの店員といったコミュニケーションスキルの高い人も働いています。

治験コーディネーター(CRC)として働くメリット

時間

企業の会社員のため看護師のように夜勤はありません。また、土日休みがほとんどです。計画書に従って業務を行うため、残業も発生しにくいです。

CRC自体が調整役のため、自分のスケジュールも調整できたりします。

福利厚生

SMOは合併を繰り返し規模が大きくなりつつあります。いわゆる大企業であるため、福利厚生が充実しています。

会社員であるため、治験プロジェクトがない年末年始などは長期休暇が取りやすいです。

仕事内容

SMOに勤める看護師は原則看護業務は行いません。治験結果の公平性を保つために禁じられているからです。

治験は治験実施計画書に基づいて業務を行います。業務の内容が明確で形式通りに遂行されることが重要です。そのため、形式外のイレギュラーな仕事が発生しにくいです。

人間関係

治験プロジェクト先に派遣されると、色々な職種の人とほどよく関わります。良い意味で人間関係がドライです。

病院のように同じ職場の他の看護師との関わりがありません。そのため、ドロドロとした人間関係で悩む機会がないと言えます。

その他

ジェネリックの利用が増えたことで、先発の医薬品の市場が縮小しています。

そのため、もっと多くの新薬の開発が望まれています。CRCの数も追いつかず、不足しているというのが現状です。

  • コミュニケーション能力が高い!
  • 治験のための法律であるGCPの知識がある!

このようなやり手のCRCは他のSMOから引き抜きがあったりします。年収UPにもつながるため上を目指すにはもってこいの職場と言えます。

治験コーディネーター(CRC)として働くデメリット

お金

会社員のため、看護師と比べて給料は低くなります。

看護師の年収平均は400万~500万です。CRCは、年収300万~400万と100万ベースで低くなります。

仕事内容

CRCの仕事は看護師とは全く異なります。看護業務はほとんどないため、看護することに「やりがい」を感じる人にはおススメできません。

逆に、看護師はあまり行わない事務的な作業が多くなります。

治験のデータ転記や報告書の作成といった作業は全てPCを使った事務作業になります。

一般企業のOLが書類のミスをしても命に関わることはほとんどありません。治験の場合、数値や桁を間違えると患者の命に関わる重大なミスにつながります。

ミスを防ぐために細かなルールもあります。PCの苦手な方には想像以上にハードな仕事だと言えます。

治験に関わるため薬の知識は必須です。効果や副作用といった情報はもちろん、治験のための法律であるGCPを理解しておく必要があります。

また、治験が行われる医療施設はいつも同じではなく、場所も通勤圏内ばかりではありません。そのためCRCは治験期間中の長期出張もあります。毎回異なる環境に入ることがストレスと感じるタイプには向かない仕事です。

人間関係

スケジュール通りに進めるためにはCRCが調整役となります。受け持ちの患者の診察を優先したい多忙な医師、治験を早く進めたい製薬会社、新薬を試したい患者さんの間に立ちます。

当然、スケジュールの折り合いがつかないこともあります。そんなときにCRCが板挟みになりストレスを感じます。

また、看護師をとりまく人間関係は病院内に収まっていました。それは、常に自分がホームにいるということです。

でもCRCは、自分が勤める会社以外に、医療機関や製薬会社との関わりもあります。会社から飛び出し、アウェイ(病院や製薬会社)での活動も十分にあります。

そのためビジネスマナーが必要とされます。服装や言葉遣い一つで不快な印象を与えないよう気を使いながら接します。

まとめ

治験コーディネーターは看護師とは違い治験が滞りなく行われるのをサポートする仕事です。どちらかというと一般企業の医薬品部門のOLと言えます。医療行為がない代わりに、製薬会社や医師、患者さんや家族の間に立ち、調整を行う仕事を行います。

必要なスキルとして、コミュニケーションスキルや事務作業時のPCスキル、プロジェクトの進捗管理するスキルが必要とされます。

治験が行われる医療機関内で雇われるケースもありますが、治験を専門とする企業に勤めることがほとんどであり、治験ごとに医療機関への出張が発生する場合もあります。

さらに治験コーディネータのことを知りたい方は、
この記事「看護師から治験コーディネーターに転職したけど質問ある?」に詳しく書かれているのでご覧ください。

治験コーディネータに関するコラム集

ノルマ

一般的に、ノルマ方式は避けてきました。なぜなら、「ノルマ」「出来高制」にしてしまうと、治験の質が下がってしまうからです。極端な話、データの改ざんにまで及んでしまいます。

しかし一部の小規模なSMOでは、ノルマ方式が蔓延しています。背景には、製薬会社の合併が激しく、それに伴い、SMO業界も合併や倒産の動きが激しくなっていることが挙げられます。

特にSMO業界では、合併を繰り返し総合的な治験業を営む大規模なSMOと、地域や特定の疾病に特化した小規模なSMOとの二極化が進んでいます。その中で小規模なSMOでは営業基盤が確定しないまま利益追求を優先しているケースがあります。いわゆる「ノルマ」方式を採用しているケースです。

SMOはどこから報酬をもらっていると思いますか?

医療機関ではありません。製薬会社からです。製薬会社もSMOも不安定な波の中にいるため、両社間の治験契約自体が「固定費0円で全て出来高制」がほとんどです。

CRCは、契約期日までになにがなんでも症例数を集めるように製薬会社とSMOからの圧力を受けます。その上、最近では一症例の単価も下がり、小規模SMOとしてはノルマ方式にしなければ利益を得られない状況にあります。CRCはもはや営業職と言えそうです。

「患者さんのために」と看護師をしていた人にとってはギャップがあります。「ノルマあり/なし」など報酬のしくみを確認してSMOを選ぶ必要があります。

被験者はCRCが集めるの?

CRCの重要な仕事の一つに「被験者を集める」ということが挙げられます。適当に沢山集めればいい!ということはありません。

国の定めたGCPという法律によると、被験者の人権保護に関するルールがあります。ルールにのっとり慎重かつスピーディに集めることが求められます。

集める方法としては主に3つあります。

  1. 治験対象の病院の医師からの紹介
  2. CRCが院内にポスターを掲示したり、HPに広告を出して被験者を直接集める
  3. 治験対象病院や関連病院のカルテを元に抽出する

どの手段においても、カルテを精査し、被験者を見極めるにはある程度の医療知識が必要です。

「ノルマ」があるのでは?とよく言われています。実際は被験者確保人数を「ノルマ」にしてしまうと、ルールを犯してしまう可能性があるため「ノルマ」はありません。ただ、製薬会社からすると治験がスピーディに行われるとうれしいため、早く被験者を集められた場合CRCの評価はあがります。

どうしてSMOのCRCは医療行為ができない?

SMO所属のCRCは医師の指示のもとに医学的判断の不要な治験業務のみを行います。GCPのルール上、SMO所属のCRCは看護資格を持っていても患者さんに医療行為をしてはいけません。治験データの正確性と公平性を保つためとされています。

対して、院内に所属するCRCは、看護師と兼任がほとんどであるため、普段は医療行為を行います。

看護師から治験コーディネーターに転職したけど質問ある?

看護師が小児専門病院に転職するための全知識

小児専門病院(こども病院)で働きたいと考えている看護師の皆さん、こんにちは。

小児専門病院の仕事には、
難病の子どもたちを看護するやりがいがありますよね!
さらに、専門性が高く看護の技術を深めることができます。

認定看護師や、専門看護師の保有者も多く、全体的にレベルの高い職場です。
とにかく「できる看護師」が多く在籍しているのが小児専門病院の特徴です。

その反面、小児専門病院の辛さについていけず退職していく看護師もいます。
要求される高いレベルの看護についていけなかったり、患児のことを思いすぎて精神を病んでしまったり、ただでさえ忙しいのに勉強会やセミナーが強制参加だったり……。

そんな辛さに負けず、「できる看護師」になって子どもたちの看護をしたいですよね?

そのためには、具体的な仕事内容を見ながら、小児専門病院とは・必要な能力は何か、ということを知ることが重要です。

小児専門病院で「できる看護師」を目指して頑張りましょう!

小児専門病院とは?

小児専門病院は、全国に約30ヵ所ほどしかなく、国や県、または独立行政法人が運営しています。

看護師が働く場合は、そのほとんどが公立病院なため、公務員の身分となります。(一部の独立行政法人は、公務員ではなく、民間病院と同じ非公務員となります)

患児は、0~15歳までが対象で、未熟児の受け入れが多くなっています。

項目 評価 一言コメント
児の状態 特殊 特別なケアを要する患児が来院する。他の医療機関からの紹介や転院が多い。
給料 約19万~29万 公務員・非公務員とも、勤め先によって条例や独立行政法人の規定によって決まり、昇給もある。大都市と地方の差がある。
福利厚生 公務員・非公務員とも年金や共済があり、育児休暇も3年まで取れる。公務員は年金払い退職給付があり、非公務員は雇用保険に入る。
夜勤 あり
土日出勤 あり
求人数 新卒・既卒ともにほとんどの病院で毎年募集がある。ただし、一般病院と比べて病院数が少ないため、選択肢は限定される。
正社員 ほぼ正職員の募集。
パート・アルバイト × パートや嘱託職員の求人はほとんど出てこない。稀に代替職員を緊急で募集することがある。
求人情報 一番情報が豊富なのは病院のホームページ。転職サイト、求人誌、ハローワークでも公開されるが、数は少ない。
仕事の難易度 高い 希少な症例が多い。常に勉強し続けることが必要。
スキルアップ 認定看護師や専門看護師を取得できる。オペ室に配属されれば、最先端の手術が見られる。
子育てママ × 夜勤が必須のため、子育てママには難しい。
新卒 年に数回採用試験がある。小児科の中では一番教育体制が整っている。
ブランク × 専門性が高いため、難しい。
小児未経験 小児科未経験の場合は難しい。ただし、急性期の産科で助産師と仕事の経験があると歓迎される。

専門性が高く大きく成長できる、レベルの高い職場です!nekonarse-shiji

小児専門病院の仕事内容は?

小児専門病院の仕事は、難病の子どもたちへの看護です。難病の子どもは、一般病院での治療が難しい患児です。

患児の年齢は0歳から15歳までです。最近では、未熟児の受け入れも多くなっています。また、出産前のハイリスク妊婦を受け入れることもあります。

病気は、完治が困難なケースが多く、一般的な小児科病棟と比べて、治療が長期化しやすい傾向があります。そのため、患児との付き合いが、10年以上になることも珍しくありません。

看護内容は、基本的に一般の小児科病棟と同じです。異なるのは、症例が少ない疾患ばかりのため、常に勉強し続けなければいけない点です。

また、患児の状態は、一般の小児科の患児以上にナーバスになっているため、対応には高い社交スキルが求められます。

    【主な例】
  • 小さな患児の場合は、治療への恐怖や不安からくる治療拒否への対応。
  • 10歳前後の場合は、長期化する治療への不安や、将来の非観などからくる、自暴自棄への対応。
  • 中学生の場合は、学校でのトラブル(病気が原因)や、長期に渡る入院のストレス(主にプライバシー問題)からくる、看護師に攻撃的になる心理への対応。

いずれの場合も患児の心情をケアするだけではなく、家族へのケアも重要になります。特に母親は、患児への影響力が強く、協力を得られるかどうかが治療の質に大きく関わってきます。

小児専門病院の看護師とはどんな人?

小児専門病院には、一般の小児科以上に意識の高い看護師が全国から集まってきます。

集まった看護師のレベルは、一般病院と比べて非常に高く、看護知識・理解力・判断力などが飛び抜けています。

また、「患児のための看護」を突き詰める看護師が多く、それを同僚に対しても求める傾向があります。例えば、新人教育は、小児科の中で一番厳しいといわれており、「私にできるから、あなたにもできるはず」と求められる水準が高くなりがちです。

スキルアップのための勉強会やセミナーは、毎週のように院内で開かれ、「暗黙の強制参加」が習慣になっています。休日も院外の勉強会やセミナーへ積極的に参加する看護師が多くいます。

その結果として、認定看護師や専門看護師の保有者は多いですが、「レベルが高すぎてとてもついて行けない」と、入職後1年以内に退職する人の割合が高いです。

それから、患児を思うあまりに精神を病んだり、気力や体力を使い果たして去っていく看護師もいます。意識が高すぎるがゆえに、「子どもが苦しんでいるのに自分だけ楽しめない」と、仕事とプライベートの切り替えができず、鬱になる看護師や、長年にわたり献身的に看護した患児がステったとき、燃え尽き症候群になり辞めていく看護師もいます。

このように小児専門病院は「できる看護師」の割合が高いため、入職した看護師のレベルも高くなります。その一方でついていけない看護師も多く、離職率は高い傾向にあります。

小児専門病院のメリットは?

小児専門病院には、レベルの高い看護師や医師が集まってきます。

レベルの高い集団の中で働くと、自分の看護スキルも自然と上がっていきます。小児専門病院で5年働けば、一般の小児科で働く看護師と比べて、かなりの看護知識・理解力・判断力が身に付くと言われています。

「認定・専門看護師」についても、院内の取得支援制度や勉強会やセミナーが充実しており、さらに院外セミナーの情報も豊富なため、小児科の中で最も取得しやすい環境です。高い看護スキルを持っていれば、疾患で苦しむ患児を助けることにもなり、さらにモチベーションが高められるでしょう。

また小児専門病院で得たキャリアは、一般の小児科に転職する時にも、大きく評価される傾向があります。小児専門病院の看護師は、一般の小児科から主任や師長候補として、ヘッドハントされるくらいです。

さらに小児専門病院で得たスキルは、小児科であればどこに行っても通用するため、結婚や出産後の復職でも大きな武器となります。再就職は、小児クリニック、小児外科、小児病棟、障碍児施設など広い範囲を選べるだけではなく、小児看護のスペシャリストとして重要視される傾向もあります。

小児専門病院のデメリットは?

小児専門病院では、レベルの高い看護が要求されるため、ついて行けなくなる看護師もいます。

レベルの高い集団の中では、少しできないことがあると、「こんなこともできないの?」と厳しい目を向けられます。「言われたことは一回で覚える」くらいの気迫が無いと、どんどん周りから遅れていきます。

また、多忙な中でも、「暗黙の強制参加」が慣習となっているため、勉強会やセミナーを欠席することはできません。

大変なのは、人間関係や勉強だけではありません。小児専門病院では、夜勤も大きな負担になります。小児専門病院に限らずの話ですが、小児科の夜勤は、成人病棟と比べて人員が多く必要になります。

夜泣きやおむつやミルクなどで手がかかるからです。新生児が多い病院だと、5人の患児に2時間おきにミルクをあげ続け、夜が明けることもあるくらいです。

母親の付き添いがあれば代行してもらえますが、必ずしもそうではないため、その多くが看護師の仕事になります。これらの仕事は「そのくらい」と思われがちですが、実際にはかなりの業務負担になります。

さらに小児専門病院は、重篤な患児への看護やチューブ、点滴のルート管理があるため、かなりの負担となります。このように小児専門病院の夜勤は、回数も業務内容もハードになる傾向があります。

小児専門病院では、母親とのコミュニケーションが難しく、それが苦痛で辞める看護師が多いと思われがちです。しかし、実際には、「患児のための看護」をめぐる看護観の押し付けや意見の食い違いなどの人間関係や夜勤の業務量に耐えきれずに辞めていく人が多いのが現状です。

まとめ

小児専門病院は、スキルアップしたい看護師におススメの病院です。先輩から教わる看護スキルや院内・院外で開催される勉強会やセミナーを通して、焦ることなくステップアップしていきましょう。

また、小児専門領域を極める看護師や認定看護師など、意識の高いスタッフと共に働けるので、モチベーションを保てる職場です。

しかし、一般の小児科病棟以上に「子どもの苦しみ・悲しみ・死」に直面する場所でもあり、「子どもが好き」という気持ちがいくら強くても、到底続けることができない過酷な現場でもあります。

さらに、先輩との相性も勤務していくうえで重要なポイントになりますので、応募する前に、実習や見学会に参加して、病院の現状を把握しておきましょう。小児専門病院の現状を知ったうえで、入職の意思が揺らがないなら、是非応募してください。

小児専門病院は、小児科の最高峰の技術が集結している場所です。ぜひ、小児専門病院で自分のチカラを試してみてください。

小児専門病院に関するコラム集

モチベーションのヒミツ

ターミナルケアや看取り、治療のめどがつかない患児への看護など、辛い現実もありますが、最先端の技術も目の当たりにできます。また、病院によっては国外から患者を受け入れることや、看護師がウォークインの患者をトリアージすることもあります。

そして、一般の病棟と違い、医師と看護師だけでなく、理学療法士、ソーシャルワーカーなどとチームを組んで治療をします。さらに理解を深めるなら、渡米の必要がありますが、チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)の資格を取得すると良いです。

小児専門病院に転職するためのコツ&ポイント

  • 小児がんに興味がある方は、拠点病院へ入職すると良いでしょう。小児がんの拠点となる病院は全国で約15カ所です。すべての病院ではありませんから注意しましょう。
  • 応募時に配属希望は出せますが、欠員状況に左右されます。確実に狙うなら、配属確定型試験を受けましょう。
  • 病院によっては、外来のみの勤務が叶う場合もあるので、子育てママは問い合わせてみると良いでしょう。

看護師がNICUに転職するための全知識

「NICUで働いてみたいな」と思っている皆さん、こんにちは。
NICUに興味をもっていただいて、ありがとうございます!

あなたはどうして、NICUに興味を持ちましたか?

・新生児が可愛いから
・命の尊さを感じられるから
・ドラマ「コウノドリ」を観て感動したから

理由はそれぞれですね。

でも、NICUの看護師には辛い事もたくさんあります。
新生児が亡くなってしまったり、両親から怒りをぶつけられたり、勤務中は神経を張り詰めていなければならなかったり……。

じゃあ、憧れだけでNICUにいくのはやめたほうがいいのでしょうか。

NICUを目指すなら、実際の仕事内容や辛い事も理解してからにしましょう!
もちろん大変な事はたくさんありますが、新生児は可愛いし、小さな命を守るという仕事はとてもやりがいがありますよ。

NICUとは?

NICUは、新生児特定集中治療室と呼ばれ、新生児のための集中治療室です。

NICUは「総合周産期母子医療センター」「地域周産期母子医療センター」「新生児ケアの施設を持つ病院」などに設置されています。患児は生後間もなくから入室し、長いと半年ほど治療を受けます。

看護師から見れば、専門性が高く敷居が高いと思われがちですが、産休や育休などでブランクがあっても勤務している看護師は多くいます。

看護師が働く場合は、公立病院と民間病院に分けられます。(一部の独立行政法人は、公務員ではなく、民間病院と同じ非公務員となります)

項目 評価 一言コメント
児の状態 重度 生後まもなく医療介入が必要な未熟児、低体重児など、処置が必要な児や、先天性心疾患、呼吸窮迫症候群などの術後の児。
給料 約25万~29万 初任給。大都市と地方でもあまり差はない。
福利厚生 公務員は年金払い給付金があり、育休も最大3年まで延長できる。非公務員は雇用保険に入り、育休は最大1年半まで延長できる。
夜勤 あり 2交代制の場合、「1か月72時間ルール」の適用外になる。1ヶ月の夜勤が6回を超えることも多い。
土日出勤 あり
求人数 ほとんどが病棟勤務としての募集。院内の欠員状況に左右されるので必ずしもNICUに配属されるわけではない。
正社員 ほぼ正社員。
パート・アルバイト × 稀に「NICU職員募集」と、代替職員を緊急で募集することがある。
求人情報 一番情報が豊富なのは転職サイト。病院のホームページ、求人誌、ハローワークでも公開されるが「病棟勤務」としての募集。
仕事の難易度 中度 手技はない。産科や小児科の勉強も必要。精神的には辛いが、記録や処置の際にも部屋移動は少ないので、体力面はかなりラク。
スキルアップ 助産師資格や新生児集中ケア認定看護師を目指せる。常に最先端の機器を導入しているので、触る機会に恵まれる。
子育てママ 夜勤が必須のため、子育てママには難しい。
新卒 × 急変が起こりやすく、緊急事態の対応が必要になるので難しい。手技が無いため、点滴や注射のスキルを付けることができない。
ブランク 産休明けに配属されることもある。急変を見抜く観察スキルが重要なので、手技のスキルが不安でも差し支えない。
小児未経験 産科急性期の経験者が良い。ただし、成人看護経験が通用しないことが多々ある。

急変が起こりやすいため、対応力が問われる職場です!nekonarse-shiji

NICUの仕事内容は?

NICUの仕事は、リスクを持って生まれた新生児たちへの看護です。これらの新生児たちは、医療の介入がないと生きられません。

患児の年齢は、生後間もなくから数か月です。重症度が高い場合は、1年近く滞在することもあります。

また、他の助産院や産科で生まれた新生児を受け入れることもあります。

患児は、胎児期からハイリスクで生まれる診断を受けていることが多いです。そのため、出生時には産科と新生児科の連携により、生後すぐにオペや処置をして、NICUで予後を観察します。

看護内容は、基本的に一般の小児科病棟と同じです。異なるのは、一般的な手技を医師が行うため、採血・点滴といった処置をしない点と、母親へのケアも必要なことです。

また、患児は、ちょっとした刺激でも急変を起こしかねません。看護師は、非常にこまめで繊細な観察・対応スキルが求められます。

    【主な例】
  • 出来る限り母乳(リスクのある児には最適)をもらい、決まった時間にチューブにシリンジで注入する、授乳管理への対応。
  • 人工呼吸器、心電図など、さまざまな機械を装着しており、こまめなチェックが必要な、機械管理への対応。
  • 薬は1ガンマ(1グラムの100万分の1)単位です。患児の命に直結するため、ミスが許されない、薬液管理への対応。

いずれの場合も患児の状態はもちろん、母親へのケアも重要になります。

看護師は、両親へ状況の報告や、今何ができるかをアドバイスして、患児と共に前向きになってもらうことが必要です。父母に触れ合わせ、親子であることを体感してもらうのも、家族になった実感を持ってもらうためには大切なことです。

NICUの看護師はどんな人?

集まった看護師は、新生児の急変を見抜くため、一般の小児科病棟と比べて判断力が非常に高く、特に異常を察知する力が飛び抜けています。

また、「母親代わりに患児の命を守る」意識の強い看護師が多く、カンファレンスで医師に意見したり、医師の指示を再確認します。例えば、カンファレンスで医師が「○○のチューブはそろそろ外しても問題ないと思う。」という発言に対して、「○○が安定していません。まだ無理です。」と反論することもあります。

薬液の量も必ず検算します。薬によっては「○倍希釈が暗黙の了解」になっていますが、そのことを知らない研修医が原液のままの量で投与の指示を出すこともあるからです。

患児がNICU入室中は医師や他の看護師との連携、NICU退室の際は、小児科医と連携しながらの看護になるので、幅広い知識を身に付ける必要があります。そして、月に一度は勉強会が開かれますので、日々の業務を振り返りながら参加します。

自分が高度な知識を付け、学んだ看護を実践していくことで、少しずつ、自分で助けられる患児が増えて行くのです。その結果として「自分が患児の命を守る」意思がさらに強くなり、認定看護師や助産師を目指す看護師もいます。

しかし、患児の小ささを目の当たりにして、メンタル面で参ってしまったり、繊細な看護を苦痛に感じて去っていく看護師もいます。

    【主な例】
  • 「患者が未熟な上に、重症度や緊急性が高いため、インシデントやアクシデントが怖くて看護できない」理由での退職。
  • 患児の病気や障害の程度により、親が子どもの治療を拒否することが珍しくないです。親に説得を試みても許可を得られず、何の治療もできないまま患児を看取ることもあり、無力感からの退職。
  • たとえ命を救えても植物状態になる患児もいるため「果たして救ったことに意味はあるのか」と精神を病むことでの退職。

このように、NICUは「子どもの命を守りたい看護師」の割合が高いため、入職した看護師も母性豊かになっていきます。その一方で細かさや煩雑さ、消えてゆく命の多さに耐えらず辞める看護師も多く、離職率は高い傾向にあります。

NICUのメリットは?

NICUにはベテランの看護師が集まってきます。ベテランの集団の中で働くと、自分の判断力も自然と上がっていきます。

NICUは、一室の中で医師や看護師が患児を見守るため、他科にない一体感があり、患児の急変にも素早く対応できます。また、最先端の機器を導入しており、高度な技術が身に付きます。

NICUで5年働けば、早い人は一人前になるほか、助産師資格や新生児集中ケア認定看護師も目指せるようになります。特に、助産師の資格を取れば、産科に異動できるようになりますし、昇給も見込めます。助産師を募集している病院も多く、資格取得の後押しが期待できます。

高い判断力を持つようになれば、患児の健康管理や的確な薬剤投与はもちろんのこと、インシデントやアクシデントの防止につながります。経験を重ねることで自信がつき、モチベーションも高められるでしょう。

大きなスキルとしては、人工呼吸器の装着や心電図を読める技術が挙げられます。これらのスキルは身に付けられる科が限られており、将来、結婚や出産などで転職・復職する際も、重宝されるでしょう。勤務先としては、小児科や小児専門病院、小児科クリニック、小児病棟、児童福祉施設などがあります。

NICUのデメリットは?

NICUでは、緊急事態の判断力が要求されるため、ついて行けなくなる看護師もいます。

ベテランの集団の中では、少しの変化でも、「異変に気付いて当たり前」という空気が流れます。しかも、新生児は小児以上に急変が早いので、常に雰囲気がピリピリした中で勤務をしなければなりません。

また、作業が思うように捗らないのも日常です。バイタルチェックの時に泣かれると、やり直しになりますし、母親への母乳指導も結構負担になります。母親は、母乳が出ないと「なんで産んだんだろう」「母親失格」などと、思考がネガティブになりがちです。

さらに、重症児が多いため、インシデントやアクシデントが起こる確率も他科より高いです。インシデントとしては、「二重チェック」をすり抜け、薄めるべき薬を原液で投与したり、母乳間違えを起こしたりすることもあります。そんな時は、両親と医者や看護師の複数から責められることになり、自己嫌悪に陥ることがあります。

NICUでは、成人と違い、患児の個性がハッキリしていないため、患児を一人の人間としてではなく、症例でしか見られなくなってくることがあります。

そのうえ、手技を医師が行うため、看護師は採血・ルート確保といった処置をしません。他科の看護師なら当たり前に身に付くスキルを学ぶ機会が無いので、他科へ転職したくなっても、選択肢が手技を必要としない科に限られてきます。

まとめ

NICUは、チーム医療を学びたい看護師にオススメの職場です。

入職して間もなくは、未知の領域への戸惑いやパニックが起こるかもしれませんが、先輩のフォローのもと、落ち着いて仕事をこなしてください。また、ベテランの看護師や医師と共に働けますし、助産師や小児科医との連携が必要な場合もあります。その際の処置も学んでいくので、専門的な看護ができるようになります。

しかし、患児が両親に受け入れられない場合は、本来救えるはずの命をなすすべもなく看取るしかない時もあります。インシデントやアクシデントの確率も多いので、ものすごくプレッシャーのかかる現場ではありますが、1つ1つ医師や看護師に質問しながら自信につなげていってください。

高齢出産や不妊治療の末に授かる子供は多く、低体重児や障害児を妊娠する確率が高いため、NICUが必要な患児は増え続けています。したがって、これからも、新生児の疾患の割合は上がり続けていくでしょう。

是非、あなたのチカラでNICUの患児を助けてあげてください。

※追記

「一般病棟の小児科も気になる!」という方は、こちらの記事に分かりやすく書かれています。
看護師が小児科に転職するなら知っておきたいポイント

NICUに関するコラム集

NICUは助産師が有利?

大きな病院では、スタッフが全員助産師のところもあります。NICUでは、母体と新生児両方のケアが必要になるため、看護師よりも助産師が求められる確率が高いです。

NICUの勤務が難しければ、産科で勤務してから助産師免許を取り、NICUへ転職する方法もあります。産科から転職の場合は、母親への指導が必要なため、おっぱいケアを経験している看護師は喜ばれます。

NICUに転職するためのコツ&ポイント

総合周産期母子医療センターは約100カ所、地域周産期母子医療センターは約290カ所あります。NICU増設のために看護師を募集している病院もあるので、ホームページをこまめにチェックしてください。

採血やルート確保を看護師に任せる病院もあります。手技を磨きたければ、入職時に確認しましょう。日勤のみが叶う病院もあるかもしれません。子育てママは問い合わせてみましょう。

看護師が訪問看護ステーションに転職するための全知識


五十嵐さん(40代・女性)
大学病院からキャリアスタートし、正社員や派遣などで18の職場を経験。今は転職アドバイザーとしても活躍。

看護師の皆さん、こんにちは。

最近、訪問看護ステーションで働く看護師が増えてきました。
理由は人それぞれですが、訪問看護には「病棟にはないメリット」があります。

  • お年寄りと関わるのが好き
  • 患者さんとしっかり向き合いたい
  • 一人で働くのが好き
  • 時間の都合が付きやすい

ただし、デメリットが多いのも事実です。

  • 一人での看護が不安
  • プレッシャーがかかる
  • 本人やご家族とコミュニケーションが重要

訪問看護は辞めていく人が多いのもまた事実です。

では「訪問看護への転職で失敗しない」ためには、どうしたらよいのでしょうか?
そこで今回は、訪問看護の転職事情をまとめてみました。

訪問看護の転職事情

項目 評価 コメント
看護師資格 必要 医療行為があるため看護師の資格は必須
その他資格 必要 自動車免許が必要。都市部では自転車移動なことも。
臨床経験 必要 基本的に3年以上の経験が望ましい。
平均給料 20万~30万 病院に比べると夜勤がない。年収で100万円ほど減る。
福利厚生 小規模ステーションなら×。病院母体なら◯
教育制度 基本的に即戦力を求められる。ただしブランクアリの看護師も多いため研修もある(ステーションによる)
シフト体制 1交代制 9:00~18:00 日勤メイン。
夜勤 なし 基本的に夜勤は無い。
残業 基本なし。正社員が少ないと請求業務で残業あり。
土日出勤 なし 土日休みのところが多い。担当利用者さんによる。
オンコール あり オンコール対応必須。
求人数 多い 求人数は全国的に多い。今後も増える見込み。
医療行為 あり バイタルサイン測定、適便、清拭 医師の指示による注射、点滴、血糖値測定、人工呼吸器などの医療機器操作など。
将来性 訪問看護は今後も増え続ける(2025年団塊世代が後期高齢者となる)。独立してステーショ開業の道も。
病院への復職 看護が多くスキル維持が可能。幅広い知識を習得できるため復帰しやすい。
子育てママ 時短やフレックス制もある。パートなら休日や勤務時間を選びやすい。夜勤なし。定時帰宅しやすい。
新卒 × 新卒採用はほぼない。ただし最近では病院母体のステーションが新卒採用していることも。
夜勤がないため子育てナースが多い

訪問看護の仕事

訪問看護の仕事は5つに分類されます。

  • 看護計画
  • 看護記録
  • カンファレンス
  • 請求業務
  • 看護

看護計画と看護記録は、病棟とほぼ同じです。
カンファレンスはケアマネージャーや介護士、医師を含めて行われます。

請求業務は、病棟にはない仕事です。
訪問した日時と内容をパソコンに入力していきます。
役所の監査が入ったときは、これが重点的にチェックされるため、間違えないように何度も確認しなければいけません。
パートさんたちの分も入力するため、正社員が少ないステーションでは残業の時間も長くなります。

さて次は、肝心の看護内容を見ていきましょう。

看護

訪問は、1件につき60分が基本です。
看護内容は、患者さんの容態によって様々ですが、注射や点滴、バイタル、気切部管理、酸素管理、褥瘡ケア、カテーテル、ストマ、リハビリなどです。
その他、床ずれの処置、食事、洗髪、入浴、清拭、適便や排泄の補助や介助、栄養指導や認知症予防の指導も入ってきます。病院と違い、訪問するときは医療器具や衛生材料を持参します。
在宅では末期の方も多いため、緩和処置などのターミナルケアも担当するでしょう。

患者さんによって、人工呼吸器の装着や、ストーマ、インシュリンの注射や血糖値の測定、胃瘻の管理や吸引、認知症介護、嚥下機能訓練、リハビリ介助も行います。症例は患者さんごとに異なるため、症例に関する知識と判断力が必要とされます。

また医療の提供だけでなく、会話を含めたコミュニケーションを十分にとり、不安な点や悩みに気づき、生活そのものに寄り添うことも大切な仕事です。
訪問看護師の仕事は「救命」や「治療」だけではなく、「生きることすべてに対する支援」も求められているのです。

患者さんは8割が高齢者です。
症例としては、大きく4つに分けられます。

  • 寝たきりの高齢者
  • 認知症(若年性を含む)
  • 末期がん
  • その他難治性疾患

最近では脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病の悪化など、病気や後遺症、障害をかかた方が増えています。
また終末期の患者さんを中心に「看取り対応」も必要です。

「これを1人でやる自信がない…」

たしかに未経験の方は、不安だと思います。

しかし経験者から言わせていただければ「慣れ」です。
訪問看護は、患者さんの入れ替わりが少ないため、慣れてしまえばルーティンワークです。
病棟経験があれば慣れも早いです。

またLINEのテレビ電話も不安を少なくしてくれます。
分らないことは、テレビ電話でステーションのベテラン看護師が指示を出してくれます。
頼れる人がいると、精神的にはかなり楽になります。

近頃では新人看護師にプリセプターを付けるステーションもあるそうです。
自信がない方は、そういった手厚いサポート・教育をしてくれるステーションを選びましょう。

訪問看護の看護師

訪問看護の看護師は、30代~50代が中心です。
年齢層は高めな理由は3つあると言われています。

  • 経験が必要
  • 経営的な理由
  • 人生経験が必要

まず1人看護は、ある程度の臨床経験が必要になります。
おおむね「看護師経験が3年以上」と言わています。

また小規模なステーションが多く「看護師を育てている余裕がない」という経営的な理由もあります。
さらには患者さんのプライベートに深く踏み込むため、人生経験のある看護師が優遇される傾向もあります。

このような事情から、訪問看護スタッフは30代~50代が中心となっているのです。

勤務時間

基本9時~18時です。
土日は基本休みですが、担当する利用者さんによっては出勤します。
夜勤はありません。
ただしオンコールがあります(詳しくは後記をご覧ください)

また基本的に直行直帰できるため、利用者さんによっては朝遅めに出勤したり、早めに帰宅できたりもします。

移動は基本的にステーションの車を使います。
ただし小規模ステーションは資金に余裕がなく、自分の車を使うこともあります。
その場合、ガソリン代は出ますが、タイヤ代や整備費だったり、事故が起こった時の保険は自腹です。

訪問看護のメリット

訪問看護のメリットは多くあります。

  • 患者さんにジックリ向き合える
  • 患者さんの生活を支えている実感が持てる
  • 時間の都合が付きやすい

確かにこれらも訪問看護の魅力の一つです。
でも実際に働いてみるとチョット違います。

訪問看護の最大のメリットは「気楽さ」と答える人が結構います。
訪問看護は、閉ざされた病院とは違い、開放的ですからね。

「外に出れる」のがとても良いです。
病院だといつも誰かが近くにいて息が詰まりますが、訪問看護は、車で一人っきりになれるからリフレッシュできてしまいます。
コンビニでコーヒー買ったり、お菓子買ったり、お弁当を買ったり。
移動の合間に色々できるのが本当に良い気分転換になります。
(眠い時は10分早めに出て仮眠したりも。みんなやってます。笑)

また患者さんと1対1で看護できるのも良いです。
うるさい先輩もいないし、監視する師長もいないし、命令する医師もいません。
「訪問看護は患者さんにジックリ看護できる」というのは、「自分の裁量で自由に看護できる」という意味でもあります。

もちろんステーションの方針には従う必要はりますが、小規模なステーションではルールも少なく、自由度が高いものです。
訪問看護で働くと「今まで色んなものに縛られていたんだな…」とよくわかるでしょう。
人間関係、上下関係、規則規定などなど。

訪問看護の1番の良さは、その開放感です。

訪問看護のデメリット

  • 急に休みにくい
  • オンコールがある
  • 一人のプレッシャーがある
  • 教育体制が悪い

訪問看護は人数ギリギリのステーションが多いため、急な休みが取りずらいです。
どうしても休みたい時は、自分でパートさんを確保したり、利用者さんに時間変更をしてもらったりと結構大変です。

オンコール当番は、生活にそれなりの支障が出ます。
小規模ステーションであれば、週1回~3回と、そこそこの頻度で回ってきます。
また待機中は、遠出できない、酒が飲めない、食事を作っていても出勤がある、お風呂中にも電話がある、寝ようとしたら電話がある、寝てたら電話がある、化粧落としたりお風呂に入るタイミングに気を使う、など結構大変です。
オンコール手当は当番1日1000円、電話が1回あればプラス200円、出勤したら1回プラス1500円という感じです。
金額的には割に合わないですが、訪問看護には必須の業務です。

一人のプレッシャーは先ほども書きましたが、どうしても付いて回ります。
慣れの部分もありますが「もしもの時は自分次第」という覚悟が必要です。

教育体制に期待はしない方がいいです。
もちろんステーションにもよりますが、小規模ステーションの場合教育にまで手が回らないことがほとんどです。
即戦力が求められ、勉強に関しても「自分でやってね」というスタンスです。
利用者さんへの経験者同行も最初の1回だけだったり、場合によっては「人が足りない…。何とかしてきて」と、いきなり一人だったり。

訪問看護の求人事情

訪問看護の求は多いです。
ステーションの数が増え続けていますし、看護師の数も足りていません。
ハローワーク、求人誌、転職サイト、新聞の折り込みなどで探せば沢山見つかります。

ただ注意点がいくつかあります。
まず給料は病院より下がるでしょう。
訪問看護は、医療費が病棟ほど優遇されておらず、どこも経営が厳しいです。

さらに毎年多くのステーションが潰れています。
看護師の確保も大変ですが、患者さんの確保も大変なのです。

患者さんは病院から紹介してもらうのですが、コネや営業力が無ければ、患者さんが全く集まらないこともあります。

そんな訪問看護の中でも給料が良く、安定しているのは、やはり母体が病院のステーションです。
病院母体なら、訪問でも病棟でも基本給は一律です。個人経営のステーションに比べてれば、そこそこの金額がもらえるでしょう。
患者さんの確保も母体病院からの紹介があるため、潰れる心配も少ないです。

また都市部では、疾患に特化したステーションもあります。
「末期がんのターミナルケア専門」「透析専門」「精神障害者専門」などです。
得意な疾患から、ステーションを選ぶという方法もあります。

訪問看護まとめ

訪問看護は、病院以外の職場大本命です。
1人で気楽に働け、看護師としてのやりがいもあり、夜勤も無く、給料もそこそこです。さらに看護スキルを維持しやすく、もしもの時は「また病院で働く」という選択もしやすい環境でもあります。

「病院以外で働きたい!」という方には、訪問看護がオススメです。

ただし訪問看護は、ステーションごとの待遇格差が大きいです。
仕事内容、看護方針、患者さんとの距離感、オンコール、給料額、経営状況など、シッカリと情報を集め、自分に合ったステーションを探しましょう。

産婦人科に転職した看護師だけど質問ある?


看護師の皆さんこんにちわ。
産婦人科に転職して3年目のハマチューです。

産婦人科は最近ひそかに人気の職場です。
赤ちゃんはかわいいし、命が産まれる瞬間に立ち会えるし、難産だけど無事に産まれたときは感動してウルっとすることもあります。

しかし!
産婦人科は、病棟の臨床現場とはガラッと変わるため、そのギャップに苦しむ看護師が多いです。
新しくお母さんになる方々はかなりナーバスですし、産後不安も対応を間違えると大事になりますし、まだ生命力が弱い赤ちゃんへの医療行為は毎回ヒヤヒヤします。
それに患者さんもスタッフも女性ばっかりの「THE女の職場」という、かなり特殊な環境でもあります。

「産婦人科に転職したいけど不安・・・」

わかりますわかります。
そこで今回は産婦人科の内情について、赤裸々に答えてみたいと思います!
よくある「産婦人科はすごい良い!」などの絶賛とは違い、「産婦人科はここが嫌・・」と悪い面もバシバシ答えていきます!

産婦人科ってどんなところですか?

患者さんは女性と赤ちゃんが対象なので入りやすい雰囲気は他の科とくらべてもダントツあります。
さらに、病気でかかる患者さんばかりの科と比べて、産婦人科は新しい命と出会う奇跡の瞬間に立ち会えるところなんです。

勤務時間はどれぐらいですか?

出産は24時間体制で不定期なこともあり3交代制、まれに2交代制をとっている病院が多いです。

3交代制の例)

08:30~17:30
16:00~01:00
00:00~09:00

夜勤はあるんですか?

あります。計画的な出産を予定していても、いつやってくるかわからないのが出産です。
24時間体制でのぞむため夜勤もあります。
看護師の人数にもよりますが、平均月5回多くて10回ある人もいます。

給料はどれぐらいですか?

平均は25万~30万で他の科とそれほど変わりません。
女性は出産を「人生の一大イベント!」としてとらえています。
せっかく苦しい思いをして産むんだからちょっと贅沢したいな~と思っています。
そのニーズに応えるホテル並みのサービスを提供する個人病院も増えてきました。
当然ながらそのような個人病院は給料も多い傾向にあります。

文字通り産婦人科ですが、産科と婦人科と分けるとしたらそれぞれどんな仕事がありますか?

ほとんどの病院は産科と婦人科と2つの科を兼ね備えています。
産科は妊婦や新生児に対して出産前から産褥までの診察や処置、指導全般を行います。
母親学級もそれにあたりますね。
一方婦人科は女性特有の子宮や卵巣疾患に対する検査や治療をするため内診時の補助や立ち会いがあります。

内診の立ち会いもあるんですね。ちょっとドキドキしますが。

あります。患者さんはもっとドキドキですよ。特に男性医師の場合女性看護師の立ち合いが義務付けられています。
女性の膣の中や陰部の状態を診察するので女性看護師の立ち合いが必須なんですね。
看護師はそんな患者さんの羞恥心に対する配慮がとても重要になります。

それでも患者さんはナーバスにならないですか?

もちろんなります。症状のある場所が女性特有の場所ということもあり「あ~見せたくないな~」という思いで皆さんやってきます。
相手が男性医師の場合はかなりぎこちない感じで接してこられます。当然ですよね。
内診前にコミュニケーションをとって患者さんの不安を取り除きやわらいだ雰囲気にすることも看護師の腕の見せ所です。

では妊婦さんとはどのような関わりがありますか?

大きく分けて3つあります。

1.外来

医師の診察補助や検査、血液採取です。必要な処置や薬の準備も含まれます。
産婦人科特有の検査としてNSTがあります。

2.病棟

一般の科と同様で、入院患者の体調管理や点滴、薬の管理がメインになります。手術後の患者さんには排泄の介助も伴う場合があります。
帝王切開した患者さんがいる場合は点滴の交換や痛み止めの座薬や注射、悪露の交換、尿量チェックをします。

3.分娩

分娩室でのサポート業務があります。お産に直接かかわることができないため一言でいえば妊婦さんと胎児の観察ですね。

以前から気になっていました、NSTとはどんな検査ですか?

妊娠34週~36週以降に胎児が健康かどうか妊婦さんのお腹にセンサーをはって胎児の心拍数を調べる検査です。胎児は直接
触れることができないので母体を通じての検査となる点も産婦人科独特ですよね。
赤ちゃんがいる~と感じられる瞬間ですね。

分娩のサポートは産婦人科特有ですよね。詳しく教えてください。

大きく3つの行程があります。

1.分娩前

主に心電図やモニターを見ながら母子ともに観察することが仕事になります。
陣痛の痛みや不安で苦しむ妊婦さんやご家族に寄り添って励ますことも大切な仕事です。

2.分娩中

自然分娩の場合、子宮口の診察補助や、分娩の解除作業補助、促進剤の管理です。
実際の取り上げ作業は医師や助産師が行うので看護師はその介助となります。

3.分娩後

お母さんには詰め所に来てもらって血圧、体重、採血したり子宮の収縮具合を確認したり悪露の状態をチェックしたりします。

他にもありますか?

あります。
分娩後母子同室の場合、母乳の吸わせ方やミルクの作り方、おむつの替え方、沐浴や検温の仕方を指導します。
生後まもなくの赤ちゃんは看護師が授乳、検温、おむつ交換します。
夜間はお母さんにぐっすり眠ってもらうために新生児を預かって時間ごとに授乳とおむつ交換をします。
翌朝検温し、排泄の回数や睡眠時間のチェックを行います。
退院する母子への退院指導を行います。出生届の出し方や一か月検診の案内ですね。

自然分娩ではなく、帝王切開時はどのような仕事がありますか?

主に準備業務があります。外科と同様手術が必要になるため、使用する機器や器具出し、医師の施術までの補助業務が
あります。
緊急度が増すため、医師や助産師だけではなく時には他の科と連携を取って素早く行うことも重要になります。

つながりは頻繁にありますか?

はい、あります。帝王切開時や子宮筋腫、卵巣腫瘍などの手術を伴う場合は外科とも連携することもあります。
他には、未熟児で産まれた赤ちゃんや、出産後疾患がわかった場合は、小児科やNICUとも連携することになりなります。

参考記事:看護師が小児科に転職するなら知っておきたいポイント
参考記事:看護師がNICUに転職するための全知識

スキルアップできますか?

はい、できます。産婦人科は他の科との連携をする機会が日常的にあるので、その分他の科の医師や看護師ともかかわることが
とても多いです。自然と他の科の看護師の仕事を垣間見ることもあるため身についていきます。

さらには?

産婦人科では他の科と違って助産師と共に仕事を行います。助産師の補助を担うため助産師を目指す看護師が
多いのも特徴です。

スキルアップの仕方が明確でいいですね!助産師を目指すメリットはありますか?

あります。分娩に直接たずさわることで感動は人一倍です。お母さんより先に赤ちゃんに触れる存在なんですよ。
他にも、出産は明るいニュースばかりではなく、リスクもつきものです。
患者さんや病院としても出産のエキスパートの助産師は多いほうが喜ばれるため助産師は求人もひくてあまたです。

看護師の給料よりも助産師の給料は高いですか?

高いです。
その点も助産師の資格をとる看護師も多い理由になります。

看護師の給料平均25万~30万円(地域差はあります。)
助産師の給料平均27万~35万円(基本給が高くなる傾向があります。)
ブラックな残業代のつかない病院勤務の看護師の給料より、残業代なしの助産師の給料の方が高いことだってあります。

ブラックな病院は嫌です!良い病院と悪い病院の見分け方ってありますか?

助産師が何人いるかが重要です。出産はいつ始まるかわかりません。そして何人同時に産まれるかわかりません。
いわば予想外のオンパレードです。
助産師が少ないと看護師が役割を担うこともあります。当然ながら患者さんにとって質が下がってしまい
看護師にとってもハードワークとなります。

予想外の出来事について具体的に教えてください。

産婦人科は言ってしまえば救急病院と同じです。いつどこで出産があるか予想できません。
車の中での出産や、予定外の出産にも臨機応変に対応しなければなりません。
ここだけの話ですが、ドラマよりもドラマな現場に右往左往な分マンネリがありません。

他に予想外のできごとはありますか?

あります。時間に関係なく陣痛はやってきます。分娩室待ちの列ができることもあります。
ぶっちゃけ頭が出てきた赤ちゃんは医師を呼ぶまでもなくなんてこともあります。
その分産まれてきたときの感動は他では味わえません。一つ一つの出産が感動の嵐です。

産婦人科で一番嫌だったことって何ですか?

夜勤で医師不在の場合です。夜勤時医師は出産ぎりぎりまで出勤していないので看護師が分娩の進行状況を判断します。
早すぎず遅すぎない絶妙のタイミングで呼び出すという業務が至難の業です。
慣れてくると絶妙加減はわかるので心配はいりません。

逆に産婦人科の看護師になって良かったことはありますか?

これは沢山あります。自分が出産するときにすでに新生児の扱いのエキスパートだったことです。
泣き方で「おむつだ」「おっぱいだ」とすぐにわかりました。
沐浴も経験していたので楽勝だし、育児に不安を感じずにできました。
婦人特有の疾病にかかったときもいち早く気づくことが多いので事なきを得ます。

産婦人科に興味がわいてきました。強いていうなら何か覚悟しておくことはありますか?

あります。
出産は常にハッピーエンドではありません。
堕胎や、流産、死産に直面することも残念ながらあります。その点は他の科とも同じですね。
精神的に相当なショックを受けることもあります。
その分、産まれてきてくれた命と対面したとき充実感でいっぱいになります。
何十時間もかかってようやく産まれてきた赤ちゃんを見た瞬間、お母さんと共に涙を流して喜びあえるそんな現場です。

良い病院を選んで産婦人科の看護師になりたいです。どうしたらよいですか?

質の高い求人を選ぶポイントは3つあります。

  • ポイント1.出産は不定期なため徹底した勤務時間の管理をしているか?
  • ポイント2.経験に基づく信頼性の基準として分娩数は多いか?
  • ポイント3.オーバーワークにならないために看護師、助産師は何人いるか?

これらは同時にすべて患者さんへの質にもつながりますよね。

質の高い求人なんて一人で探す自信がありません。どうしたらよいですか?

質の高い求人を選ぶためには転職エージェントを利用してきちんと病院をチェックしておくことが先決です。
希望を言えば沢山の情報を集めてくれるのでその中から自分にあった求人を選べます。

それでは頑張ってください!

整形外科に転職した看護師だけど質問ある?


ちょりーっす!
お久しぶりです。整形外科5年目の涼子です。

最近、整形外科に転職してくる看護師が増えてきました。
理由を聞いてみると仕事が楽とか、夜勤が無いとか、出会いがあるとか、そこそこ給料が良いとか。

まあ確かにそうなんです。

が!

「はぁぁぁぁああ!!!!???オメーら仕事なめてんの!!!???」と正直思います(キャピ)

整形外科は体力勝負だし、セクハラも多いし、体育会系の筋肉バカばっかりでマジつれーし、ドクターも脳筋だし、意外と人間関係ドロドロだし。

それに病院によってはジジババばっかりで出会いなんてありませんよ?
私なんて33歳でまだ独身だよ?(うるせー!)
彼氏すらいないよ?(だからうるせー!)

オメーら整形外科のこと全然わかってねー。
おっし!私が教えてやる!!

ってことで今回は「整形外科の現状」をテーマに、整形外科5年目の看護師が色んな質問に答えちゃいます!

整形外科の甘い汁を吸い方をがっつりレクチャーしますよ!マジメな方はガッカリしないでね!

整形外科ってどんな所?

整形外科は、骨や軟骨、筋肉、関節、靭帯、脊髄、脊椎、神経などを含む運動器の外傷や疾病を治療する科です。

未経験だけど転職できる?

できます。
整形外科の経験がなくても歓迎という求人も多く、チャンスは沢山あります。
ただし、人気の高い科の一つであることを念頭に置き、転職サイトにも登録しておけば、自分が転職したいときに情報を手に入れることができます。

どんなスキルがあればいい?

経験がなくてもやる気があれば大丈夫です。

基本的な看護師スキルがベースになりますが、整形外科に多い業務としては、術前・術後の看護やリハビリの介助、生活指導などが挙げられます。
具体的には、手術や退院後の生活に対する不安を持った患者さんへの精神的サポート、身体の不自由な患者さんが安全に生活できるように、体の大きな患者さんを支えたりします。
それから、創処置やギブス、包帯交換などの医師の診療の介助や、周手術期看護のほか、回復期のADL回復に向けたリハビリなど、他部門と連携して看護を進める必要があります。

整形外科は忙しい?

忙しいです。
おっしゃる通り、他科に比べてADL介助やリハビリなどに時間を割く割合が高いからです。
そのほかに、手術前・手術直後の対応も行います。
さらに、事故などによる緊急入院も多く、その対応にも追われます。

外来やクリニックでも老若男女問わず多くの患者さんが来院するため、忙しいと感じる日が多いですが、やりがいはあります。

看護師の仕事は?

はい、外科とついている通り手術を行う科ですが、手術に限らず、治療方法は様々です。
例えば、ギブスで固定したり、温熱・電気・水・光線などによって機能を回復・改善させる治療を行うこともあります。
それから、リハビリや薬物を使用する治療、ブロック注射も行います。

整形外科のメリットは?

整形外科は腰痛や関節痛などで整形外科を受診する患者さんが多く、日常生活と密に関わる科なので、需要が多いです。
そして、他科に比べて若い患者さんや内臓系の疾患を抱えていない元気な患者さんが大勢なので、雰囲気が明るいです。

それに、力仕事が多いため、体力面で自信のある男性看護師が比較的多いです。

未経験でも大丈夫?

自分で努力して勉強する意思があれば大丈夫です。
そして、転職前には、全身の運動器についての理解を深めるために、解剖生理学を勉強し直しておくと良いでしょう。
また、プリセプターの有無や勉強会開催の頻度など、教育体制がしっかりしていて学びながら働きやすい病院を選ぶことも大切です。

キャリアアップはできる?

できます。
「運動器看護師」という日本運動器看護学会が認定する資格があります。
この資格は、看護師としての実務経験5年以上かつ運動器領域での3年以上の実務経験があり、
定められた講習を受講、さらに書類審査と認定試験を受けて合格することで認定されます。

整形外科は残業が多い?

忙しい科ですので、残業も多いです。
なぜなら、手術件数が多ければ術前・術後の管理に時間を取られますし、さらに緊急入院があれば、その対応もしなければならないからです。
したがって、残業も自ずと増えるというわけです。

給与はどのくらい?

整形外科特有の手当てはありませんので、他科と変わりません。
ですので、夜勤ありの常勤で月に25~30万程度です。

ただし、整形外科は外来やクリニックも多く、その場合は夜勤手当てがないため高給は見込めません。

良い求人を探すコツは?

はい、あります。病院は、医師の専門分野を公開していることが多いため、ホームページや看板などで自分の学びたい分野があるか確認しておくとよいでしょう。

外来やクリニックでは幅広い疾患を扱わず、膝関節や股関節、腰椎やスポーツ障害など、それぞれの専門分野に特定して開業している医師がいます。
クリニック、外来、病棟などの職場や、患者さんの年齢層、属性によっても職場の雰囲気や仕事内容は変わってきますので、
自分がどのような所で働きたいのか明確にしておくことが転職成功のカギになります。

整形外科の魅力は?

治療を行い徐々にADLがアップしていく患者さんの姿を目の当たりにするので、看護の成果を実感できます。
そして、手術などを行う総合病院の場合は特に、幅広い知識と専門的なスキルが習得できます。
例えば、麻酔をして手術を行った場合などはもちろん通常の外科手術と同じような看護が必要になりますし、
全身症状や合併症などにも注意を払わなければならないため、観察力を身に付けられます。
命に関わるシビアな場面より、元気で明るい雰囲気が多いため、看護師自身の精神的ストレスが少ないところも魅力的です。

消化器内科へ転職した看護師だけど質問ある?


看護師の皆さんはじめまして!
消化器内科に転職して5年目のミムラです。

ここ最近は消化器内科への転職希望者が増えているそうです。
急患が少なく残業があまりない、病棟にのんびりした雰囲気があり人間関係が温和、患者さんと長い付き合いになるためジックリ看護できるなどなど。これらの特徴は消化器内科の良さですよね。

ただし「消化器」とはいっても、職場によってかなり違いがあります。
消化器内科と外科、単科と混合病棟、病棟とクリニックなどなど。

この「消化器科の違い」を知らずに転職すると、痛い目を見てしまいます・・。
(私や・・)

そこで今回は「消化器内科で働く人間」の目線で、「転職を予定している看護師」の方々に向けて、ご質問にお答えしたいと思います。
巷にあふれる「消化器内科の基本」のような浅い内容ではなく、看護師から見た消化器内科の実情をお伝えいたします!

消化器内科ってどんなところですか?

消化器科は内科と外科に分かれており、主に手術が必要な患者さんは消化器外科、手術適応でない、または手術後の患者さんは消化器内科となります。

消化器内科はその名の通り、消化器に関するすべての疾患を扱います。
食道から胃、十二指腸、小腸、大腸、直腸のほか、膵臓、胆嚢、肝臓といった、人体の臓器の多くが消化器系に属しています。

そして、消化器内科に多い疾患は消化器に発生する「がん」です。その中でも、手術以外の、化学療法や放射線療法が主な治療となります。
その他、炎症や潰瘍など、消化器系のあらゆる疾患を扱います。

消化器内科は人気がありますか?

基礎を固めたいと考える看護師に人気です。
多くの消化器系臓器について学べるので、看護師としてのスキルアップに繋がります。

仕事内容はどんなものですか?

特徴的なのは、基本的な看護師スキルで求められる仕事に加えて、化学療法や放射線療法の看護を行う頻度が高いことです。
この化学療法というのは、抗ガン剤を用いてがん細胞の分裂・増殖を抑え、がん細胞を消滅または減少させる治療法で、
放射線療法というのは、放射線を照射することにより、がん細胞を消滅または減少させる治療法です。
どちらも副作用の出やすい治療ですので、幅広く深い知識が必要です。
また、消化器内科では消化管内視鏡検査の頻度が高く、看護師が上部・下部消化管内視鏡検査の介助を行うことも多いです。

化学療法や放射線療法の看護について教えてください

化学療法の看護で大切なのは、まずレジメンと呼ばれる投薬に関する計画書の内容を覚えることです。
消化器内科は様々ながんを扱うため、レジメンの数もとても多いですが、頑張ってください。

そして、化学療法では副作用への対応が必ず求められます。
作用と副作用が使用する薬品ごとに違うため、副作用の出現しやすい時期を把握したうえでの観察や、迅速な対応が必要です。

放射線療法もまた、副作用の出やすい治療です。
なぜなら、正常な細胞にも照射しなくてはならないので、放射線の通過する部位にある臓器にも副作用が出現する可能性があるからです。
その中には、早期に起こる副作用と後期に起こる副作用があり、吐き気や下痢などが高確率で表れます。
特に皮膚や口腔・咽頭粘膜への副作用はグレードも決められており、重症の場合は壊死することもあるため注意して観察します。

加療期間は、長ければ5~6週間かかることもあり、外来に通院するか、入院して治療をします。
通院が難しい患者さんは入院したまま治療を行うため、長期入院が必要になるケースがありますので、
化学療法や放射線療法で苦しむ患者さんのメンタルケアも必要です。

吐き気や下痢が多いということは、食事の指導もするのですか?

はい。
絶飲食や制限食が必要なことが多いです。
その理由は、炎症を起こしている消化器を休ませるためや、疾患による消化液やホルモン分泌の異常があるためなど様々です。
ですから、食事指導をはじめとした生活指導を行うことも消化器内科の大切な看護業務です。分かりやすい指導を行うために、しっかりとした知識を身につけましょう。

また、胃瘻やストーマなどの知識も必要になってきます。

消化器内科は未経験で覚えられるか不安ですが、転職できますか?

できますし、比較的転職しやすいです。
知識を身につけるには、まず自分が進んで勉強することです。消化器系の基礎となるのが解剖生理学なので、解剖生理学を勉強し直しておけば、転職後の知識の定着も早いです。
ただし、転職前に、プリセプター制度の有無や勉強会の頻度などを確認して、未経験でも勉強しながら働ける環境かどうかを確認することも大切です。

キャリアアップはできますか?

できます。
消化器内科は他科に比べて取得できる認定看護師の分野が多く、主に、がん性疼痛看護、緩和ケア、がん化学療法看護、がん放射線療法看護と、4分野もあります。
そして、ストーマの患者さんが多いところなど、環境によっては皮膚・排泄ケア認定看護師も目指せます。
入職後、経験を積めば認定看護師教育機関を受講する資格を得ることができます。自らの積極的な行動で、認定看護師を目指せることは大きなモチベーションになるでしょう。

残業は多いですか?

環境によります。
なぜなら救急車を受け入れる件数の多い病院では緊急入院や緊急の内視鏡検査などが入り、残業することも多いからです。

ただし、外来の場合は、診療や検査などもほぼ時間通りに終わるため、残業は少ないです。

給与はどのくらいですか?

消化器内科に特有の手当てはありませんので、他科とあまり変わりません。
たとえば、夜勤ありの常勤で月25~30万程度です。

消化器内科の魅力はどんなところですか?

消化器系すべての臓器を対象としている科であるため、幅広い知識を身に付けることができます。

また、消化器症状は痛みや吐き気、下痢や吐血など辛いものが多く精神的サポートも大切な看護になりますが、
外科に比べるとゆったりしているので、患者さん一人ひとりとじっくり関わることができるのも魅力です。
そして、化学療法や放射線療法など、がんに関わる様々な看護を経験できるので、将来、他科へ異動になっても重宝されます。
患者さんと接することやスキルアップをしていくうえで、人間的な豊かさを学んでゆける科です。

看護師が消化器外科に転職するにはどうしたら良いの?質問にお答えします。

消化器外科ってどんなところですか?

消化器科は内科と外科に分かれており、主に手術が必要な患者さんは消化器外科、手術適応でない、または手術後の患者さんは消化器内科となります。

消化器外科はその名の通り、消化器に関する疾患を扱います。
食道から胃、十二指腸、小腸、大腸、直腸のほか、膵臓、胆嚢、肝臓といった、人体の臓器の多くが消化器系に属しています。

そして、消化器外科に多い疾患は消化器に発生する「がん」で、その中でも、手術適応のがんを扱うことが多いです。
日本人に発生するがんの多くは消化器系なので、急性期から終末期まで様々な病態のがん患者が集まる科になります。

消化器外科は人気ですか?

人気のある科です。
まず、外科では手術に関わることで看護師としてのやりがいを見いだせます。
なかでも消化器外科は消化器系の幅広い知識を身につけられるほか、キャリアアップを視野に入れることもできるからです。

仕事内容はどんなものですか?

消化器外科では基本的な看護スキルに加えて、術前・術後の看護がメインになります。
具体的には、術前準備として患者さんへの分かりやすい説明や、自分ががんであることと、手術に対する不安をもつ患者さんへの精神的なケアが求められます。
さらに、術後は合併症を含めた創部の処置や疼痛コントロールなどの全身管理と観察を行い、異常の早期発見に努めます。
例えば、手術でストーマや胃瘻を造設した場合の管理や自己管理に向けた指導をします。

また、術前・術後に化学療法や放射線療法を行う患者さんの看護も必要になります。

手術が多くて忙しいイメージですが、実際はどうですか?

忙しい科です。
イメージされているように手術や処置が多いため、必然的に看護業務量も多くなるのです。
なぜなら、術前・術後の患者さんだけでなく、家族への指導や説明、メンタルサポートに時間をかける必要があります。
そして、吐き気や痛みと戦う患者さんと常に接していること、回復できずに終末期を迎える患者さんもいらっしゃることから、精神的にもハードな科といえます。

患者さんに寄り添う看護ができるのですね。外科の知識はありませんが転職できますか?

できます。
消化器外科へ転職するための第一歩は、消化器系の解剖生理学を勉強することから始まります。
まずは、勉強したことが頭に入っているだけで、働きはじめてからの理解が格段に違いますので、看護学校で学ぶような基本的な周手術期看護とともに、転職する前に勉強し直しておくと良いでしょう。
外科一般の知識は働きはじめてから覚えても遅くありません。 

また、転職後に学べる環境があるかどうか、転職時に確認しておきましょう。
医師や認定看護師などが勉強会を開催してくれる病院であれば、より理解が深まりますし、
勉強会の頻度や研修支援があるか、プリセプター制度の有無などを確認しておくと安心です。

転職後、キャリアアップするうえで、何か条件はありますか?

あります。
まず、消化器外科では、緩和ケア、がん性疼痛看護、皮膚・排泄ケア、がん化学療法看護の認定看護師を目指すことができます。
認定看護師資格は、5年以上の実務経験のうち、専門分野で3年以上を経験し、指定の講習を受講して認定試験に合格すれば取得することができます。
そうしてキャリアアップを目指すことは、看護師として働くうえで大きなエネルギーになるでしょう。

給与はどのくらいですか?

消化器外科特有の手当てはありませんので、他科と変わりません。
ですから、夜勤ありの常勤で、月25~30万程度です。
ただし、残業が多い分、残業手当てが付けばもう少し多くなるでしょう。
転職する際は、しっかり残業手当てが支払われるかどうか、確認しておくことが大切です。

残業は多いですか?

比較的多い科です。
なぜなら、手術件数が多いうえに、緊急を要する手術や入院も頻繁にある中で、
化学療法の副作用で苦しむ患者さんなどに寄り添って精神的サポートを行う必要もあるからです。
もともと看護業務量の多い科ですので、自然と残業時間も増えます。

しかし、忙しい科だからこそ、テキパキと仕事をこなすスキルが身につくという看護師もいますので、まずは仕事に慣れることから始めてください。
忙しい環境の中で的確に仕事をこなすことができれば、自ずと残業時間も減らせるでしょう。

良い求人を見つけるにはどうしたらいいですか?

各病院で手術実績の情報が公開されていますので、自分の興味のある分野が学べるかどうか確認しておくと良いでしょう。
特に、消化器は多くの臓器を扱うため、医師によって専門または得意とする臓器や術式があります。
ただし、肝移植などの大きな手術を行う病院は少なく、そのような先端医療を学びたいのであれば転職先は限られてきます。
自分でしっかり調べてから、納得のいく転職活動をしてください。

消化器外科の魅力はどんなところですか?

大きな魅力は急性期から終末期まで様々な病態のがん看護をステージごとに学べるところです。
さらに、がん看護を身につけ、周手術期や化学療法を経験していれば将来どんな科に異動しても重宝されます。
そして、緊急の処置や手術準備、急変などを経験していくうちに、どんなことが起こっても冷静に対処できる対応力が身に付きます。
特に大きな病院では、常に最先端の医療を目の当たりにすることができます。

それに、消化器外科は看護師としてのスキルアップに向いている科です。
多くのことを経験し、自分の能力を高めたいと思っている看護師が集まる傾向にあるからです。
ですから、向上心をもった仲間と高めあいながら仕事ができるこの上ない環境といえます。

看護師の転職Q&A!泌尿器科で働くにはどうしたらいいの?

泌尿器科ってどんなところですか?

泌尿器科では、外科的・内科的を問わず、すべての泌尿器科疾患を扱うところです。
また、男女問わず膀胱がんや腎盂腎炎などの患者さんも看ます。

そして、急性期から慢性期や終末期の患者さんまで幅広い病態を扱います。

泌尿器科は、どんな特徴がありますか?

特に多いのは男性の前立腺疾患で、前立腺がんや前立腺肥大症の治療を行います。
前立腺がんは前立腺針生検で診断しますが、こういった検査でも、前立腺肥大症などの内視鏡の手術でも短期間の入院なので、患者さんの入れ替わりは激しいです。
次に、化学療法や放射線療法も多いです。これは、がん患者が多いのが理由で、化学療法のため繰り返し入院する患者さんや、放射線療法のため長期間入院している患者さんがいます。

そして、大きな病院では前立腺がんに対する放射線療法で「密封小線源療法」を行っているところがあり、その介助もします。
それから、膀胱がんの治療のためにストーマを造設することもあり、自己管理ができるように指導を行います。

あとは、男性看護師が多いことです。
なぜなら、男性のデリケートな部位を看るため、男性看護師か、女性でもベテランの看護師が好まれる傾向にあります。

いろいろなお仕事がありますが、泌尿器科は忙しいですか?

あまりイメージにないかもしれませんが、泌尿器科は外科的・内科的を問わず、急性期から終末期まで幅広い病態を扱うので、とても忙しいです。
また、泌尿器科医というのは実質数が少なく、外科や内科のように多くの医師が常勤してることもありません。
限られた医師が外来診療と手術を兼務しているために、外来日と手術日が分けられており、手術日には1日に多くの患者さんの手術を行う傾向にあります。
ですから、手術日ともなると、1日に何件もの手術が組まれて看護師は術前準備や術後の管理に追われることになります。
その中で化学療法や、終末期患者の疼痛コントロールをしながら、
入退院のためのアナムネ聴取や看護サマリーのまとめなど、事務的な作業も行わなくてはなりません。

大変そうですが、たくさんのスキルが身に付きそうですね。

はい。
そして、泌尿器科の解剖生理と疾患の理解を基本として、化学療法や放射線療法、周手術期看護や、終末期の麻薬を用いた疼痛コントロール、
腎不全の患者さんへの透析など、幅広い病態に対する知識が身に付きます。

泌尿器科の知識はありませんが転職できますか?

できます。
例えば化学療法ですが、泌尿器科の場合は種類が限られているため覚えるのに比較的時間はかからないでしょう。
できれば他科で化学療法を経験していると理解が早いですが、必ずレジメンがあるので未経験でも覚えられます。
ストーマ管理の知識についても、働きながら習得することができます。

将来的にキャリアアップはできますか?

できます。
泌尿器科では、がん化学療法や放射線療法、皮膚排泄認定看護師などを目指すことができます。
経験を積めば認定看護師教育機関の受講資格が得られるので、極めたい分野のキャリアアップを目指すことは大きなモチベーションとなります。

忙しいということは、残業は多いですか?

そうですね、比較的多いです。
なぜなら、尿閉などに対する緊急の処置を施さなければならないことはよくあることだからです。
また、手術が予定時間に終わるとは限らず、手術日は残業の可能性が高くなるでしょう。

給与はいくらですか?

泌尿器科特有の手当てはありませんので、他科と変わりません。
ですから、夜勤ありの常勤で、月25~30万程度です。

ただし、泌尿器科の病棟がある病院が少なく、泌尿器科を希望しても外来やクリニックしか見つからないことがあるので、子育て中の方や、夜勤が苦手な方におススメの勤務先です。

泌尿器科に転職するのは難しいですか?

泌尿器科の求人は多くないので難しいです。
なぜなら、泌尿器科病棟のある病院はあまり多くはありません。
泌尿器科を標榜していない病院が、内科で入院を受け付けることがありますし、皮膚科や眼科などとの混合病棟になっていることが多いのです。

病院の外来やクリニックは他科と同等の施設数があるため求人自体はありますが、業務的に必要な人数が少ないですし、退職者がでないと求人が出ないため、タイミングを見定めるのも難しいでしょう。

ただし、看護師転職サイトに登録した場合は、転職活動を助けてもらうことができるため、良い転職先が見つけられるはずです。

転職の際に確認しておいたほうがよいことはありますか?

自分の興味のある分野が学べるか、認定看護師が在籍しているか、医師の勉強会や研修の補助はあるかどうかを転職時に確認しておきましょう。
自分の興味のある分野が学べるかに関してですが、病院に在籍する医師によって専門または得意とする術式や治療法があります。
しかし、膀胱全摘術などの大きな手術や小線源療法などの専門的な治療を行う病院は少なく、そのような先端医療を学びたいのであれば転職先は限られてくるでしょう。
反対に、内視鏡による前立腺肥大症や膀胱がんの手術、前立腺全摘術などは多くの病院が行っています。
認定看護師が在籍しているかに関してですが、がん化学療法認定看護師や皮膚排泄認定看護師がいると化学療法やストーマ管理についての勉強会を開いてくれたり、直接教えてもらえます。

泌尿器科の魅力を教えてください。

他科にはない専門性の高い看護の学びと経験が得られますし、人間関係が良好です。
例えば男性患者を中心とした泌尿器疾患の看護と、膀胱持続洗浄やストーマ管理など、専門的な治療や看護を学ぶことができます。
そして、化学療法や放射線療法など、がん看護に関わる知識も身に付けることができます。

また、男性看護師が多いので、女性看護師ばかりの病棟にくらべて人間関係が良好なため、爽やかに気持ちよく働けます。

看護師が循環器内科に転職するためのQ&Aまとめ


循環器内科に転職を考えている看護師のみなさん、こんにちは。

循環器内科でデキる看護師になりたい!スキルアップしたい!やりがいをもって働きたい!と、夢が広がりますよね。
総合病院の花形とも言える診療科ですし、やる気もバッチリかと思います。

でも、循環器内科に憧れ”だけ”で転職したいと思っていませんか?
憧れだけではやっていけない厳しさが、循環器内科にはあります。
めちゃくちゃ忙しかったり、命に関わるプレッシャーがあったり、勉強が大変だったり……。
私は、現実の厳しさに負けて循環器内科を去っていく看護師をたくさん見てきました。

では、循環器内科への転職に失敗しないためにはどうしたら良いのでしょうか?

とにかく、循環器内科のことを知ってください。
今回は、循環器内科についてよく聞かれる質問をQ&A方式お伝えしていきます。

これさえ読めば、循環器内科のことを全体的に把握できるようになりますよ。
あとは、勇気をもって求人に応募してみてくださいね。

循環器内科の求人は多い?

比較的多いようです。
ただ、循環器内科は病院でのいわゆる花形と考える人も多く、専門的な知識も学べることから、
入職を希望する看護師も多いです。

特に循環器専門病院などへの転職は、循環器内科経験があることが求められることも多いため、
総合病院の循環器内科で経験を積んでからのほうが良さそうです。

循環器内科は仕事内容は?

循環器科は、心臓血管外科または循環器外科と循環器内科に分かれる病院も多いです。
一般的に循環器科は循環器内科を指すので、こちらでは循環器科を循環器内科としてお答えします。

循環器内科では一般病棟としての業務はもちろんのこと、特徴的なのは心臓カテーテル検査など、
手術室以外で施行される検査や処置の介助を行う可能性があります。

また、CCUのある病院では、循環器内科の看護師がCCUを兼務していることも多いです。

循環器内科で求められるスキルは?

心疾患の患者さんが多い循環器内科では、心電図が読めるかどうかがとても重要です。
ただ心電図モニターを眺めていても何もなりません。
モニターのアラームが鳴らなくても、どのような波形なのか、正常か異常か、不整脈の種類は?など、
判断して迅速に医師に報告する必要があります。
12誘導まで読めれば、なお良いです。

心電図以外にも、少しの変化を見逃さずに患者さんに何が起こっているのかを迅速かつ適切にアセスメントする能力が必要です。
これは循環器科に限ったことではありませんが、特に命に直結する疾患の多い循環器内科では、
判断の間違いや少しの遅れが取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

また、循環器内科は心電図モニターの他にも様々な医療機器を扱うことが多く、
専門的な機器の知識を身につける必要があります。

循環器内科で大変なことは?

循環器内科の看護師はとにかく忙しいです。もともと入退院が多いうえに命に関わる緊急入院や緊急手術もよくあります。
日々の観察のほか、検査や処置の介助、急変の対応などにも追われます。

一方で、高血圧や動脈硬化など、生活習慣の積み重ねが心筋梗塞などの心疾患に繋がることも多く、
患者さんへの生活指導も重要です。
自分の知識がないと相手に指導できないうえに、分かりやすい説明を行い、理解してもらう必要があります。
緊急を要する疾患だけでなく、その基礎となる、長年上手に付き合っていく必要がある病態や疾患を扱う科でもあるのです。

また、心臓や血管を扱う科であるため、小さな手技や判断のミスが患者さんの命に直結するという精神的な負担になる人も多いです。

専門機器の操作方法や心電図、ペースメーカーやカテーテル検査など、覚えなければならない専門的知識もかなり多く、
自主的に勉強する意識を持てないと続けていくのは難しいです。

循環器内科の魅力は?

命に直結する業務をこなしていくことで、循環器内科での仕事にやりがいを持つことができます。
専門的知識が増え、高度な医療に触れることは看護師として大きなスキルアップにつながります。

意識の高い看護師が集まる傾向にあるので、お互い高め合いながら知識の習得に繋げられると思います。

循環器の経験なしでも転職できる?

できます。
循環器の知識に自信がないようなら、入職前に教育体制について確認しておきましょう。
プリセプター制度の有無や勉強会の頻度、さらに研修参加の補助の有無など、
学びながら働ける環境にあれば、安心して転職することができます。
経験のない科への転職は、看護師にとって確実に大きなスキルアップに繋がります。

給与はいくら?

病院によって差はありますが、他科病棟と大きく変わらないようです。
月25~30万程度が平均となっています。
循環器内科の場合はCCUやHCUに配属されることもあり、その場合は夜勤回数が増えたり、特別手当がつくことがあるため、
給与は少し高くなる可能性があります。

求人内容で確認した方が良いことは?

先方が循環器経験者を希望している場合は即戦力を求めている可能性が高いです。
未経験の場合は、入職前に知識を付けたり、できる限り自分で勉強しておいてください。
また、教育制度が整っている病院を選ぶことが大切です。

忙しい科なので殺伐としていて人間関係が悪い病棟もあるようです。
病院見学の際は、看護師同士が生き生きと働いているか職場の雰囲気を確認しましょう。

さらなるスキルアップはできる?

できます。
循環器を極めるなら、心臓血管外科への転職がお勧めです。
循環器のスペシャリストになれます。
加えて、転職に関しても循環器内科からなら基本的にどの科でも好意的に受け入れられるでしょう。
転職がしやすいし、知識も広がります。