耳鼻科に転職したい看護師に伝えたい病棟との違い。楽なだけじゃありません!

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耳鼻科への転職を考えているみなさんこんにちは!

「耳鼻科って楽そうでいいよね!」

よく学生時代の同期から言われるんですけど、ぶっちゃけ楽です!(笑)

ただ勘違いしないで欲しいのは、両手放しで楽かといえばそうでもないんです。
私は病棟勤務が性格的にも体質的にも合わなくて、それこそ逃げるように今の職場に転職しましたが、今はそれなりにやりがい感じながら働くことが出来ています。
そんなわけで、昔の私のように病棟勤務がキツいと感じている人で、もし耳鼻科との相性が良ければ、きっと楽に働けると思いますので、私の経験をもとに耳鼻科について紹介してみたいと思います。

病棟と違って楽

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病棟には新卒から2年勤めました。
「3年は辞めない方がいい」といろんな人が励ましてくれましたが、人間関係の酷さと肉体的・精神的なつらさでお先真っ暗だった私に、残り1年を我慢する気力はありませんでした。
そこから選んだ耳鼻科だったんですが、病棟勤務でつらかった部分がほとんどないんです!
まずは、耳鼻科が病棟勤務より楽な部分について紹介しますね。

力仕事がないので楽

耳鼻科の患者さんは、身体介助を必要としない方がほとんどなので、基本力仕事がありません。
理由としては、来院される患者さんの疾患箇所が喉から上で、足腰の悪い方はほとんどいないからです。

病棟勤務では、寝たきりや足腰を悪くされている方も多く、体位変換やトイレ介助等は日常業務としてありましたが、耳鼻科にはそれがありません。
力仕事がない点は、病棟と違って身体的に楽だと言えます。

ただ、一つだけ腕力が必要な場面があります。
治療を嫌がる子どもの対応をするときです。
私は子ども好きで扱いも上手い方だとは思うのですが、子どもは加減を知らないので、全力で抵抗されるとけっこう大変だったりします。
治療はその子のためですし、安全のためとはいえ、嫌がっている子を押さえつけなきゃいけない場面は体力よりも気持ちがつらいです。
でも、やっぱり病棟勤務の力仕事と比べたら全然楽なので、我慢してやってますね。

あと、いずれは病棟に戻ろうと考えている方で、看護スキルのアップをしたくて耳鼻科を検討している方には、あまりオススメは出来ないかもしれません。
私のように病棟勤務に戻る気がない看護師であれば問題ないのですが、耳鼻科には日常介助がありませんので、基本の看護スキルは日に日に低下していきます
これは私の主観ですが、専門性が高いので、突き詰めていく面白みはあると思いますし、耳鼻科内でのスキルアップや転職であれば、やればやった分だけ身になるとは思っています。

夜勤がないから楽

耳鼻科はクリニックか外来勤務がほとんどですので、基本日勤です。
私が勤めているクリニックも入院施設がないので夜勤がありません。
ですので、夜勤が日常的にある病棟勤務よりも、肉体的な負担はずっと軽いです。

また、大半のクリニックでは診察時間・曜日が決まっているので、生活にリズムが出来ます。
病棟勤務のころの休日は、ひたすら家に篭っていることが多かったですが、今の職場になってからは、生活にリズムが出来て余裕が生まれたおかげで、ショッピングしたり、カフェでのんびりしたり、友達とご飯食べに行ったりと、それなりに楽しい休日を過ごすことが出来るようになりました。

ただ、夜勤がなく診察時間が決まっているため、診察時間内にきっちり対応しなければなりません。
そのため、業務時間内はなかなかのハードワークです。
ですが、私にとっては仕事とプライベートの区別がはっきりとつけられるのでむしろメリットだと感じています。

それに加えて、夜勤がないため、病棟勤務に比べて給与は減ります。
だいたい月5-6万円くらい少なくなりましたが、その分精神的・肉体的に楽であることが、私にとっては何より大切なので大した問題ではなかったです。

重症患者がいないから楽

耳鼻科を受診される患者さんに、重症な方はあまりいません。
また、病棟勤務のように患者さんの状態が急に悪化するといったこともありません。
重症患者や急変がないという点で耳鼻科は、精神的な重圧が少なくて病棟勤務よりも楽です。

重症な患者さんがいない反面、症状の軽い患者さんが多く来院されます。
そのため、待ち時間のクレームやトラブルがそれなりに多いです。
そういった状況からか、診察もスピード・効率重視だったりしますので、モタモタしていると患者さんよりも先生や同僚からイライラされます。
ただ、スピードや効率重視の動きや考え方の人が多いので、ドロドロした陰湿な人間関係はありません。

耳鼻科の看護師が行う処置や診察介助は、専門的で特殊なものが多いですが、ほとんどが同じことの繰り返しですので、慣れれば楽です。
それなりに検査の種類は多いですし、それぞれの器械の扱いも覚えなければいけませんので大変だったりしますが、突発事態に対応しなければならないという病棟勤務特有の落ち着かない感じがないことが、何よりの利点だと思います。

病棟と違って大変

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こんな感じで、耳鼻科クリニックは病棟と違って楽な部分が多いです。
ですがその反面、病棟よりも大変な部分もそれなりにあります。
その大変さのせいで続けられない人もいますので、その点についても紹介してみたいと思います。

常に忙しいから大変

私が勤務しているクリニックは日常的に忙しくて大変です。
何と言っても、耳鼻科は診療内容が幅広く、来院される患者さんの数が多い事が忙しさの主な原因です。

耳鼻科では、眼を除く喉から上の疾患をすべて診ますので、多種多様な疾患に出会います。
そういった多種多様な疾患の、診察補助や検査補助・処置介助やオペ介助が看護師の仕事になりますので、覚えることはそれなりに多いです。
ただ、それぞれの作業は単純なものが多く、難しくはないので、正しい手順で確実にこなすことを意識すれば大丈夫だと思います。
だいたい一ヶ月程度で一通りの仕事は覚えられます。
同じことの繰り返しで、突発的な事もほとんどありませんので、慣れればとても楽です。

ですが、とにかく多くの患者さんを診なければならないので、スピードと効率が重視されます。
そういった環境もあってか、耳鼻科の先生はせっかちで短気な方が多いみたいで、そこで働く従業員にもテキパキした動きを求められます。
「のんびり」とか「マイペース」とか言ってるとついていけません。
ある程度の慎重さは必要ですが、場違いなくらい職場のスピードについていけないと、先生や同僚にイライラされますので、バランス感覚は必要です。
私は疾患の勉強とか診察の準備には抵抗がないので、最初の一ヶ月は帰宅後にとにかく処置・介助のイメトレをして、勝手に身体が動くくらいまで練習しました。

業務量と覚える仕事の量は多いですが、とにかく慣れてしまえば楽です。
最初の1-2ヶ月が勝負かなと思います。

花粉症やインフルエンザ等のシーズンは輪をかけて忙しいです。
病棟勤務のころとは比べ物にならないくらい忙しいので、 楽だと聞いてたのにこんなはずじゃなかったと辞めていく同僚もいました。
私は精神的にも肉体的にも楽ですので、どれだけ忙しくても耳鼻科がいいなと思います。

子どもの対応が多いから大変

耳鼻科は子どもの受診が多いのが特徴です。
聞き分けが良い子ばかりではないので、うまく診察が進むように誘導するのはなかなか大変だったりします。
くわえて、力仕事のところでも書きましたが、最終的に無理やり押さえつけることもたまにありますので、気持ち的につらいです。
また、子どもにも分かるように検査の内容や手順などを説明するなど、不安がらずに診察を受けられるようなコミュニケーションがとれることも重要だと思います。
子どもの扱いが苦手だったり、子どもが嫌いな方や、子どもが好き過ぎて押さえつけたり出来ないという方には、厳しい職場かもしれませんね。

あと、耳鼻科の従業員は風邪をひきやすいと言われています。
実際、私も耳鼻科に転職してからは、季節の変わり目毎にひどい風邪をひいたりします。
感染症対策はしっかりとしていますが、子どもが持ち込むウィルスは非常に強力です。
体調管理を少しでもサボると、隙間をついてくる感じで羅患し一気に具合が悪くなります。
免疫力を高めるように常日頃から気をつけることと、食事と睡眠には人一倍気を遣うようにというのが、耳鼻科勤務者の共通観念です。

また状況的にはあべこべですが、子どもはおとなしくても、保護者が無理を言ったり無茶苦茶だったりする場合もあります。

専門性が高いから大変

専門性が高いので、たくさんの検査とそれに伴う特殊な器械の扱い方、疾患の知識等、覚える事がとにかく多くて大変です。
ティンパノメトリー(鼓膜聴力検査)、SISIテスト、平衡感覚の検査、味覚検査などは耳鼻科特有の検査で、検査の種類によっては看護師が実際に検査を担当することもあります。
また、患者さんへの検査内容の説明も大切な仕事の一つです。
幅広い治療に対応しなければならないので、幅広い看護スキルが必要になります。

くわえて、スピードと効率を常に要求されますので、慣れるまではキツいかもしれません。
私が勤め始めてからの2年の間に、看護師が4人辞めていますので、楽な先入観でいると痛い目を見ます。
テキパキとした動きが苦手だったり、器械の扱いに抵抗がある方、または知識の修得に苦手意識があったりする方には合わないかもしれませんね。

あと、耳鼻科の専門性の高さは、汎用性に欠けます。
耳鼻科で修得出来るスキルは特殊なので、一般的な病棟看護には活かすことが難しいです。
耳鼻科を極めていくスキルアップの仕方はありますが、採血や点滴・注射といった基本の看護処置でさえ、病棟勤務と比べると頻度は少ないので、基本の看護スキルは低下する一方です。
病棟勤務で修得したスキルも、使わないのでどんどん錆びていきます。
病棟への復帰やキャリアアップを考えている方には、耳鼻科は向いていないと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
耳鼻科って楽そうに見えますが、意外と大変なんですよ?(笑)

耳鼻科クリニックの業務は、病棟勤務で大変な部分が楽だったりなかったりします。
逆に、病棟勤務よりも大変な部分もあったりします。

耳鼻科で働くメリット・デメリットを考えると、耳鼻科に向いているのは、

  • 病棟勤務の精神的・肉体的大変さが肌に合わない
  • 子どもが好き
  • 機械の取り扱いに苦手意識がない
  • 知識の修得や勉強会に抵抗がない
  • テキパキとしたスピーディな対応が出来る
  • コミュニケーションが好き
  • 単純単調な繰り返し作業が苦でない

といったタイプの人です。
逆に、

  • いつか病棟勤務に戻ろうと考えている
  • 子どもが苦手
  • 看護師としてのスキルアップしたい
  • 機械に抵抗がある
  • 勉強嫌い
  • おっとりした性格
  • コミュニケーションが苦手
  • 単純単調な繰り返しが嫌

という傾向のある人には向いていない可能性があります。
耳鼻科での仕事に興味があって、向いていそうだなと感じた方は、是非チャレンジしてみてください!

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