看護師1年目の新人ですが辞めたいです。命が重いです…【回答:いずれ潰されます】

ご相談

真田さん(23歳・看護師)

初めまして。
私は1年目の新人看護師です。
内科系の急性期で働いています。

先日、私の不注意により、患者さんが急変してしまいました。
患者さんは今も具合が悪いままです。

いつもと様子が違うのは気づいていました。
でも「薬が効いているせい」「たぶん私の勘違い」と見て見ぬふりをしてしまいました。

己の未熟さを猛反省しています・・・。
後悔しかありません。
患者さんのご家族がベッド横で泣いる姿が、夢に出てきます。

看護師を続けられる自信がありません。
怖いです。
重圧に押しつぶされそうです。

看護師を辞めようと思っています。
同じようなご経験のある方がお見えでしたら、アドバイスを頂けると幸いです。

回答

池石 サチコ(34歳・看護師)

こんにちわ。
1年目で大変な経験をされましたね。

真田さんは素晴らしいと思いますよ。
まだ経験が浅いのに違和感を感じ取れたのですから。

命の重さもしっかりと受け止められています。
最近の看護師は、「人の命は重たい」という当たり前を知らない人が多いですから。

ご自分の至らなかった点も把握しておられるようですし、責任も感じていますよね。
私個人の感覚で言えば、「真田さんは良い看護師に育つ」と思います。

大事なのは「辛さを乗り越え、どう改善するか?」です。

まず。
辛さを乗り越えるには、時間が解決してくれます(多くの場合)

過去のトラウマは時間とともに薄れていきます。
今は悪夢を見るかもしれませんが、いずれそれもなくなります。

それに今回のミスは経験不足が原因ですよね?
真田さんがこのまま順調に成長していけば、間違いなく防げたミスです。
つまり未来のあなたには起こりえないミスです。

今回のミスは、真田さんの成長の起爆剤となってくれます。
あと2年、3年頑張れば、確実に成長します。

もちろんそれには環境も大事です。
ミスをフォローし、支えてくれる先輩が必要不可欠です。
そうでなければどんなに強い人でも潰れます。

私が心配するのはこの点です。
真田さんがどんなミスをしたのか分かりませんが、それ以上に職場側の重大な過失です。
「新人看護師がミスしただけで急変する」、この環境がありえません。

もし当たっていれば、職場を変えたほうがいいでしょう。
いずれ潰されます。

次に。
「どう改善するか?」は、経験の有無が大きいです。

看護は理論であり、科学の世界です。
しかしながら、「感覚」の世界でもあります。

「あれ?変だな?」「たぶんこうじゃないかな?」というのが、ベテランほど的確に当てられるようになります。
これは看護師に限らず、医師、エンジニア、弁護士、営業マン、農業など、すべての職業に当てはまります。
仕事ができる人ほど「感覚」に頼っています。

違和感に気が付けるか?
これは仕事ができる人、できない人を分ける差です。

今回のミスは、真田さんにとっても、患者さんにとっても不幸でした。

でもこの経験を生かしてください。
患者さんのことを考えると不謹慎かもしれませんが、人は他人から学ぶ生き物です。
患者さんから成長させてもらうのが看護師です。

真田さんは、患者さんの苦痛を感じられる看護師です。
それは優秀な看護師に必要不可欠な資質です。

しかし。
感じすぎる場合は、注意が必要です。

真田さんの相談を読んでいると、本当にハラハラします。
いつ心を病んでもおかしくないからです。
ここに相談するほどですから、今がギリギリの状況なんだと察します。

そうした時、一度引いてみてください。
看護師を離れるのです。

看護師に戻るのは簡単です。
医療の資格は強いです。

でも人の心は簡単には治りません。
私は残念ながら、そうした看護師を大勢見てきました。
助けられなかった自分が情けないです。
だからこそ、真田さんにはそうなってほしくないのです。

私は今、主任という立場です。
その立場を活かして、若い子達が健全に成長する環境を作っています。

でも。
こんな偉そうなことを言っている私ですが、逃げ出したことがあります。

看護師3年目の時、重圧に耐えきれず、退職しました。
命の責任から解放されたときの安堵感は、今でも覚えています。

その後は精神科、クリニック、介護施設など、命のやり取りが少ない職場で働きました。
シンプルに楽でした。

それでもまた急性期に戻り、今に至ります。
辛い日々が戻ってきました。
後悔もあります。

真田さん。
あなたには多くの道があります。
病棟だけが看護師ではありません。
1年目の新人であっても、雇ってくれる職場は沢山あります。

人には向き不向きもあります。

厳しい言い方になりますが、過剰に責任を感じてしまうなら、それはあなたに合わない職場です。
幸せは巡ってきません。

私は何度か転職して、自分に合う職場が分かってきました。
私には急性期が向いていません。
幸せになれない職場だと悟りました。
あと半年だけ頑張って、また精神科病棟に戻ります。

真田さんも、看護師としてではなく、人として生きてください。
職業は、生活の一部でしかありません。

命の負担が少ない職場は沢山あります。

でもハローワークはダメです。
売れ残りばかりです。

転職サイトを使ってください。
ハローワークとは全く違う求人が見れます。
若い看護師は、転職サイトの利用が少ないため、ライバルも少ないです。
転職サイトも大歓迎してくれます。

何事も経験です。
職場の数だけ、成長するのが看護師です。

それではお体には気を付けて。
陰ながら応援しております。

病気持ちの看護師が転職した話【追記・後日談あり】

鈴村さん(28歳・女性)
最初に入職した大学病院で体を壊す。今は都内の私立病院でチームリーダーとして働きつつも、雑誌への寄稿や、転職で悩む看護師のサポート活動をしている。

これは私が新卒で病んでから、転職するまでの体験談です。

私は病気が理由で、露骨な不採用を受けたこともあります。
それを隠して入職し、自暴自棄になったこともあります。

この記事は「転職の過程」と「その失敗から学んだこと」を書きました。
同じように病気で悩んでいる方のお役に少しでもなれば幸いです。

病んだ私が転職するまで

私は人と関わるのが苦手なタイプだった。
精神的にもそう強くはない。

結果として新卒後に病んでしまった。
心療内科に通院した。

「絶対にやめたくない」と思い踏ん張り続けた。
でも睡眠薬でも眠れなくなり3年で退職した。

少し休んでから仕事を探した。
病気のことを隠して入職した。

でも病気がバレないよう頑張りすぎた。
よくなりかけていたのに悪化した。
また辞めるしかなかった。

それからは面接で病気を打ち明けるようにした。

だけど反応は悪かった。
「なるほど…」
「うちは激務な方だし…」
「働くのは難しいかもですね…」

何度も不採用になった。

無職は色んな意味でプレッシャーだった。
早く仕事を見つけたかった。

また隠して入職した。
でも結局辞めることになった。
これを3回も繰り返してしまう。

伝えれば、仕事が見つからない。
伝えなければ、さらに悪化する。

引きこもった。

家族は静かに見守ってくれた。
でも「普通に働かなきゃ」というプレッシャーがあった。
働かない罪悪感があった。
妹の結婚式に出席できなかった(人生最大の後悔…)
肩身が狭かった。
負い目を感じ、家族と話すのも辛かくなった。
この先何十年も苦しまなければいけない。

絶望しかなかった。
そんな時期が5ヵ月ほど続いた。

でも転機があった。

転職サイトに登録した。
雑誌でもよく見る有名なサイト。

転職サイトの事務所はキレイなオフィスだった。
若い子たちが何人かいた。
みんな転職予定の看護師。
「若い人ほど希望する条件も多く、転職サイトに登録する傾向がある」と、あとで教えてもらった。

転職エージェントの担当者さんに会った。
30代の女性の方だった。
優しそうな方でホッと安心した。

(転職エージェントのTさん。笑顔が素敵なキャリアウーマン。)

個室に入り希望条件を聞かれた。
その時に、病んで辞めたことも相談した。

担当者さんも過去に同じような経験があったらしい。
親身になって聞いてくれた。

それからいくつかの病院をピックアップしてくれた。
気になる病院は一緒に見学に行ってくれた。
印象が良かった病院は、色々と情報を集めてくれた。

面接をすることになった。
病気のことは事前に伝えてもらった。
それでも良いという病院に面接に行った。
理解していただける面接官の方ばかりだった。
話もスムーズだった。

それでも職場は慎重に選んだ。
1か月もかかってしまった。

でもその結果、ずっと働きたい場所が見つかった。

持病は伝えるべきか?

伝えた方が良いと思う。

しかし、ケガや病気と言ってもさまざまある。
その中で伝えるべきものと、そうでないものがあるらしい。

ではどうやって分けるのか?
求職中の病気には2つに分類されるそうだ。

・仕事に影響しない(しずらい)
・仕事に影響する

「仕事に影響しない」のであれば、伝えないのもあり。
例えば一時的なケガや病気。
または慢性的であっても、持病を自分でコントロールでき、万が一症状が出ても対処方法を持っているようなケース。

「仕事に影響する」のであれば、伝えた方がいい。
精神的な疾患、慢性的な腰痛、後遺症のあるケガなど。

隠すあまり無理をして体を壊すことになる。
後でバレれば信用問題にもなる。
周りのスタッフからは「なぜ隠していたの?」と反感を買うことにもなる。
採用を決めてくれた面接官の方にも大きな迷惑がかかる。

面接で不利にならないのか?

もちろん面接ではマイナス点になる。
実際に私は何度も不採用となった。

しかし、それでも雇ってくれる職場は、やはり理解が得られやすい。
理解がある職場は、働くのがグンと楽になる。

私は転職エージェントのTさんを通じて、病気のことを事前に伝えてもらった。
面接には配属先の師長さんも出てきてくれ色々と聞いてくれた。
「シフトは配慮することある?」
「こんな業務があるけど大丈夫?」
「できない仕事ある?」

私は「月2回の通院日がある」「責任が重すぎると潰れやすい」「内気な性格であり職場になじむのは時間がかかるかも」と正直に伝えた。
その上で師長から「大丈夫じゃないかな」という評価を頂け、無事に内定となった。

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(職場で誕生日を祝ってもらった時の写真。右横の方がお世話になった師長さん。)

転職エージェントのTさんは大はしゃぎで喜んでくれた。
泣いてしまったら一緒に泣いてくれた。

私が働くには色んな条件があった。
条件にマッチする病院はほとんどなかった。
自分では見つけられなかった。
だから私の転職サポートは本当に大変だったと思う。
(Tさんありがとう。この場を借りて再度をお礼を申し上げます)
m(__)m

職場が病歴を知りたがるワケは?

これには複数の理由があるらしい。

まずは仕事への影響。
たいていの病院はギリギリの人数でやりくりしている。
その中で休職したり、できない業務があると死活問題となる。

また労災の保険料にも影響がある。
労災は利用者が増えれば、翌年の保険料が上がる。
誰かひとり使っただけでも、職場全体の保険料が上がる。
大きな病院ほど金銭コストが増えやすい。

さらに休職の影響もある。
休職期間中も給料が支払われる(約6割)
その給料は病院が負担しなければいけない。
働いてないのに給料を支払うのは、経営にとってやはり大きな負担になるらしい。
休職期間中は、代わりのスタッフを雇うコストも出てくる。
治療して復職できても「じゃあどこに配属させる?」「また休職するかもしれないのに担当を任せられない」という問題が出てくる。

また評判にも影響がある。
2018年の厚労省の発表によると「医療、介護」は、精神障害の労災が突出している。
こういった労災認定が続けば、企業はその名を公表される。
この悪評は非常に大きいらしい。
求人にも集客にも影響する。
だから企業は「労災隠し」をする。

病院側が病歴を知りたいのはこういった理由がある。
それゆえに採用には、かなり気を使っているらしい。

隠してもバレないのでは?

バレないこともあると思う。
しかし、バレると思っておいた方がいい。

面接では、休職歴や無職期間があれば突っこまれる。
もちろんウソを付くこともできる。
ただそういったウソは、不自然な矛盾が出やすく「嘘臭い…」と、何となく伝わる可能性が高い。
ウソを付きとおす話術があればよいかもしれない。
でも罪悪感は残ると思う。

また内定時の健康診断でバレる可能性もある。

働きだしてからは、業務中に症状が出て、バレる可能性がある。
もちろん自分では大丈夫だと思っている。
対策も練った。
けどイザその場面になると症状を抑えきれないことが出てくる。
そういったちょっとした違和感はすぐに伝わってしまう。
無理をしても隠し切るのは難しい。

転職エージェントには言うべきか?

言った方がいい。
もちろんコンプレックスを強く感じているようなときは無理する必要はない。

ただ伝えた方が楽になれる。
彼女らは、慣れている。
私のような「働くのに制限がある人」をよくサポートしているらしい。
相談しただけで気分も楽になる。

制限があっても働ける職場を見つけてもくれる。
病院との調整もしてくれる。

もちろん彼女らが「病気はお持ちですか?」と聞いてくることはない。
こちらから「実は…」と切り出すしかない。
勇気がいる。

でも言ってしまえば後が楽になる。

転職を振り返って

持病を抱えて働くのは辛い。

働ける職場も限られてくる。
周りの理解を得るのも難しい。

それゆえに転職活動は、かなり困難なものになる。

私は何度も失敗した。
同じように苦しむ人は大勢いると思う。

でも自分だけではどうにもならない時もある。
そんな時は誰かに頼ってみてほしい。

私は看護rooという転職サイトにお世話になった。
面倒見の良い担当者さんに出会えた。
感謝している。

もし本当に悩んでいるなら一度相談してみるといい。
登録するだけで手厚く面倒を見てくれる。
色んな相談にも乗ってくれる。

ハンディキャップがあっても、私のようにいい職場に恵まれる人が増えてくれると嬉しい。
看護rooの公式サイトへ

保育園で働く看護師のまとめ。給料、求人、働き方

五十嵐さん(40代・女性)
大学病院からキャリアスタートし、正社員や派遣などで18の職場を経験。今は転職アドバイザーとしても活躍。

「保育園で働いてみたい…」

保育園の仕事は、看護師なら一度は憧れますよね。
小さな子供に囲まれての一日は、病棟とは比べられないほど楽しいものです。
また夜勤なし、土日休み、残業も少ないため、環境的にも理想的です。

今回はそんな保育園ナースの特集です。

保育園の仕事

仕事は、子供たちの健康管理がメインです。
熱やケガの処置、服薬管理、健康診断、感染症対策、予防接種、年間保健計画の作成、保健だより、保健相談などなど。
手が空けば、保育士としての仕事も期待されます。

看護スキルはそこまで必要ありません。
臨床経験が少ない方、ブランクがある方などにもオススメできます。

保育園の看護配置基準

保育園の看護師配置は、法的な義務がありません。
そのため看護師付きの保育園は、2割ほどにとどまっています。
またその数は保育園に1名だけというケースがほとんどです。

看護師としての働き方は大きく2種類あります。
看護師専業
保育士としてクラスを担当しつつ、看護師を兼務

看護師専業であれば、子供たちの健康管理に専念できるでしょう。

大変なのは、兼業時です。
クラスを持つのは予想以上に大変なため、本来の看護業務にまで手が回らなくなります。
保護者からも「えっ看護師さんだったんですか?」と言われることも。

保育園の求人事情

保育園の仕事はデメリットもあります。

まず求人の少なさです。
保育士の募集は多いのですが、看護師の募集はかなり希少です。
地域によっては「幻の求人」とまで言われています。

というのも保育園は「看護師は必須ではない」からです。
あくまでも保育園が自主的に雇うだけ

ハロワや転職サイトに登録して求人を待ちつつ、新規開園のオープニングを狙うのが確率高いでしょう。

しかしもし転職が決まっても、入職は4月まで待たされたりします。
保育園はその性質上、4月の新学期に合わせてスタッフが「退職・入職」で入れ替わりますからね。
これが結構不便です。
例えば9月に内定をもらっても、4月まで待たなきゃいけない。
じゃあその間、何をするのってなりますよね。
アルバイトをするには短すぎるし、ただ待つには長すぎるし・・・。

さらに退職時も、4月に合わせなければいけません。
保育の世界は、暗黙のルールとして「4月入社、退職」が結構徹底していますからね。
これも結構厳しい制約です。

保育園の待遇

保育園に給料を期待してはいけません。

フルタイムで15万円~20万円ほどです。
税金や厚生年金を引かれると、手取り12万円くらいになることも。
病院の約半分くらいと覚悟しておきましょう。
都心の私立保育園だと25万~26万という高給取りも稀にありますが・・・(これは例外中の例外です)

また家族手当や退職金も期待できません。
保育園は慈善事業に近いものがあり、儲からない職種です。
お金よりも、やりがいを求める人に向いているでしょう。

土日は休めますが、保育兼業であれば交代での出勤となります。

保育士との関係

保育園は、保育士の世界です。
その中で、看護師として孤独を感じることもあるでしょう。

看護師1人が「衛生面を良くするために・・・、感染症対策を・・・、検温の正しいやり方は・・・」と言っても、なかなか聞き入れてもらえないことあります。
保育中心であり、看護への温度差を埋めるのはかなり難しいです。

また看護師は「若干給料が良い」ため、妬みにあうケースも聞きます。

親との関係

保育園勤務で一番の大変なのは親対応だと言われています。

子供がケガをしたら、親への説明を看護師がすることもあります。
親からのクレームにも対応しなくてはいけません。

それが嫌であえてパートを選ぶ人も多いのです。

看護スキルの低下

保育園の看護師は、看護よりも、保健業務が中心です。
そのため看護スキルは、向上しないでしょう。

保育園の勤務が長くなれば、病院に戻れなくなります。
保育園でずっとやっていく覚悟なのか、それとも短期間だけなのかは最初に考えておいたほうがいいでしょう。

保育園看護師のまとめ

保育園は意外とデメリットが多くあります。
求人が少なく、低賃金で、看護師としてのやりがいも感じにくく、親からのクレームもあります。
それでも子供の笑顔の中で仕事できるのは、精神的にかなり良いものです。

そこに価値を見つけられる人にはオススメの職場です。

派遣で働きたい看護師のためのイロハ

長谷部さん(30代・女性)
派遣歴7年。3年目から派遣の世界に。これまでに40か所以上の病院を経験。

派遣で働きたい看護師の皆さんこんにちわ!
長谷部です。

最近「派遣を考えていますが、実際どうですか?」というメール相談を頂きました。
そこで今回は「初めて派遣で働く看護師」の方向けに、ノウハウをまとめてみました。

時給

時給は2000~2500円を目安に。
2000円×8時間×22日=月収35.2万円
税金、保険、諸経費を引くと、手取り31万円ほどになる。夜勤ありなら40万円を超えることも。

また最近では時給3000円を超える仕事もある。

ただし高給の求人は、看護師を釣るためのエサであることも多い。
「それは昨日決まりまして~、でも別の求人もありますので!」と、特に時給もよくない求人を紹介される。

本当に3000円以上の派遣もあるが、隠れた条件もあるため要注意。
初回の派遣先のみ、ブラック病院、僻地、危険度が高い(暴力、感染)など。

また地方だと時給は、50円~200円ほど下がる。
また准看も100円~200円下がる。

看護師といえどもそこまで時給が高いわけではない。
一般派遣より、少し高い程度。
介護士は1600円ほど。

ガッツリ稼ぎたい

夜勤専従がおすすめ。

  • 深夜帯:22時~5時は25%アップ
  • 残業代:8時間以上は25%アップ

※8時間以上働くときは、残業代とみなされる

例えば、時給2000円なら深夜は2500円になる。
残業代も加算されれば、時給3000円になる。

給料例)
18時~翌8時:14時間拘束

基本給:28,000円
深夜増:3,500円(22時~5時)
残業増:3,000円(6時間分)
——————
合計:
34,500円

1日で3万円以上稼げる。
週1日働けば、月収14万円とそれなりの金額になる。

ただし仮眠や休憩などは、時給が出ない病院が多い。
仮眠2時間、休憩2時間などでは、途端に稼げなくなってしまう。

しかし仮眠や休憩がない施設は、拘束時間すべてに時給が出るため、1回の給料がデカい。

仮眠がないのは、看護師が1人体制の職場に多い。
高齢者施設、老健、グループホーム、障碍者施設など。

ただし仮眠も休憩もないのに、タイムカード上は仮眠したことになっているブラックな職場もあるため要注意。
派遣会社の担当者に苦情を入れる。
対応してくれない業者もある。
今後の付き合いをしない。

福利厚生費

交通費はもらえる。
定期代で清算が多い。短期や週3ほどなら個別清算。
ただし交通費を出さない業者も多い。
月1万~2万の損になるため、しっかり出してくれる会社を選ぶこと。

残業代は正社員と違いしっかり出る。
15分単位が多い。5分単位で出してくれる優良な会社も。
ただし残業代を出さない、サビ残させる、60分単位という酷い業者も稀にある。

給料は銀行振込。
基本的に月払いだが、日払いや週払いをしてくれる会社も一部にある。
手数料はたいてい会社持ち。手数料を負担させるケチな業者もある。

保険

派遣社員でも、正社員と同等に入れる。

・社会保険
健康保険、厚生年金保険、介護保険

・労働保険
労災保険、雇用保険

ただし入れるのは3ヵ月目から(大手ならすぐに入れることも)
2ヵ月は試用期間で、長く働行ける人だけ保険に入れる、という所が多い。
零細業者は、労災のみということも。
「お金は引かれていたのに、実は保険に入ってなかった」と、さらに酷い業者もある。

シフト

シフトは派遣先によって全く異なる。
病院側の事情、スタッフの配置に影響される。

もちろんこちらの要望を伝えて交渉もできる。
正社員ではないため、多様な働き方がしやすい。

  • ガッツリ稼ぐ。週6、夜勤多め、夜勤専属など。
  • そこそこ稼げればいい。日勤のみ、週3、土日勤務など。
  • 通勤ラッシュが嫌。10時出勤、車OK、準夜勤のみなど。

ただし希望が多いほど、派遣先は限られてくる。
また希望が通るかどうかは、担当者の交渉力によるところも大きい。

有休

派遣も有休が取れる。
条件は正社員やパートアルバイトと同じ。

  • 週30時間以上、または週5日働いている。
  • 半年以上働いている。

有休は、病院ではなく、派遣会社から出る。
短期で職場が変わっても、派遣会社が同じなら有休が取れる。

有休時の賃金は、派遣会社のルールによる。
そのルールは「平均賃金、通常賃金、標準報酬」など、会社ごとに細かな算出方法がある。

ただしどれであっても、1日分の給料と考えてよい。
そこから少し減ることもあるが、大幅に減るようなときは、会社との付き合いを考えた方がいい。
また有給を取れないような業者は、利用する価値はない。
大手ほどしっかり有休が完備されており、零細ほど取れない傾向がある。

稼ぎたい人は、通常の休みに有休を当てる。
または有休買取のある会社を選ぶ。

派遣会社選び

「看護師 派遣」でネット検索し、その中から選ぶ。

有名どころでは、以下の5つ。

派遣会社との付き合い方として、3つを心得ておくこと。

  • 派遣会社は、当たり外れが大きい。
  • 派遣会社は、沢山ある。
  • 派遣会社は、取り換え可能にしておく。

つまり派遣会社の良し悪しはピンキリ。だけど色々選べる。だから複数の会社と付き合いしておけばいい。

初めて派遣をする人は、まず3つほどに登録しておく。
メイン1つ、サブ1つ、捨てるのが1つ。
これらは登録して仕事をしていく中で、相性の良い業者におのずと絞られてくる。
紹介される派遣先、会社のサポート力、福利厚生、融通の利きやすさ、担当者との相性など。

「今の会社はたまたまタイミングが良かったから使っている」というのもよくある話なので、とりあえず登録してみるのが良い。

良い派遣会社の条件

派遣会社は本当にピンキリでトラブルに悩まされる。
会社の良し悪しは、たいていは以下で決まる。

  • 担当者
  • 営業力(病院との力関係)
  • 求人量
  • 稼働中の看護師数

まず担当者は最重要。
求人の紹介、条件調整、顔合わせ、連絡や相談、問題の対応などは、この担当者に頼ることになるため、派遣生活に大きな影響がある。
約束をすぐに忘れたり、酷い病院ばかり紹介されたり、条件に合わない仕事ばかりだったり、嘘をつかれたり、ひどい担当者は本当にひどい。

担当者のスキルと相性は大事。
大手会社ほどしっかり担当者教育されているが、それでも能力差は出てくる。また相性の問題もある。肌に合わなければ担当者を変えてもらう。または会社を変える。お互い仕事上の付き合い。ドライに。

次に営業力も重要。
大手ほど営業力も強く、病院との力関係も対等になる。
力が対等になれば、無理も言われにくくなるし、問題が起これば、誠実に対処してもらいやすくなる。

次に求人量。
これも大手ほど多い。
求人が多ければ、希望する職場を選びやすい。
また仕事が途切れる可能性も低く、働きたいときに働きやすい。

稼働中の看護師数も重要。
人が多ければ、突発的な休みにも対応してもらいやすい。
自分も突発的な案件に対応するなど、お互い様を意識すること。ギブアンドテイクの精神が大事。
ただし零細業者は看護師数が少なく「体調がどんなに悪くても休めない」というトラブルも。

つまり大手ほど良い会社の確率が高い。
もちろん大手でも担当者の当たり外れはある。

絶対確実な会社はないが、安定しているのは大手となる。
仕事も担当者も待遇も平均以上。
問題が起こっても対応が早いし、安心できる。

まずは大手から利用してみる。

面接

前提として、派遣前の面接は禁止されている(労働派遣法第26条)

ただし面接のようなものがある。
「顔合わせ」「病院見学」「打ち合わせ」と称した面接が行われる。
「キャリアシート」と称した履歴書が病院に渡される。

ただ、こちらも聞きたいことが聞けてよい。
ヒアリング、簡単な質疑応答、お互いの条件合わせなど。
時間は転職の面接よりも短め。

派遣会社の担当者も同席。
こちらの味方としてフォローしてくれる。

ただし弱小業者ほど病院側に媚びを売りやすいので要注意。

例えば、

担当者「貴院とは初めてのお取引となりますので、今回はお値打ちに派遣いたします!(時給下がる)」
わたし「はぁ!ふざけんな!」
病院側「…」

こんなやり取りが本当にある(あった)

病院へ行くときは基本スーツ。
派遣会社へ行くとは普段着でもOK。

契約終了

契約期間は、派遣前に決まる。
1か月~3か月が多い。

気に入ってもらえば、延長の打診もくる。
延長時は半年や1年など長期契約の話になることも。
5年くらい同じ病院に派遣されている人もいる。

延長するしないは自分の自由。

延長交渉は、派遣会社の担当者さんを挟むこと。
病院と直接話をして「辞める辞めない、聞いてた話と違う、条件が違う」などのトラブルになる。
担当者さんの顔もたたない。
基本的に交渉事は会社を通す。

職場トラブル

・給料
職場で給料の話はタブー。
時給を教えてはいけない。
派遣の給料は、正社員を超えることもあるため「派遣のくせに…」と根をもたれることもある。
「派遣って月どのくらいになるの?」とか聞かれても、「派遣会社から口止めされてまして…」とかわす。

・ブラック病院
派遣はブラック病院に当たることも少なくない。
何かしらの問題があり、離職率が高い病院ほど、派遣に頼っているから。

無理をせず、すぐに担当者に連絡をする。
状況によっては契約の短縮もできる。

ブラックの一例

  • 人間関係が悪い
  • 激務
  • モラル、看護観が低い
  • 違法行為
  • パワハラ、モラハラ

派遣を長く続けるコツは、過度な我慢をしないこと。体や心を壊してはいけない。そうなる前に次の職場へ移るのが大事。
仕事はいくらでもある。

よくあるQ&A

また正社員に戻れる?

戻れる。
看護師なら正社員の求人も山ほどある。
そのくらいどこの病院も人手不足。
また「派遣は職歴にならない…」と言われているが、それは一般職の話。
看護の世界は「経験」がものを言うため、派遣もスキルとして重視してもらえる傾向がある。
実際、色んな病院を経験するため、職場への適応力は高くなる。

派遣先の病院に就職できる?

できる。
よくある話。
気に入った病院があれば、話を持ち掛けてみる。
逆に病院側から、引き抜きされることもある。

どちらのケースも派遣会社を通して交渉する。
病院側は、派遣会社に紹介料を払い、直接雇用できるルールになっている。

ただしケチな病院側は「コッソリ内密に」と言ってくることがある。
法律違反ではないが、モラルの問題。
これを受けるかどうかはあなた次第。

転職先を派遣で探すのはあり?

あり。
よくある話。
派遣で色んな病院を見てから、転職先を探す人は結構多い。
内情が分かるから確実。
ただし最近の人材紹介所は、転職先の情報を事細かに教えてくれるため、派遣で見なくても内情がある程度分かる。

派遣のメリットは?

始めやすく、辞めやすいところ。
仕事は選びたい放題。「明日にでも来てください!」という病院ばかり。
嫌な職場ならすぐ辞めて、体力回復のために1週間休むなんてこともできる。
お金が無くなれば、派遣会社に電話をすればいい。すぐに仕事を紹介してくれる。最短3日ほどで働ける。日払い、週払いもある。

派遣会社に登録しなくても派遣はできる?

病院と直接契約すればOK。
ただし個人事業主という扱いになるため、税金や保険の手続きが毎年大変になる。
有休や福利厚生も一切ない。

そもそも契約してくれる病院を見つけるのが難しい。
コネが必要。

担当者さんが嫌な人だったら?

合わない担当さんは変えてもらう。
本部に連絡して「担当さんを変えていただきたいのですが」と相談すればOK。
担当者の当たりはよくあることなので、話は早い。
ただし零細業者は、そもそもスタッフ数が少ないため、変更不可ということもある。
派遣初心者は、大手会社を利用したほうがトラブルが起きにくい。

今は働く予定がないけど登録してもいい?

大丈夫。
派遣会社は、看護師の数を多く見せたいため、登録だけでも喜ばれる。
コチラとしても、どんな派遣先があるのかを把握しておくのは重要。必要になったときに働けばいい。
派遣会社に登録しないと見れない求人もあるため、とりあえず登録して求人を見るだけの人も多い。

派遣会社にはどのくらいの頻度で行く?

年数回。
書類をもっていったり、担当さんと情報交換したり。
毎月行っている人もいれば、全てを電話とメールと郵送で済ませて全く行かない人もいる。人それぞれで決まりはない。

単発バイトと派遣は違う?

ほぼ同じ。
契約期間が長いか、短いかだけ。
単発バイトでも毎日入れば、しっかり保険にも入れる。

ただ派遣先は若干異なる。
単発バイトは、検診、訪問入浴、イベント系など、軽めの職場が中心になる。
病棟は少ない。
病棟もあるが、長期派遣の人が急に休むときの代役か、派遣の人も嫌がる超ブラック。

やばい病院の見分け方は?

派遣仲間を作って、情報を共有するのが一番確実。
ネットの口コミは患者目線ばかりで当てにならない。

あとは担当者さんとの信頼関係。
ブラックは紹介しない、紹介するとしても最初に教えてくれる、ブラックなら時給交渉してくれるなど、誠実な担当者さんを引き当てる。

フリーペーパー掲載の派遣業者はブラック紹介率が高い。掲載条件が緩いため、ありえない高待遇をエサに人を集めている。

初心者はどの派遣会社がいい?

大手が鉄板。
大きな派遣会社のほうが、福利厚生も保証もしっかりしている。
問題が起こった時の対応も早く確実。
求人も多く、希望に合った派遣先を選びやすい。

派遣に関しては零細業者を使うメリットがほぼない。

大手会社はどこ?

有名どころでは、以下の5つ。

日本人看護師の転職理由。海外から見たその異常性とは?

今回のご相談

Y.Iさん 25歳女性
看護師3年目

転職を考えています。
転職の理由はネガティブなものです。
師長とうまくいかず、シフトにも不満があります。

でもこんな理由で転職していいのでしょうか?

できれば転職したいですが、先輩に相談したこところ「逃げたら逃げ癖が付くだけ、次も同じだよ」と言われ、かなり悩んでいます。
どうしたらいいと思いますか?

回答

山本さん(30代・女性・主任)
看護キャリアの第一人者。転職事情に強い。
臨床現場に立ちつつも、採用業務やマネジメントの仕事もこなす。

「こんな理由で転職して大丈夫かな…?」

答えは難しいですよね。

しかしながら、私が同じ立場であれば「転職する」を選びます。
たしかに私も、いつもネガティブな理由で転職しています(汗)

でもこの悩みは、仕事を神格化しすぎている日本人特有の考え方らしいのです。
海外では「仕事はあくまでも生活の為、自分の幸せのために働く」と考える国がほとんど。

そんな海外の人達を見ていると、ある人は平穏な日常を送り、ある人はのんびり楽しそうに、ある人は自分に嘘をつかずストレスなく生活しています。

そんな彼女らの姿を見るたびに、私は羨ましくもあり、自分の人生と比較して、落ち込んでしまうのです。
幸せそうな人たちはとてもまぶしい。

そんな世界の価値観とは?↓

世界の転職理由

昨年、カナダ人の親友が転職しました。

彼女とは、インターナショナルスクールからの仲で、薬剤師として製薬会社、治験、薬局チェーンを渡り歩き、次はなんと不動産デペロッパーという全くの異業種に転職したそうです。
(ちなみに私は、中学で色々あって不登校となりインターナショナルスクールに通っていたため海外の友人のほうが多い)

彼女の年齢は37歳。
40歳を目前にして、かなり大胆なキャリアチェンジだとは思ったのですが、当の本人は全くためらった様子もありません。

むしろ欧米の方々にとっての転職は、日本のようなネガティブ意識がなく、むしろより良い人生の為のステップアップという意味合いが強いのです。

海外では、年功序列も終身雇用もないため、勤め先が守ってくれることもなく、人生は自分自身で守るしかありません。
職場と合わなかったり、仕事が向いていなかったり、待遇が悪ければ、容赦なく転職していくのです。
友人曰く「薬を見るのにも飽きたし、休みも取れなかったから、一度やってみたかった不動産業界に転職した」と。

保守的だと言われているイギリスでも、職場に居心地の悪さを感じれば、日本のような極端な我慢はしません。
イギリスの放射線技師の友人は、べらぼうな忙しさの割に給料が少ないと退職し、今はホスピス向けのシステム開発をしています。

自由奔放なフランスの方々は、20代のうちに転職を何度も経験するそうです。
看護師をしているフランスの友人は、28歳までに5回も転職しています。
彼女曰く「いろんな会社を見て、自分に向いている職場が理解できた。ようやく一生働ける職場を見つけた」と。その職場は11年も続いているのです。

そんな彼女らに日本の転職事情を話すと、かなり驚かれます↓

海外から見た日本の異常性

実は私、これまでに3回転職をしています。
初めての転職は、看護師になってちょうど1年が経った頃。

わたし「師長。実は退職を考えています」
師長 「あなたね、石の上にも3年というじゃない。あなたまだ1年でしょ、もう少し我慢できないの?」
わたし「いろいろ考えましたが、私には向いていないと分かりました」
師長 「向いてないって、たった1年でしょ?」
わたし「はい。この先何年も務めるのは難しいと感じました」
自分 「あなたね。そんな考えだと、他で通用しないよ!」

よく言われる「石の上に3年」は、私も確かにその通りだと思います。
長く働くことで、学ぶことも多いものです。

しかし、必ずしもそうとは限りません。

「適度なストレスは、人のパフォーマンスを最大化させる」と言われています。
難しすぎず、簡単すぎず、ちょっと上の難易度という意味です。

しかし、重すぎるストレスや、黙々とこなすだけの単調な仕事では、人は何も考えなくなります(学習性の無力感)

何も考えなければ、成長は止まります。
同年代の看護師と比べ、スキルに大きな差が出てしまいます。
新卒からの数年で身に付けた技能や看護観は、固定化されやすく、後からは取り返しづらいでしょう。

スキルが無ければ、口答えせず「はい」と答えだけのイエスマンになるしかありません。

とは言っても管理職から見れば、何でも言うことを聞くイエスマンの方が都合がよいものです。そのため意図的に「石の上にも3年」とムチャを言う人もいるくらいです。
もちろん全てがそうとは限りませんが、医療現場の我慢とは、大半がこういった「個人の犠牲」です。

さて。
それでも日本では「我慢が美徳」とされています。
そのためなのか、転職といえば「我慢が足りない」「嫌なことから逃げている」「適応力がない」と、人格否定されることもあり、嫌なイメージばかり。
とあるワイドショーでは「なぜ今の若者はすぐに辞めるのか!?」といったテーマで、コメンテーターが「ゆとり教育が歪んだ人格を作った」とムチャなことを言っていました。

これらを冒頭のカナダ人の友人に話したところ「クレイジー…」と絶句。

彼女らにとっての仕事とは「お金を稼ぐ手段」という意味合いが強いのです。
もちろん仕事に対して「やりがい」や「生きがい」を求めることもあるが、幸せな生活という前提があってこそ。
不幸になってまで働くのは、全く理解できないそうです。

実際に、海外のSNSで日本の働き方が話題になっていたのですが、そこでのコメントは散々なものでした。

  • 現代の切腹制度だ(イタリア)
  • 日本では奴隷が認められているようだ(フランス)
  • アメリカなら即訴えられる(アメリカ)
  • なぜ専門家に相談しないの?(韓国)
  • 日本は資本主義の国だと思っていたが(ロシア)
  • 個人を犠牲にして成り立っている国だね(カナダ)
  • 働きたくない国No1(オーストラリア)
  • 自分の娘がこんな企業で働いてたら、殴ってでも辞めさせる(シンガポール)
  • その他多数

このように日本の職場は、世界から見るとかなり異常な環境です。
私たち日本人は、この日本式の価値観に慣れすぎていて、こうした異常に気が付きにくいのです。

ただ少数ですが、肯定的なコメントもありました。

組織に忠誠を誓うのは自然なこと(ミャンマー)
時代遅れになった日本だが、その奉仕的な制度が日本を経済大国にした(中国)

↓そこで次は日本の看護師の価値観を見ていきましょう。

日本の看護師の転職理由

  • 出産・育児:22.1%
  • 結婚:17.7%
  • 他施設への興味:15.1%
  • 人間関係:12.8%
  • 残業:10.5%
  • 通勤:10.4%
  • 休み:10.3%
  • 夜勤:9.7%
  • 責任の重さ:9.6%
  • 体調不良:8.6%
  • 給与:8.0%
  • 家庭問題:6.9%
  • 進学:6.3%
  • キャリアアップ:4.4%
  • 看護以外への興味:4.1%
  • 教育体制:3.7%
  • 看護に向いてない:1.0%
  • 定年退職:0.4%

日本の看護師の退職は、その大半が「結婚、出産、育児」です。

寿退職が美しいという風習があり、一般的な円満退職といえば、やはり結婚系となるのです。
「大変だった。でも頑張りぬいた」というのが美徳であり、達成感も得られることから、寿退職が一種の憧れにもなっていますよね。

しかしその一方、不満での退職はタブーに近くなっています。
「人間関係、残業、休み、給料」といった不満での退職は、少数派です。
実際、不満を伝えて辞めるのは、円満退職がかなり難しくなります。

日本で退職にするには「ちゃんとした理由」が必要なのです。
そのため「結婚するかも」「子育てが忙しくなるかも」「旦那が転勤するかも」と、結婚系の理由を創作するケースもありますよね。
また「親の介護」「夢だった診療科」「キャリアアップ」など、ポジティブな理由を無理やり作るなんてことも。

このように「我慢が美徳、不満はタブー」という日本式の文化は、日本の看護業界に色濃く出ています。

↓では日本と海外、なぜここまで違うのでしょうか?

海外との最大の違い

日本と海外、一番の違いはどこにあるのでしょうか?

それは「目的の置き場」です。

日本は「仕事が」「職場が」「キャリアが」と、仕事自体を目的に働きます。
海外は「自分にとって」「家族にとって」「未来のために」と、自分の人生を目的に働きます。

もちろん日本人であっても「私は自分の人生のために働いている」という人は多いでしょう。
ただその比重を考えると、どうしても仕事を中心に人生を考えてしまうのです。
だから日本では、転職に慎重になりすぎて、否定的になりやすい。

逆に海外では、転職に対して合理的であり、人生に合わせてパッと乗り換えていきます。
まずは生活が一番であり、それを支えるために仕事があるのです。

しかし2000年以降「日本人ナースの価値観は大きく変化した」と言われています↓

今の日本の価値観

「仕事はあくまでの自分のため」

20代30代の若いナースを中心に、こうした欧米型の考え方が広がりつつあります。
この背景には「SNSで世界の価値観に触れている」「自立心の強い人が看護の道に進むようになった」などの影響があると言われています。

仕事よりも生活中心の、自分らしく働ける場所を求めて、積極的に環境を変えていく。
自己犠牲、調和、奉仕といった日本式とは、逆の考え方です。

  • パワハラ気味の師長に見切りをつけ、夢だった小児科病棟に転職した、24歳の看護師。
  • ジャニーズの追っかけのために、土日休みの外来に転職した、36歳の看護師。
  • 連休が取れる病棟に転職し、趣味のダイビング旅行をしている、23歳の看護師。
  • 世界一周の資金を貯めるために、仕事はハードだけど給料が良い職場に転職した、27歳の看護師
  • 一軒家を買い、ローンを10年で全額返済しようと頑張る、32歳のママさん看護師。
  • 派遣でいろんな職場を渡り歩き、そのスキルを武器にNGOで働く、29歳の看護師。

幸せの形は人それぞれです。
もちろん上記とは逆に、仕事に人生を捧げる幸せもあります。

  • 病院やみんなの為、一度も不満を言ったことがない、47歳の看護師
  • どんなに辛くても、40年勤め上げるのが勲章、55歳の看護師
  • 上司の命令は絶対、39歳の看護師
  • 自分がしんどい時は、職場もしんどい時、だから耐え抜く、50歳看護師

こうした価値観は、バブル世代(40代~60代)の方々にその傾向があると言われています。
「今の若い子は我慢が足りない」「自己中」「最低でも3年」と批判するのもこの世代と言われています。

しかし幸せの定義は人それぞれです。
何を重視し、どう考え、どう行動するかも人それぞれなのです。

現実として、自分中心の考え方は、日本人ナースの中でも確実に増えています。

↓では私たち個人は、転職とどう向き合えばよいのでしょうか?

「転職しても大丈夫?」の答え

こんな理由で転職して大丈夫かな?
逃げているだけかも…
次も同じだったら…

冒頭、この悩み。
私であれば迷わず「転職する」を選びます。

しかし、まだ迷っているのであれば「今の職場でガンバル」のもアリです。

世の中には、2種類の職場しかありません。

  • 自分に合った職場
  • 合わない職場

これは人によって相対的なものであり、同じ職場でも個人差があります。

自分に合わない職場は、往々にして自分の長所が生かせず、欠点ばかり強調されてしまい、働きずらです。
こういった環境で幸せに生きるのは、簡単ではありません。

だからこそ人は、自分に合った環境に移るのです。
これは生物として自然な行動原則です。
人類が生存競争に勝ち抜いてこられたのは、この適材適所の能力があったからこそ。

しかし、もしその能力がマヒするくらい日本式に染まっているなら、それはそのまま耐え続けた方が楽だと思うのです。
人間誰しも、支配され、命令され、自分で考えない方が楽に生きられますから。
これは別に皮肉でもなんでもありません。

でも逆に「行動できる人」は、より良い人生にするため、適材適所に移るのが幸せなんだと思うのです。

その際、転職理由に良い悪いはありません。
ネガティブな理由であろうとも、働くのが辛いのであれば、自分を活かせる職場を探すべきです。

もちろん面接や上司に退職理由を伝えるときは「結婚や進学、夢、キャリアアップ」などポジティブな理由が無難となりますが、それはまた別の話。

しかしここで問題になるのは「どうやって自分に合う職場を見つけるのか?」という点です↓

転職の注意点

自分に合った職場を見つけるのは難しいものです。
合う合わないは、実際に働いてみないと、分からないことの方が多いですから。

しかしだからこそ、より多くの職場を経験しておきましょう。
経験が増えるほど、視野は広がり、より遠くが見えるようになります。

  • 世の中の良い病院、悪い病院
  • 職場の見極め方法
  • 自分の許容範囲
  • 自分はどんな仕事が好きで、何が嫌いか
  • 本当は何がしたくて、何がしたないか

これらは一つの職場では、なかなか見えてきません。
いくつかの職場を経験したからこそ、分かるのです。

こうした転職知識は、社会人としての基礎スキルです。
これは若いうちに身に付けておくと、後々断然有利になります。
年を取ってからの転職は「全然ついていけない…、惨めすぎる…」というケースもよく聞きます。

また外の世界を知らないがゆえに、小さな世界で何十年も苦しむ人も多いです。

実はこれ、人間に限りません。
魚は「広い海では仲良く泳ぐのに、小さな水槽に入れるとイジメが始まる」そうです。
しかも水槽からイジメられた魚を出すと別の魚がイジメられ、イジメた魚を出すと別の魚がイジメだすのだとか。

狭い世界とは、生物共通なんですね。
広い海に出て、自分に合った環境を見つけ、ストレスなく生きる。
これが多くの人にとっての幸せなのかも、と思うのです。

さて。
肝心の転職知識を身に付けるのは簡単です。
これは転職に限らずどんなことにも言えるのだけれども、とりあえずやってみれば、自然と身についていくからです。

とは言っても難しいことではありません。

  • どんな求人があるのかを眺める
  • 病院ホームページで募集要項を見る
  • 転職エージェントに会って自分の適性を診断してもらう

とにかく行動してみると、頭の中で情報が整理されていき、それが知識となってくれます。

特に転職経験の少ない若い人には、転職のプロである、転職エージェントを利用するのが良いでしょう。
彼らは多くの情報を持っているからです。

  • 転職の失敗・成功データ
  • エリア内の求人動向
  • 看護師のスキル評価
  • 適正な給料額

プロのサポートを利用して、効率的に「転職スキル」を身に付けていきましょう。
コチラをご参考に↓

優良な転職サイトのリンク集

看護師は「人間関係とキャリア」どちらを優先すべきか?

今回のご相談

M.Kさん 27歳女性
看護師5年目

転職を決断できずに迷っています。

新卒で今の職場に入職して5年ほど経ちました。看護師として成長でき、人間関係もよく、待遇もそれなりによく(夜勤は大変だけど)、不満はほとんどありません。

しかし「このままでいいのだろうか?」という思いがあります。
仕事にも慣れ、毎日同じことの繰り返しの為、ここ数年は成長している実感がありません。

転職を考えるようになりましたが、今の職場の居心地の良さ、そして「退職は仲間たちへの裏切りなのでは?」という思いもあり、どうしても迷いが出てしまいます。

このまま勤め続けるか、または転職するか。
どうやって決断すればよいでしょうか?

回答

山本さん(30代・女性・主任)
看護キャリアの第一人者。転職事情に強い。
臨床現場に立ちつつも、採用業務やマネジメントの仕事もこなす。

キャリアアップか、人間関係か。
難しい決断ですよね。

私が同じ立場であれば「転職してキャリアップ」を選びます。

今のあなたは「仕事に飽きた状態なのでは?」と考えられるからです↓

仕事に飽きるとは?

ドイツの哲学者ニーチェは「人は成長しないときに、飽きる」と言っています。

スポーツやゲームでも同じですよね。
初めのころは成長も早く楽しいですが、徐々に成長が鈍くなると面白味もなくなり、飽きてしまうのです。
トップアスリートのスポーツ選手ですら、10年以上同じスポーツをするため、ほとんどの人に「飽き」が来るそうです。
よく「続けていく気力が無くなった」と引退する方もいますが、これも飽きの一つです。

人間誰しも飽きは来るものです。
トップアスリートですら、飽きという感情には逆らえません。
飽きたまま続けるのは、かなりの労力と苦痛を伴います。しかもその苦痛は時と共に大きくなり限界が来るのです。
まれに何十年もトップを守り続ける人もいますが、トレーニングメニューを変えたり、場所を変えたり、チームやコーチ陣を変えたり、飽きないための工夫をしています。
新しい刺激を入れて、モチベーションをコントロールしているのです。

しかしこれはアスリートだからできる方法です。
私たち看護師は、飽きたからと言って、業務内容、上司、ポジションを自分で変えることはできません。

できるのは、職場を変えるくらいです。
つまり転職ということになるのです。

転職すると状況は一変します。
業務内容、仕事の進め方、医療方針などは、病院によって大きく異なるため、新しい刺激が入るのは間違いありません。
その刺激が新たな成長となり、キャリアへと繋がっていくのです。

さて。
とはいえ、やはり人間関係も捨てがたいですよね。
でも大丈夫です↓

転職後の人間関係はどうなる?

「人間関係」は、社会人としてとても重要です。
その一方で「仕事の楽しさ」も、社会人には重要な要素です。

今回のご相談は「人間関係は良いのだけど、仕事はつまらない」という内容でした。
これは看護師に限らずよくある話で、私も経験があります。

仕事にも慣れ、日常業務は無理なくこなせるようになり、周りとの関係も良好で、特に不満はない。
でも「本当にこのままでいいのだろうか…」という思いもあるのです。
快適な環境に慣れすぎてしまい、自分の成長が止まっているのは明白でした。

そんな時わたしは、いつも「新しい環境、チャレンジ、やりたいこと、転職」を選んできました。

この考え方は批判もあります。
例えば「仲間との関係を捨てる」という批判です。
確かに転職は「人間関係を変える」行為と言えます。

ただし「捨てる」訳ではありません。

いい人間関係は、転職してもその関係は切れません。
私は10年以上前の同僚達と、ランチに行ったり、バーベキューをしたり、お酒を飲みに行いったり、いまだに懐かしい話で盛り上がれています。
もちろん薄い関係の方とは自然消滅していきますが、コアな関係の方とは簡単に切れるものではありません。

転職は「人間関係の再構築」であり「お付き合いの断捨離」とも言えます。

また「せっかくいい職場なのにもったいない」という意見もあります。
確かに気の合う仲間達は、大切な財産です。

ですが「人間関係を作れた」という、その経験こそが財産なのです。
この経験は「適応力、対人スキル、対話スキル」など色んな呼び方はありますが、看護師のキャリアにおいて非常に重要な能力です。

看護の世界は、学生時代ほど単純ではありません。同僚、上司、先輩、後輩、医師、経営者、医療関係者、他部署、業者、患者さん、ご家族など、利害関係がかなり複雑化します。

そんな中で、人間関係を作れる能力は、強力な武器になります。
その能力は、いくつかの職場を経験することで、より強力になっていき、その結果として「どんなときでも人から頼られる熟練した看護師」になっていくのです。

また「別れは辛い。だから転職しない」という意見もあります。
確かにそういった考え方もあるでしょう。

ですが能力が高い方ほど、逆に考える傾向があります。
「出会えて良かった。これからもよろしくね」
良い関係をそのまま残しつつ、新しい出会いを求めて、新天地へ行くのです。

さて。
ここまで話は、辞めていく側の視点でした。
では残された同僚達は、あなたの退職をどう思うのでしょうか?↓

周りへの影響は?

私は管理職という立場上、退職の相談をよく受けます。

相談の中で「特に不満はない。けど退職したい」という時は、「うっ、飽きが来たんだな…」と考えています。
いちおう転属の話を振ってはみます。
でもいい返事がもらえなければ、その時点で「よし分かった!」と切り替えています。

そこからはお節介な性格を丸出しにして、転職相談に乗っています。
「次は決まってるの?ちゃんと求人調べた?××病院を予定してる?あそこはダメだって!かなりブラックらしいよ。〇〇病院?あそこなら急性期の主任が同期だから内情聞いてみようか?」と、おばちゃん化しています。

経営層からは「ちゃんと引き止めてくれよ」とお叱りもあります。

でもキャリアが理由の転職は、引き止めるのが難しいです(経験上)
こういった看護師は、自分の考えをしっかりもっており、今の職場ではそれが難しいことを理解しているからです。

もちろん強引に引き止める管理職もいます。
ですが、飽きてしまった方々は、遅かれ早かれいずれ辞めてしまいます。それを引き留めても、お互いにとってメリットは全くありません。

それよりもしっかり相談に乗って、良い関係を保ってくほうが賢明です。
辞めてからもランチに誘えてますし、人脈が色んな病院に広がり、情報交換もでき、他の病院の裏情報も聞けたりします。「先輩、また戻りたいです」と出戻り再就職してくれる嬉しいこともあります。
それに一緒に楽しく働いた仲間ですからね。最後は爽やかに見送ってあげたいです。

しかしその一方「退職は残された人に迷惑がかかる」という意見もあります。
これは確かにその通りです。人手不足の看護業界において、誰かが退職するとシフトの穴埋めが大変です。

ただしこれは一時的なものです。
私は何度も同僚の退職を経験していますが、「うっ!退職か…」とバタバタしても、1週間も経てば、いつもの日常になっています。
一人いなくなっても、言うほどの影響はないのです。
「自分がいなくても職場は回る」というのはちょっと寂しい気もしますが、それが現実でもあります。

しかし職場にとっては「早く辞めた方が都合がよい」なんてこともしばしば起こります↓

早く辞めた方が喜ばれる?

周囲の方々は、あなたが飽きていることに、何となく気が付いていると思います。
人の気分は、どうしても表情や仕草、行動に表れてしまいますので。

感情は周囲に伝染します。
人は影響を受けやすいものです。
飽きの感情は、同僚たちにも伝染し、職場全体に負の影響となってしまいます。

管理職からすれば、職場全体のモチベーションが下がり、「退職者が続出する」というケースだけは避けたいです。
そうなる前に、白黒ハッキリさせたほうがありがたいこともあるのです。

また、とあるサッカー選手が「惜しまれるうちが辞め時だ」と言っていました。
これは「ピークエンドの法則(人はピークと最後ほど、印象に残る)」という人間心理です。
落ちぶれてから辞めた人は、どうしても惨めに見えてしまいますからね。

これは転職にも同じことが言えます。

輝いている時期の退職は、そのイメージが同僚の中に残り続けます。
逆に何となくダラダラ働く看護師として辞めれば、そういった人だったと印象付けられます。
それはその後の関係にも影響するでしょう。

人間関係は大切な財産です。
良い関係のまま、次の財産を見つけに行きましょう。
それが自分にとっても、周りの仲間にとっても幸せな結果になると思います。

まとめ

私は幸運にも色んな仕事をしてきました。
看護業務以外にも、マネジメント、クレーム対応、人事、新病棟の開設などなど。

それでもやはり飽きは来てしまいます。
看護という特性上、日々の仕事はそう変わらず、その中でモチベーションを高く保ち続けるのはほぼ不可能です。
そんな時に「何か新しいことをやりたいな」と思うのは自然な感情です。

人の目標は、日々変化します。
新卒1年目の目標は、2年目で大きく変わっているでしょうし、3年や5年、10年と経てば、まったく別になっているでしょう。
病院や仲間達に対する思いも、同じように変化します。

その時に転職を考えるのは、間違いではありません。

成長を求めて、新しい環境を探せばいいのです。
これが「キャリアを積む」という働き方です。

人事が暴露!転職に強い看護師が不採用になる理由とは?

不採用になった看護師

「先輩…、面接落ちました…」

先日、後輩の看護師が相談してきた。
看護師であっても、落ちるときは落ちるのである。

私は現場で働きつつも、人事業務もしているため、後輩が不採用になった理由が何となく分かる。
とは言え、不採用の理由は、病院によって大きく異なる。

さてさて。
実は半年ほど前、色んな病院の人事担当者が集まり「不採用にした看護師」について座談会を開催したことがあった。
ということで、今回はその時の話をまとめてみた。

※追記
後輩向けの記事です(20代の看護師。独身)
座談会は2時間ほど。


参加者は8名。病院の人事部、某医療法人の理事、訪問看護経営、クリニック経営、看護主任、転職コンサルタント(元、医療法人の人事課長)など。

不採用の理由ランキング

「どんな看護師が不採用になるの?」

不採用になる看護師には、一定の傾向がある。

もちろん、採用方針は病院ごとに異なる。
病院の規模、経営の方針、病院文化、経済事情などによって、大きく左右される。

ただ、どこの病院にも共通する不採用理由もあったため、ランキングにしてみた↓

  • 1位:経験が少ない
  • 2位:ない(不採用にしたことがない)
  • 3位:条件が合わない
  • 4位:すぐ辞めそう
  • 5位:人柄
  • 6位:他者に決まった
  • 7位:その他

↓これら不採用理由の裏側を整理した。

1位:経験が少ない

人手不足の看護師と言えども、経験の少なさは不利になる。
実際、経験不足が理由の採用は、一番多く聞かれた。

第二新卒

1年目~2年目ほどの看護師。

第二新卒は、受け入れが難しい。
不採用にするケースも多い。書類で落とすことも。

特に1年未満の看護師。
既に新卒を確保しているし、何人か退職するのを見越して多めに採用している。

ただ離職者が多い年度には、1年未満の新人を採用することもある。
現スタッフとのバランス次第。若手ばかりだと業務が回らずきつい。逆にベテランばかりの職場は後々きつくなる。

また新人研修のタイミング次第でもある。
年2回、春と秋に新人研修している病院もある。

ただしこれらは大病院の事情。
看護師の確保に困っている中小病院であれば、受け入れOKなことも多い。
時期によらず、採用するケースもある。
ただし、中小ほど教育体制が悪くなる傾向もある。第二新卒なのに即戦力を求められたり、プリセプターなしだったり、完全放置というケースも。経験が浅いうちほど、大きな病院で学ぶのが無難。

第二新卒は、3年目、5年目といった中堅に比べると、採用が難しい。
病院の求人事情、新人研修、現スタッフとのバランスなどによって左右される。
つまりタイミングが重要。

そのため第二新卒は、病院側の都合の良いタイミングに紹介してもらえる、エージェント経由が多い。

未経験の診療科

看護師の転職は、未経験の診療科というケースも多い。
診療科へのこだわりよりも、通勤が楽、定時上がりできる、給料、シフト、福利厚生など、生活重視の看護師が増えている。

ただし未経験OK・NGは、タイミングによる。
補充したい人員が、ベテランの代わりであれば即戦力、新人の代わりであれば未経験OKとなる。

また診療科によっては、臨床経験の有無が重要になる。
急性期などは、病棟経験のない人は厳しい。

また経験が特殊な看護師(外来、クリニック、美容外科、精神科、介護施設、訪問看護などしか経験のない)は、採用しずらい。

逆のケースだが、職場に不釣り合いなハイスペックの人が来ても対応に困る。
介護施設に、国立医大の元主任の方を採用したこともあったが、入職早々に現スタッフとの対立が酷く、丁重に退職していただいた。

つまり未経験の診療科は、看護師の経歴や基礎スキルと、求められる人物像のマッチングが重要となる。

その他の経験

パソコンが全く使えない。電子カルテのタイピングができない。
持病。よくあるのが腰痛持ち。職業病だが、あまりにも重度だと厳しい。できない仕事が多いと現場から不満が出やすい。

2位:ない(不採用にしたことがない)

「応募を断ったことがない」
「人を選んでいる余裕がない」

そういった声も多かった。
そのくらい人手不足。

看護師に限らず、医師、薬剤師、療法士は、応募があればほぼ100%内定を出しているという病院も。
中小やブラックと言われる病院ほど、その傾向が強い。

もちろん人を見極めるのは重要。
特に協調性がなさそうだったり、人間関係でモメそうな方は、採用すると職場崩壊にもつながる。

その結果として離職率の高い職場になる。

離職率が高いと、大手の紹介会社は紹介してくれなくなる。
ますます人手に困り、ハロワや地域求人誌、零細の紹介会社だけに頼ってしまい、悪循環に。
離職率の高い病院は、労働環境が悪く、職員からの紹介もほぼない。

人が辞めない環境を作りたいが、医師やベテラン看護師の影響が強く、難しい。

3位:条件が合わない

「ピッタリの人がいない」

これもよくある話。
病院と看護師、双方の条件がぴったり合うなんてこは、ほぼない。

最近では、看護師側の条件も多様化しているため、折り合いをつけるのが難しい。
それでも努力しているが、そのギャップが大きいと不採用にするし、内定を出しても辞退が多い。

給料

給料額が問題で不採用にすることはほとんどない。面接中に希望の給料額を提示してくる人がほぼいないから。その代わり、採用後に給料額が不満で辞退したり、短期退職したりというケースはよくある。ただ最近では人材紹介の担当者が代わりに給料交渉に入ることが多くなった。給料額は多少増えてしまうが、問題も起こりづらく、辞退を避けられるのため、病院側としてもありがたい。

ポジション

主任やリーダーをやりたいという要望はよくある。ただし管理職は重要なポジションゆえに、外部からの採用は少ない。また経験以外にも、人柄や適性も重要となるため、選考が難しい。複雑な管理職や専門職を募集するときは、人材紹介に間に入ってもらい、しっかり厳選している。

福利厚生

託児所、駐車場、寮など。
タイミングによっては空きがなくお断りすることも。また採用決定後に「駐車場があると思ったのに」と言われて困ったことがある。確かにあるが患者さんや役職者しか使えない。面接中にしっかり確認したほうがいい。エージェントが間にいたらしっかり話を詰めてくれるので便利。

入職日

即戦力が欲しい時は、あまり長く待てない。「入職は3か月先」と言われても難しい。若手が欲しい時はある程度長く待てる。

奨学金の建て替え

お礼奉公中の転職は多い。その際に問題になるのが奨学金。
非公式だが立て替えている病院も。
ただし立て替えるかどうかは、金額や看護師のスペックによる。断ることが多い。
立て替えている病院も少なく、また公表していないため、人材紹介経由が無難。
参考:奨学金のお礼奉公中に転職するには?

夜勤なし

最近は独身者でも夜勤無を希望する人が増えた。

夜勤なしと言えば、外来が人気。しかし人気職であるがゆえに空きがなく不採用にすることも。中途者よりも、子育て中のスタッフの転属を優先している。
また病棟で夜勤なしを希望する人もいる。正直厳しい。例外として、ベテランの実力者、または今はできないがいずれできるという場合は、採用することも。
また夜勤専従者の多い病院では、夜勤なしOKなこともある。
参考:夜勤専従のメリット、デメリット

固定休み

正月やGW、その他繁忙期の固定休み。
現場からの反発も多いため、配属先の師長の考え方によっては不採用に。

定時上がり

ほとんどの方が希望している(口に出さないにしても)
配属先による。

特殊なシフト

土日休み、時短シフトなど。
昼に2時間ほど休憩が欲しい(家庭の事情)という要望もあった。

なるべくなら応えたいが、現スタッフからの反発もあるため、難しい。
現スタッフであれば職場の雰囲気によっては許されることもあるが、新しいスタッフだと現場の理解を得るのは困難。

仕事内容

本人のやりたい事と、実際の業務の隔たり。
あまりにも違っていれば不採用にすることも。本人から辞退の割合が高い。

4位:すぐ辞めそう

病院としては、なるべく長く勤めてもらいたい。
すぐに退職されると時間、労力、お金など、コスト的な負担が大きい。
また人事担当者の評価にも影響するため、特に気を付けている。

ライフサイクル

結婚、妊娠、進学、親の健康状態など、辞めそうな予兆がある。
こういった方はその他条件がピッタリでも不採用とすることも。

もちろんライフサイクルに合わせた離職は、女性の職場ではよくある話。
ただし面接中に予知できれば、採用を見送ることもある。

またそれら情報を知っていながら、隠している悪質な人材紹介も。
半年後に留学した看護師、開業予定だった医師、結婚する予定だった看護師など。ご本人達は口をそろえて「人材紹介に言ってあったので了承済みと思っていた」と。こういった人材紹介には要注意。

短期間で辞めている

短期間で退職を繰り返している人は、大きなマイナス点となる。
面接で理由を尋ね、その回答次第では不採用にしている。

転職回数はそこまで気にならない。
今は誰でも転職する時代。

お祝い金ありの人材紹介

一時期「お祝い金退職」が横行した。
人材紹介から貰える「お祝い金」欲しさに転職を繰り返す行為。
病院界隈で問題になった。

一部悪質な業者が紹介料を稼ごうと、看護師に話を持ち掛けていた。
それを受けてしまう看護師側のモラルの問題でもある。

ただし国から「同じ人へ、2年以内に求人を紹介するのはNG」と通達された。
またそういった悪質な業者は、病院側で情報が共有され、激減した。

今ではお祝い金がもらえる人材紹介はかなり減った。
ただしまだ一部で存在しており、そういった業者からの紹介だと警戒する。

・・・

人事としては短期退職が怖い。
とはいえ、職場との相性もあるし、それは働いてみないと分からない。人それぞれ辞めざるを得ない理由もある。
そういった時は、早めの退職がありがたい。
仕事を覚えたころに辞められるのが一番困る。

5位:人柄

大切。
患者さんにとっても、同僚スタッフにとっても。

面接中の態度が悪い

元気がない。意欲がない。やる気が伝わってこない。
退職理由をはぐらかされた。
自己アピールに「特にない」と回答。
前職場の悪口。
服装がだらしない。派手なピアス、ネイル。まさかとは思うがその格好で仕事するのではと不安に。
遅刻。最低限連絡を。
志望動機が適当。「何となく」「とりあえず」など。しょうがなく選んだという印象。
下調べしていない。せめてホームページくらい見てきてほしい。
その他、人の話を聞かない、敬語を使わない、面接中に電話に出るなど。

履歴書に問題がある

字が汚い。せめて丁寧に。
顔写真が貼ってない。
履歴書がコピー。
空欄ばかり。
職歴が省略されすぎている
他院用の履歴書を使いまわす

トラブルを起こしそう

患者さん軽視。「患者が」と「さん・様」などの敬称を付けない。
雑用軽視。看護記録、清潔業務、その他雑用などを軽視する。医療行為にしか興味がない、または看護自体に興味がないなど。
学習意欲がない。
労働意欲がない。

どれか1つで判断するというよりも、積み重ねられて、一定値を超えた時に「この人は不採用かな…」となる。
面接中だけではなく、応募の際のやり取り、病院見学、エージェントからの評価なども参考にしている。

病院見学中も人柄を見ている。
応募者の情報が多いほど、ミスマッチを防げる。
病院見学は、応募者から見ても病院の内情イメージしやすくなるため、お互いにとってメリットがある。

またエージェントからの第三者目線での情報も有用。ハロワや直接応募との大きな違いはここ。特に大手の人材紹介は、事細かに教えてくれるため重宝する。応募者から見てもミスマッチが減り、短期退職も少なくなるため、有用。

6位:他者に決まった

今の看護業界は、求人を出してもなかなか人が集まらない。
その一方で、複数の応募が重なることもある。

人気病院

有名な病院は、応募も多い。
待遇が良かったり、教育体制が整っていたり、メディアによく出るような病院。

こういった病院は、看護師の確保にそれほど困ってもおらず、一定の期間しか求人を出さない。(2018年度の第2回中途採用は7月1日~7月14日まで、など)
それがさらなる応募重複となり、その結果として不採用の確率も高くなる。
コネやタイミング、面接対策などが重要。

特にコネは意外と強い。知人からの紹介は優先されることも多々ある。
優良エージェントからの推薦者もミスマッチが少なく、優先している。

求人が出ない病院

人が辞めない病院は、求人を出さない。
こういった病院は、出戻り再就職者も多く、ますます求人が出ない。

稀に空きが出て、求人を出すと応募が殺到する。
選考にコストがかかりすぎるため、ハロワやサイトに出さず、非公開で募集することも。スタッフからの推薦だったり、人材紹介など。

転職シーズン

春先、夏のボーナス前後、秋始め、年末年始の転職シーズンは、応募が増える。
求人量も増えるが、一部の優良病院に応募が集中しがち。

人材紹介は、早くから求人情報をキャッチしている。
そのため人材紹介に登録しておき、条件良い求人や、狙っている病院の求人が出てきたら、連絡がくるようにしている看護師も増えているそう。
正式に求人を出す前に採用が決まることも。

それを見越して人材紹介に登録する看護師が増えている。
ただし零細の人材紹介は、転職を急かす傾向がある。大手なら期間に余裕をもって転職活動ができるため、人材は大手に集中している。

まとめ

病院ごとに求人事情は異なる。
ただ、不採用の理由に関してはほぼ似ていた。

1位:経験が少ない
2位:ない(不採用にしたことがない)
3位:条件が合わない
4位:すぐ辞めそう
5位:人柄
6位:他者に決まった
7位:その他

パーフェクトな人間はいない。
誰でも1つや2つは、弱点を持っている。
ただし看護師であれば、人手不足ということもあり、採用される確率は高い。

それでも不採用になるのは、問題がありすぎたり、大きすぎたりする時。

自分ではわからない欠点もあるだろうし、特殊な勤務条件を希望することもあるだろう。
そういった時は、誰か第三者に相談するのが良い。

人事経験のある友人だったり、ハロワの職員だったり、人材紹介の担当者だったり。
こういった方々は、転職のプロである。

難しい条件であっても、対策は練ってくれる。
時にはコネも使ってくれる(コネは案外強い)

追記(後輩向け)

若いうちは、転職に失敗しやすい傾向がある。
病院に求める条件が多い時期でもあり、経験も浅いために、採用で不利になることもある。

若い時ほど、人材紹介に頼ってみるのが良い。
「経験少ないのに」「私なんかが」「迷惑じゃ」と、気後れする必要はまったくない。

実際、人材紹介を利用する看護師は、20代30代が一番多い。
人材紹介側としても、若い看護師を歓迎しているらしい(若さは武器)

ただし人材紹介は中小零細よりも、大手がいい(失敗したくないなら)

どんな病院があり、自分がどこで求められていて、どこが自分に合うのか?
これは色んな職場で働かないと分からない。

でも経験豊富な担当者なら、的確な助言をくれる。

まずは相談してたらいい。

看護師が上司と合わない時の対処法

先日、上司とのイザコザについて、面白い結末を迎えたので、書きたくなった。

以前、派遣で務めていた病棟でのこと。

その急性期病棟は、ちょっと横柄な師長が取り仕切っていた。
師長は昔ながらのタイプで、非論理的なことをよく言っていた。
理不尽な師長

「インシデントが多いのは、看護への情熱が足りないから!」

その当時はインシデントが大きな問題になっており、師長は事あるごとにムチャな精神論を振りかざす。

でも実情は違っていた。
仕事がとても忙しく、誰もが疲れ果てており、それがミスを誘発しているのは、誰が見ても明らかだった。

「昔はもっと大変だった」
「今は恵まれている」
「インシデントはやる気の問題」

朝礼では師長がよく怒鳴る。
こうなると自分に火の粉が飛ばないよう、全員が下を向き、終わるのをじっと耐え忍ばなければいけない。

ただその日はいつもと違った。

「師長!問題はやる気ではありません!ふつうに働ける職場を作ってください!」

とある5年目の看護師が発言した。

誰もが息をのんだ…。

次の瞬間。
激怒した師長がいた。

「問題を他人に転嫁するな!そういった甘えがダメだと言っているの!」

その場は主任の仲裁もあり、何とか収まった。

しかしその後、5年目の看護師は師長から冷遇されだした。
師長は明らかに彼女のことを嫌っていた。

「他人に頼りすぎ」

これが彼女への評価だった。
彼女は誰の目から見ても優秀な看護師だったが。

その後、彼女は病院を辞めた。

彼女の何が間違っていたのか?

正論を伝えるのは、相手の無知を知らしめることでもあり、怒りを買うことが多い。

「それは筋が通っていません」
「先ほどの話と矛盾しています」
「ルール違反です」

こういった正しさは、敵対行為だと誤解されやすい。
相手から敵対心は、人間関係を急激に悪化させる。

かの有名なソクラテス(古代ギリシアの哲学者)は、腐った政治を良くするという使命感を持って、政治家や権力者の無知を次々に指摘していった。
しかしその結果、数多くの敵を作り、無実の罪で裁判にかけられ死刑となった。

正論にはある種の攻撃性がある。

ソクラテスは、正論を振りかざしたがために不利益を被った。
人間とは「自分は間違っていない」と思いたい生き物なのである。

では間違った上司には、どのように対処したらいいのだろうか?

理不尽な上司への対処法

答えは色々あるが、その一つが「相手の自尊心を傷つけないこと」である。

例え上司が間違っていても、「師長の言うことは正しいと思います」と答えるのである。
その上で「さらに環境も問題なのでは?と思うのですが、どうでしょうか」と、上司に意見を求めるようにする。

嫌いな上司であっても、上司である。
目上の人として尊重する態度を示すのが礼儀といえる。

作家のDカーネギーは、人を動かすには原則があるとしている。

  • 誤りを指摘しない
  • 顔を潰さない
  • 盗人にも五分の理を認める
  • あら探しをしない
  • 人の立場に身を置く
  • 命令をしない
  • 褒める
  • 長所を認める
  • 重要感を持たせる
  • 期待をかける
  • 思いつかせる

つまり要約するとこうである。

  • 相手の過ちは、指摘してはいけない。
  • 逆に、相手の良さを見つけ、褒めて、自ら行動させよう。

これが人を動かす原則だ。

とはいえ、嫌いな上司に対しての敬意は、精神的な苦痛を伴う。
礼儀のない人間に対して、礼儀をもって接するのは、相当にきつい。

ではどうしたらいいのか?

嫌いな上司への合理的な対処法

運悪く横暴な上司に当たってしまったら、どうするか?

色んな手はあるが、一番確実なのは「逃げる」ことである。
他人を変えるのは、自分を変える以上に難しい。

それならば、自分に合った環境に移動したらいい。
これほど合理的なことはない。

例の彼女にバッタリ

ところで先日、新しい派遣先で例の5年目の彼女にバッタリ会った。

彼女は退職後、今の病院に転職し、主任として楽しくやっているそうだ。

「気に食わない師長をギャフンと言わせてスッキリした」
「あんな上司から逃げられて良かった」
「付き合うのは時間の無駄」
「理不尽な上司は全員くたばれ」

彼女の言うことはいつも正論だ。
敵を作りそうな性格ではあるが、後輩からとても慕われており、こういった看護師が上司になれば職場も良くなるのであろう。

見ているコチラも気持ちが良くなる、あっぱれな女性だ。

看護師のための退職ガイド。その流れと注意点まとめ

退職を考えている看護師の方へ
こんにちわ。メディカル調査員の川田です。

初めて退職する…
本当に辞められるかな…
準備しておくことは…

初めての退職は何かと不安になりますよね。
看護師は人手不足のため、「入職よりも退職の方が大変」と言われています。

でも事前に準備をしておけば、周りに迷惑をかけずにスムーズに退職できます。

退職の流れ全体像

退職の流れ全体図

1.就業規則の確認

退職はまず、就業規則の確認から始めましょう。
就業規則には「退職は〇〇日前までに伝えるように」と書かれているからです。

法律上は「退職日の14日前」となっていますが、さすがに14日前だとシフトも決まっていますし、迷惑がかかってしまいます。
スムーズに退職するためには、可能な限り就業規則に従うのが鉄則です。

引き止めが予想される環境

看護師不足

人手不足の職場は、一人辞めると影響が大きいため、引き止められやすいです。
ほとんどの病院に言えることですが、深刻な病院はなかなか辞めさせて貰えないことも。
退職の意志は、日程に余裕をもって伝えましょう。

同時期に辞める人がいる

さすがに2人一気に辞めるとシフトが大変なことになります。
転職時期である4月、9月、12月を予定している方は、早め早めに手を打ちましょう。

パートさんが多い

パートさんが多い職場は、看護師の配置基準がギリギリなケースが結構あります。
そこでの常勤の退職は、かなり強い引き留めも予想されます。
人数以下となれば、報酬の大幅な減額や業務停止もあり得るため、経営に大きな影響が出てしまうからです。
このような職場では、代わりの看護師が見つかるまで勤務することも想定しておきましょう。

役職者

主任や師長などの役職者は、引継ぎが大変なため、簡単には辞められません。
また役職が無くても、プリセプターやチームリーダーなど、経験豊富な看護師ほど、辞めた痛手は大きいため、引き止めも強くなります。
やはり看護師3年目くらいが一番辞めやすい時期です。

公立病院

国立、県立、市立、大学病院などは、年度末の退職が慣例となっています。
それ以外の時期は、かなり強い引き止めが予想されます。
もちろん法的には絶対ではないため、それ以外の時期も退職できますが、反発は大きいため、なるべく慣例に従うか、しっかりとした話し合いが必要となるでしょう。

2.退職を伝える

退職の意志は、直属の上司に伝えましょう。
多くの場合は、主任や師長です。

まずは口頭で伝えるのがマナーです。
イキナリ退職願を持っていくのは、さすがに反発を買ってしまいますので。
「ちょっとご相談があります」「退職を考えているのですが」と伝えましょう。

ただし「まだ悩んでいて…」と残留しそうな雰囲気があると、引き止めも強くなりがちです。
そのため「辞める意思は固く、その辞め方を相談したい」というスタンスで行きましょう。

退職を伝えるコツ

退職で問題になりやすいのは、退職を伝える時です。
引き止められたり、誤解を受けたり、トラブルになったりなど、問題は起こりやすいです。

退職を上手に伝えるコツは6つあります。
  • なるべく早めに伝える
  • 正直に理由を伝える
  • 意志の固さを伝える
  • 直属の上司に伝える
  • 繁忙期を避ける
  • 批判をしない

退職したいとはいえ自分を育ててくれお世話になった職場です。
誠意をもって、正直に、自分の決断を信じて伝えれば大丈夫です。

トラブルになるのは嘘を付いたり、無理を言ったり、誰かの悪口を言った場合です。
上司や職場にも失礼となりますし、自分自身の罪悪感として残り、苦しい思いをすることになります。

正直に誠意をもって。
人との交渉は、これが一番のコツです。

退職理由のコツ

退職理由でウソを付くのはNGです。
「結婚する予定でして(嘘だけど…)」「実家にUターンします(しないけど…)」「病気で(健康だけど…)」などなど。
マナーとしてNGですし、作った嘘は見抜かれますし、自分自身も汚れてしまいます。

でも正直に伝えたら辞めさせてもらえなさそう…

確かに正直に伝えると「改善するから」「異動したら」「良くなるよう頼んでみるから」と、引き止めに合います。

自分が一番強く思っているポジティブな理由を伝えましょう。
ポジティブな理由は、引き止めづらい効果があります。

ポジティブな理由例
  • スキルアップ
  • 家族
  • 健康
  • お金
  • 時間
  • 趣味

家族が転職理由の方は、それを正直に伝えましょう。
結婚、出産、子育て、親の介護、Uターンなどなど。

健康が理由の方も、それを正直に伝えましょう。

転職にスキルアップの気持ちがある方は、これを伝えるのがベストです。
特に若い看護師の方は、少しでも多くの職場を見た方が、経験値は上がりやすいですからね。

お金も大事です。
留学のため、進学のため、結婚のため、新居のため、借金のため、将来のため。
「お金は汚い」というイメージを持ちがちですが、ポジティブな理由も沢山あるのです。

時間や趣味も幸せな人生で大切なことです。
「そんなことで!」と怒る人もいますが(特に年配の方)、「私はこれがやりたいんです」と正直に伝えましょう。
仕事重視なのか、幸せ重視なのか。価値観は人それぞれですから。

3.退職日の決定

直属の上司に相談し、ある程度話が付けば、次は看護部長や事務局長に話が進みます。
ここでOKを貰えれば、具体的な退職日の決定になるでしょう。

次の転職先との調整もあるため、交渉が必要になるかもしれません。
就業規則を守りつつも、こちらの要望も伝えていきましょう。

4.退職願の提出

退職日が決まったら、退職願を提出します。
退職願の書き方は、一般的なベースがあるため、そのままコピペで大丈夫です。

退職願は、最初に相談した直属の上司に、直接手渡しするのがマナーです。

周りが冷たくなった

退職が決まると、イジメや冷たくされるなどの嫌がらせを受けることもあります。
病院は人手不足ですし、シフトのしわ寄せは同僚スタッフに行きますので無理もありません。

ただこれは、自分自身の行動の結果でもあります。
誠意をもって退職を伝え、真面目に働いていれば、嫌がらせを受けることも少ないはずです。

もちろんそれでも攻撃をされることもあるでしょう。
ただそれは自分の問題ではなく、相手の問題です。

看護師なら一度は転職を経験するものです。
「最後は綺麗に見送ってあげたい」「明日は我が身」「お疲れさまでした。次も頑張って!」

退職者を前にしてどう思うかは人それぞれです。
自分ならこうしてあげたい、と思っておくのが大切です。

5.引継ぎ

退職日の調整と並行して、引継ぎも考えていきましょう。

まずは業務の洗い出しです。
担当患者さん、任されている業務、委員会などをチェックします。

これらは書類にまとめておくとスムーズです。
引継ぎは、その場で口頭での説明となりますが、書類を見ながらなら理解も早いですし、伝え漏れも防げますし、後任者が後から確認することもできます。
辞めた後に「あの業務のことだけど…」と電話がかかってくることも減らせます。

6.荷物の整理

退職に向けて荷物を整理していきましょう。

私物は少しずつ持ち帰ります。
バタバタと片付けるのはNGです。他のスタッフへの心証もあるため、ひっそりと行いましょう。
退職当日に持ち帰るものが少なくなるよう、あくまでもスマートに。

7.退職当日

返却物、受取物

返却物と、受取物をチェックしましょう。

返却物
  • 健康保険証
  • 社員証
  • 名札
  • 定期券
  • ロッカールームの鍵
  • 制服
  • 資料
  • その他、病院の経費で購入した物
受取物
  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • 離職票
  • 源泉徴収票(年末に郵送というケースが多い)

お礼の品

最終日は、お世話になった方々への挨拶回りをしておきましょう。
所属の部署には、菓子折りがあると良い印象となります。
1つ1つ配れるようなチョコやクッキーの詰め合わせが喜ばれます。
予算は2000円前後。
夜勤中に食べられるような、日持ちする物が良いでしょう。

挨拶

朝礼などで挨拶もあるでしょう。
でも特別なことを言う必要はありません。
学んだこと、楽しかったこと、辛かったこと、上司や同僚たちから助けられた感謝を素直に伝えましょう。

帰宅前には、お世話になった方々へ個別の挨拶もしましょう。
真っすぐに目を見て「ありがとうございました!」と伝えるだけで、相手の方も気持ちが良いものです。
終わりよければ全てよしです!

最後の帰り道

最後の勤務、お疲れさまでした。

最後の帰り道は、いつもの風景が違って見えるかもしれません。
次の職場への不安と期待が入り混じりつつも、新しい人生への清々しい帰り道です。

Q&A

退職確定と内定はどちらが先か?

これは難しい問題ですよね。
先に内定が出ても困りますし、退職確定しないと次に進めないのは時間の無駄にもなります。

ベストなのは、まず転職活動を先行させるパターンです。

色んな求人を見て、次の職場を絞り込み、面接の約束まで取り付けてく。
このタイミングで退職の意志を伝えましょう。

OKが出れば、面接中に入職日を決められますし、引き止めに合えば、その旨を面接で伝えられます。

一番困るのは、面接だけどその後の進退が不透明というパターンです。
予測しづらいため、入職日の調整もできず、後々大変な思いをします。

まずは転職活動をし、ある程度めどが立てば退職を伝え、面接に挑む。
これが一番スムーズな退職と言えるでしょう。

まとめ

スムーズな退職には、事前準備が大切です。
一般的な流れを知り、その流れに乗れるよう準備しておきましょう。

看護師の内定から入職まで。その流れと注意点まとめ

転職を予定している看護師の方へ
こんにちわ。メディカル調査員の川田です。

内定はいつ出る?
手続きはどうしたら?
入職までの流れは?

面接後は、先が見えないこともあり不安なことも多いですよね。

内定~入職までの流れ

  • 内定通知が来る:翌日~2週間
  • 条件確認
  • 返事:内定後1週間以内
  • 手続き
  • 入職:要調整

入職までの流れはシンプルです。
結果が出て、条件を確認し、返事をして、契約書類を書いて、晴れて入職です。
基本的には内定先が指示をしてくれるため、その流れに乗りましょう。

ただし、連絡や書類の提出など、やるべきことは沢山あります。
そこで流れの詳細と注意点を、事前におさらいしておきましょう。

1.内定通知

面接結果は早ければ翌日、遅くても2週間後には出ます。
まずは電話かメールで結果が伝えられます。
その後に正式な内定通知が郵送で送られてきます。

郵送されてくる書類一覧

  • お知らせ
  • 健康診断の案内
  • 内定承諾書
  • 内定通知書

お知らせは、今後のスケジュールや郵送物の説明などが書かれています。

健康診断の案内は、「入職前に健康状態を調べておいて」という案内です。
5千円~1万円ほどの一般健診でOKです。
最近では「雇入時健康診断(やといいれじ けんこうしんだん)」という就職用の健診も増えてきました。
料金は一般も雇入時健診もほぼ同じくらいです。
参考:最寄りの雇入時健康診

費用は基本的に自腹を覚悟しておきましょう。
入職先で診てくれたり、費用を出してくれる病院もありますが、期待しない方が無難です。

内定承諾書は「内定をお受けします」という契約書類です。詳細は後記しています。

最後の「内定通知書」ですが、郵送物の中で一番重要です。
というのも、ここに勤務条件が書かれているからです。

2.勤務条件の確認

内定が出たら、勤務条件を確認しておきましょう。
「聞いてた話と違う…」というのはよくある話です。

まずは郵送されてくる「内定通知書」をチェックします。

確認したい勤務条件
  • 勤務形態(常勤、契約、パートなど)
  • 配属先
  • 入職予定日
  • 基本給
  • 手当
  • ボーナス額
  • 社会保険の加入有無
  • 休日数
  • 勤務時間
  • 夜勤

まずは希望した診療科に配属されるかをチェックしましょう。
入職日は、面接中にある程度調整しているとは思いますが、再度確認しましょう。
基本給、手当、ボーナス額は、一番思い違いの多いポイントです。聞きづらい所ですが、チェック必須です。
社会保険は4点入れるかを確認しましょう。健康保険、雇用保険、労災保険、厚生年金。
休日数は一般的に年間120日以上と言われています。それより少なければ要注意です。
参考:騙されない看護師求人の選び方より

その他、夜勤の有無、入寮できるかどうかなどは、内定通知に書かれていないため、口頭での確認が必要です。

もし聞いてた話と違ったら

勤務条件が予測とズレていたら、3つの手段があります。

  • 病院側に確認する
  • 妥協する
  • 辞退する

まずは病院側に確認をしましょう。
「面接では△△と伺いましたが、頂いた内定通知には〇〇と書かれていました。恐れ入りますがどちらが正しいのでしょうか?」
聞きづらい質問かもしれませんが、後悔しないためにも勇気を出しておきたいポイントです。

また軽微なズレなら「まあしょうがないか」と妥協するのも一つの手です。
面接で話した内容は正式決定ではないため、多少の誤差はどうしても出るからです。

どうしても妥協できないズレは、内定辞退することになるでしょう。
人それぞれ妥協できない部分はあります。
そこを無理に妥協するのは、転職失敗のあるある話ですので要注意です。
いくら悩んでも解決できない問題のため、ご縁が無かったと割り切り、次の病院を探すのが合理的で気分的にもスッキリできます。

3.内定の返事

内定通知を受けたら「入職」か「内定辞退」を自分で決断します。
電話口で即答してもよいですし、一旦保留で後日連絡してもよいです。

返事は、1週間以内にするのがマナーです。
病院側は返事が来るまで、他の面接ができず困ってしまいますので。

返事の仕方

「この病院に決めた!」と内定を承諾する場合、以下の手順になります。

  • まず面接官の方に電話
  • その後に内定承諾書にサイン

電話での伝え方は、以下を参考にしてください。

入職したい場合

お世話になっております。先日内定のご連絡を頂きました看護花子と申します。
このたびは本当にありがとうございました。
内定を承諾させていただく、連絡させていただきました。
皆様のお役に立てるよう精一杯努力させていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

内定を辞退する場合

お世話になっております。先日内定のご連絡を頂きました看護花子と申します。
このたびは本当にありがとうございました。
自分なりに数日間考えた結果、大変恐縮ですが今回は内定を辞退させて頂きたいと思っております。
ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。

このようにまずは電話で「お願いします」「辞退します」と伝えましょう。

入職を決めた方は、次に内定承諾書へのサインをします。
(辞退する方はここまでOKです)

4.手続き

入職の意志を伝えた後は、「内定承諾書」にサインして病院に返送します。

※病院によっては、雇用契約書、入社誓約書、雇用条件契約書など、書類の名前は様々です。
※書類がなく、口頭での承諾のみという病院もあります。

・記載個所は3か所です。

  • 日付(書いた日)
  • 住所
  • 氏名

ボールペンで記載しましょう。
捺印を忘れずに。

これで正式に入職が確定するという訳です。
期日までに連絡をしないと、内定辞退とみなされるので注意してください。

注意点

内定承諾書を返送するまでは、内定を辞退できます。
つまり電話で「お願いします」と伝えてあっても、法律上は書類にサインしなければ、まだ入職がまだ確定してないということです。
ただし、病院側は採用を終えているでしょうし、さすがに迷惑がかかるため、ここに来ての辞退はなるべくなら避けたいところです。

「どうしても事情があって…」という場合は、正直にその理由を伝えましょう。
病院側としても無理に入職させることはできませんので。

5.入職

入職日には、中途者向けのオリエンテーションが行われるでしょう。

  • 院内案内
  • 職場挨拶
  • 備品支給(制服、社員証など)

オリエンテーションは、基本的には入職初日に行われます。
入職前に事前に行われるケースもあります。

入職日の調整

入職時期は、面接中にある程度調整しておきましょう。
その後、内定の電話時に再調整し、確定するのが一般的です。

Q&A集

内定通知は辞退できる?

はい。断れます。
内定=入職ではありません。

「せっかくですが辞退させてください」とお断りの電話かメールをしましょう。
紹介会社を使っている方は、担当者に辞退する旨を伝えるだけでOKです。

連絡なしで内定が流れるのを待つ人もいますが、相手に大変失礼なので辞めましょう。

入職の決断はいつまで?

内定通知後、1週間以内が一般的です。
「〇月〇日まで」「〇週間以内」と期限が決められることが多いかと思います。
期限切れになると内定が流れてしまうため、注意しましょう。

内定の返事を先延ばししたい…

複数の面接を受けている方は、内定の時期調整が大変ですよね。
「本命病院の面接や内定が遅い」というのは転職あるあるです。

ただ返事の先延ばしは難しいです。
中途採用は、人手が足りないから募集しているのであり、多くの病院が急ぎで探しているからです。
まずは病院側に要相談ですが、「待つけど、もし他の人に決まったらごめんね」と言われれば良い方で、「今回はご縁が無かったということで…」となるケースも。

内定の時期調整は意外と難しいものです。

どうしても返事を先延ばししたい

どうしもて1週間以内の判断が難しいときは、その旨を病院側に伝えましょう。
ただし、どう伸ばしてもプラス1週間が限度だと思われます。それ以上は大きな迷惑になるため、いったん白紙にしてもらうか、辞退することになるでしょう。

返事を待ってもらいたい場合の伝え方

お世話になっております。先日内定のご連絡を頂きました看護花子と申します。
このたびは本当にありがとうございました。
大変申し訳ないのですが、内定承諾の返事を〇日まで待っていただくことは可能でしょうか?
ご迷惑をおかけいたしますが、ご検討頂ければ幸いです。

一方的な「待ってください」はNGです。
待つかどうかの選択権は、病院側にあります。
そのため「待っていただけないでしょうか?」というお願いになります。

返事を待ってもらう理由は、正直に伝えましょう。
おそらく多くの場合は「他病院の面接や内定のタイミング」だと思いますが、面接官の方も分かっていますので。

「家族に相談したいから…」「もう少し考えたいから…」と嘘を付いても「1週間もあったのに何やってたのか…」「他病院待ちなのかな…」、と思われるため避けた方がいいでしょう。

海外旅行に行くけど連絡は大丈夫?

仕事を辞めて、転職活動して、その合間に海外旅行、という方もチラホラいます。
そんな時に注意したいのが、旅行中の内定通知です。

電話に出られる国内旅行なら問題ありませんが、海外旅行は注意が必要です。
「何度電話しても繋がらない…」では印象最悪ですからね。
面接中に「〇日から1週間不在にします」と伝えておきましょう。

内定が出たけど給料が不明…

給料や手当額などの勤務条件は、内定通知で知らされるのが一般的です。
(給料額、入職日、配属先、休日数、社会保険などが書かれている)
(郵送されてきた内定通知書、内定メールなどに書かれている)

ただし病院によっては「当院の規定に準ずる」などハッキリ書かれていないこともあります。

これは危険です。
入職後に「聞いていた給料額と違う」「夜勤手当が低すぎる」といったトラブルはよく聞きます。

具体的な条件が分からない場合、病院側に電話をして必ず確認しましょう。
聞き方は「給料額や休日数が分かる内定通知書を頂けますでしょうか?」「勤務条件をメールか書面で頂いてよろしいでしょうか?」などです。

お金のことは聞きづらいですが大切なことです。
人材紹介を使っている方は、担当者経由で確認してもらえばOKです。

内定通知が来ない…

内定通知は、面接の翌日~2週間に来ます。
なかなか連絡がこないと、こちらとしても転職活動がしづらくて大変ですよね。

2週間待っても来ないのは問題ありです。
まずは病院側に確認しましょう。
面接官の方に電話をして「以前面接をして頂いた〇〇と申しますが、その後結果はいかがでしょうか?」と聞きましょう。

内定通知が遅れるのは意外と「忘れていた」というケースが多いです。
ただしこれは面接官の方の問題であって、病院の問題とまでは言えないため、感情的になったり、クレームを言ったり、これが原因で内定を辞退したりは避けましょう。
「内定通知が遅れた」という事実はありましたが、「この病院で働きたいかどうか」が大切です。

内定の電話で返事を迫られたら…

面接の結果は、まず電話で伝えられます(最近はメールも多いですが)
その時に「どうしますか?」と内定を受けるかどうかの決断を迫られることがあります。

ただ即決する必要はありません。
勤務条件をしっかり確認するためにも「後日お返事いたします」と伝えるのが一般的です。
「ありがとうございます。一度検討させてください」「少しお時間ください」「家族と相談して~」と伝えましょう。

もちろん「絶対この病院が良い!」という方は、電話の段階で「よろしくお願いします!」と内定を承諾するのもありです。

まとめ

内定後は余裕をもって手続きをしていきましょう。

それじゃ!